世界観/改造モンスター

Last-modified: 2024-03-07 (木) 12:16:35
注意事項(記事閲覧前に必ずご一読ください)
本記事には『モンスターハンターストーリーズ』の
物語にかかわるネタバレが含まれています。
まだ本作を中盤までプレイしていない方は注意してください。
編集を行う際は編集ルールを熟読した上で、
ネタバレを避けている方への配慮をお願いします。

チートによる産物についてはこちら。本項では紹介しない。

MHSTに登場する特殊なモンスターの一群。
世界観上極めてイレギュラーな異質で冒涜的な存在であり、ゲーム中では随所で敵対する事になる。

目次

概要

  • 文字通り人為的な手によって「造られた」存在で、既存の野生モンスターに特殊な武装を施した「生体兵器」である。
    考案者はマッドサイエンティストのマネルガー博士
    彼は絆石を持たずライダーではないため、モンスターを使役することは叶わないと思われていた。
  • 全身に拘束具のような黒鉄の装甲を装着させられており、
    その装甲に取り付けられた怪し気に輝く結晶体が目を引く外見をしている。
    この結晶体はマネルガー博士が独自の研究の末に作成した絆石の模造品であり、
    これを媒体として装甲を装着したモンスターを制御しているらしい。
    その制御も専用の装置のボタンを操作するだけで簡単に行えるとの話だが……。
  • 装甲に身を包んだ禍々しくも痛々しい姿がまず気になるが、実はその改造は体内にまで及んでおり
    いずれの改造モンスターも通常であれば絶対に有り得ないであろう異常な能力を携えている。
    ライダーも「伝承の儀」を用いる事で普通では有り得ない能力をオトモンに授ける事ができるが、
    これについては劇中にて一通りの説明があり、オトモンや環境に悪影響を与えたりはしない事が明確に語られている。
    しかし、マネルガー博士の改造モンスターの能力の根源は、生体実験と改造の果てに搭載された「異物」であり、
    モンスターに対する負担などが考慮されているかは甚だ怪しい。
    そしてそんな「異物」の影響か、戦闘中に「計算」や「充電」などの妙な行動でターンを無駄に消費したり、
    肝心なところでお約束のように制御不能となるなど、明らかに不自然な挙動を取る事がある。
    マネルガー博士はどこまでも謎の自信に満ち溢れているが、実際にはまるで制御できておらず、
    ただ単に「黒の凶気」と同等かそれ以上の「脅威」でしかない。
    挙句の果てに改造モンスターが凶気化し、完全に制御から外れてしまうという最悪の事態さえ起こってしまう。
    • マネルガー博士自身も改造モンスターの完成度については不満が残っているようで、
      自身の野望を完遂させるべく「あるもの」を求めて行動することになる。
      しかしマネルガー博士は「あるもの」について間違った認識を持っているようだが……。
  • モンスターの脅威に対して人間がわざわざ命懸けで挑む必要は無く、
    「モンスターの力をそのままぶつけて制すればいい」というのがマネルガー博士の持論であり、
    その具体的な答えとして産み出されたのがこのような改造モンスターである。
    確かに命を危険に晒して強大なモンスターと直接戦闘を行うより
    安全にモンスターの脅威を退けられるならそれに越した事は無いだろう。
    そしてそのような手法を模索し、実践していく事自体は決して悪とは言い難い。
    実際にハンターの狩猟でも地域差はあれど、オトモアイルーオトモガルクホルクと言ったハンターの戦力補強、
    操虫棍の猟虫や、導蟲翔蟲など虫を飼い慣らしての狩猟補助、
    さらにはモンスターライド操竜と言ったモンスターの一時的な能力利用などが行われるケースもある。
    しかし、如何に人類を守るという大義名分があったとして、
    生き物を改造して道具のように使い潰すのはやはり作中においては抵抗が強く、
    自信満々のマネルガー博士に対してその場に居合わせたハンターやライダーは誰一人として賛同する事は無かった。
    • しかしながらマネルガー博士はハンターズギルドともライダーとも無関係のフリーの研究者であり、
      ギルドの方針やライダーの掟などとも元々無縁と言えばその通りである。
      また、過去にモンスターの脅威に晒され、心身に大きな傷を負った事がある人物であれば、
      マネルガー博士の意見や行動を少なからず肯定的に見る可能性も否定できない。
      マネルガー博士の本心
      • 実はマネルガー博士も過去にモンスターの襲撃の被害を受けた事があるらしく、
        その当時の経験や復讐心によって非道行為に目覚めた、と読み取ることができる。
        だが、如何せん当の本人の性格は普段から胡散臭いため、彼の語る過去に十分な信憑性があるとは言い切れない。
        • 少なくとも言えるのは、件の主張がただの「大義名分」だったわけではなく、
          博士本人は至って真剣に、己の信念のもと行動していたということ。
          拉致されたことで図らずも研究所での博士を間近で見ることとなったアイルーは、
          彼について「ずっと何かを真剣に考えていた」と証言している。
          その様子は、己を含めたアイルーたちの受難こそ忘れることはなかれども、
          その上で尚「彼なりの考えがあったのかも」と理解すら示すほどである。
  • 改造モンスターの討伐に成功しても通常のモンスターのような素材は入手できず、
    その代わりに「ちぎれたクサリ」や「なぞの水晶」、「錆びた首輪」などといった異質なアイテムが入手できる。
    明らかに改造モンスターの全身を包んでいた装甲の一部である。
    このようなタイミングでしか入手できない特殊なアイテムであるが、
    単純に換金して資金源に回す以外に使い道は無い
    かと言ってただのポーチを圧迫する邪魔なアイテムでも無い。
  • このモンスターを人為的に改造する技術の研究過程で生まれたものこそナンバーズである。
    • 他のアイルーには見られない特別な能力を持つナンバーズのアイルー達だが、
      彼らがそれぞれ持つ能力は他モンスター由来の能力であることが示されている。
      これらは施された改造によって身につけた、後天的な能力のようだ。
      人語を話す事ができるとはいえ、アイルーもモンスターである以上、
      ナンバーズも改造モンスターの一種として数えることもできるかもしれない。

