メンター

変更前

　最後の争いで敗北し、百以上の生存者たちが命を落とし、エンジニアたちは古巣に帰らざるをえなくなり、公の場からは姿を消しました。

　現在エンジニアの業務はアイビーが仕切っているが、指導者は一度たりともその野心を捨てたことなく、計画し続けています。

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エンジニアの創設者であるメンターの日記の1ページから抜粋。彼自身の手によって文章の中の情報は暗号化されていた。

＜機密情報＞

9Vがアイビーに関するニュースを持ってきた。私の娘が今もなお変化し続けていると聞き、悲しくなった。

私がしてきたすべてのことは彼女を鍛冶工と戦士の運命から守る為だ。
彼女なら活気を取り戻したこの世界を掌握し、血と油のない新しい人類の歴史を築くことができるだろう。
人々はどちらに付くだろうか。独裁者で人殺しの私か、長い冷戦の後に咲いた雪のしずくアイビーか？
私の行動が理想の世界の基盤を成し、娘が私の生涯の仕事を続けるのであれば、私は血にまみれた王冠を死ぬまで被るとしよう。

今はこの戦争を脇で見守り、人々の怒りを抑えなければならない。
私の娘の仲間が、己が目標の為にエンジニアを利用するのを見て、個々が怒りに燃えている。
アイビーは優しいが故に弱いのだ。スカーABの甘い演説で警戒心が弱まり、ユリシーズの虚栄心が、他者の利益の為に人々の命を危機に晒していることに彼女は気付かない。
ユリシーズの要請で新しいレッドゾーンへ進出した部隊が消息を絶った。
誰が彼らを助けに行くんだ？ 良き仲間であろうとしたが為に、エンジニアは装備品と仲間の両方を失った。
だが重要なことはノーマッドは味方ではないということだ。奴らは自分達のこと以外はどうでもいいのだ。

もっと時間がいる。そうすれば私の娘に苦い現実を受け入れるよう説得できる。
9Vと13T、86Aが私の信条をアイビーに受け継がせ、正しい考え方を取り入れるように勧めているが、これでは足りない。
娘に偽の仲間の本質を見せる為に、個人的に彼女を助けたいのだ。
たとえそれが僅かに偽の事実を告げることになったとしてもだ。
偽の攻撃を数回仕掛け、強奪された跡のあるキャラバンを配置し、証拠は完全に抹消する。
もっとも重要なのは「正しい」痕跡を残すことだ。

愛しのアイビーよ、この世界がいかに醜いか見せてあげよう。