シリーズを通して「禁忌」として扱われる伝説的な存在。
モンスターハンターの世界観において、その頂点に君臨するモンスターである。
開発陣の中では「永久規制モンスター」とも呼ばれていた。
目次
概要
- 公式から「禁忌のモンスター」「禁忌モンスター」*1などと称される特別な存在。
該当するのは以上のモンスターのみ。
全てメインシリーズのラスボス・裏ボスに相当する古龍種であり、
更に何らかの形で『黒龍』の名と密接な関わりを持つ。
- 伝説の名に相応しく、2019年に情報が正式に解禁されるまでの間、
これらのモンスターについては公式の下で異常なまでの情報規制が行われていた。
公式が関わるサイト、攻略本、情報誌、ゲーム情報サイト、果てはTwitter等のSNSまで、
あらゆるメディアにおいてその存在は禁忌の如く隠秘されており、
正式名称は勿論、そのモンスターに纏わる話が登場することすら稀であった*2。
特に公式サイトや情報サービスなどの公の場では極めて厳しい箝口令が敷かれていたようで、
止むを得ずモンスターの名前を掲載せざるを得ない場合、「??????」などと表記する程に徹底されていた*3。- 性質上、シークレット扱いが一時的なものである隠しモンスターとは一線を画す。
隠しモンスターは時期が訪れれば攻略本や情報誌においてビジュアルなどの詳細情報が公開されるが、
禁忌のモンスターはたとえゲーム中のラスボス・裏ボスとしてプレイヤーに知られ、
作品の発売から年月が経とうとも、公式からその詳細が発表されることは無かった。
そして「古龍の更に上に立つ存在たち」*4という開発側の公式声明を見るに、
禁忌のモンスターは文字通り他のモンスターとは別格の存在ということになる。
尚、禁忌のモンスター同士であれば必ずしも同格として扱われているわけではなく、
複数のモンスターが共演した際は作品内の待遇や扱いに差が出ていることもしばしばある*5。 - 性質上、シークレット扱いが一時的なものである隠しモンスターとは一線を画す。
- 古龍種はいずれも具体的な自然現象をモチーフとしているが、
禁忌のモンスターは特徴から推測できるモチーフが「概念」に近いという特徴がある。- アルバトリオンは雷から嵐、吹雪、噴火まで様々な自然現象を司り、
文字通り「あらゆる天災」を包括した存在として扱われている。
なお、上記の天災一つ一つをそれぞれ体現する古龍は別途存在しており、
それを総括する本種は正に「古龍種の上位者」たる存在とも言える。
- グラン・ミラオスは、作中での言及の通り「大地そのもの」をモチーフとする。
作中で生じた地殻変動、噴火、海洋の岩漿化、島々の海没といった天変地異は、
いずれも極大規模の大地運動を端として引き起こされる現象である。
デザインモチーフとされる海底火山(海嶺)は、地球表面を覆うプレートの衝突、
即ち全地球規模で発生する造山運動や海洋地殻拡大を象徴する要素の一つであり、
不死の心臓、つまりは自然の永久性の具象化という側面も含め、
単なる「大地の化身」に留まらない、圧倒的なスケールを誇る存在である。
- ミラボレアス種のモチーフが明確に示されたことはない。
だがミラボレアス誕生の際にモチーフとなった「ドラゴン*6」という生物は、
大自然の力そのもの、混沌の象徴として創造されたという経緯がある。
ミラボレアスがモンスターハンター界の「ドラゴン」の象徴であるならば、
転じてその存在は大自然の猛威を表現しているとも解釈できるだろう。
有り体に言えば他の古龍種とは一線を画した規模のモチーフを持つ。
これもまた禁忌のモンスターを規格外の中の規格外たらしめる要素の一つと言えよう。 - アルバトリオンは雷から嵐、吹雪、噴火まで様々な自然現象を司り、
世界観上において
- あるものは御伽噺や伝説に、あるものは古文書や詩句にその名を残すが、
その御伽噺や古文書などの内容すら信憑性のあるものはほとんどないと言われており、
それらからそのモンスターの実態を推し量るのは不可能に近いとされる。
それどころかその姿や実在すらも疑問視されていることが殆どであり、
「単なる伝説」と言い切られていることすらある。
- 世界観上で禁忌のモンスターの実在を把握している者はごく僅かとされ、
ギルドの最上部層か、あるいは正体不明の謎の人物しかいない。
それ以外の人物にとって、禁忌のモンスターは伝説あるいは空想上の存在としか認識されておらず
(ミラボレアスの書が入荷した際の店員の反応などがそれを知る上で分かりやすい)、
中には紅龍やその特殊個体のように存在自体が全く認知されていないというケースさえある。- ゲーム内においては、プレイヤーハンターがラスボス級モンスターに挑む過程において、
プレイヤーハンターの関係者、場合によっては一般人までもその存在を認知する事があるが、
禁忌のモンスターに限っては、作品が移行すると共にこの過程は無かったことになるのが通例である。
邂逅・討伐したといった功績は勿論、プレイヤーハンターに発見された事実やその流れすらも
歴史から抹消されたかのように消え失せ、殆どの場合は「伝説上の存在」へと逆戻りする。
ストーリーの流れに沿って達成された撃退については正史として記録された例がある*7ものの、
これは例外中の例外に過ぎない。
- 世界観上、禁忌のモンスターが種として複数体存在するかは明確にされていない。
一頭しか存在しないと判断しなければ矛盾を生じかねない設定が殆どだが、
複数体存在すると解釈できないことはない部分もある*8。
存在するかも定かならぬ伝説、徹底的に情報が秘匿される禁忌であることから、
狩人にとってはそういった根本的な情報すらも判然としないといったところか。
- ゲーム内においては、プレイヤーハンターがラスボス級モンスターに挑む過程において、
- 月刊誌「狩りに生きる」などMH世界の情報誌にもモンスターそのものを考察したものはなく、
禁忌のモンスターに関連した逸話や資料が掲載されている程度。
フィールド情報として出現フィールドが紹介されている場合もあるが、
