テラレイドの罠

Last-modified: 2024-05-04 (土) 22:44:44

テラレイドの罠

このページでは、テラレイドに慣れていない人が知らずのうちにはまっている落とし穴(罠)についてまとめる。
「ポケモンをしっかり育てたはずなのに中々勝てない」という人は、一度このページを確認してみることをお勧めする。

 
 

タイプ相性の罠

テラレイドの相手ポケモンは、テラスタル前のタイプと同じタイプの技を必ず1つ以上覚えている。しかも元タイプのタイプ一致補正は残ったままなので、たとえテラスタイプの弱点を突けたとしても、そのポケモンの元タイプから弱点を突かれてしまうのであれば、出場させても苦戦を強いられる。
たとえば、ノーマルテラスタルのエーフィが相手として登場したとする。
ノーマルタイプに有利なのはかくとうタイプだが、エーフィの元タイプはご存知エスパーである。エスパータイプの前にかくとうタイプなど出したら、ボコボコにされてしまうだろう。
テラスタイプのアイコンだけで判断せず、シルエットになっているポケモンの元のタイプとの相性も考えることが重要だ。

 

野生テラスタルポケモンの罠

テラスタルシールドの仕様の通り、タイプ一致よりテラスタル一致の技を使った方がシールドに対して大きなダメージを出す事ができる。
逆に言えば、タイプ一致であってもテラスタル不一致になってしまうとシールドに対してろくにダメージを与えられない。
対人戦では有効な「自身のタイプとは異なるテラスタルのポケモン(いわゆる不一致テラスタル)」は、テラレイドにおいてはほぼ役に立たないのだ。

 

これで問題になってくるのは、野生でテラスタルしているポケモン(みずテラスタイプのハラバリーガブリアスなど)や、テラレイドの巣穴でゲットしてきたポケモン(最強レイドのポケモンなど)をそのままテラレイド用に育成するのは果たして正しいのか?ということ。
確かにレベルや個体値が保証されているので、一見すると合理的に見えるが、先述した通りその殆どはテラスタイプが元タイプと一致していない。これではシールドを割るのに時間がかかりすぎてレイドに負けかねない。
そしてテラスタイプ不一致を解消するためにテラピースを泣く泣くはたく羽目になる。これはとても合理的とは言えない。

 

テラレイド用ポケモンの育成は「急がば回れ」のことわざの通り、何かしらの抜け道を通ろうとすると結果的に遠回りになる。気をつけよう。
というか、通常特性でいい場合、レベルさえ気にしなければその辺にいる野生のポケモンを育てればいいのだ。その方が最終的なコストが抑えられる。

 

ステラタイプの罠

「汎用アタッカーのポケモンのテラスタイプをステラにすれば、どんな技でもバリアに大ダメージが出せるからいちいちテラスタイプを気にする必要がなく、最強のアタッカーになれる」

と思っているトレーナーを時々見かけるが、これは誤りである。

 

まずこちらのページを見て欲しい。
ここに次のように書いてある。

テラスタイプ:ステラに関しては全ての技が『テラスタルしている&不一致』の扱いになる。

「テラバースト」「テラクラスター」のみ例外で『テラスタルしている&一致』の倍率で攻撃する。

ということは、たとえばステラタイプにテラスタルしたテツノカイナが「ドレインパンチ」を使ったとしても、かくとうテラスタルで使った「ドレインパンチ」よりもバリアに与えるダメージは少なくなってしまうのだ。
「でも技自体に威力の補正がかかるからチャラになるでしょ?」と思うかもしれないが、残念ながらこの補正倍率は、元タイプのどちらかと一致したテラスタイプになった場合の倍率(2.0倍)と同じなので、結局ダメージは少ないままなのだ。

 

ゆえに、ステラタイプにテラスタルして意味のあるポケモンは、「テラバースト」や「テラクラスター」を使用する一部のポケモンに限られ、少なくとも汎用アタッカーには不要である
貴重なテラピースを無駄にした挙句勝てるはずのレイドに勝てなくなった、なんてことのないように。

