最期まで主君に付き従った士が
遺した雅なる薙刀。麗しき花刃
は風と共に戦野を駈く。
(狐薙刀ツユサソウラン)
朽野に吹く旋風に涼めば最期、
雅なる薙刀の華が眼前に咲く。
狐薙刀ツユサソウラン強化/最終型。
(すがのねの長薙の巴)
悪縁因縁を、雅なる刃にて
薙ぎ払わん。愛し君との幸いが
願わくは万劫末代、うち続け。
(すがのねの長夜華山薙)
MHXに登場するタマミツネ素材の操虫棍。
本項では、MHXXで登場した二つ名持ちモンスター・天眼タマミツネ、
及びMHR:Sで登場したタマミツネ希少種の武器についても解説する。
目次
概要
- 和風な意匠が多いタマミツネの武器らしく、見た目は日本古来の薙刀(なぎなた)の形そのものである。
反対側にも刃(のような形の虫笛)があるけど
刀身はピンクと紫のグラデーションに花吹雪が舞っていて美しい。
そしてやはり、ミツネ武器らしく振り回すと雅な音が響き渡る。特に猟虫のアクション時の音は一聞の価値あり。
性能
MHX
- 作成段階では前述の通り「狐薙刀ツユサソウラン」。その性能は
- 下位では高めの攻撃力130
- ミツネ武器なので標準搭載の水属性12
- 斬れ味は十分な長さの緑
- 会心率は0%
- 装飾品スロットは1個
- 猟虫は切断属性のクルドローン
作成には入手難易度が高めの泡狐竜の爪を3個要求されるが、
一応剥ぎ取りや基本報酬でも出現する可能性があるのでコレとかコレよりは大分マシな方。
いつものアレに振り回されなければの場合だが。 - この時点での水属性操虫棍は他に「ロアルブルーム」と「サンドアンカー」が存在する。
が、ロアルブルームは同時期の強化では性能で劣っており、サンドアンカーは属性がおまけ気味。
安定性を求めるならばこの武器の独擅場であろう。但し、強化難易度が一番高いのもこの武器である点には注意。 - 強化の際には逆鱗・水玉もそうであるが、LV4で今度は「泡狐竜の尖爪」も3個要求される。
ただ、やはり剥ぎ取り・基本報酬で出る為、あまり苦労する方ではないだろう。
- 最終強化すると銘が変化する。その名も「すがのねの長薙の巴」。
その性能はと言うと- 標準的な攻撃力200
- こちらも標準的な水属性26
- 斬れ味は素でまずまずの青、斬れ味+1から白が出る
- 強化する中で付加される会心率+10%
- 変わらずスロット1
- ライバルはロアルブルームの最終形ロアル・ロ・ブルーム。
あちらは攻撃力・属性でこちらを上回る代わりに斬れ味(特に青)が不安。
こちらは匠を切って業物運用も十分考えられる為、スキルに合わせて選択していくと良いだろう。
MHXX(通常種武器&二つ名武器)
- G級追加に伴いさらなる強化が可能となった。
究極強化で「すがのねの長夜華山薙」となる。
また、タマミツネの二つ名個体である天眼タマミツネの素材から作られる「天眼薙刀・春愁秋思」も新たに登場。
こちらはLV3の最終強化で「たくなわの千薙の胡蝶」、LV5の究極強化で「たくなわの千尋儚命薙」となる。
具体的な性能は以下の通り。どちらも平均的な攻撃力と属性値、そして斬れ味レベル+2で実用的な紫ゲージと、武器名 攻撃力 会心率 属性値 斬れ味 匠+2 スロット 猟虫 すがのねの長夜華山薙 320 10% 水32 白40 紫50 ○-- 切断 たくなわの千尋儚命薙 320 20% 水27 白30 紫40 --- 切断
バランスのいい扱いやすい武器に仕上がっている。
華山薙は属性値がやや高く、儚命薙は会心率がやや高いがそこまで大きな差ではない。
スロット1が欲しい場合は華山薙、狩技ゲージが溜まりやすい効果が欲しいなら儚命薙と
使い分けるといいだろう。- ちなみに、華山薙は斬れ味レベル+1でも紫25と、
ギリギリ業物と臨戦や斬れ味回復猟虫などでの維持が可能な値となっている。
そこで節約出来た分で他の有用なスキルが付けられるならば、
水属性棍でトップクラスの活躍が可能となるであろう。
- ちなみに、華山薙は斬れ味レベル+1でも紫25と、
- これらと似たような性能の操虫棍として、ロアルドロス素材から作られる「水跳ドロスブルーム」がある。
同等の攻撃力320に高めの水属性35、斬れ味ゲージは儚命薙と同じ長さで、スロットが2つ空いている。
総合的な性能差はほとんどないので、スロット2が欲しいならあちらを選ぼう。
- 余談だが、他の近接通常種ミツネ武器は究極強化で攻撃力310であるのに対し*1、操虫棍だけ320と高くなっている。
他の四天王の武器を見ても何故か優遇されており、他武器種より優秀という評価がなされている。
四天王の素材と操虫棍の相性が良いのだろうか?
