SandBox/WVR戦闘の基本

Last-modified: 2024-05-01 (水) 21:05:09

WVR戦闘とは何か?

WVR(英:Within-Visual-Range)戦闘、目視内射程戦闘とは、10km程度近距離で行われる戦闘。具体的な距離の定義は難しいが、基本的に10km圏内で行われることが多い。BVR戦闘では強力なレーダーや、中~長距離ミサイルを用いて20km程度で行われるのが90%を占めるのに対し、WVRでは10km圏内で、短距離ミサイルやガンで戦闘が行われる。

このページでは主にジェット戦闘機での戦闘について解説する。
ーー追記求むーー

歴史

格納

このゲームにおいてはサービス開始当初から行われていた。と言うのも、有視界戦闘である以上、レーダーやミサイルのないレシプロ機でも行えた。ただし、大きな転換点となったのが、ver1.39で追加されたF-80A-5などの亜音速ジェット機。これによりガンやミサイルを用いた戦闘に徐々にシフトしていったのだ。

基本編

WVR戦闘が可能な機体

必要な装備は特になく、ガンや短距離ミサイルが装備されていれば誰でも、どんな機体でも戦闘に参加できる。
また、SARH方式の中距離ミサイルでも戦闘に使用できる場合がある。

ミサイルとガン

ミサイル

ミサイルは基本的に、最大旋回Gが大きいものほど鋭く旋回でき、敵の追尾を容易にしている。*1
例として、AIM-9B(10G)とAIM-9M(30G)では20Gもの開きがあり、より鋭い動きで敵を追尾できるのは9Mである。

~10G10-15G20G30G~
フレアなしでの回避可能ほぼ不可能
遠距離から発射された場合は、ドラッグ機動により逃げる事で回避できる場合もある。
搭載機第1世代、第2世代戦闘機第3世代以降の戦闘機
アスペクトリアアスペクト機種が多い。
AIM-9E、AIM-9P、R-13など。
オールアスペクト機種がほとんど。
AIM-9M、AIM-9L、AAM-3、R-73など。

後述するが、いくら50Gのミサイルを撃っても適切な角度でなければ命中は見込めない。
また、誘導ラグなども存在するため、一概に語るのは難しい。

ガン

西側諸国はM61 20mmバルカンやM2 12.7mm機関銃を装備している機体がほとんど。
逆に東側はと言うと、20-30mmの大口径機関砲を1~2門程度、弾数も150発しか装備しておらず、ガンを用いた戦闘では継戦能力の高さは西側諸国、瞬間的な火力では東側諸国に軍配が上がる。

各国ページには、おすすめ弾薬ベルトが記載してある。参考に選ぶと良い。

基本編/各世代ごとの大まかな立ち回り

第一世代~第二世代戦闘機

第一世代*2、第二世代戦闘機*3では、ミサイルは装備されていないか、されていても低性能な事が多い。よってガンによる戦闘が主になるだろう。また、機体によっては黎明期のSARHを使用できる事もあり、有視界戦闘ではこれも利用する事ができる。

また、エンジン出力も低いため、一旦減速すると回復に時間がかかる。その間にガンの餌食になる事もしばしばある。後述するが、基本的にゼロ戦のように急旋回を多用した格闘戦は控え、速度、位置エネルギーを重視したエネルギー戦を意識するべきだ。

逆に言うと、一度距離が離れると追いつくのに時間がかかると言う事である。高空からダイブする事によるエネルギー戦を仕掛けると、一方的に殴る事もできる。

エネルギー戦とは?

読んで字の如く、運動エネルギー、位置エネルギーを重視した戦法。簡単に言えば、大戦機の一撃離脱戦法に近い。

逆は旋回格闘戦である。ここで注意してほしいのが、旋回格闘戦と旋回戦、格闘戦は似て非なるものであるという事である。ジェット戦闘機を乗りこなしてきた諸氏であればご理解いただけると思う。

第三世代以降の戦闘機

第三世代以降*4の戦闘機では、ガンの他にも、強力な短距離ミサイルを装備している。20Gのリアアスペクトはもちろん、40Gのオールアスペクトミサイルもある。

基本的に相手のコントロールエリアに侵入することは死を意味する。よって、エネルギーを保持したままいかに相手のコントロールエリア*5に入らないように機動を行うかが必要である。

また、10km圏内からSARHミサイルも警戒しなければならない。AIM-7MやR-27ERなどの一部のSARHは、中距離だけでなく近距離の戦闘も可能にしている場合が多い。