 

反動技の罠

テラレイドにおいて「フレアドライブ」などの反動技は厳禁である。

 

テラレイドでは、与えたダメージに応じて計算される要素はそのまま反映される。そのため、与えたダメージの反動を自分も受ける技を使うと、ほぼ間違いなくこちらが即死することになる。
「そんな馬鹿な」と思うかも知れない。だが、テラレイドの相手のHPは★6レイドで約5000である。こちらのHPは多くて400とちょっとしかない。
ここでたとえば、HP5000の相手にHP400のポケモンが「フレアドライブ」を使って相手のHPを1/4減らしたらどうなるか。

  1. 5000/4=800(与えたダメージ)
  2. 800/2=400(受ける反動)
  3. 400-400=0(残るHP)

即死である。
実際は相手や状況によって変動するが、反動を耐えたとしても相手からの攻撃がやってくるので、どのみち助からないことがほとんどだ。
「『かいがらのすず』を持てば助かるのでは?」と思うかも知れない。だが残念ながら、反動ダメージの方が先に入る。結局助からない。
そしてひんしになった場合、ペナルティとして1分の時間削減が入ってしまう。クリアが厳しくなることは言うまでもない。

このように、反動技は、時間制限のあるテラレイドではメリットがないどころかレイドを失敗に導く『使ってはいけない技』である。これを見た人は今すぐ忘れさせてこよう。
同様、反動で能力が下がる技についても、下がった能力のリセット手段に乏しいだけでなく、これが原因で倒された場合同様にペナルティが加わるため、厳禁である。

 

バフデバフの罠 ~賽の河原に注意~

賽の河原(さい-の-かわら)とは、

1 死んだ子供が行く所といわれる冥途(めいど)の三途(さんず)の川の河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。

2 むだな努力のたとえ。

コトバンクより)

テラレイドでいう「賽の河原」とは、「せっかく能力バフをたくさん使ったのに強化解除を食らって全部0に戻ってしまう現象」をさす。

 

テラレイドでバフ技は使えば使うほどよい、と思っている人も多いが、実は使えば使うほど、勝ちから遠ざかるどころか負けに近づく可能性すらあることはほとんど知られていない。
なぜ「負けに近づく可能性すらある」と言えるか。

 

テラレイド攻略で最も重要な立ち回りの1つは「テラスタルすること」である。これには攻撃を最低でも3回当ててチャージを溜める必要がある。テラスタルできなければシールドを割るのに大幅に時間がかかり、時間切れになって負けてしまう。
だが、「つるぎのまい」等の変化技を使うと、確かに火力は上がるがテラスタルのチャージは溜められない。どこかで攻撃に転じなければ、テラスタルすることはできない。
バフを重ねることに夢中で攻撃せずにいるとテラスタルが遅くなってしまい、バフ込みの火力でダメージを与えすぎたり、単純に時間を使い過ぎたりして相手にシールドを展開される
せっかく火力を上げに上げても、シールドの上からではろくにダメージを与えれらず、「かいがらのすず」やHP吸収技を持っていたとしても、回復が間に合わず倒されかねない。そうこうしているうちに強化解除を受ければ全てパーになる。

このように、バリアや強化解除が挟まる関係でバフをかけ過ぎると痛い目を見る可能性があるのだ。
テラレイド攻略が上手なトレーナーは、バフは1~2回にとどめてすぐに攻撃に転じる。こうすればすぐにテラスタルでき、攻略もスムーズにできるようになるのだ。

 

「じゃあテラスタルなんて無視してバフモリモリでワンパンすればいいじゃん」と思うかも知れない。そこで問題になるのが賽の河原である。
膨大なHPの相手に対してバフをひたすら積み重ねてワンパン(一撃粉砕)をしようとすると、何ターンも必要になり、その分だけ時間がかかる。
この「時間がかかる」というのが致命的で、テラレイドの仕様上強化解除」を受けるとバフは全部台無しにされる強化解除を受けなくてもシールドを張られるとダメージは大幅にカットされる
ついでに言えば、能力バフを最大まで上げても4倍にしかならない。無限倍でもなければ、6段階というのに6倍ですらない。
ワンパンを狙ってひたすらバフ技を使っても4倍程度では到底届くわけがなく、しかも時間をかけすぎると強化解除バリア展開で意味がなくなってしまう。

