エッジカム火山が多量のエメツを孕んでいる事が判明した時、かの山はシトカの重大な産業拠点となり、アラスカのロシアヤクザは国際社会において大きく伸長した。闇よりなお黒いエメツ、アメ=ツチとも呼ばれる鉱石に本能的な恐れを抱くものはいまだ多い。しかし既にこれ抜きに世界は立ちゆかないのだ。
──「フラワーズ・フロム・フロスト」#1より
概要 
第3部終盤以降、世界各地で産出するようになった鉱石。その色は「闇よりなお黒い」と称され、光を一切通さない。
第4部のキーアイテムの一つであり、折に触れて物語に関わってくる。第3部以前の歴史の中でもごく僅かだがその存在が確認されており、貴重な鉱物として扱われていた。
ニンジャスレイヤープラスのインタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(38)によると、オヒガンと現世の衝突によって生ずる析出物であり、その生成原理をさかのぼってオヒガンと現世のリンクを作り出すこともできるようだ。
月面には多くのエメツが存在しており、その一部がアポロ11号によってメガトリイ社にもたらされた。また、エメツが含有される隕鉄も発見されている。
アダナス・コーポレーションとデクタ・サキモノ・エメツ・テクノロジー・アンド・リサーチ社によって、人間からエメツを抽出する「オマーク」というシステムも開発されている。
エメツは「アメ=ツチ」とも呼ばれることから、名前の由来は「天地(あめつち)」と思われる。
なお、ザ・ヴァーティゴは「エメツ・ニンジャ」という名のニンジャソウルを宿しているが、彼も過去のインタビューで名前の由来を聞かれた際に「Aemez、エメツ→アメツチ→天地(あめつち)のもじりだろうな」と発言している。
実際謎めいたアイテムであり、ヘッズの間では様々な考察が行われている。ウミノ・スドが第3部後半で見出したカラテ鉱石、カラテニウム鉱石、デスドレイン(ダイコク・ニンジャ)のアンコクトン・ジツ、エメツ・ニンジャなどとの関連性を指摘する声もあるが、現時点では詳細は未だ不明である。備えよう。
エメツの用途 
エメツはポスト磁気嵐時代における非常に重要な資源で、暗黒メガコーポやヤクザクランは主要な産出拠点を押さえようとする動きを見せている。
主に資材・燃料として用いられ、ジャンプポータル、コトダマ空間ダイブ用デッキ、ナノマシン、DNA電子回路、エアロバイク反重力プレート、薬品など、ネオサイタマに蔓延るオーバーテック群を支えている。また、エメツを含有する素材はカラテ伝導率がとても高いため、ニンジャの装備としても重宝される。
テック以外にも使い道はあり、作中では「オハグロ」と呼ばれるエメツ製の義歯や、エメツで染めることで視覚効果を高めたオリガミ「ワ・シ」などが登場している。
食物として 
サツガイはエメツの破片を直接齧っている。ニンジャスレイヤープラスのインタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(10)によると、味は海苔に似ているらしい。
ハッカー界隈では、エメツ粉末はニューロンをキックする薬物として扱われている。
その他のエメツ 
- 不純エメツ
南米で産出される不純物が混じったエメツ。深く美しい緑とエメツの黒が混じり合った斑の色彩で不規則な凹凸があり、内側から光が脈打つ。
工業用途にはとても向かないが、これでしか作り出せない様々な医薬品や麻薬の原料となる。 - エメツ・オブシダン鉱
詳細不明。オヒガン内で採取される巨大な鉱石。ザイバツによって利用されている。 - アンコクトン(アンコク、暗黒物質)
デスドレイン(ダイコク・ニンジャ)がアンコクトン・ジツで操る、流動性と粘性を持つ黒いエネルギー体。死体や大地の精髄を糧に増殖する。
亜エメツ物質であり、オヒガン析出物でもあるようだ。
エメツを素材とするテック・医薬品の例 
- アマクダリ・ウェポン
- A.R.G.O.Sのメインフレーム
- アンコク・エメツ(=黒いエメツ薬剤?)