また、一撃離脱戦法は、確実にキルを取れる場合にのみ仕掛けよう。と言うのも、確実にキル出来なかった場合、強力なミサイルで反撃を喰らう可能性があるためだ。また、各国最上位ジェット戦闘機には、HMSなどの機能により、シーカーを自分の視界と連接できる機能を持った機体もある。

コントロールエリア

百聞は一見に如かず、画像を見てほしい。

写真はSu-27であるが、前方に赤く塗られたエリアが存在する。
Su-27controlarea.jpg

これがコントロールエリアという概念である。この赤色のエリアに侵入してしまうと、ミサイルかガンにより攻撃を受ける。Su-27の場合は、HMSとR-73の連接範囲がこの程度なので、このエリアがミサイルとガンに最大限警戒すべき範囲となっている。これは戦闘機によってはもっと広かったり、狭かったりする。あくまで一例として覚えておこう。

エネルギー保持、旋回能力

当然ながら、旋回をするためにはエネルギーを消費する。
基本的に、ジェット戦闘機には二つのエネルギーが蓄えられている。
まず、高度による位置エネルギー。
次に、速度による運動エネルギー。
例えば、同じF-4Sでも、高度10,000、マッハ1.5で飛行しているAと、
高度1,000、マッハ0.5で飛行しているBでは、圧倒的に保持している(蓄えている)エネルギーが違う。つまり、格闘戦に移行した場合、有利に事を運べるのはAの方である。
これがエネルギーの考え方である。

旋回には、速度エネルギーを消費する水平方向の旋回、位置エネルギーを消費する垂直方向の旋回がある。*6

これらのエネルギー*7をいかに効率よく使えるかを表す指標を、エネルギー保持能力という。これは、小型軽量、翼面積の大きい機体は優秀である事が多く、大型で重量級の機体は効率はあまり良くない事が多い。

愛機の旋回能力とエネルギー保持能力を調べるには、テストフライトで飛行する方法がある。
簡易的ではあるが、大方の飛行特性の把握に役立つ。

調査方法

1、高度5,000、700km/h、方位角360°(0°)方向に飛行。

2、そのまま左右どちらかに90°程度最大旋回。エンジン出力100%。

3、その時の速度の数値を覚えておく。高度の許容範囲は±100m程度がベスト。

旋回能力速度変化旋回時間
エネルギー保持能力
優秀
そこそこ優秀
普通
悪い

旋回が優秀な戦闘機とは、エネルギー保持能力も高く、旋回時間も少なく、*8速度の回復が容易な戦闘機である。

総括

基本的に、こちらを視認できていない敵機を狙うと良い。これはどの戦闘機でも言える事ではあるが、ミサイルを有効に使用できる。
なお、お互い視認していて、格闘戦に発展しそうなときは、ガンキルを考えよう。

発展編

以下はある程度WVR戦闘に慣れてきて、余裕ができた人向けのコンテンツ。これらを覚えておくことでもっと楽しむことができるであろう。

ミサイル関連

ミサイル交差角

ーー編集中ーー

IRCCMミサイルの対処法

IRCCMミサイルは、現在Warthunder内に実装されているものは主に2種類ある。
1、SSO(Seeker Shut Off)
2、FoV
の二種類である。
SSOタイプは、フレアなど、エンジンの排熱以外の熱源を感知するといったんシーカーを閉じ、一定時間後に再度開いて補足する機能。
FoVタイプは、ミサイル発射後にシーカーの視界を極限にまで絞り、そもそもエンジンの排熱以外が映らないようにするタイプ。

これらは強力な機能で、フレアなしでの回避は困難を極め、フレアがあっても有効に使わなければ意味がない。よって、ここに対処法を書き記したい。

SSO(Seeker Shut Off)

まず、プレフレアが有効である。
発射母体から発射される前もIRCCMは機能しており、その間にフレアを感知するとシーカーを閉じる。よって、ロックオンに時間がかかり、結果的にベストな発射ポジションからずれてしまうことも多い。
発射されてしまった場合は、全速力でドラッグ機動を行う方法もある
AIM-9M、AAM-3、RB74Mが主なSSOタイプであるが、AIM-9MとRB74Mのロケットモーターはほぼ同性能、AAM-3はAIM-9Mの1割増しの推力である。こちらがマッハ1.0敵機がマッハ0.8、3km程度の距離でリアアスペクトによる追跡の場合、A/B全開で加速し続ければ、ロケットモーターが燃焼し終わってもこちらに届くことはほぼなく、加速の良いF-15などであれば逃げ切ることが可能だ。またロケットモーターの燃焼が終了してしまえばミサイル自体のエネルギーは減る一方なので、ある程度の時間がたっていればミサイルの方に頭を向けるようにするとあっさりと回避できる事も。
また、ミサイルと自機の間に敵機を挟み込み、フレアを数発射出することにより、同士討ちを誘発するテクニックもある。現状だと、SSOタイプはWT内のすべてのフレアを検知するため、*9シチュエーションによってはこの手段も有効だ。
もし発射後にフレアを使用する場合は、フレアが放出された方向に旋回し、なおかつ断続的にフレアを放出すると良い。その際には、単純な旋回だけではなく、フレアを放出しながらバレルロールを行ったり、ロールやヨーを組み合わせた動きをすることでより効果的に回避できるだろう。