ストーリークリア後の動向

  • 全ての改造モンスターを討伐した後は、新種の改造モンスターが生み出されるということは無くなる。
    マネルガー博士も散々な目に遭って懲りたのだろう。
    これにて一件落着…かと思われたが、Ver.1.3.0で追加されたエンドコンテンツ「追憶の塔」に
    掃討された筈の改造モンスターが上位個体となって再出現することが判明。
    21Fから34Fにかけて改造モンスターが次々と出現する。
    手始めに小型改造モンスターが現れ、進むにつれて手強い猛者が次々と出現し、
    最終的に29Fで悪名高い凶気の改造炎戈竜が、34Fで凶気の改造轟竜が行く手を阻む。
    討伐すればセーブポイントとネコタクが待っているので、最後まで諦めず装甲を打ち砕こう。
    • 過去に試作段階で生み出され野生に還った個体なのか、それとも現在進行形で密かに生み出されているのか、
      真相は今でも解らぬままである。
      だが、蜃気楼の塔は他にも二度と現れる筈がないモンスターも見境なく出現する。
      アニメ版の描写も踏まえると、ここに出現する改造モンスターを含めた全てのモンスターはなのかもしれない。
      メタ的に言えば今までのストーリー等を振り返るエンドコンテンツな訳だし気にしたら負けということか。
  • MHSTの4年後の世界が描かれているMHST2では、なんと改造モンスターが登場しない
    それどころか、作中探し回っても改造モンスターの『か』の字すら見つからない始末
    かつて存在していたと言う事実すら無かったことにされているのだろうか…。
    一方で被害規模の大きかった黒の凶気に関してはしっかりと語られている。
    • ちなみに同作ではマネルガー博士(及び助手のイチビッツ)に関しても何の情報も出てこない。
      まさか……。

改造モンスター一覧

  • 紫文字は凶気化した改造モンスター
草食種
改造アプトノス
飛竜種
改造ティガレックス
海竜種
改造ウロコトル
改造アグナコトル
獣竜種
改造ボルボロス
改造ウラガンキン

