生物が繁殖するためのシステムの1つ。読み方は『しゆう』。
我々人間の場合は雄を男性、雌を女性と呼称している。
目次
概要
- 性別が雌と雄の区別や形態差などの概念を表すのに対し、
雌雄(男女)の場合はそのまま雌と雄(あるいは雄か雌)を示す事が多い*1。
生物学的には有性生殖を行う生物の中で、
精子や花粉など小さい配偶子を作り出す個体を雄、卵子など大型の配偶子を作り出す個体が雌とされている。
そしてその両方の配偶子が交尾の末に雌の体内で結合(受精)し、その生物が胎生ならばやがて胎児、
卵生ならば卵として成長、やがてそれが新たな個体となって雌の体内から出産されるという形で誕生する。
- 一部の生物は雌雄ごとに明確な姿の差異が見られ、これを性的二型という。
そうでなくとも、よく見ればオスとメスで特徴に微妙な違いがある生物は人類を含めて非常に多い。
- 数の生き残りが重視される傾向にあるため、
食物連鎖の下部に属するほど子の絶対数が大きくなり、また雌が強くなる傾向にある。
- 後述するモンスターにもあるように、雌雄同体、つまりオスとメスの機能を同一の個体が併せ持ち
単体で繁殖できる生物も中には存在する。
例えばカタツムリや多くの植物などがそれに該当する。- 雌雄がつがいになる必要なく繁殖できる分素早く繁殖できるのに
何故多くの動物は雌雄に分かれているの?と思うかも知れないが、
自分だけで繁殖する事には明確にデメリットが存在する。
単独で生殖した場合、基本的に生まれる子は自分と全く同一の遺伝子を持つ。
なので、ある特定の疫病に弱い等の身体的特徴も必ず受け継がれてしまい、
ふとした切っ掛けでグループがまるごと全滅してしまいやすくなる。
それを防ぐために遺伝子的に異なる個体と交配し、
「遺伝の多様性」を確保するのが雌雄で交配すると言うシステムの存在理由だと言われている。
実際、カタツムリ等も雌雄どちらの役割もできると言うだけで、別個体と生殖行為をしない訳ではない。
植物も花粉を飛ばす等して別個体との繁殖を試みるようになっている。- 実はこの「単為生殖によって増えた生物群が共通の要因で一斉に死滅する」という現状は、
人類史においては人為的な単為生殖である「株分け」で増やした農作物で実際に確認されている。
種芋という形での株分けで増やすことが多いイモ類でよく確認され、
特にジャガイモは西洋に導入されると共に「育ちやすくて飢饉の対策になる」と急速に広まったが、
当時は種芋(単為生殖)だけでジャガイモを増やすことのデメリットをヨーロッパ人は知らなかったため
ジャガイモにとって致死性の植物病が発生してはそれが一気に広がって全滅となる事が度々あり、
特に19世紀初頭に起きたヨーロッパ全域でのジャガイモの伝染病流行と大死滅は
ジャガイモ飢饉として歴史に名を残すほどの大飢饉となった。
- 実はこの「単為生殖によって増えた生物群が共通の要因で一斉に死滅する」という現状は、
- 普通に雌雄での交配が行われる生物でも、メスのみで交配せずに繁殖する時と
オスを交えて交配して繁殖する時とを使い分ける生物もいる。 - ちなみに、雌雄での交配が絶対に必要な哺乳類などの生き物でも、
卵子と卵子(つまりはメスのみ)で受精し繁殖する事が可能だという実験結果が出ている。
つまり、全ての生き物は単為生殖が理論上可能であるが、
生態に合わせて有性生殖をあえて行うようにしているのだという事が分かる。
- 雌雄がつがいになる必要なく繁殖できる分素早く繁殖できるのに
- また「(主に筋力において)雄の方が雌より勝っている」という考えが長じて、
戦って勝敗をハッキリつける事をことわざで「雌雄を決する」と言う。
モンハンで言えばMH3の対ラギアクルスが代表例か。
MH世界における雌雄
- 当然、MH世界においてもちゃんと生物には雌雄の区分けがあると思われる。
しかし、ゲーム内においてはオスとメスでだいたい別のモンスターとして扱われている場合が多く、
後述の明確な姿形や行動パターンに差異のある種を除いて今戦っているモンスターの性別が何なのかを
意識する人間はおそらく皆無である。
- 全体的に同種であってもオスの方が強大とされている場合が多く、
例としてリオレウスとリオレイアではリオレウスの方が危険度が高く設定されており、
ロアルドロスやドスジャギィは同種のメスよりかなり大柄となっている。
ただ、例外的にゲネル・セルタスは同種のオスよりも遥かに強大である。
また、ヤツカダキもメスのみが大型化し、オスの成体の体格は幼体の頃と大差ない。- 作中で戦う個体が雄または雌のみしか登場しないため、雌雄の強さを比較できない例なども多い。
人類
- 地球の人類と同じくこの世界の人間もまた有性生物であり、男女の違いが存在する。
プレイヤーも自キャラをメイクするにあたり、まず最初にそのキャラが男か女を選ぶことになる。- 過去作のキャラクタークリエイト画面では、日本語版でも男はMale(メイル)、
女はFemale(フィーメィル)の表記がされている。
- 過去作のキャラクタークリエイト画面では、日本語版でも男はMale(メイル)、
- 現実世界では男性が筋力、女性が生命力や持久力に優れるといった能力の差異があるが、
実際のプレイにおいては、男性の方が若干蔦登りが速く、女性の方が若干卵系運搬が速いものの、
メインである狩りにおけるステータスの違いは一切無い。
しかし装備においては、同じ装備で男女のデザインが違うのは当たり前で、
名称や根本的なデザイン自体が違っていたり、片方の性別でしか作れなかったりする装備もある。