FoV

R-73やmagic2、R-27ETなどが主なFoVミサイル。
まず、SSOタイプと同じようにプレフレアが有効である。IRCCM作動前のFoVは4.5°と大きいサイズで、*10この時点で大量のフレアをシーカーに映すことでエンジンの排熱を誤魔化すことができる。A/Bを切り、出力を下げるともっと効果的。
そもそも装備可能な機体に近づかないことも対策として有効である。いくらIRCCMが作動して、FoVが0.75°になったとしても、長距離ではシーカーにフレアなどの大量の熱源が映ってしまうため、再ロックされることを防げるし、発射できないこともある。
距離があった場合は、ロントアスペクトになるように旋回するのも一つの手。
IRCCM搭載ミサイル全般に言えることだが、エンジンの排熱がシーカーに映らなければ、フレアに容易に欺瞞されるためである。

推力変更スラスター付きミサイルの長所

推力偏向スラスター、スラスト・ベクタリング(以下スラスター)は、ミサイルのロケットモーターの燃焼ガスの方向を強制的に変更する機能を持ったミサイル。WT内ではR-73のみ対応している。

これのメリットとして、

  • 至近距離のドッグファイトでも命中を見込める
  • 最短距離を行こうとするので、近距離では射程が伸びる

点である。
WVR戦闘時、シザーズなどの格闘にもつれ込んでも、HMSでロックオンして発射さえできれば命中を見込めるのが、何よりの安心感である。
ただし、当然ながらデメリットもあって、

  • ロケットモーター燃焼後は効果が無くなる。
    点が大きい。ただし、搭載しないミサイルでもそれは同じで、ロケットモーター燃焼後は慣性による飛行に切り替わる。
    あくまで燃焼中の方向転換が得意、と覚えておこう。
有志検証:撃上げか撃下ろしか

さて、短距離ミサイルを用いて5km程度の距離で戦闘する場合、撃ち下ろすか撃ち上げるか、どちらかで悩む諸氏も多い事だろう。
以下画像は、有志検証結果である。*11
IMG_8591.png
IMG_8590.png
Q.撃ちおろしは水平射と比べて射程は伸びる? 縮む?
A.縮む。重力による加速よりも大気が濃くなることによる減速が大きい模様。5000mから1000mに撃ちおろすと5000と1000の中間程度の射程になった。逆に10000mに撃ちあげると射程は伸びた
※同時に下と上から撃ちあったら下が有利という意味ではないよ
Q.推力偏向させて曲がると射程は伸びる? 縮む?
A.伸びた
Q.うわっ、私のR511……弱すぎ?
A.AIM-4と同世代だからね仕方ないね

だそうだ。お疲れ様でした。

ガン関連

置きエイム

ーー編集中ーー

空中戦機動(マニューバ)関連

E-M理論

ジョン・ボイド氏が提唱した理論。Energy-Maneuverability(エネルギー機動性理論)とも。

空戦においてエネルギーの変換(位置エネルギー、運動エネルギー、等)と損失をコントロールし、攻撃位置を自機を有利に、相手側が不利になるように展開させる場合、その際に必要とされる航空機の機動能力(高度、速度、進行方向これらの任意の組合わせを素早く変化させる能力)は、運動に変換することができる機体のエネルギーがどれだけあるのかで決まり、そのエネルギー比率はエンジン推力と抵抗の差を機体重量で割り速度を掛けた数値で求められるというものである。
*12

水平飛行をしている機体は運動エネルギーを持ち、その機体が高度を上げるには、その運動エネルギーを消費する。しかし、そのエネルギーは消えてしまうわけではなく、位置エネルギーという形に変換され維持されることになる。
そして、どれだけ高度を稼げるかは(位置エネルギーを持てるか)は、機体が持っている運動エネルギーによる(厳密には全てが保存されるわけでなく、空気抵抗などのロスで少し減少する)。そして位置エネルギーを一度確保してしまえば、パイロットは、いつでも好きなときにそれを運動エネルギーに変換できる。