 

このように、シールド破壊のために早めのテラスタルが求められる関係で、バフ技は1~2回使えば十分なのである。
バフを消されて負けるという人は、バフ依存の立ち回りを見直してみよう。
このバフ技使いすぎ問題は下記「アシストパワーの罠」「削り過ぎの罠」にも関わってくる。

 

なお、これはバフ技が変化技の場合であり、攻撃と共にバフがかかる技の場合はテラスタルチャージが同時に可能なので、素早いテラスタルが可能になる。
そしてこれは耐久デバフ技も同様で、攻撃と共にデバフをかけられる「アシッドボム」等は使い得だが、同じ効果の変化技である「うそなき」は使い過ぎるとテラスタルが間に合わず負けるリスクがある。

アシストパワーの罠

前の項目にある「賽の河原」が最も発生しやすいのがこの「アシストパワー」持ちのアタッカーである。
先に結論を述べるが、「アシストパワー」(アシパと略される)によるワンパンを狙う戦術はあくまでソロやフルパマルチ向けのものであり、一般でいうオンラインのランダムマッチプレイ、いわゆる「野良レイド」での適性は殆どない

 

バフを積むほどに強くなる「アシストパワー」「つけあがる」の2つの技を使った戦術は、成功すれば大きいダメージを手軽に出せる反面、強化解除タイミングをしっかり把握していないと強化解除で崩されて積み直し(賽の河原状態)になってしまうという大きな弱点がある。

これを知らず、インフルエンサー等に踊らされてこの技を至る所で試そうとしては失敗するトレーナーが後を絶たない*1
なぜ失敗するか?答えは簡単である。ワンパンを狙ってしまうからだ。
この2つのレイドの悪影響が現在でも続いており、「唐揚げにはレモン」が如く「レイドボスはワンパンするもの」という思考が残り続けているトレーナーがあまりにも多い。
たまたまエスパーの弱点を突けるレイドだから*2可能だっただけであり、毎回それが可能と考えるのは「守株」*3の故事成句そのものである。
テラレイドの王道的な攻略法は殴って殴られての超長期戦である。「バフモリモリワンパン」ではないのだ。

 

この「賽の河原」の犠牲になっている主なポケモンがヤドランシャワーズである。どちらも先の最強レイドで攻略一番手とみなされたポケモン*4であり、出番を選ばず起用しては敗退する惨劇が後を絶たない。
そして、エスパーがタイプ一致のヤドランはまだしも、シャワーズはタイプ不一致である。テラスタルしないとろくに火力を出せないにもかかわらず、なぜかワンパンしか狙わないという矛盾した起用方法が後を絶たない。
いくら時間をかけても自分にしか責任が及ばないソロならともかく、自分の失敗で全員の足を引っ張りかねない野良で、ひたすらバフ技ばかり使っていつまでも攻撃しないなんてことになれば、相当なヘイトが向けられることは想像に難くない。それで勝てればよいのだが、実際のところは……

 

火力に期待したのに何もできなかった、全く活躍できずに終わったというような悲惨な目に遭わないためにも、今後レイド向けのシャワーズを育成し、ソロでの使用に留めず野良レイド(ランダムマッチ)で使う予定があるのなら、「アシストパワー」を今すぐ忘れさせて「なみのり」を使わせてあげて欲しい。

 

と、ここまで酷評してきたが、適切な使い方をすれば(少なくともタイプ一致の使用者であれば)頼りになる技であることに変わりはない。
では、「アシストパワー」の適切と言える使い方とは何だろうか。