フィールド説明でも名前は一切登場せず、全て「ここで戦うことが想定されているモンスター」
「途轍もなく恐ろしい何か」などといった形ではぐらかされている。
- 世界観を非常に深く掘り下げて紹介する「ハンター大全」シリーズにおいても、
詳細なビジュアルが紹介されたことは一切ない。
黒龍伝説や伝承に関する考察が掲載されたことこそあれど、
その特徴や生態に関しての言及は完全に皆無なのである。
それどころか書の中で伝説や伝承自体に信憑性がないと言い切られてすらいる。
モンスター紹介ページが存在する場合は「未確認モンスター」として記載され、
ページの目立つ箇所に共通して未確認・正体不明を意味する『Unidentified』の表記が載せられている。- 現実における謎の生物として代表的なUMA(未確認動物)は、
Unidentified Mysterious Animalの略である。
禁忌のモンスターがこれに倣うなら「未確認古代龍」ということで、
さしずめUMAD(Unidentified Mysterious Ancient Dragon)といったところか。
- 現実における謎の生物として代表的なUMA(未確認動物)は、
- 作中では規格外の脅威として扱われ、ギルドマスターの言によれば「第一級の危険モンスター」とされる*9。
いずれのモンスターも世界規模の被害をもたらすほどの力を持つと認識されており、
ハンターズギルドの総力を結集して倒すべき存在と定められている。- 現大陸でミラボレアス出現が示唆された際は、新大陸で活動していた調査団にまで参集命令が及び、
国や機関、あらゆる境を取り払った大規模な合同作戦が決行される運びとなった。
この対応を見る限り、「黒龍ミラボレアスの出現」という事態は、
ギルドだけでなく国家や各機関に跨る規模での対処が必要な事柄と見做されているようである。
- 現大陸でミラボレアス出現が示唆された際は、新大陸で活動していた調査団にまで参集命令が及び、
- MHW:Iで大型アップデートによりアルバトリオンが追加されたが、その際の特別任務で
「過去にアルバトリオンに関する編纂書が存在したが、その存在を認められない人間たちによって
文献が焼き払われてしまい失われてしまったため、名前以外の詳細はほとんど分からない」
と語られ、誰にも文句が付けられないくらいのアルバトリオンの編纂書を作るために
調査団はアルバトリオンに挑む、という話の流れになっている。
禁忌のモンスターに関する情報がほとんど存在していないのはこういった歴史もあるからだろう。
- その脅威性から、禁忌のモンスターが現れた領域に他のモンスターが出現した例は皆無である。
シュレイドにて黒龍出現の予兆が発生しただけであらゆる古龍が姿を消したという異常現象は、
強大な天災の化身たる古龍にさえ畏怖される計り知れない戦闘力と影響力を如実に表していると言えよう。- 近年の作品では極めて強大な超大型古龍についても大型古龍の乱入が発生したり、
作中で発生した超大型古龍と大型古龍の縄張り争いが引き分けに終わったりと、
ラスボス級の古龍であっても縄張りなどを巡って大型古龍からの干渉を受け得る事実が多数示されている。
そうした他の古龍からの干渉を一切寄せ付けず、それどころか出現の予兆だけで逃走を余儀なくさせる辺りが
禁忌のモンスターを「古龍の更に上に君臨する存在」たらしめる所以と言えるかもしれない。
これは禁忌のモンスターが世界規模とも言える規格外の縄張り意識を有しているとされる*10が故に、
世界そのものを脅かすほどのスケール、黒龍にとって無視できないほど異常な力を持つ生命体以外には
そもそも干渉するだけの理由がないためであると推測される。- 唯一にして無二の例外が、あらゆる古龍の生態エネルギーの集合体であるジーヴァの成体、
未曾有の存在にして『古龍の王』と称される赤龍ムフェト・ジーヴァである。
環境を自在に創造し、世界の崩壊を招くほどの異常な力は禁忌のモンスターをも動かすに至り、
それを撃滅すべく破壊の象徴が神域を離れ、幽境の谷に襲来するという空前の事態を招いたと同時に、
禁忌のモンスターの縄張り意識が本当にモンハン世界全体まで及んでいる事が明示された。*11
- 近年の作品では極めて強大な超大型古龍についても大型古龍の乱入が発生したり、
その扱い
情報規制
- 既述の通り、情報解禁が為されるまでの間は極めて強い情報規制が行われていた。
- 攻略本やメディアにおいて、その存在に触れられること自体が滅多にない
- 已むを得ず存在に言及する場合、正式名称ではなく別の言い回しで表現される*12
- 武具や勲章、称号、その他関連アイテムなどの入手手段は掲載されない
- 攻略本などでは素材名は一律「??????」などと記載される
- 攻略本において、禁忌のモンスターが登場するクエストは掲載自体が控えられる*13
- 設定資料集であるハンター大全でも間接的な紹介に留まり、詳細は掲載されない
- ノベル版や漫画版、アンソロジーコミックでは一切登場しない
- 初登場作品のサウンドトラックでは戦闘BGMは隠しトラック扱い収録でされる(又は収録されない)
- ベスト盤に戦闘BGMが再録された場合も、曲名こそ載せられるがモンスター名は掲載されない*14
- モンハン部のコンテンツの1つである「狩猟日記」では
内容に「ミラボレアス」「アルバトリオン」「グラン・ミラオス」のいずれかが含まれている場合、
「エラー!不適切な文言が含まれています。」と表示されてしまい、投稿できなくなってしまう。
もちろん他のモンスターの名前を入力した場合は何の問題もなく投稿できる。
- モンハンのプレイ日記漫画においても
その素材を使った武器について大人の事情で公表できないと明言されている。
また、MH3G編のHR解放(グラン・ミラオスの討伐が必須)についても、
「解放した事実と解放後のHRだけ記載し、ミラオスとの戦闘は一切描かない」という形をとっている。
- 4gamer.netなどのゲーム情報サイトでは、次週に配信されるイベントクエストの告知が恒例となっており、