ちなみに男性専用より女性専用の方が多い。- 近年はジェンダー問題やポリティカル・コレクトネスへの配慮のためか、
性別の表記が「性別:男/女」から「スタイルのタイプ:01/02」に変更され、
性別が関わるゲームシステムは大きく見直されている*2。
- 近年はジェンダー問題やポリティカル・コレクトネスへの配慮のためか、
リオス科
- モンスター界における性的二型の代表的存在。
オスがリオレウス、メスがリオレイアと呼称され、体色はおろか身体の細かい部分にも明確な違いが見て取れる。
他にも戦法やパターンに大きな違いがあり、レイアは地上での戦いに長け、
レウスは滞空での戦いが得意とされている。
ケルビ科
- ケルビのオスは体色が緑で角が長く、メスは灰色で角は見えないくらい短いという特徴を持つ。
ブロス科
- ディアブロスの場合、基本的にどちらもほぼ同じ形態のため、一目で性別の違いを判別するのは困難だが、
体色が黒に変化したディアブロス亜種は繁殖期に入ったメスであると明言されている。
テスカト科
- 赤いテオ・テスカトルがオス、藍色のナナ・テスカトリがメスとなる。
後述のイブシマキヒコとナルハタタヒメが出るまでは唯一性別が設定されている古龍であった。
(ただし、マム・タロトは異名からして劇中の個体がメスである可能性が示唆されている)
かつては世界観上のみの形であったが、MHWorldにて夫婦つがいで登場するようになった。
MHWorldでは、夫婦での合体技を披露したり、ネルギガンテに襲われていたオス(テオ)をメス(ナナ)が助けたりと、
それまで不明だった両者の関係も描写されており、強い絆に結ばれている様子を見ることができる。
ジャギィ科
- 性別や成長段階で群れの中でのカーストが決まっている。
通常のジャギィは若いオス、ジャギィノスがメス、ボスのドスジャギィは成長したオスとなっており、
カーストとしてはドスジャギィ>(超えられない壁)>ジャギィノス>ジャギィといった感じである。
ただし断裂群島ではオスではなくメスがトップに君臨している群れが確認されている。
ルドロス科
セルタス種
- オスはアルセルタス、メスはゲネル・セルタスと呼ばれる。
他のどの種よりも性差が激しく、一見して同種とは思えないほど形態に違いがあり、
なおかつメスの方が絶対的上位として扱われている。
一度対面すれば、忘れられない雄雌の圧倒的格差を実感できる。
ケストドン
- 体格が大きく、赤茶けた甲殻を持つ方がケストドンの雄、小柄で黄土色の方が雌である。
作中では名前の後ろに性別記号(♂・♀)を付けて雌雄を区別している。
こういった表記は前例がなく、ケストドンにのみ適用されている珍しい呼称である。- ただしこの表記が見られるのは現状MHW(:I)のみであり、
続作のMHRiseでは雄雌両方とも登場しているが、性別記号は省略されている。
- ただしこの表記が見られるのは現状MHW(:I)のみであり、
ヤツカダキ
- 大型のヤツカダキは全てメスであり、オスはツケヒバキとほぼ変わらない大きさである。
オスはかわりに交尾を行うための触肢が発達しており、ツケヒバキに混じるようにしてメスの腹部に張り付き、交尾を行っている。
イブシマキヒコ/ナルハタタヒメ
- 青白く小柄なイブシマキヒコが雄、黄色で大柄なナルハタタヒメが雌。
テスカト科と同様に明確に性別が設定されている古龍。作中でも対の存在という点が強調されている。
なお、危険度はイブシマキヒコが★9であるのに対し、ナルハタタヒメは★10とナルハタタヒメの方がやや上であるとされている。
オルガロン種
ポカラ種
余談
- ゲーム中で狩猟対象となるガムートは全て雌、
ディノバルド、ライゼクス、タマミツネ、マガイマガドは全て雄であることが判明している。
ガムートの雄やディノバルド、ライゼクスの雌については言及されていないため想像の余地に任せるほかないが、
タマミツネの雌は設定上子どもと群れを作って暮らしており、
独り立ちした雄の子どもの様子を見にたまに姿を見せる程度であるとのこと。
マガイマガドの雌も1頭の雄が確保した縄張り内で群れを作って集団で子育てをしているとされる。- なお、タマミツネの雌は錦ヒレが、マガイマガドの雌は兜角が雄より小さく目立たないらしい。
- ちなみに片方の性別のみ狩猟対象として扱われる動物は現実世界にも存在する。
有名なのはキジやヤマドリで雄個体のみ狩猟が許されており、雌個体は狩猟が許されていない。
- 現実世界では「牡」「牝」と別の漢字が使われる事があるが、
これは蹄を持つ生物のオスメスを表記する場合に使われる。
本項のみならずモンハンに於ける性別学では「雄」「雌」のみが使われるのは
モンハン世界の生物が『蹄』を持つのかどうなのか、語学的に検証できないためである。- また、この追記文では敢えて「オス」「メス」とカタカナでの表記を添えているが
「オス」「メス」をカタカナで表記する理由の定義や定説は、実は、存在しない。
日本のマスメディアの業界的な傾向としては
「学術的・専門的なトピックスの場合は(記事や字幕などで)カタカナ表記にする」など
性別のカタカナ表記について、ある程度の統一的傾向も見られるが、これは確定項では無い。
便宜上、PCやスマホで長文を入力する際に
「雄」「雌」の見分けが大変だから言う理由で「オス」「メス」と表記しても良い事になっている。
……と言うより「オス」「メス」とカタカナで表記してはいけない、とする理由が無い。
- また、この追記文では敢えて「オス」「メス」とカタカナでの表記を添えているが