「アシストパワー」がまともに威力を出せる能力ランク補正は「4以上」である。いずれかの能力が4段階上がっていれば威力が100になり、「サイコキネシス」を上回ることができる。さらに伸ばして6段階上げれば威力140になる。大体この辺りを目安にして攻撃し始めるのが最も安定する。
野良レイドにおいてワンパンしようとするのがよくないのであり、少しずつHPを削るダメージソースとしてなら十分な強さになる。テラスタルチャージが溜まったらテラスタルして攻撃するのも忘れずに。
あくまでテラレイドは「テラスタルして攻撃して倒す」ことを前提に組まれているゲームであり、それは「アシストパワー」であっても同じと考えるべきなのだ。

・パルデアソロレイド用立ち回り例(キタカミ、ブルーベリーではやり方が異なる)

てっぺき(ドわすれ)→アシストパワー3→テラスタルアシストパワー→強化解除を待つ→積む→粉砕

・野良レイド用立ち回り例(シャワーズは不可、ヤドランやミュウツー推奨)

てっぺき→わるだくみ2→アシストパワーで早めに殴り始める。

 

挑発の罠

「ちょうはつ」は相手の変化技を封じる技である。テラレイドでも役に立つ場面は多いが、「ちょうはつ」を使う前に味方の特性を確認してみよう。

特性「スイートベール」は味方の眠りを防止できる。
さらに「あくび」に関しては特性を認識できないので眠らせられない「あくび」を連発するようになり簡単に攻略できるようになる。
ここで「あくび」を警戒して「ちょうはつ」をしてしまうと「あくび」が出せなくなって攻撃されてしまう。
「ちょうはつ」は相手が認識できない特性を持つ味方がいないことを確認してから使うように心がけよう。
善意の「ちょうはつ」が負け筋にならないことを祈る。

 

クリアスモッグの罠

「クリアスモッグ」は相手のランク変化を全て元に戻す技である。全てということは、バフだけでなくデバフも0にリセットする
この効果を勘違いしているのか、むやみやたらに「クリアスモッグ」を使って利敵行為とも取られかねない行動をしてしまう「クリアスモッグ」使いの姿が多くのレイドで見られる。
ポケモンの能力ランクは0を基準として「+6」から「-6」までの13段階ある。

例1:ゴリランダーが「せいちょう」を使った場合
 こうげきととくこうのランクがそれぞれ「+1」になる。
例2:ゴリランダーに「あまえる」を使った場合
 こうげきのランクが「-2」になる。

ここで注意しなければいけないことは「ランクの増減は相殺する」ということ。

例:「つるぎのまい」を使用した相手に「あまえる」を使用する。
 こうげきランクが「+2」の状態になり、その後、こうげきランクが「-2」されて
 こうげきランクの変化が相殺されて「0」の状態になる。

このように攻撃ランクの変化のプラスとマイナスが重なった場合、「+2」と攻撃ランク「-2」の効果が同時に存在することはない。

レイドポケモンが使用する「弱体解除」と呼ばれている行動に関しては「レイドポケモンに不利な効果(つまりマイナスになっている部分だけ)をリセットする」行動だが、「クリアスモッグ」にそこまで都合の良い効果はない。
「クリアスモッグ」は『相手の有利な効果だけを消す技ではなく、すべてのランク変化を「0」の状態に戻す技』である。
つまり、相手の有利なランク変化だけでなく不利なランク変化も「0」に戻してしまう。

もし相手が「つるぎのまい」や「ビルドアップ」で能力ランクを上げた時、危ないと思っても脊髄反射で「クリアスモッグ」をするのは逆に危険。一旦落ち着いて、それまでの味方とゴリランダーの行動を思い出そう。
もし、味方が「あまえる」を2回&「いやなおと」を2回、相手が「ビルドアップ」を2回していた時のステータスは以下のようになる。

「あまえる」2回でこうげきランクが「-4」
「いやなおと」2回でぼうぎょランクが「-4」
「ビルドアップ」2回でこうげきランクが「+2」、ぼうぎょランクが「+2」