その際はモンスターの正式名称と共にクエスト依頼文、モンスターの画像などが掲載される。
しかし、禁忌のモンスターに関するイベントクエストの配信告知の場合は強烈な情報規制がかかり、
モンスターの名称、クエスト中の画像が一切掲載されなくなることは勿論、
クエスト名のみが掲載され、その内容については一切触れられない場合すらある。- 煽り文が存在する場合、「伝説のモンスター」の文字が躍ることが多い。
ちなみに依頼文中に禁忌のモンスターの正式名称や別称が存在する場合、
必ず依頼文そのものが伏せられる。
- 煽り文が存在する場合、「伝説のモンスター」の文字が躍ることが多い。
- 情報規制以外でも、MH4(G)ではチャットの予測変換に名前が登場せず*15、
MH4Gではミラボレアス種の登場ムービーのナンバリングがフィールド紹介ムービーよりも後になっている
(通常はモンスター登場ムービー→フィールド紹介ムービーの順)など、
特定作品ではあからさまな特別待遇が見受けられる場合もある。
- このように、禁忌のモンスターはあらゆる媒体において破格の扱いを受けている。
モンスターハンターシリーズ全体を通しても、このような扱いを受けているモンスターは他におらず、
他のラスボスは言うに及ばず、隠しモンスターとすら一線を画した異常なモンスター群と言える。
共通点は黒龍との関わりを持っていることだが、それが何を意味するのかは未だ不明である。- 長い間このような措置がとられている理由は不明であったが、
10周年記念オフィシャルクロニクルでついにその理由が語られることとなった。
まず、そもそもMHの世界で生活するハンター以外の人々(一般人)は
モンスターと出くわすこと自体があまりなく、
ましてや古龍に出会うことなど皆無であるらしい。
そして、更にその上にいる存在たち、すなわち禁忌のモンスターに至っては、
もはや御伽噺の類としか認識されていないようだ。
そういった設定を現実に反映し、彼らに関する話を表に出さないことにしたというのが、
黒龍たちが禁忌として扱われている大まかな理由である。
もっとも、黒龍という括りの意味など、説明されていないことは他にもごまんとあるため、
前述の説明で全て納得できたという人は少ないだろう。
- 長い間このような措置がとられている理由は不明であったが、
- 例外中の例外として、作品に登場するモンスターが集結する「モンスター身長比較図」においては、
身体の一部分だけではあるが禁忌のモンスターの姿が確認できる場合がある。
尤も、どの比較図でも他のモンスターに隠れて角の先端部分や翼の一部しか確認できないため、
あくまで「ファンサービス」レベルの露出なのだが。
- かつては公式イベントである狩猟音楽祭では楽曲が演奏されず、
カプコンフィギュアビルダーにおいてフィギュア化が行われた例もなかった*16。
後に2017年の狩猟音楽祭においてミラボレアスのBGM「舞い降りる伝説」がサプライズに近い形で演奏されている。
情報解禁
- モンハンシリーズ15周年を迎えた2019年においては、
各種記念企画のシンボルとしてミラボレアスが名指しで盛んに取り上げられ、
更にはアルバトリオンやグラン・ミラオスの名前まで公式から提示されるという対応が行われた。
この流れは、今までの「禁忌のモンスター」の扱いからすれば異例以外の何者でもなく、
ハンター達の間では、この異例の理由について、様々な憶測が成された。
その後、モンハンラジオ 良三の部屋 復活第2回編内において、- 15周年という、機会の良いタイミングであった
- ユーザー間交流環境が変化し、方針(後述)を貫き続ける事が困難になった*17
同時に今後、禁忌のモンスターについて公式から情報解禁が行われていく事も明言された。
- そして2019年10月31日より開催されたモンスターハンター15周年展では、
禁忌のモンスター全種に関する設定資料の一部が公開された。
これを以って、遂に禁忌のモンスターに関する情報の公式解禁が果たされ、
今までの徹底的な情報規制に終止符が打たれた。
明かされていない部分については今後、何らかの機会に明かされていく予定となっている。- モンスターハンター15周年記念のモンスターサイズ比較ムービーでは、
無印からMHW:Iのイヴェルカーナまで順に登場モンスターが紹介されていく中、
ラストに一挙登場し、ビジュアル、名称、公式サイズが公開されるという特別待遇で締めを飾った。
フルCGで登場した黒龍ミラボレアスを除き、掲載された禁忌のモンスターのイラストは
他のモンスターたちのそれよりも若干暗くなっており、やはりというか別格感を感じさせる演出であった。
- モンスターハンター15周年記念のモンスターサイズ比較ムービーでは、
- 2020年1月7日には『モンスターハンター発想の法則2 禁忌の書』が発売された。
「これまで語られることのなかった“禁忌モンスター"の発想の原点を開発陣に訊く! 」となっており、
公式解禁と相成った禁忌のモンスターたちについて、開発陣から更なる解説がなされている。
- シリーズ20周年となる2024年には、全大型モンスターを対象にして行われた人気投票においてビジュアル・名前付きで出馬*18。
情報が秘匿される事なくエントリーした禁忌モンスターに対しても多くの票が集まることとなった。
- 更に、禁忌モンスターのグッズ化もここぞとばかりに展開されており、
20周年を記念した一番くじではB賞が城壁に張り付く黒龍ミラボレアスのフィギュアになっている他、
D賞は禁忌モンスターのヘッドマグネットになっている。- ただし、ヘッドマグネットは黒龍ミラボレアスと龍/炎/氷活性状態のアルバトリオンの計4種であり、
紅龍/祖龍やグラン・ミラオスは残念ながらラインナップしていない。
MHW:Iで復活した面子が立体化しているのだから仕方ないところなのだが、
それでも形態変化で3種を埋めるアルバトリオンの絵面はなかなかインパクトがある。
- ただし、ヘッドマグネットは黒龍ミラボレアスと龍/炎/氷活性状態のアルバトリオンの計4種であり、
- また、デフォルメぬいぐるみシリーズではアルバトリオンとグラン・ミラオスが商品化され、