- ウキハシ・ポータル
- エメツ電磁砲
- エメツ・ドラッグ
- エメツ爆弾・エメツ激発物
- エメツ反転心臓
- エメツ反転弾頭
- エメツ反転炉
- エメツ・リアクター
- エメツ・ワイヤー
- オリハルコン(古代のエメツ含有合金)
- ギンカク・エンジン
- 月面基地防衛システム
- 試作型カラテエンジン
- シャドーシップ
- シャドーバージ
- ナノカラテエンジン
- ニューログラ
- 反重力プレート
- 翼
- バイク(エアロバイク)
- ブラックタイガー
- ブラックベルト
- キケン・ブラックベルト(不純エメツが原料のブラックベルト)
エメツが関わるエピソード・設定資料 
- ヴァレイ・オブ・センジンに出来た黒い湖の水を使い、プラントで「アンコク・エメツ」なる黒いエメツ製剤が精製されている。
- アンコクトン・ジツとエメツの関連性が伺えるが、詳細は不明。また「エメツ爆弾」なるものも登場。
- エゾテリスムがオヒガン・ボムでオヒガンと現世を重ね合わせた跡にエメツが生じた。これは一体何を意味するのか……。
- コトブキとクラバサ・インコーポレイテッドの医療社員カヤシダとの会話の中で、エメツについて言及される。「暗黒メガコーポの社員はエメツをどのように捉えているのか」が垣間見える一幕。
- エピソードの終盤、ブラスハートはエゾテリスムから入手した<髄>、すなわちエメツ塊を用いてある行動に出る。
- サキモノシティに潜入したサークル・シマナガシは、人工エメツ抽出装置「オマーク」を発見する。
- エメツは人間から生成可能なことが示唆されたエピソード。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(1):磁気嵐の晴れた世界で◆
- 第3部終盤から約10年間昏睡状態に陥っていた謎のニンジャに対して、カタナ・オブ・リバプール社のクライアントが10年の間に起きたことを説明する掌編。その中でエメツについても触れられる。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(12):磁気嵐の晴れた世界で(3)◆
- 作中の「カラテ」概念について深く踏み込んだ掌編であり、エメツと重サイバネへのカラテ伝導率の関わりについても語られる。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(16):電脳魔都デジ・プラーグ◆
- 「ザイバツ・シャドーギルド」の舞台となる地「デジ・プラーグ」についての解説だが、エメツ鉱脈に関する興味深い記述も含んでいる。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(17):シャドーシップ◆
- ザイバツが所有する「シャドーシップ」についての解説。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(21):月のアマクダリ・ウェポン◆
- 古代のエメツ含有合金であるオリハルコンが用いられた武器「アマクダリ・ウェポン」についての解説。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(32):アイアンオトメ◆
- アイアンオトメ他、ネオサイタマのバイク事情についての解説。エメツプレートを用いた反重力バイクについても言及されている。
◆シャード・オブ・マッポーカリプス(46):ウキハシ・ポータル◆
- エメツ・テクノロジーで作られたテレポート装置「ウキハシ・ポータル」についての解説。
一言コメント
- 石油並みに万能で重要な資源な。 -- 2020-03-11 (水) 19:05:33
- カラテ汚染があるならエメツ汚染もあるのだろうか。人間からエメツを採れるならニンジャからはどうなのだろうか -- 2020-03-12 (木) 04:36:59
- そのうち生物(モータルやニンジャ含む)をエメツに変えるジツを持つニンジャとか出てくるかもしれない -- 2020-05-06 (水) 14:20:28
- 結局なんなんだろうなこれ コトダマ関係であることしかわからん -- 2020-07-22 (水) 15:35:23
- ミノフスキー粒子めいた存在。ニンジャスレイヤー世界の根幹設定に関わっており、作劇的には単なる便利ガジェット兼マクガフィンな -- 2020-07-23 (木) 20:17:13
- オヒガンのエテルが結晶化/物質化したとか、そんな感じかな。 -- 2020-07-25 (土) 16:45:02
- 人形前線の崩壊液や方舟夜の起源鉱石みたく、最初はモータルの文明に凄まじい恩恵を与えておいて、気付いた時には殆ど手遅れな致命的大災厄を振り撒く為にウィルスめいて潜伏している、オレは詳しいんだ!(彼真顔 -- 2020-10-17 (土) 21:18:03
- 某カトゥーン・ムービーのデイダラボッチの体液みたいなだろうか -- 2023-03-10 (金) 05:09:19