一応、虫の素材を使用するが
MHRise
- タマミツネの復帰により本武器も久々に復帰。
本作ではカムラノ鉄刃棍IIIからの派生強化となっている。
発売当初は狐薙刀ツユサソウランIIまでの登場となっていた。
性能は- 攻撃力170
- 水属性16
- 斬れ味は青30
- 会心率は10%
- 装飾品スロットはLv1が1個
- 猟虫レベルは5
- 百竜強化候補は攻撃力強化II、会心率強化II、属性強化【水】II
最終強化形に達してないこともあり、他の水属性棍と比べると中途半端な性能に留まっていた。
- Ver.3.0で最終強化形「すがのねの長薙の巴」が登場。
- 攻撃力190
- 水属性20
- 斬れ味は青50(水属性棍の中では素青が最も長く、唯一匠1から白が出る)
- 会心率は15%
- 装飾品スロットはLv2が1個とLv1が1個
- 猟虫レベルは7(水属性棍の中ではトップタイ)
- 百竜強化候補は攻撃力強化がIIからIIIへ
従来Verでの水属性棍トップだった狩猟筆【花虫画】と比べると、斬れ味青での期待値では向こうに軍配が上がるが、
こちらは素青の長さと猟虫レベルで勝る他、匠で白ゲージを出せる点に大きな優位性がある。
- 性能はともかく環境は逆風気味。Ver.3.0以降も無属性棍が元気に暴れている上、
この武器は最終強化がラスボス討伐後になるがそこまで来るともう水属性武器を活躍させる機会があまりない。
MHR:S
- マスターランク素材を使い「すがのねの長薙の巴改」→「すがのね長夜華山薙」に、
そしてマスターランクを50まで上げて手に入る傀異化した爪と鱗を用いて「すがのねの長夜華山薙改」に強化される、
すがのねの長薙の巴改は一発生産も可能。
- 「すがのねの長夜華山薙改」の性能は
- 攻撃力320
- 水属性31
- 斬れ味は紫20白50、紫は匠で更に伸びる
- 会心率15%
- 装飾品スロットはLv2とLv1がそれぞれ1個ずつ
- 猟虫レベルは14
- 百竜装飾品スロットは2
素の物理期待値は水棍トップで水属性も飾りではない程度に備えている。
完成自体は遅くレア素材も必要だが努力して手に入れる価値は十二分にある。
- 強みである紫や会心を活かすために達人芸構成等で斬れ味の維持に努めたい所。
特に強力なライバルは水跳ドロスブルーム改、攻撃力330に水棍最高値45を兼ね備えている。
物理は斬れ味と会心の関係でこちらが勝っているものの属性値ではあちらに劣る。
ハイバランスで水弱点全てを相手に活躍できるのがあちらの強みという、こちらの立場を揺るがす強豪。
手数が多い武器種でもあるため、高い属性が生きやすいのもポイント。
こちらは素の火力と研磨術【鋭】や剛刃研磨など、斬れ味の取捨選択を利用した攻撃的なスキル構成にしないと厳しい。- 本作の最終強化武器は、最後まで傀異錬成の枠を解放することで攻撃力・属性値・斬れ味が素で増加する。
特に斬れ味が+20増えるのは非常にありがたいが、先述の研磨術【鋭】運用はもうできない。
しかし、ありがたいことに、今作のスキル環境はとんでもないインフレを起こしており火力も属性もやりたい放題できる。
そこに操虫棍の「属性も大事だけど物理も大事」という基本的な部分がキレイに当てはまるため、
防具の錬成や護石錬金をしっかり吟味すれば、持って生まれたバランス型の気質を最大限活かすことができるだろう。
- 本作の最終強化武器は、最後まで傀異錬成の枠を解放することで攻撃力・属性値・斬れ味が素で増加する。
破邪之薙刀スミナガシ
かつて式神使いの退魔師が
用いた薙刀。天翔けよ、悪鬼を
誅する先触れとならんと。
MHR:S
- Ver.12.0より追加されたタマミツネ希少種素材の操虫棍。
一発生産には天鱗が必要なので、前述のすがのねの長薙の巴改の一発生産から強化する方が良いだろう。
その性能は- すがのねの長夜華山薙改と同じ攻撃力320
- 無属性も同然の火属性15
- 斬れ味はラスボス武器に迫る圧巻の紫70、匠でさらに延長可能
