一般的な生物よりもはるかに小さく、肉眼ではその個体の姿がほとんど確認できないような生物の総称。
定義上は(キノコ類を除いた)多くの菌類やプランクトンなども含む。
ウイルスに関してはそもそも生物か否かで意見が分かれるところだが、
「非細胞生物」として扱う場合に限り、ここに該当する。
目次
概要
- 基本的には冒頭で記したように肉眼では確認できないほど小さいが、
具体的な大きさの定義は存在せず、極論「とにかくものすごく小さな生命体」は一般に「微生物」と総称されている。
その一方で基本的には「微生物」として扱われながらも、
注意して見れば肉眼でも存在を確認できる程度の大きさを持つ種や個体も存在する。
また、群生すれば集合体に近い形で確認する事も不可能ではない。
尤も、仮にその姿を確認できたところで一般人がそれを「生物」と認識できるかは別問題である。
- 天空から地底、更には水中や海底に至るまで、世界のあらゆる生物圏に無数に生息する。
非常に小さく軽いため、大気中に浮遊していたりしても全く気付かず、
呼吸や食事などを通じて他種の(大型)生物の体内に侵入してしまう事も多い。
そういったものは基本的にはその生物の持つ免疫によって駆逐されてしまうが、
時にはその免疫を突破して取り込んだ生物の体に悪影響を及ぼしたり、最悪の場合は死に至らしめるケースもある。
見えないからと言って油断はできない、むしろ小さすぎて確認できないからこそ時に恐ろしい存在となり得る。
しかし、その力を利用する事で機能している機関(浄水場など)、作られる製品(チーズなど)なども多く、
決して迷惑で危険なだけの存在ではない。
また、特定の生物と共生関係を築いている微生物も多々存在する。
現実の南極大陸ではあまりの低温のため微生物がゼロとは言わないがほぼ存在しないため
寒いとはいえ微生物の影響で起こる「風邪」という症状は起きにくい。
- 非常に小さくとも歴とした生物であり、食物連鎖の枠組みにはしっかり入っている。
微生物やその死骸を食べて生きているという生物も、自然界的には全く珍しい存在ではない*1。
ちなみにこのような食性を「デトリタス食」と呼ぶ。
また、微生物自体もただ食われるだけの存在という事は決して無く、
動物のフンや土壌などから栄養を得て生きている。
食物連鎖の役割で言えば「生産者」もしくは「分解者」の立場にあるものが多い。- ウイルスに関してはかつては食物連鎖から外れた存在だと考えられていたが、
2020年代に入って以降は一部の微生物がウイルスを捕食している可能性を示唆する証拠が複数発見され、
やはり食物連鎖の一員としてしっかり組み込まれていると考えられるようになってきている。
- ウイルスに関してはかつては食物連鎖から外れた存在だと考えられていたが、
- 基本的にその存在を確認する手段が乏しい(それこそ一般的には限りなく皆無に近いと言える)事から、
SF作品では恐るべき見えざる脅威として扱われる事もあり、
特にホラー要素を持つ映画やゲームでは悪い意味で大活躍する場合もある。
少々余談になるが、そんな作品の中でも特に著名と言えるものの一つが、
カプコンの代表的なゲーム作品の一つ『バイオハザード』シリーズである。
MH世界の微生物
- 前述のように微生物とは「目に見えないほど小さな生物」であり、それ故にゲームの画面に映り込む事は基本的に無い。
しかし、当然ながらMH世界の自然の中にも微生物は存在しており、豊かな自然を支える縁の下の力持ちとなっている。
初代MHの時代において、既に様々な種類のチーズやビールなどの発酵食品が存在する事、
そしてそれ等の製法(それも現実世界のそれに近いもの)が確立されている事*2から、
少なくとも現在のMH世界ではもう「微生物」という存在は一般にもそれなり以上に認識されており、
尚且つその一種を利用するという思想や技術も既に存在し、一般レベルにまで浸透しているようである。
一方、ゲリョスの皮は素材としては有用だが、雑菌が繁殖しやすいという性質がある事が判明しており、