13年の時を経てグラン・ミラオス初のグッズ化が実現した。
派生・外伝・海外作品
- 15周年を迎えるまでは、派生作品においても禁忌のモンスターの情報規制は徹底されていた。
- MHSTではクリア後に禁忌のモンスターが登場するものの、
書籍等を含めた公式媒体では名称、別名などを含めてその存在に触れられることは一切なかった。
MHSTは発売から長らく公式がネタバレに関する強い規制を呼びかけていた作品であり、
禁忌のモンスターの存在はその最たるものだけに匂わせすら行われなかったのは当然であろう。
- MHST2は禁忌モンスターの情報解禁がなされた15周年以降(2021年)に発売となった作品であり、
MHSTとは異なり公式から非常に強いネタバレ規制の告知は行われなかったことから、
公式放送においてクリア後に登場する黒龍ミラボレアスのイラストと名称が大々的に紹介され、
公式ヴィジュアルブックにもその姿とコンセプトがコメント付きで堂々と掲載された。
派生作品の関連書籍で禁忌モンスターのコンセプトアートが掲載されるのは本作が初であり、
公式解禁の流れを汲んだものとはいえ、モンハンシリーズの歴史に残る快挙となったと言えよう。
ゲーム情報サイトなどでも同様の措置が取られ*19、現在は公式が発信する情報に拘らずとも
同作に登場する禁忌のモンスターの姿を拝むことができる。- また、MHST2作中ではミラボレアスとの戦闘にあたり、
MHW:Iで新生した専用BGM「舞い降りる伝説/ミラボレアス : World version」が導入されている。
禁忌のモンスターのBGMがメインシリーズから派生作品へ新規導入されたのは初である。
- また、MHST2作中ではミラボレアスとの戦闘にあたり、
- MH2をベースとするMHFにはミラボレアス種が実装されていたが、
公式サイトでは正式サービス開始から2019年のサービス終了まで名称が掲載された事例すら皆無だった。
実装対象として公式サイトで情報を掲示する場合においても、公式イラストはなく
狩猟フィールドの背景画像などが代替とされ、名称や報酬素材なども記載されず、
ミラボレアス種を指し示す場合、代替表現としてゲーム内呼称*20を用いる方法で対応していた。
唯一の例外はMHFサービス開始前のオープンβテストの仕様に関するページ*21だが、
果たしてこれが掲載ミスなのか、告知事項として掲載もやむを得ないと判じられたためかは不明である。- MHFに関連して、ファミ通の坂本ビス太が更新していたブログ
「狩人開拓誌G」(リンク切れ、WEBアーカイブ使用)では、
「いろんな事情で名前が出せない」と前置きし、「名前を言ってはいけないあの人」と呼んでいるほか、
祖龍ミラボレアスに関連する狩煉道の発表時は「モンハンルール的に言えない奴」という形で触れていた。
ファミ通ライターに至るまで規制が徹底されていた事実を窺い知ることができよう。
- MHFに関連して、ファミ通の坂本ビス太が更新していたブログ
- MHSTではクリア後に禁忌のモンスターが登場するものの、
- 15周年を迎えるまで外伝作品においては登場すらしないことが多かったモンスター群だが、
アプリ作品などでは名前を伏せられつつも実装される場合があった。- 『モンハンカードマスター』および続編の『モンハンカードマスターG』では、
最終的に全ての禁忌のモンスターが実装された*22。
また、モンハン探検記においてもミラ系3種が実装されている。
- 『モンハンカードマスター』および続編の『モンハンカードマスターG』では、
- モンスターハンターシリーズの海外における公式YouTubeチャンネルでは、
アルバトリオンの名前と登場ムービー(MH3のもの)が普通に公開されている。
どうやら日本とは異なり、海外では厳しい情報統制はなされていなかったようである。
禁忌のモンスターの一覧と概説
ミラボレアス
- ファンタジーから抜け出してきたドラゴンそのものといった姿をしたモンスター。
元祖『伝説の黒龍』であり、禁忌のモンスターの始祖と言える存在である。
黒龍、紅龍、祖龍、紅龍特殊個体の四種が登場しているが、
公式では等しく「ミラボレアス」と称され、主として別名によって呼びわけがなされる特殊な待遇がなされている。- 紅龍、祖龍、そして紅龍の特殊個体は、彼らの素材を用いた防具の名称より、プレイヤー間では
「ミラバルカン」、「ミラルーツ」、「ミララース」といった俗称で呼ばれる場合もある。
これらは正式な公式名称ではなく、プレイヤーが便宜的に用いている名称である。
- 紅龍、祖龍、そして紅龍の特殊個体は、彼らの素材を用いた防具の名称より、プレイヤー間では
- 初代「モンスターハンター」においてオンラインモードのラスボスとして登場して以来、
多くのメインシリーズにおいて裏ボスとして君臨してきた「シリーズの裏の顔」とも言うべきモンスター。
無印から登場する最も有名なモンスターの一つでありながら15年の長きに渡ってビジュアルと詳細が秘匿され続け、
プレイヤーに「禁忌のモンスター」とは何たるかを認識させていた伝説的な存在であった。- 公式ガイドブックや設定資料集では「存在は示すが詳細とビジュアルは明かさない」手法が取られ、
「その姿を目撃するためには、実際に作中で出会うしかない」という扱いが徹底されていた。
黒龍伝説についての考察、「ミラボレアス」というワード、赤衣の吟遊詩人の唄、
シュレイド王国滅亡と黒龍と呼ばれる存在との関係、
攻略本における「数多の飛竜を倒した者の前に現れる『ドラゴン』なる存在」についての紹介コラムなど、
存在を示唆する情報は散りばめながらも根幹となる正体には一切と言っていいほど触れられず、
不気味なまでの不可侵感を漂わせる別格の存在というスタンスを帯び続けていたのである。
MHP2系列においてシリーズ初となるミラ系以外のラスボス:アカムトルム、ウカムルバスが登場し、
それらの情報が秘匿されず大々的に公開されたことで、ミラボレアスの異質さは更に浮き彫りになった。