プラスとマイナス部分を相殺すると
攻撃ランク「-2」&ぼうぎょランク「-2」になる。

その瞬間にゴリランダーが能力ランクを上げたとしても、今までの味方の行動によりこうげきとぼうぎょの能力ランクはまだマイナスの値になっており、味方にとって有利な状況である。
この状態で「クリアスモッグ」を使って能力ランクをすべて「0」に戻すことは、つまり相手のこうげきとぼうぎょを2ランク上げていることと同じことになってしまう。

『そもそも味方の行動なんか覚えてないし現在の能力ランクがわからない』と思うかもしれないが安心してほしい。レイドバトル中に能力変化を確認する方法がある。

「たたかう」「おうえん」「にげる」を選択する画面に「(Y) 様子を見る」と表示されている。そこでYボタンを押すことで味方のポケモンと相手のポケモンの能力を確認する画面が開く。
そこで相手を選択することで現在の相手の能力変化を確認できる。

能力を確認してから本当に今「クリアスモッグ」を使うべきか考えてみよう。

もしテラレイドに慣れておらず、戦闘中にステータス変化などをこまめに確認する余裕がないと感じる場合は、「クリアスモッグ」に手を出すのはまだ早いと言える。
扱いがかなり難しい技であるため、初心者がいきなりこの技を利用するのはオススメできない。

 

また、この技と似た効果を持つ「くろいきり」については相手はおろか味方のバフまでも諸共消し飛ばしてしまう。「クリアスモッグ」以上に出番が限られる技であり、下手に使うと大惨事を引き起こしかねない。
善意のサポートで特大のヘイトを向けられることのないようにしたい。

 

削り過ぎの罠

「ランク補正の罠」でも述べたが、テラスタルを早めに行わないと攻略はかなり難しくなってしまう。そのため、バフのかけ過ぎに注意しなければならない。
これに加えて、バフをかけ過ぎると勝てるレイドが勝てなくなってしまうもう1つの理由がある。

 

たとえば、下図はガブリアスの HP による特殊行動だ。

★6ガブリアスの特殊行動.png

これを見ると分かる通り、HP50%とHP30%に強力な特殊行動が設定されている。
特殊行動は異なる条件を同時に満たした場合、該当する特殊行動を連続で行う。
例えば、この★6ガブリアスのHP を 60% から 20% まで一撃で減らした場合は「弱体解除」「強化解除」「つるぎのまい」「バリア展開」が同時に行われることになる。
こうなってしまうと、相手ポケモンが最も強い状態で立て直しを行わなければならず、想定以上に苦戦することは避けられない。

このように、一撃で大きく削り過ぎると相手の特殊行動を複数発生させてしまい、追い詰めたつもりが逆に追い詰められることがあるのだ。

 

『削り過ぎの罠』を回避する最も簡単な方法はやりすぎないことだ。
一撃で倒せる火力がないのに『最初に「つるぎのまい」を3回、次に「いやなおと」を3回、その後に攻撃』というような手順を取るとこの『削り過ぎの罠』に陥る可能性が非常に高い。
この場合、能力変化なし、テラスタルのチャージは1回、相手は攻撃が2段階上がってバリアを展開しているという最悪の状況になる。

ここで、「つるぎのまい」「いやなおと」をそれぞれ 1 回に抑えて少しずつ HP を削っていく場合を考えてみよう。
HP50% に達した時点で「バリア展開」と「弱体解除」のみが行われるが、自分は攻撃 2 段階上昇の効果は残ったままになりテラスタルも使用可能な状態になっている。
HP30% で「強化解除」「つるぎのまい」の特殊行動を行う頃には、バリアの耐久力は残り 20%しか残っておらず、こちらはテラスタルでバリアへのダメージも通りやすくなっている。
つまり、相手ポケモンが一番強い状態で戦う時間を短くすることができるのだ。

 

なに?「バフ技を『はらだいこ』しか持っていないポケモンはどうすればいいか」?
その場合はデバフをかけてテラスチャージをしてから攻撃するか、こうげきに一切努力値を振らないようにしてしまうかのどちらかしかない。

 

てだすけの罠

テラレイドのサポート用ポケモンに「てだすけ」を入れている人をよく見かけるが、果たしてこの技はサポート技として強いのだろうか?