素材として本格的に利用する前に抗菌加工を施す場合があるという。
この事から一部の微生物が人体や物質に悪影響を及ぼす場合がある事も認知されている模様。
- 微生物を食する、即ちデトリタス食性はMH世界でも割と一般的である。
ただ、やたら活動的なモンスターたちにとって微生物だけで食い繋いでいくのは難しいのか、
他の食性も併用している場合が多い。
ちなみにMH世界では全長100mを超える超巨大生物がデトリタス食性であったりする。
- 瘴気の谷では一部区域に黄色いガスのような「瘴気」が立ち込めているが、
その正体は視認できるレベルにまで濃密に群生し、そのまま大気中に漂っている無数の微生物である。
この瘴気は人体にとって有害であり、立ち込めている場所に留まっていると体力を徐々に奪われ、
最悪の場合はそのまま倒れ伏す事になってしまう。
瘴気は火に弱く、スリンガー松明弾などで火を起こすとその周囲は晴れるので、
瘴気の谷での探索や戦闘では重要になるだろう。
なお、人間だけでなくラフィノスやギルオスなどにとっても有害らしく、
大量に瘴気を摂取してしまった影響により凶暴性を増した個体が出現する事もある。
また、詳しくは後述するが、屍套龍ヴァルハザクはこの瘴気と共生関係にある。
- 冒頭部で「ウイルス」も微生物に含むと記載しているが、MH世界の狂竜ウイルスは「微生物」ではない、と思われていた。
確かに生物由来の脅威ではあるが、あくまで「『狂竜ウイルス』と呼ばれる生命体」が存在しているわけではなく、
「『ウイルス』と名付けられた生物毒」と言った方が正しい、とされていた。
しかし後で明らかになった設定によれば狂竜ウイルスは感染した対象を自滅に追い込む生物毒と、
その毒で死に絶えた死体を苗床にして成長する散布者の細胞卵の混合物質、
つまり毒と一緒にばら撒かれてそれを利用して成長する微生物としての性質も持っていることが判明した。
モンスターと微生物
- 現実世界で微生物と共存する生物がいるように、
MH世界のモンスターにも微生物と共存している種が確認されている。
より詳しく言えば、「体内に微生物を飼っている」種と「体外の微生物と共に行動する」種に分かれる。
ただし、関係性やメカニズムがまだ研究途中というモンスターも多く、
そもそも「微生物との共存」がまだ仮説の域に過ぎないというモンスターもいる。
体内に微生物を飼っているモンスター
グラビモス
- グラビモスは火山帯で生活していくため、鉱物を食べて活動エネルギーを得る方法を取って進化した。
そしてその鉱物を消化・分解するためにバクテリアの力を借りる事とし、
そのためのバクテリアを体内に保有している。
ただし、生後からしばらくの間はバクテリアとの共存が上手くいかないらしく、
一定の段階に至るまでは小動物や昆虫類などを狩り、
それと一緒に鉱物を少しずつ摂取してバクテリアを育てつつ自身も成長していくという方針を取っている。
まさしく「共(に)生(きる)」関係である。
なお、バクテリアに分解された鉱石の成分は、幼体の頃から外殻に影響を及ぼし、
ただでさえ分厚く頑強な外殻を一層強固なものとしていく。
時折討伐された個体の体内から良質な鉱石類が発見されるのも、その生態によるものである。
チャナガブル
- 頭部から垂れ下がる「提灯玉」に発光性のバクテリアを保有する。
チャナガブルが刺激を送るとバクテリアが強烈に発光し、獲物や外敵の目を眩ませる。
ただし、あまりに光が強すぎるために別の外敵に自分の存在を知らしめかねず、
チャナガブル自身もあくまで奥の手としているため、無暗に乱発する事はまず無いという。
ウラガンキン
- 鉱石食のウラガンキンもグラビモスと同様に鉱石を分解消化可能なバクテリアを腸内に飼っている。
ちなみにウラガンキンの幼体は草食性であり、動物食で栄養を補うバサルモスとは対照的であると言える。
- 後にウラガンキンと類似した特徴を持つラドバルキンも骨を分解するバクテリアから栄養を得ている事が確認されているが