公式ガイドブックでラスボスの情報が詳述される中でもあくまで「??????」という表記が貫かれる様相は、
多くのハンターに単なる早期ネタバレ防止ではなく別の意図が存在することを察知させたのである。- このような公式からの徹底のもとハンターにも認知された情報規制は、
後述の通りMH3にて登場するアルバトリオン、MH3Gにて登場するグラン・ミラオスへと引き継がれ、
MH4でのミラボレアスの復活に際してはチャットの変換機能にまで及ぶ強固な形で再現されることになる。
- 公式ガイドブックや設定資料集では「存在は示すが詳細とビジュアルは明かさない」手法が取られ、
- 紅龍ミラボレアス、祖龍ミラボレアス、紅龍ミラボレアス特殊個体の情報規制は極めて強固で、
ハンター大全や公式攻略本においては示唆レベルの言及すらほぼ存在しない。
このため掲載されている固有の武具から正体不明のモンスターが存在しているらしいことが推察できるのみで、
紅龍ミラボレアス特殊個体に至っては設定資料集において固有武具の掲載すらなされなかったことから、
単にハンター大全を閲覧しただけでは設定上存在することすら認知できないという有様であった。- 別名も徹底して掲載を避けられており、
紅龍は「伝説の龍」、祖龍は「白き古龍」という形で仄めかされるに留まっていた。
これは禁忌のモンスターとしては最高峰の情報規制である。
- 別名も徹底して掲載を避けられており、
- モンハン部公式HPでの企画として「モンハン4G Best Price発売記念オンライン狩り会」が実施された。
概要としてはモンハン部のスタッフやマネージャーがオンラインに部屋を作り、
参加してきた一般のファンと一緒に狩りをするという内容である。
一人に付き1クエストのみ、選択できるクエストにも制限があるなど事前にルールが示されており、
参加者のハンター名や挑戦したクエストなどがHPで公開されるのもその一つである。
ところがその中で紅龍ミラボレアス特殊個体を狩猟するクエストを選択したハンターがおり、
しかもそのクエスト自体は事前ルールで規制されるクエストではなかったため、
狩り会の結果ページに「対象モンスター:伝説のモンスター」と表示された。- また、ファミ通.comの記事やモンハン部のTwitterにおいて
イベントクエスト「終焉に至る宴」の配信が告知された際には、
「伝説のモンスター襲来!」という煽り文句が掲げられていた。
- また、ファミ通.comの記事やモンハン部のTwitterにおいて
- MHX(X)のモンスターリストでは、3ページ目に攻略のヒントが記されているが、
ミラボレアスのそれは「何もかもが謎に包まれている」「どの攻撃を見ても威力が桁違い」としか書かれていない。
他の古龍種とは違って黒龍には特筆すべき特殊能力がないことや、
ゲーム上では紅龍や祖龍も一様に「ミラボレアス」であることが関係している
(要するに紅龍や祖龍戦でも矛盾しないアドバイスにせざるを得なかった)可能性もあるが、
見方によっては「モンスターリストにおける情報規制」とも捉えられる内容である。
- シリーズ10周年においては恐らく特別措置として、黒龍ミラボレアスへの一部規制が緩められた。
- 特設サイトではグッズのページにて
「黒龍」をイメージしたレザージャケットの宣伝が行われているが、
ここでは「モンスターハンターの世界で語り継がれる伝説のモンスター『黒龍』」と堂々と別称が紹介され、
モンスターハンターシリーズの公式サイトでは初となる「禁忌のモンスターの別名の掲載」がなされた。
また、この件によってタンジアの港の床や一部のサントラなどに描かれていた、
龍を象ったハンターズギルドの紋章の正体が、大方の予想通りミラボレアスであると判明している。
- モンスターハンターのオフィシャルギターユニット「BlackLute」について、
10周年記念サイトにてユニット名の由来がミラボレアスの狩猟笛「ブラックリュート」であることが明言された。
ライナーノーツでは「MHP2Gの狩猟笛」とわざわざ具体的な由来が伏せられていたこと、
当時は禁忌のモンスターに関連する話題が出ることすらほぼなかったことも手伝い、
その由来が明かされただけでもそれなりの驚きをもって迎えられたのである。
- そして特別措置の最たるものが、10周年記念オフィシャルクロニクルにおいて、
黒龍ミラボレアスに関するインタビュー及び設定イラストが掲載されたことである。
10年間もの間、禁忌のモンスターについて公式からの積極的な情報開示が一切なかった経緯を踏まえると、
インタビューという形で開発側から直接解説が行われるのは異例中の異例であった。- このインタビューではミラボレアスが誕生した理由や、モンスターとしてのコンセプト、
ひいては禁忌のモンスター全体の世界観的立ち位置などにも間接的に触れられている。
生態などの詳細設定について触れられることは最後までなかったが、
ミラボレアスを含む「禁忌のモンスター」がどのような存在と想定されているか、については
おぼろげながら理解できる内容となっている。
- このインタビューではミラボレアスが誕生した理由や、モンスターとしてのコンセプト、
- 特設サイトではグッズのページにて
- 狩猟音楽祭2017では、アンコールにて舞い降りる伝説が演奏され、多くのハンターを驚かせた。
なお、同イベントで禁忌のモンスターの戦闘BGMが演奏されるのは初めての事例となる。- 更にスクリーン上には「舞い降りる伝説/ミラボレアス」とミラボレアスの名が堂々と表示されていた。
ファミ通.com等のゲーム情報サイトで公表されているセットリストにも、
しっかりと「舞い降りる伝説/ミラボレアス」と掲載されている。
このようなイベントや公式のゲーム情報サイトでミラボレアスの名が出る事は非常に珍しい。
- 更にスクリーン上には「舞い降りる伝説/ミラボレアス」とミラボレアスの名が堂々と表示されていた。
- そして迎えたシリーズ15周年では禁忌のモンスターそのものの情報解禁が実施される運びとなったが、
解禁に先立って2019年2月6日に放送されたカプコンTVにおいては、15周年記念として