- すがのねの長夜華山薙改にやや劣る会心率10%
- 装飾品スロットもこれまた圧巻のLv2が3つ
- 猟虫レベルも最大の15
- 問題の百竜装飾品スロット1
- 操虫棍は属性が重視される手数武器。この属性の低さはかなり痛く、なんと火属性棍最下位である。
属性が期待できない点と高い猟虫レベルを活かし、打撃属性の猟虫を採用しやすいと捉えることもできるが。
- 通常種武器から減った会心率5%だが、会心率を5%だけ上げる手段が限られているのでこの点はあまり問題にはならない。
見切りも超会心も達人芸も全てLv2スロットであるためこの武器の拡張性の高さはそれを補って余りある。
斬れ味ケアを全てぶん投げられる圧倒的な紫ゲージの長さもあり会心特化構成の作りやすさにおいては他の追随を許さない。
- 最後に残った問題はやはり百竜スロット1だろう。傀異錬成でのケアは必須と言える。
- Ver.16では原初メル・ゼナ武器の刻銀の刺棍が通常スロットLv4×3と百竜装飾品スロットLv3を引っ提げて登場。
猟虫レベルも同じく15な上にそこそこの龍属性を持つ。
こちらはだいぶ肩身が狭くなる羽目になってしまった。
余談
- 通常種武器の名前の由来は、戦国時代の武将・鳥居景近の辞世の句の一節と思われる。
「先立ちし 小萩が本の 秋風や 残る小枝の 露誘うらん」
(先に出かけた 小萩のもとの秋風が、残った小枝の露を誘うだろう。)- 小萩は鳥居景近、秋風は朝倉義景、小枝の露は他の家臣たちの命を表していて、
先立った義景のあとを追おうとする家臣の忠義が垣間見える。
主君・朝倉義景に最期まで付き従った人物であり、
武器説明文の「最期まで主君に付き従った士」はここから来ているのだろう。 - 全てカタカナ表記だと「ツユサ/ソウラン」と区切ってしまいがちだが、
この句の通り読みの区切りは「ツユ/サソウラン」である。
またそれっぽく読めてしまうことから、「ツユクサソウラン」と誤読されることもある。- 「露誘う蘭(ラン)」でもない。風情があってこれはこれでよろしいが。
- 小萩は鳥居景近、秋風は朝倉義景、小枝の露は他の家臣たちの命を表していて、
- 最終強化に現れる「すがのね」は漢字にすると「菅の根」。
菅とはスゲと呼ばれる植物のことで、その根は長く伸びて分かれ乱れるところから長いものを喩えるのに用いられ、
「長(なが)」にかかる枕詞として使われる。
また、同じく最終強化で現れる「巴」の由来はおそらく「巴御前」。
「平家物語」にて、木曾義仲に仕えた女武者とされる人物で、薙刀の名手であったとされる。
因みに、刀身の幅が広く反りが深い薙刀を「巴形薙刀」と呼び、こちらは上述の巴御前が名の由来とされている。
馬上用、女性向けとして用いられた形と言われるが、主に典礼用として扱われることが多い。
本武器はこの巴形薙刀の特徴に似た形状となっており、名称の「巴」にはこのニュアンスも含まれているかもしれない。
一見すると最近よくありがちなネタネームか…と思われがちだが、実はよく考えられた銘なのである。- 究極強化の際に現れる長夜とは「冬の長い夜」のことを表す。
華山は中国にある山の一つなのだが、なぜ華山の名がつけられたのかは不明。
- 究極強化の際に現れる長夜とは「冬の長い夜」のことを表す。
- 希少種武器の銘・スミナガシとは、希少種の命名法則の一つ、蝶にあやかり
その名もズバリ「スミナガシ」から取られている。
日本からヒマラヤ近辺にまで広く生息する森林性の蝶で
黒い下地の上から霞をかけたように薄ぼんやりとした青緑色が広がる芸術的な翅を有し、
そこにポツポツと白い斑点が浮かんでいる。
この非常に独特な色の広がり方が、墨汁を水の上に垂らして模様を生み出す『墨流し』を
思わせることからこの名がついた。
蝶は花のミツを吸う印象が強いが、この種は樹液や熟れた果実・腐敗した動物質などから
汁を吸うため、立場としてはスカベンジャーにやや近いところがある。
日本では自治体によって絶滅危惧種に指定している場所もある。