例えば高度3,000メートルに居る機体がより低い位置に居る高度2,000メートルの機体を襲撃する際、急降下を行うだけで瞬時に高速に達し、空戦で優位に立つことができる。

これは位置エネルギーを運動エネルギーに変換することで速度を稼いだ、そして逆に機体に十分な運動エネルギーがあれば勢いよく上昇させることでいつでも高度の位置エネルギーに変換できることを意味し、これがボイドの考えたエネルギー保存の法則を使った空戦の形である。*13
詳しくはWikipediaなどを参照してほしい。

HCA

HCA(Heading Crossing Angle)は自機と敵機の方位の差を表わす。
アングル・オフ(Angle-off)とも。
もし仮に、自機と敵機のHCAが0°であれば、自機は敵機と平行に飛行している。逆に、90°であれば鉛直のコースで飛行している。*14
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アスペクト・アングル

アスペクト・アングルとは、自機と敵機を結ぶ線と、敵機のお尻の延長線との間の角度差の事。
これは、自機が敵機の六時方向からどれだけの位置にいるのかを示してくれる指標になる。
アスペクト・アングルの大きさは、現在の自機の方位角に影響されない。
例えば、自機と敵機のHCA*15が0°であろうと90°であろうと、自分が敵機の後方から45°ずれたところに位置しているならアスペクト・アングルは45°である。
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アタック・ジオメトリー(攻撃角)

ラグ、ピュア、リードとは?
→敵機へ攻撃するための角度のこと。

リードパシュートは、機関銃や機関砲による攻撃の際の角度。
ピュアパシュートは、ミサイル攻撃をする際の角度。
ラグパシュートは、敵機の背後に付く際に使用される角度。

ラグ・パシュートは敵機へのアプローチのために主に使用される。
あるいは、攻撃側の機体がアウト・オブ・プレーン・マニューバ(敵機とは別の平面上で旋回すること)を実践する場合にも使う。
ラグ・パシュートを行うときには、相手よりも旋回率に余裕を残していなければならない。何故かと言うと、射撃に移る際はラグからピュア、もしくはリードパシュートへ移行する必要があり、敵機のほうが高い旋回率で旋回できる状態では、移行する事ができないためである。
つまり、相手よりも小回りが効く状態にして置く事である。
ピュア・パシュートはミサイルを発射するときに使用される。
ピュア・パシュートは、強力なミサイル攻撃を仕掛ける事が出来る反面、オーバーシュートのリスクがある。ミサイルの発射時だけにこの進路を取るようにすると良い。
リード・パシュートは敵機に接近する場合および敵機に機関銃、もしくは機関砲を発砲する場合に使用する。
リード・パシュートは敵機の旋回方向への最短距離となるため、敵機への急接近を可能にする。
ただし、旋回率に余裕がなければ、オーバーシュートの危険性があり、格闘の早い段階でする機動ではない。同じような機体性能の機体を相手にしているときにはリード・パシュートを連続でし続けることは、ベテランパイロットでも難しく、オーバーシュートのリスクが高い。よって、一時的に使用するのが良い。
ただし、機銃、機関砲の発射体勢に入るための唯一の方法。
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ワンサークルファイト・ツーサークルファイト

もし片方の機体がリード・ターンを行ったあと、もう片方の機体がリード・ターンを行う代わりに180度反転したロールを行って旋回に入ると、ワン・サークル・ファイトに突入する。
ワン・サークル・ファイトにおいては、相手より小さい旋回半径で旋回した機体が、相手の背後につくことになる。
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どちらのパターンでも、両機が再びすれ違うマージを何度か繰り返し、マージのたびにツー・サークルからワン・サークルあるいはワン・サークルからツー・サークルへと移行することがある。
マージの瞬間に自分の速度が低いようであればワン・サークルを、相手のほうが速度が低いようであればツー・サークルになるように仕向けると有利に戦うことが出来る。
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旋回率と旋回半径

さて、ワンサークル、ツーサークルファイトで戦闘を行う際、旋回率旋回半径という概念が存在する。
旋回率とは、単位時間あたりでどのくらい旋回しているかを表す。
つまり、旋回率は旋回半径の中をそれだけ早く機体が旋回するかを意味し、どれだけ早く機種方位を変更するかという単位に言い換える事が出来る。旋回率は一秒に何度方位を変えられたか(度/秒)で表される。

旋回半径は読んで字の如く、旋回円がどのくらいの半径で旋回しているかを表す。

例えば、旋回円が大きく、旋回率は小さい状態であれば、高速で大きい旋回をしているとも言える。逆に、旋回円は小さいが旋回率は大きい場合、高速度から急激に減速し、旋回している事が分かるであろう。