ミラボレアスをモチーフとしたグッズが販売されることが明らかとなった。- カプコンフィギュアビルダーではなんと黒龍ミラボレアスのフィギュア化が決定。
カプコンTVでは(ミラボレアスの)ビジュアル自体が初公開という触れ込みで紹介されており、
禁忌のモンスターとしても初のフィギュア化と相成った。
- また、同時に発表された「モンスターハンター15thTシャツ ミラボレアス」のカラーは、
黒龍ブラック、紅龍レッド、祖龍ホワイトの3色であった。
これをもって黒龍に続き、紅龍と祖龍についても公式グッズ化を果たしたことになる。
- カプコンフィギュアビルダーではなんと黒龍ミラボレアスのフィギュア化が決定。
- “黒龍”ミラボレアスはシリーズを通して大きく取り上げられる機会が多い。
10周年における記念グッズの発売、狩猟音楽祭でのサプライズ的なBGMの演奏、
15周年記念メモリアルムービーにおいては大トリとして新規CGモデルでの登場を飾り、
専用特設ページを伴ってのCFBクリエイターズモデルの販売がなされるなど、
禁忌モンスターの中でも特に大々的に扱われている節が強いモンスターと言えよう。- 黒龍ミラボレアスは初代モンスターハンターで登場した「禁忌のモンスターの原点」であるだけでなく、
「ミラボレアスというモンスターの出発点」となった存在でもある。
モンスターハンターシリーズの裏の看板として最も知名度の高い禁忌のモンスターでもあり、
公式からも世界観の頂点に立つ禁忌のモンスター筆頭として遇されているのだろう。
- 黒龍ミラボレアスは初代モンスターハンターで登場した「禁忌のモンスターの原点」であるだけでなく、
アルバトリオン
- 煌黒龍と称される、黒い天馬のような姿の龍。
原点回帰を謳ったMH3で登場した、第2の禁忌のモンスターである。
- ミラボレアスで確立された禁忌モンスターに纏わる情報規制を引き継いでおり、
攻略本で直接的な言及がないのは勿論、ハンター大全3でも存在が示唆されるのみでビジュアルの紹介はない。- MH3Gの公式ガイドブックでは、「『英雄の証明』クリア後に出現する緊急クエスト」として、
アルバトリオンが登場するクエストが間接的に示されているのみ。
また、「龍風圧」の紹介(「あるモンスターが発生させる強力な風圧」)でも存在を示唆されてはいる*23が、
称号の出現条件から勲章の獲得条件まで、その名前やクエスト、フィールドは全て「???」で伏せられている。
なお、MH4(G)では素材と端材のみの登場だが、素材の名前は「???」となっている。
モンスターそのものが登場せずとも素材名の表記すら許されないという規制の徹底ぶりは、
当時のハンターを大いに驚かせるとともに禁忌のモンスターの別格感を知らしめるのに一役買った。
- ハンター大全3には煌黒龍という別称とともに専用ページが設けられているものの、
無印のハンター大全におけるミラボレアスのページと同様に『Unidentified』の文字と
汎用フィールドの写真が掲載され、ごく僅かな情報が掲載されているのみである。
情報に関しても作中でモンスターリストレベルの簡潔な解説に留まっており、
その正体に関する考察すら掲載されなかった*24。
当然ながら生態樹形図においても名称は伏せられ、煌龍亜目という記載が確認できるのみである。- 時代の流れか装備関連については武器、防具ともに比較的詳細な解説が存在しており、
ハンター大全4でも素材交換によって入手できるエスカドラシリーズが紹介されている。
- 時代の流れか装備関連については武器、防具ともに比較的詳細な解説が存在しており、
- MH3Gの公式ガイドブックでは、「『英雄の証明』クリア後に出現する緊急クエスト」として、
- MH3G発売後に出版されたイラストレーションズ2では、
なんとアルバトリオンの全身を描いたと思われるイメージイラストが複数掲載された
(その後、2014年に10周年記念のモンスターハンター展でも展示された)。
目次では「???イメージイラスト」となっており名前は伏せられていたが、
禁忌のモンスターでは唯一情報解禁前に書籍で詳細な設定画が公開された種である。- 当時禁忌のモンスターのビジュアルはCGイラストを含めて完全に門外不出の状態であり、
アルバトリオンのそれと断定できるイラストが公開されたことはハンターに大きな驚きを与えた。
- 当時禁忌のモンスターのビジュアルはCGイラストを含めて完全に門外不出の状態であり、
- ミラボレアスとの関連性が全く存在せず、源龍亜目に属さない唯一の禁忌のモンスターである。
名称や骨格はもちろん伝承や生態、裏設定まで含めても他の禁忌モンスターとの共通点はなく、
ビジュアル面を見てもスタンダードなドラゴンであるミラボレアスの対極に位置する、
とにかく異質さを突き詰めたデザインとなっている。- BGMも、他の禁忌のモンスターのBGMにはコーラスが入っているのに対して、
アルバトリオンのBGMのみコーラスが入っていない
(MHW:Iでのリメイクにあたってもコーラスは追加されなかった)。
プレイヤーとの激しいアクションのやり取りの中でゲーム性を持った強さを発揮しやすい
古龍ベースの骨格を持った《黒龍》としてデザインされたことに由来するようだ。
名称に関しては「強大な存在を乗り越えて帰ってきた心情」を表す意味を持たせるという発想から、
運命の戦争を意味する「ミラ」ボレアスから敢えて切り離し「アルバトリオン」と名付けられた模様。- ミラボレアスやグラン・ミラオスとは全く異なる設定や属性を扱う点については、
通常の自然現象を司る他の古龍を「さまざまな天災の象徴」として凌駕する存在というコンセプト、
原初を感じさせるようなあらゆる力を秘めた古龍らしい古龍という方向性で
ミラボレアスとは異なる形で同格と言えるような存在感を目指した結果らしい。
ミラボレアスとは異なるアプローチで禁忌のモンスターを表現した存在、と言ったところか。
結果としてあらゆる自然の力の象徴、天災の具現として古龍らしさを突き詰めた