 

この技の効果はご存知の通り「『てだすけ』を受けたポケモン1体の技によるダメージをその1ターンの間だけ1.5倍にする」というもの。アタッカーにとっては有難い技であり、一見するとサポートをきちんと行っているように見える。

ところが、テラレイドには同じような効果を持ち、しかも全員に3ターンこの効果をかけることができる要素が既にある。

 

それは、「いけいけドンドン」である。

 

このおうえんは、自分を含めた味方全員のこうげき・とくこうを3ターンの間1.5倍(=実質的に与えるダメージも1.5倍)にし、しかもこれはランク補正と関係なく上昇する。
つまり、「ボディプレス」をメインにでもしない限り「いけいけドンドン」1回分は最大で「てだすけ」9回分*5に相当する

「てだすけ」の場合はアタッカーが複数いたときに悩む必要が出てくるが、「いけいけドンドン」なら全員にかかるので考えなくて済む。そして「いけいけドンドン」は赤いオーラが全員にかかるので、味方が使ったことが分かりやすく、白い手が5回パンパンするだけの「てだすけ」とは視認性も段違いなのだ。

 

ただし味方が簡単に倒れればそもそもテラレイドに負けてしまうのも事実であり、「おいおい、貴重なおうえんをそれに使って回復できなくなったらどうするんだ」と思う人もいるかもしれない。

だが、サポーターを用いてもなお応援を使い切らないといけないほど回復が必要なレイドは、そもそも勝ち目が薄いパーティかサポーターの使い方に問題がある場合が殆ど。リスクに思い悩むより、使えるものは使えるうちにさっさと使ってしまうのが勝利への近道なのである。

 

また、「『てだすけ』と『いけいけドンドン』を併用すればさらに火力が上がるんだから、『てだすけ』を入れる意味はあるんじゃないか?」とも思うかもしれない。しかし、そこまでの大火力が必要な場面はフルパの一撃粉砕(ワンパン)の時くらいしかなく、少なくとも野良マッチングでは過剰火力といえる。

そして、そもそもの話だが「いけいけドンドン」後は2ターンの自由があるので、それを活かして相手の火力を確実に削いでおき、盤面をより盤石な物にするなど大抵の場合で「てだすけ」より他に優先してするべきサポートがきっとあるはずである。

なに?相手に使いたいのにバリアに阻まれる変化技しかサポート技がない?
それは技構成の時点で見直すべきである。当サイトでは味方に使える技がある場合を除きオール変化技のサポーターを推奨しない。バリアの上からサポートできて初めて一人前なのだ。

 

以上より、当Wikiの見解として、「てだすけ」は「いけいけドンドン」で間に合うため、野良マッチング用のサポーターには不要と考えている。そのため基本的に「技枠が余り、てだすけしか入れる選択肢がない」場合を除き基本的にサポーターには搭載されない事をご理解いただきたい。


*1 でんきタイプ+特殊のレイドにヤドランで「てっぺき」「わるだくみ」を強行して玉砕されたり、あくテラスでエスパーが完全無効化されてもアシパワンパンを狙おうとして1試合の与ダメは0だった、などの極端な例もある
*2 ゲッコウガの場合はそれに加えて、この戦法の最大の弱点である強化解除が序盤の1回だけだったという追い風もあった
*3 偶然の幸運に味をしめて、また同じ偶然を期待して待つという愚かな行為のこと(goo辞書より)。
*4 ただしゲッコウガにおいては、実はノココッチが最も安定して勝てていたという事実がある。シャワーズは命中率を上げる手段がないため、ノココッチより安定しない
*5 本来は3ターンで12回行動分だがサポーターは火力が殆どないのが普通なので自分にかかる3回分だけはカウントしていない