概要
DQ3などに登場する、名前どおりの吸血鬼のモンスター。
その独特の髪型は【りゅうおう】の頭部の形状に似ている。
同種属に【こうもりおとこ】、【バーナバス】がいる。
スーパーライトでは【モリー】の格好をした「モリーバンパイア」が味方限定キャラとして登場している。
単体としては使えないが【モリーチルドレン】?の一員で4ラウンド経過するとやってきて一緒に闘う。
多くのRPGにおいて、バンパイア、吸血鬼は上位のアンデッドであり、知恵に長け様々な状態異常やエナジードレイン系の攻撃に長けた強敵として登場することが多いが、ドラクエのバンパイアは比較的大人しめで序盤~中盤に群を成して登場することが多い、というかナンバリングではDQ3に登場したのみで機会に恵まれないため活躍の場が乏しい。
DQ9とDQ10で【吸血】というイメージ的にぴったりな技が登場しているがこいつは出演していないため使うことはない。
吸血鬼のモンスターとしてのポジションは【ピンクモーモン】や【かっちゅうアリ】系統に奪われてしまっている。
DQ3のマイナーモンスターが多数登場しているDQ11でも登場しなかった。
原画では髪と服の色が黒だが、FC版DQ3では背景と同化してしまうため青くなっている。リメイク版では原画どおりに黒くなった。
DQ3
【ノアニール西の洞窟】、夜の【アッサラーム】近辺、【ランシール】周辺と広範囲に出現する。
【あばれザル】に匹敵する攻撃力に加え【ヒャド】まで使ってくる。前作の【ザラキ】(FC版当時の設定では血液を凍結させての即死)を除けば、シリーズで初めて氷系攻撃をしてくるモンスター。
【メラ】の倍以上の威力のヒャドはかなり脅威で、特に【マタンゴ】や【バリイドドッグ】と一緒に出られるとその火力が危険になる。
反面、攻撃呪文は全て効くので、こちらから攻める分には手段には困らない。危険な他の敵と同時に出てこなければ、火力以上の厄介さはない。
ただ、ヒャド一発では打ち漏らすことが多々あるので、最初から打撃を併用するつもりで【ギラ】で削りかかった方が良いだろう。
また意外にも、こうもりおとこやバーナバスには効く【ニフラム】に対して完全耐性がある。
一般的には吸血鬼はアンデッドの類であり、ニフラムはアンデッドには良く効く呪文なのだが、高級なアンデッドは退魔呪文に耐性を持つ者もいるというファンタジーRPGの要素を再現しているようだ。
というわけで、【せいすい】も同様に全く効果はなく、十字架を模した形状の【ゾンビキラー】の特効効果も発揮されない。
落とすアイテムは【ラックのたね】。
なお、一体どういうわけかFC版の格闘場には絶対に登場しない。
無駄行動がなくヒャドもあるので優位に勝ち進めるはずだったのだが…
なお、【ホイミスライム】も同様になぜか登場しない。
リメイク版
吸血鬼のくせに昼夜問わずアッサラーム近辺に出没するようになった。吸血鬼は日の光に弱いというお約束があるものだが、この作品では普通に日中活動できるようだ。これまた高位の吸血鬼には日中でも限定的に動ける、あるいは日光をまったくものともしない設定の話もときどきあるのでそういう種なのかもしれない。
下位種と同じく報酬が少し増え、19Gから25Gに変わったので4匹倒すとちょうど100Gになる。
ホイミスライムと同じく晴れて【格闘場】に登場するようになり、しかも同じく2種類のカードに登場。
1つ目は【さまようよろい】と一騎討ち。ヒャドを連発すれば勝てるがさまようよろい1倍、バンパイア4倍というオッズのとおり勝てる望みは低い。このカード自体スルー推奨。
2つ目はさまようよろい、【かえんムカデ】と戦うカード。火炎百足が追加されただけの形である。突貫力はあるが、耐久力がこの中ではひとまわり低くひのいきに対する耐性がないので、かえんムカデよりも勝率が悪い。矛先次第だが結局耐久力のあるさまようよろいが高確率で勝つのは一緒。
こちらはさまようよろい2倍、バンパイア3倍、かえんムカデ5倍、と一騎討ちよりオッズが低くなっていてなお美味しくない。
せっかく出てきたのに両方とも相手が悪くて賭ける価値は薄いという様。
GBC版
【キメラバグ】によってアイテムとして登場することがある。