こちらはバクテリアが分解している骨ごと食べてから取り込んでいる形の為、グラビモスやウラガンキンの様に体内に微生物を飼っている訳ではない。
クアルセプス
- 鉱物食性の海竜種。バクテリアを飼っている理由はグラビモスと同じ。
そして体表にその食性の影響が見られるのもグラビモスと同様である。
しかし、クアルセプスはグラビモスほど頑強な外殻は持っておらず、
そのためか、分解された鉱石の成分から成る「魅玻璃」と呼ばれる物質が
クアルセプスの体表から直接生えてきている。
この魅玻璃は光や雷を浴びるとそのエネルギーを吸収・蓄積し、
特定の刺激に応じて解放するという特殊な性質を持ち、クアルセプスの武器として利用されている。
体外の微生物と共に行動するモンスター
ナバルデウス
- 体表に発光性のバクテリアを持つ。
このバクテリアはナバルデウスの持つ発光器官から発せられる光に反応し、
自身も光る事でその光を強める性質を持っている。
ナバルデウスが発光する目的としては、自身のヒゲ(鎧毛)に養殖している共生藻の光合成を促し、
自身の呼吸用の酸素を得るためだとされている。
しかし、その発光メカニズムなどは現在でも解明されていない。
ブラキディオス
- 甲殻の至る所(特に頭殻や腕部)に爆発性を持つ緑色の粘菌を纏う。
この粘菌はブラキディオスの身体から離れると急激に赤く変色していき、最終的には爆発する。
この爆発は本来粘菌自身の胞子を広範囲に拡散させるためのものだが、
その威力は大型モンスターにも容易に大ダメージを与えるほど強力で非常に危険。
ブラキディオスはその危険な粘菌を攻撃と共に相手に付着させ、
打撃と時間差爆撃により完膚なきまでに破砕する戦法を得意とする。
一見ブラキディオスが粘菌の性質を半ば一方的に利用しているだけに見えなくもないが、
自力ではほとんど動く事が出来ない粘菌にとってはブラキディオスの身体に纏わりつく事そのものに
それだけで生息域を広げられるという利点があり、決して一方的な関係性ではない。
- また、特殊個体である猛り爆ぜるブラキディオスは溶岩島などに眠る強力な粘菌と共生している個体であり、
成功すればより強力な力と異性へのアピールなどが手に入れられるものの、
強力な粘菌に耐えきれず共生を諦めたり、最悪命を落としてしまう個体も多いらしい。
オストガロア
- 天井知らずの捕食欲求を持つ異形の古龍。
本種が根城とする「竜ノ墓場」には発光能力を持つプランクトンが生息していることが分かっている。
このプランクトンはオストガロアの興奮状態に呼応し、活性化して青白い光を放つ。
その規模は凄まじく、オストガロアが潜む洞窟内はおろか、遥か高所に位置するベースキャンプにもその光は届き、
さらにそこから一望できる地平線までもが青く染まる。
なお、オストガロアとこのプランクトンの詳細な関係性は不明である。
ヴァルハザク
- 瘴気の谷に立ち込める「瘴気」と共生関係にある古龍。
特殊な瘴気を自在に操り、その瘴気を経由して外部からエネルギーを得る性質を持つ。
古代樹の森の環境に適応し、
「胞子」との共生関係を築いた特殊個体「死を纏うヴァルハザク」の存在も確認されているが、
「瘴気」、「胞子」どちらも微生物に属する存在であり、
攻撃手段(扱い方)に若干の差異が見られる程度で、両者の本質自体に大きな差異は確認されていない。
獲物や外敵との戦闘時にも微生物を利用した攻撃を仕掛け、微生物に侵された生物からエネルギーを奪い取る。
それだけでもヴァルハザクの持つ古龍としての脅威を知らしめるのに十分な役割を果たしているが、
さらに吸収したエネルギーを利用して自身を強化する事も可能で、そうなれば危険度は更に跳ね上がる。
このような点からヴァルハザクとの戦闘では微生物への対策が非常に重要となる。
ちなみにヴァルハザク種の放った微生物に巻き込まれ、体調に変調を来したと感じた時には
ウチケシの実を食べると症状が抑えられる事が確認されている。