ゲーム用語/フレーバーテキスト

Last-modified: 2025-05-24 (土) 03:49:55

ゲームのルールやシステムとは直接関係のない、雰囲気づくりや世界観補完のための文章。
モンスターハンターでは武具やアイテムの説明文、クエストの依頼人情報などがこれに当たる。

目次

概要

  • ゲーム内において、例えば「攻撃力〇〇」「貴重な鉱石をふんだんに使って作った強力な剣」という2つの説明がある場合、
    後者の文章は存在しなくても進行に何ら支障がない。
    しかし後者の説明があった方が「なぜ強いのか」「稀少性はどの程度か」といったプレイヤーの疑問に答えることができたり、
    「かなりの重量がありそうだ」「感電するかもしれない」というような想像を掻き立てることもできる。
    後者のようにゲームシステムとは直接関係のない情報が記された文章をフレーバーテキストという。
    前者だけでは無機質になってしまうため、後者によってフレーバーを付けるのである。
  • しかし、フレーバーテキストとそうでないテキストが完全に別物ではない場合もある。
    「使用すると体力を回復する」という説明はプレイヤーのために必要であるが、
    飲むと体力を回復する」という説明の場合、これが飲んで使用するものだというフレーバー情報を含んでいる。
    こういった文章はフレーバーテキストとされることもされないこともある。

モンハンにおいて

  • MHでは武具、アイテムや素材、クエストの依頼人や状況についてなど多くの場面で見かけることができる。
    また、NPCの発言の大部分はフレーバーテキストであると言える。
  • 基本アイテムである回復薬などは初期からほとんど変わらないが、
    素材アイテムは世界観に軽く触れる程度の初期作品、
    研究者らしくお堅い時もあるMHXおよびMHXX、などなど作品によっても個性があったりする。
    • MHWorldでは、過去作のフレーバーテキストもとい解説がほとんど用いられず、
      その素材の実用・用途について「どの部位をどうすれば得られやすい」といった
      半ば定型文での記述しかされていないという状況になった。
      げどく草などMHWorldで仕様的に変わったものは別としても、
      新ベースに移行する過程で膨大な作業量に対応するためコストカットされてしまったのか、
      「新大陸という未踏の地ゆえに同じ種でも素材の用途が異なる」という意図的な世界観設定なのかは不明だが、
      特にモンスター素材に関しては、世界観の一端を感じ取れるものやそのモンスターの性質を示唆するものも多いため、
      簡素化を残念がる声も多い。
      • 遭遇自体が稀とされる亜種モンスターや古龍の素材ですら「防具によく使われる」等と書かれている。
        これはあくまでも「その素材の用途が武器or防具に傾倒している」という意味と考えられ、
        まさか新種でも貴重な古龍でも素材が頻繁に使われている訳ではないだろう。
    • MHRiseではMHW(:I)の定型文形式から従来の解説形式に戻った。
      新規モンスターだけでなく、ジャグラスのようなMHWorld出身のモンスターにも新たにテキストが用意されている。
      一方でボウガンの弾、弓のビンではポーチに携行可能な数量が削除される*1など、
      若干方針が変わったと見受けられるところもある。
    • MHWildsでも解説形式のテキストは健在。
      本作では調合できるアイテムがアイテムBOXのサブメニューから調合出来る仕様もあって、
      一度手に入れたことのあるアイテムは現在持っていなくてもBOX内に表示されるようになったため、
      環境が変化するまで待つ間に読んでみてはいかがだろうか。
  • 武器解説は属性の機構について触れていたり、いかなる名刀かをくどくど解説したりと、
    世界観にきちんと触れていることもあれば、センスが爆発していたりと落差が激しい。
    傾向を見るに強大なモンスターほどセンスが爆発しやすいようだが、
    その中でも古龍に迫るほどの危険性を持つモンスターの武器の解説は殺意に満ち満ちている。
    もしかしたら本編におけるおとぎ話の類なのかもしれない。
    • MHXでは武器の強化がレベル制になり、最大まで強化すると銘が変わるが、
      最終強化時に解説文も変化し、言い回しこそ差はあれ元の武器の最終強化系であることを説明するものとなる。
      MHXXではG級に対応して更なる強化が可能となったが、
      真の最終段階である究極強化となると基本的に以下の文で統一される。(○○○○○=その武器の初期段階の銘)

        【 究 極 強 化 】

      狩人の魂が呼び覚ました、

      ○○○○○の極致。

    • MHW(:I)ではアイテム同様、ある程度内容が画一化されており、
      大半の武器の1行目が「【モンスター名】の【武器種】。」となっている。
      過去作から続投した武器についてもこの影響を受けて、文面が簡略になってしまった。
    • MHRise、MHWildsではアイテム同様、従来の形式で記載されている。
      また最終強化の武器については、MHXでは「最終型」「最終形態」となっていた部分が
      「強化型」「強化形態」と変更されている。
  • 武器*3と防具は生産可能となった時点で、その性能や解説文は加工屋などで閲読が可能となるため、
    解説を読んで楽しむだけなら作成する必要も無く、レア素材に悩むことはない。
  • クエスト依頼には出現モンスターなどのシステム的な情報の他に、フレーバーとして依頼人についての情報も記載されている。
    MHシリーズで特に印象に残りやすいものと言えばわがままな第三王女であろう。
    嫌になるほどの難関クエストに、嫌になるようなフレーバーテキストを添えてくれている。
    • MHWildsではアイテムがMHRiseの方針を引き継いだ代わりに、こちらがやや犠牲になっており、
      フリークエストではサイドミッションに関係するものにしか固有のテキストがない。
  • 月刊『狩りに生きる』では様々なインタビュー記事などを読むことができた。
    鉄素材と骨素材の違いを語る職人たちの話、新人ハンター向けの特集記事、
    龍殺しの実の活用方法に関するドラマティックなエピソードなど、内容は多彩。
    雑誌が定期購読できるという点からは、
    紙資源が潤沢で印刷技術が発達しており物流網やスケジューリングも緻密である、という世界観も窺える。

余談

  • しかしながらアイテム1つ1つ、武具一個一個についてくるため、文量が膨大になって読む方も書く方も大変である。
    暇なときに読む程度にして、ハンター生活に疲れた時の清涼剤と捉えると丁度いいかもしれない。
  • フレーバーテキストの発祥は判然としない。
    トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)*5」だとする説もあるが、
    1993年発表の「MTG」より古いゲームはアナログ、デジタル問わずいくらでもあるため、
    フレーバーテキストに当たる文章が「MTG」で誕生したとは考えにくい。
    例えば、1980年代から発売されている某ウェハースチョコのおまけシール裏面のキャラクター説明文は、
    フレーバーテキストと呼んでも差し支えないだろう。
    ただし、この手の説明文が「フレーバーテキスト」と呼ばれるようになったきっかけが「MTG」である可能性ならあるかもしれない。

関連項目

環境生物
アイテム
武器
防具


*1 常備品であるLV1通常弾、接撃ビンは逆で、MHWorldで削られていたが復活した。
*2 切断武器であれば斬る、打撃武器であれば叩く、射撃武器であれば撃つ、など
*3 MHWorld以降であれば強化先のものも含んだ全て
*4 句読点の抜けといった本当にちょっとしたものから何か多かったり足りなかったりするもの、武器種の間違いという大きなものまで様々
*5 MTGでは『フレイバー・テキスト』表記であり、能力を持たないカードのテキスト欄を埋めるために書かれたのが始まり