バンパイアのアイテム番号は末番の255となっており、ここでモンスターデータは打ち止め。
キメラバグでバンパイアを用いてパラメータの上位バイトを改竄することで65280以上の数値にすることができる。
便利なアイテムであるため、このバグを利用する際は覚えておくとよい。
ちなみに使用すると「〇〇〇〇は バンパイアをもっていない。QQQQQQQQQQQQQQ」と表示されて画面がめちゃくちゃになり、フリーズする。最悪例のBGMすら流れずに冒険の書が消える可能性もあるのでうっかり使わないように。
性格を【はがねのはりせん】(実際には、【セクシーギャル】よりも全能力値のアップ率が高くなる性格ーに替えるときにも非常に重宝するアイテムでもある。
特に【すばやさ】や【うんのよさ】の上がりの悪い【戦士】、【ちから】の低い【まほうつかい】、【たいりょく】の上がりの悪い【遊び人】の短所を大幅に軽減できるのは大きいところである。
もっとも、キメラバグを知っているなら能力値はいじり放題も同然なので、実利面の話だと成長率だけを可能な限り上げて遊びたいときに役に立つ程度。
小説版
上述の通りFC版では登場できなかったが、リメイク版に先駆け【ロマリア】の格闘場で登場。【ぐんたいガニ】・【デスフラッター】と対戦する。
真っ先にヒャドで軍隊ガニを攻めるが、その血を吸っている隙をデスフラッターに突かれ、心臓を貫かれて消滅する。
イルルカ
【ゾンビ系】のDランクで、位階配合でも生まれる。
戦闘モーションは【ハエおとこ】の流用。
【スタンダードボディ】で、吸血攻撃を再現した【マホトラ攻撃】、原作において得意技だったヒャド系を扱うのに有利な【ヒャドブレイク】を持ち、優秀かどうかはさておき秀逸な特性を持つ。
+25で【いきなりシャッフル】、+50で【亡者の執念】、新生配合で【やみのはどう】を習得。
また、新生配合でメガボディにすると【AI1~2回行動】、ギガボディにすれば【ヒャド系のコツ】を獲得。
能力はバランス型で、能力値限界には突出したものがないが、逆に言えば大きな欠点もない。
所持スキルは【ナイトメア】。
野生のものは【雪と氷の世界】のまよいの森や湖上の魔塔で出現するのだが、木の枝や天井に逆さまになってぶら下がっている姿はこうもりをイメージしているのだろうか。
吸血性の一貫として【ミラクルソード】も使ってくる……光属性のイメージもある技のはずなのだが。
豆知識によると、ニンニクが苦手なのだがなぜか【オニオーン】も苦手らしい。
ニンニクと形が似ているからだろうか。もし仮にDQMJ3にこいつが登場していたらオニオーンは【天敵】に設定されていただろう。
また、【衝撃のしっぽ団】にバンパイアのバットンが目立つ位置にいる。
…正直、バットンがでるからそのつながりで出場機会を得たように見えなくもない。
スラもり1
【ニコミスキー鉱山】のボスとして登場。詳しくは【バットン】を参照。
スライムもりもり
【バンパ】として登場。
ドラゴンクエスト4コママンガ劇場
とある作品ではイケメンとして登場し、【マタンゴ】に女性の扱い方をレクチャーしていた(2巻P111)。
ゲームとはまるで違う顔付きゆえか、わざわざ「バンパイア」という名札を付けていた。
余談
現代人が抱くバンパイア(吸血鬼)のイメージは、小説家ブラム・ストーカーが生み出した架空の吸血鬼「ドラキュラ」のイメージが強い。
DQを含む創作のバンパイア、吸血鬼の多くがタキシードを着ているのも、ずばり実写映画のドラキュラの衣装の影響である。「十字架に弱い吸血鬼」も元々はドラキュラの設定からくるイメージで、ドラキュラとは無関係の吸血鬼に十字架(=聖なる力)が効かなくてもおかしくは無い。
十字架が全く効かないどころか聖職者となったり「アーメン」と自ら唱えるような吸血鬼が出る作品もある。
とはいえ、上下にニフラムが効いてコイツだけ効かない理由としては弱いのだが…。
そもそも日中に出てくることがある時点でいわゆる「吸血鬼」のお約束から外れているともいえる。
GB版のモンスターズシリーズにはこの系統は一切登場しないが、テリーのワンダーランドの取扱説明書にはこの系統のシルエットが載っている。他にも【げんじゅつし】や【ガーゴイル】など、同作に登場しないモンスターのシルエットがいくつか描かれている。