禁忌のモンスターの中でも異質な存在と言えるポジションを占めるに至り、
ミラボレアスとは違った方向性で神格化がなされる存在となったのは、まさにデザインの妙と言えよう。 - BGMも、他の禁忌のモンスターのBGMにはコーラスが入っているのに対して、
グラン・ミラオス
- "煉黒龍"と称される、大地の化身の如き姿の龍。
MH3Gで登場した第3の禁忌のモンスターであり、「伝説の黒龍」として扱われる。
ミラボレアス種と同様の骨格を持ち、ゲーム内でも「≪黒龍≫」と呼ばれるなど、
黒龍ミラボレアスとの密接な関係が示唆されている。
- 「黒龍」の名を冠する禁忌のモンスターの中では輪をかけて情報量が少なく、
ハンター大全においてはビジュアルは勿論のこと、ミラボレアスやアルバトリオンと異なり
モンスターの専用ページすら存在せず、狩猟地の「厄海」が僅かな情報と共に紹介されるに止まっている。- 厄海の紹介では、「想像を絶する禍々しい力で破壊しつくされた地」という一文があり、
間接的に存在が示されると共に、人類に仇なす『邪龍』としての性質が強調されている。
別名も掲載されている*25ため、紅龍や祖龍ほどに露骨な情報規制ではない。
ただし別名を除くと公式名称は記載されず『伝説のモンスター』という呼称が徹底されているため、
他とは明らかに異質な雰囲気を漂わせる特別な存在というイメージは十二分に醸成されている。 - 厄海の紹介では、「想像を絶する禍々しい力で破壊しつくされた地」という一文があり、
- MH3Gではイベントクエスト配信時にそのモンスターの画像が掲載されていたが、
グラン・ミラオスのイベントクエスト『活火激発』の配信時に掲載されたのは
狩猟地である「厄海」の背景画像であり、ミラオスはシルエットの公開すらなされなかった。
アルバトリオンはMH3Gでの『神の再臨』の配信にあたり全身画像が掲載されたのだが、
ミラオスが同様の措置を取られず姿が秘匿された理由は謎である*26。
- イラストレーションズ2においてはアルバトリオンの設定画が正体不明種として掲載されたが、
グラン・ミラオスは「厄海」のラフイラストが「???フィールド」として数点掲載され、
肩から下が海に浸かり、体の大部分が隠れたミラオスの姿が描かれているという間接的な形での出演となった。
さらに、CGアートワークス2に至ってはグラン・ミラオスのCGイラストは勿論、
厄海のイメージビジュアルすらも掲載されなかった(ミラオスの武器・防具のビジュアルは掲載されている)。
- 禁忌のモンスターで唯一オープニングムービーでその姿が映し出されている。
勿論遠いアングルからのワンシーンのみの登場であり、ビジュアル以外の情報は全くなかったわけだが、
この時から「このモンスターがラスボスなのではないか」と推測するハンターも存在していた。
禁忌のモンスターの中でも最も大胆なデビューを飾ったモンスターでありながら
その他のメディアでの露出が全くと言っていいほど存在しなかった、色々な意味で稀有な存在と言えるだろう。- 後のインタビューにおいて、このワンカットは未完成となった生態ムービーの名残であり、
本来オープニングムービーではなく別ムービーとして収録予定だった映像であることが明かされた。
つまり仮に映像が完成していれば、生態ムービーがある唯一の禁忌モンスターだったことになる。
- 後のインタビューにおいて、このワンカットは未完成となった生態ムービーの名残であり、
- モンスターハンター・ザ・リアル2012のHPに掲載された等身大リオレイア希少種の制作委員会議事録にて、
グラン・ミラオスと戦う緊急クエスト「黒焔盛んにして災異未だ止まず」を捩ったと思しい
「アイデア盛んにして開発未だ進まず」という題名の記事が載せられたことがある。
- 公開された設定によれば、「MH3Gの最終モンスターとしてミラボレアス的な存在を考える」という出発点から、
3シリーズの象徴でもある水中要素と密接に関連した《黒龍》としてデザインされた禁忌のモンスターである。
この経緯から禁忌モンスターとしてはゲーム的な設計が先行した部分が比較的大きいとされており、
水中と地上の二面性を持つ厄海と設定面でも強い結びつきを有した異色の《黒龍》となったようである。- 名称に関しては「ミラ」に拘っていたわけではなく、「MH3Gにおけるミラボレアスのような存在」
「海の天災にして大地を生み出す海底火山」といったワードから生み出されたデザイン案が
海底火山がミラボレアスとして具現化したかのような代物であったことから、
モンスターハンター世界の人々が黒龍をイメージしたものという解釈で「ミラ」のワードが採用された模様。
名前の意味合いは「大地のミラボレアス」とのことだが、実際にミラボレアスと生物的関連があるかは不明で、
具現化という表現から大地がその姿を象った存在という解釈も可能ではある*27。
- 名称に関しては「ミラ」に拘っていたわけではなく、「MH3Gにおけるミラボレアスのような存在」
- 禁忌モンスターの情報解禁後の発表がなされた後にMHW:Iで堂々の復活を果たし、
作中や設定資料集において新たな側面と設定が描写されたミラボレアスとアルバトリオンに対して、
グラン・ミラオスは登場して以来現在に至るまでシリーズ復帰の兆しが見えない。
15周年記念展の掲示や「禁忌の書」において公式から公開された情報を除くと、
実に10年以上前となるMH3G当時の設定や描写のままアップデートがなされていない状態であり、
MHWorldにて革新を遂げた新たな技術を駆使しての復活を望む声は多く、
いつの日か、新生してハンターに再び禁忌モンスターの威名を知らしめる日は訪れるのだろうか。
余談
- シリーズを通してのトップシークレットと言える存在であるため、
かつてユーザーの間では「シークレットモンスター」という俗称も使われていた
(禁忌モンスターが公式用語となったことに伴い、現在はほぼ死語となっている)。
強いて使用する場合は、隠しモンスターや食玩などでシークレットとされるモンスターと
混同しないよう注意が必要である。