ちなみに、旋回半径は速度の2乗に比例するので、速度がある場合は旋回半径も大きくなる。その状態で旋回率を上げようとすると、大きなGが機体に掛かるので、パイロットの失神や、機体の破損のリスクがある。

勘違いしないで欲しいのが、速度を落とす事=旋回率が大きく、旋回半径が小さくなるわけではない事である。各機体には、最適な旋回速度が存在し、それ以外の速度では旋回率も小さく、旋回半径も大きくなる場合がほとんど。最適な速度は機体毎に存在するので具体的な数値を出すのは難しい。*16

マニューバ:シザーズ

空対空戦闘において、戦闘機同士が互いに相手の背後を捉えようとして急旋回による蛇行を繰り返す両機の機動が鋏(scissors)の開閉運動に似ていることからこの名が付いた。

競って飛行している相手より前に出てしまうと背後から撃たれるため、相手より飛行速度を落としたり、急旋回による蛇行距離を稼いだりして、互いに相手を前にオーバーシュートさせようとする。垂直方向に上昇しながらのシザーズでは先に上昇限界に達する機体が相手より早く失速するので不利になり、水平方向でのシザーズでは旋回半径の大きい機体が相手に内側に回りこまれるので不利となる。

具体的な空中戦闘機動としては、ブレイクにより敵機をオーバーシュートさせた直後にローリングで後背を奪おうとした際、防御機動として同様にローリングを行った敵機とともにローリング・シザースの構成がなされる。 *17
Roller.png

回避関連

フレアとその有効的な使い方

WVR戦闘では、短距離ミサイルが多く使用される。これは撃ちっぱなしであるため、母機の機動を制限しないためである。

なお、短距離ミサイルは熱源に対するシーカーのため、フレアに欺瞞されやすい。
そのため、以下の2点が有効なフレアの使い方となる。
1、プレフレア(置きフレア)
2、回避フレア

プレフレア、置きフレアとは、ミサイルが発射される前にあらかじめフレアを撒いておく事である。
こうすることにより、シーカーがエンジンをロックオンするのを妨害できる。また、ロックオンして発射されたとしても、フレアの方に向かっていくこともある。よって結果的に回避に成功しやすくなる。

次は通常のフレアの使い方である。発射後にフレアを撒くことで、シーカーを惑わす。

なお、どんな機体であっても、フレアを使用するときは必ず出力を下げよう。特に双発機の場合、排熱がフレアよりも温度が高い場合が多く、シーカーにしっかり映ってしまう。

プレフレアは出力全開でも良いが、回避フレアは特に気をつけよう。

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*1 厳密に言うとPID制御や推力スラスターの有無によって同じ最大旋回Gでも追尾性能が違う。あくまで目安として覚えておこう。
*2 KikkaMe 262 A-1aなど、1940-1950年代の亜音速機の事。
*3 MIG-21 F-13J35XSF-8Eなど。音速を突破できるようになった、超音速ジェット機。
*4 F-4SSu-27など。
*5 敵の射撃圏内の事。例えば、Su-27の場合、HMSとR-73の連携のおかげで、上方左右90°に侵入すると危険。
*6 基本的に、旋回をする事=エネルギーを捨てていると考えて良い。水平方向の旋回の場合、左右どちらに旋回しても位置エネルギー(高度)は変化が無いが、方位角は変化する。垂直方向の旋回の場合、上方に向かうと位置と速度エネルギーを捨て、下方に向かうと位置エネルギーを捨てる代わりに速度エネルギーを得る。
*7 このエネルギーは、機体に蓄えられているエネルギーの事である。
*8 つまり、下述する旋回半径が小さいという事である。
*9 ヘリコプターやBOLポッド、味方のフレアなども含む
*10 AIM-9Lは3.6°であることを考えると、FoVは大きい部類に入る。
*11 SARHミサイルも混ざってしまっているが、大方この表を参考にすると良いだろう。表が二つあるのは、高度が違うときの比較用のため。
*12 Wikipedia
*13 簡単に言えば、高度があればエネルギーの回復は容易だが、低空ではそうもいかない。エネルギーを最も早く回復できるのは位置エネルギーを運動エネルギーに変換した時である。
*14 すなわち、もしそのまま飛行を続けた場合、一定時間後には接敵する。
*15 HCA(Heading Crossing Angle)、上記解説参照
*16 機体が最大旋回率を発揮出来る速度の事をコーナー・ベロシティと言う。
*17 Wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%BA_(%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90)