余談

  • 現実では子孫を残せないようにした蚊やハエを作り出して自然界に放ち、
    繁殖を妨害して根絶する不妊虫放飼のように「人工的に手を加えた生物」が利用される例は無いでもないが、
    生物の行動そのものは元からの習性によるもので、
    「高等動物に外科的な処置を加えて活動をコントロールする」という手法は実用から程遠い。
    せいぜいが神経伝達の仕組みなどを調べる実験や研究レベル止まりになっている。
    • これには倫理の問題もあるが、単純に
      「同じことは機械のほうがシンプルかつ確実に遂行でき、安定した品質で量産もできる」
      ので、わざわざやる意味がないのである。
      イヌやサルやウマやイルカなど、知能の高い動物を訓練すれば作業などに従事させることはできるが、
      これも彼らが改造手術なんぞしなくてもある程度言うことを聞いてくれるからに他ならず、
      個々の才能によってその結果も安定しているとは言いがたい。
    • 例えば熊を駆除したいなら、熊と同レベルに強い獣をどうにかしてコントロールするより
      量産可能な銃器を持った狩猟者が撃った方がよほど安全・確実・低コストで済む。
      第二次大戦中辺りまでは刃物や爆発物を付けた軍用犬を敵陣や戦車に突入させるといった戦術もあったが、
      電子機器などが発達した現実では、ミサイルやドローンや空中炸裂弾などを使う方が確実かつ強力なのだ。
      • もっと言うと、犬に爆弾を背負わせる戦術は、電子機器の発達を待たずして自ずから廃れている。
        というのも、犬自身にテロや特攻隊員のような「自爆する」という役目を認識させることは当然不可能なので、
        犬に与えた訓練はただ単に「特定の目標に走って向かう」ということだけ。
        そこに本番でのみ爆薬を背負わせれば完成、という代物だったのだ。
        するとどうなるかというと、実戦の惨状に怯えた犬が自陣に逃げ帰ってしまいそこで爆発するだとか、
        あるいは訓練で自軍と同種の戦車を利用した結果訓練通りに自軍の戦車に突っ込んだだとか、
        技術の進歩だの倫理の成熟だのを語るまでもなく使う側の被害が大きすぎたわけである。
        マネルガー博士の改造モンスターもやはり想定外の状況では味方を巻き込みかねない事故を起こしており、
        偶然か必然か、この手の兵器の不安定性をよく表現できてしまっているといえるだろう。
      モンハンの改造モンスターを含め、こうした「戦闘目的の改造型生物兵器」は
      高度な機械工学を持たない、その割に化学や生物学だけが突出して発達しているような
      特異な世界観が故のものと言えるだろう。
  • 一生物の自己意識を奪い、兵器と化するというだけでも生命倫理的に明らかに問題のある代物だが、
    更なる問題点として(現状不完全とは言え)人工的に制御可能という点こそが
    この改造モンスターの恐ろしい点であるとも言える。
    なにせ、改造モンスターの個としての力は並の兵士では相手にもならない程に高く、
    しかも制御者は直接手を汚すこともなければ消耗することもなく、また反乱の心配もしなくていい。
    もし悪意のある者の手にこの技術が渡ってしまえば、世界中の村や町がその脅威に晒される事になろう。
    • 多少意味は違ってくるが、後にモンスターハンターライダーズに登場した
      敵勢力の一人であるエスメラルダはオトモンであるガムートの巨体と破壊力に任せた戦い方をする。
      しかし、これはハンターや一部の書士隊から警戒されている「ライダーの脅威と危険性」を完全に近い形で顕現させている
      それに改造モンスターでは不完全であったモンスターの人工的な制御の実現をしており、
      彼女の気分次第ではガムートが力を振るい敵対する者は容易く蹴散らされ建物は意味を成さずに瓦礫に変貌する。
      彼女のガムートは改造モンスターすら比較にならない、最早雪山に住まう不動の山神ではなく、
      絶対に反抗することの無い圧倒的な力を破壊のみに使用するオトモンと呼んでよいのか分からない生物兵器と化している。
      作中でも彼女はガムートを利用し豊かな都市を廃墟と見間違う程の壊滅的な被害を作り出しているし、
      描写が無い為微妙な所だが都市の住民や敵対した人物、オトモンの命も奪っているかもしれないという、
      作中屈指の脅威を持つ敵として主人公たちの前に立ち塞がった。

関連項目

シリーズ/モンスターハンターストーリーズ

BGM/影蔓延る研究所 - 汎用改造モンスター戦闘BGM
BGM/咆哮する甲冑 - 凶気化改造モンスター戦闘BGM
世界観/絆石
世界観/黒の凶気
世界観/イコール・ドラゴン・ウェポン - 鉄製の装甲で武装されており、こちらはモンスターの素材で一から作られた存在。
登場人物/ナビルー - 実は彼と改造モンスターたちにはある哀しい共通点が存在する。
システム/大闘技会 - 研究所内に闘技施設があり、博士はこの大会の様にモンスター同士を戦わせた可能性が高い
システム/操竜 - 意思に関係なく無理矢理モンスターを操って利用する点は改造モンスターと似たもの同士か。