- 徹底的に情報が隠匿されている禁忌のモンスターだが、稀に書籍に名前が出てしまう事もある。
一例として、ファミ通から発売された書籍『モンスターハンター Visual & Memorial Archives』のラオシャンロンの項で、
超巨大モンスターの一体としてグラン・ミラオスの名前が挙げられてしまっている。
またMHXのファミ通版攻略本において、
集会所の設定項目一覧にアルバトリオンの名前が記載されてしまっている。
ただし、前者の例ではグラン・ミラオスを含む禁忌のモンスター自体はそれまで同様に一切情報が掲載されておらず、
また後者も該当部分以外には名前が出ておらず(???????扱い)、素材の情報も例によって伏せられているので、
誤植か校正ミスである可能性が高い。
- 禁忌のモンスター達はゲーム内では普通に名前が出てくる。
クエストのターゲット名やモンスターリストなども、伏せられずに表示される。
上記にあるように別名もゲーム内でちゃんと確認できることが多く、
素材や武具の説明文である程度の生態を推察することは可能となっている。
だが上述したように公式では情報開示が全くと言っていいほど行われないため、
「多くのプレイヤーの間では周知の事実なのに、公式は頑なに情報を開示したがらない」
という謎めいた空気を生み出すことに繋がっている。- これについては開発陣がインタビューで語った通り、公式が徹底的な情報統制を行うことで
禁忌のモンスターたちを現実においても"伝説"の存在、特別なサプライズとして成り立たせる
(少なくともそういった雰囲気を醸成する)狙いがあったためだと考えられる。
近年は10周年、15周年といったシリーズの節目に合わせて公式で情報が公開される例も出てきたが、
こうした限定的なメディア露出も「アニバーサリーの特別感」を演出するのに一役買っている。
- これについては開発陣がインタビューで語った通り、公式が徹底的な情報統制を行うことで
- MH3Gで登場したグラン・ミラオスを最後に「完全新規の禁忌のモンスター」は登場していない。
既存の禁忌のモンスターの関連種を含めればMH4Gで登場した紅龍ミラボレアス特殊個体が最後となる。- 少し踏み込むと、2004年の初代MH(黒龍)、2005年のMHG(紅龍)、2006年のMH2(祖龍)、
2009年のMH3(煌黒龍)、2011年のMH3G(煉黒龍)、2014年のMH4G(紅龍特殊個体)といった具合である。
これ以降は「禁忌のモンスター」という枠組み自体が更新されない可能性もある。*28- なお、ミラボレアスという存在に関しては今後様々な形で広げていきたい、ともされており、
禁忌モンスターの掘り下げについては今後も意欲的に行われていくものと思われる。
実際、後に発売されたMHW:Iの設定資料集では史上初となる禁忌モンスターの掲載がなされ、
そのビジュアルや生態について、(憶測や考察という形ながら)かつてないレベルの言及が見られた。
- 少し踏み込むと、2004年の初代MH(黒龍)、2005年のMHG(紅龍)、2006年のMH2(祖龍)、
- 新大陸が舞台となるMHWorldには、禁忌のモンスターは一種も登場していなかった。
同作ではアップデートを通したモンスターの新規実装が行われていたが、
最後とされるアップデートがあった5月以降も禁忌のモンスターは実装されず終いであった。
その後、拡張版であるMHW:Iでは大型無料アップデート第4弾にてアルバトリオンの参戦が決定。
新大陸を主要な舞台としていたMHWorldにおいても禁忌のモンスターの存在が確認される*29ことになった。
最終アップデートでは15周年からファンに待望され続けていた黒龍ミラボレアスの登場が決定。
物語上も新大陸から現大陸のシュレイド城へ舞台を移すという形で丁寧なお膳立てがなされ、
新大陸で始まったストーリーを懐かしの現大陸で締め括るという熱い展開で終幕となった。
- MHRiseでは現大陸に舞台が戻ったものの、禁忌のモンスターは登場せず。
大型アップデートでの登場も果たされないまま拡張版であるMHR:Sが発売され、
そのMHR:Sでも最後まで禁忌のモンスターが登場することはなかった。
これをもってMHRise系列はメインシリーズ初となる禁忌モンスターが登場しない作品となった。
そのため、猛き炎はメインシリーズで初めて黒龍と一切関わらなかった主人公ハンターとなっている。- 歴代で初めて禁忌のモンスターが登場しないという事実は多くのプレイヤーを驚かせたらしく、
ボーナスアップデート実装日には禁忌のモンスターに関する話題も上がった。
公式からも特別な存在とされているだけに、これらのモンスターが根強い人気と影響力を誇っていることが窺える。
- 当作では他にも亜種がいないタマミツネに希少種が追加されたりと、
従来の作品でいつのまにか常識とされていたことが覆される事例が起こっているため、
本件についてもその一例なのかもしれない。
- 歴代で初めて禁忌のモンスターが登場しないという事実は多くのプレイヤーを驚かせたらしく、
- 「情報秘匿」という意味では、作品そのものにネタバレ防止の措置が行われた
「MHST」の物語に深く関わる一部モンスターたちもある意味これに該当するかもしれない。
ただし、そちらに関しては他作品で登場する様子も、設定資料などが公開される様子も全く見られないため、
現在のMHシリーズでは他の禁忌のモンスターをも上回る名実ともに最も謎に包まれた存在となっている。- MHSTシリーズは物語性に重点を置いているため、ネタバレ防止の措置が緩められたMHST2も含め、
情報が安易に出回ることはゲームの魅力を大いに損ねることに繋がる恐れがある。
当Wikiに存在するそれらのモンスターについての記事はネタバレ防止のため隠蔽措置が取られているが、
これはあくまで本編クリア済みのプレイヤーに向けたものであるため、
本編未プレイの方はMHSTで新登場したモンスターの記事の閲覧はお勧めしない。
- MHSTシリーズは物語性に重点を置いているため、ネタバレ防止の措置が緩められたMHST2も含め、