概要
【ダイの大冒険】が初出の攻撃呪文。のちにゲーム作品にも逆輸入された。
漫画作品からナンバリング作品へ逆輸入された呪文としてはDQ10の【ベタン】に続いて2度目。
名前の由来は、メラの「メ」+ヒャドの「ド」+矢の英語「アロー」のアナグラム「ローア」。
原典では【ヒャド系】のエネルギーと【メラ系】のエネルギーをスパークさせて生み出す合成呪文で、どんな物理的な防御も無視して敵を消し去るという凄い効果を持つ。
理屈はともかく、火と氷という代表的な相反するものを合成し新たな特殊効果を生み出すというロマン溢れる奥義であり、ゲームに登場するときもこの設定を活かした仕様になっていることが多い。
ただし、炎+氷の複合属性だったり、光属性だったり、無属性だったりと属性設定は作品によって安定しない。
DQ8(没)
データ上に名前と効果の説明文が載っている。無理矢理使おうとするとフリーズする。
DQ10オンライン
Ver.6.3で、魔法使いの「新必殺技」として実装。
時期的にはDQ11よりも約5年、「蒼天のソウラ」より約2年遅れての登場となった。
前方の直線状に【こうげき魔力】依存の無属性ダメージ(上限19,999)を与える。モーションは【ギガブレイク】や【ギラグレイド】のときと同様、「ダイの大冒険」を踏襲している。
必殺技という性質上、呪文に関する状態変化の影響を受けない。「ダイの大冒険」や「蒼天のソウラ」などとは異なり、【マホカンタ】も無効。
詳しくはこちらを参照。
敵専用で、2段ヒット&無敵のげんまなども消滅する【ジア・メドローア】も登場している。
DQ11
本編作品に初登場。
【主人公】の【メラゾーマ】と【ベロニカ】の【マヒャド】を合体させた【れんけい】技。
主人公が【メラガイアー】、ベロニカが【マヒャデドス】を習得できないのもあるだろうが、火炎と冷気の系統最強呪文ではないメラゾーマとマヒャドの連携なのは、別に最上級同士でなくても問題ない原典と同じ理屈であろう。
そもそもダイ大連載時は両系統の最強呪文はメラゾーマとマヒャドであり(つまりこの時代の最上級同士の組み合わせはこの2つ)、ある意味原作に沿った再現とも取れる。
ベロニカとロウでメラガイアーとマヒャデドスを組み合わせられたら威力も上がったりしたのだろうか。
原点の設定どおりなら主人公はベロニカの魔力と全く互角の力で合成したことになり、圧倒的に魔力が上のベロニカ側が調整してくれているのかもしれない。
理論上は異変前からでも使用可能だが、主人公がメラゾーマを覚えるのがLv56と遅いため、相当量の【メタル狩り】でもしない限り、使用できるのは大体は過ぎ去りし時を求めた後となるだろう。世界に異変が起きた後にメラゾーマを覚えても、ベロニカ不在で使えないのである(参考までに主人公をLv56にするには1433847の経験値が必要になる)。
本作では無属性全体攻撃となっている。
主人公とベロニカの攻撃魔力の合計でダメージが決まり、合計900での平均764(誤差±60)が最大。
ベロニカの攻撃魔力がかなりの数値なので、使えるようになってから最大に達するのに時間はさほどかからない。
主人公とベロニカが手をかざした先に炎と氷の融合した球体が出現し、二人が力を解き放つとそこから矢のような光が放たれ敵へ向かっていく描写となっている。メドローアの命名の由来にも忠実な描写といえるが、原典における弓を引き絞るかのようなポーズまでは再現されなかった。
DQM2
ゲーム作品に初登場。
【連携特技】の一つであり、【メラゾーマ】と【マヒャド】の組み合わせで発動する。
敵1体に700~900ものダメージを与える。
中々強いが、大抵の場合メラゾーマもマヒャドも他の特技に押されて忘れさせてしまうことがほとんどなので、滅多に見ることがない不遇な呪文である。
ジョーカー2
敵一体にメラ系+ヒャド系の複合属性ダメージを与える。消費MPは脅威の80。
与えるダメージはSサイズのモンスターで280~500台とモンスターズ2よりは低いが強力。
【魔界】に登場する【オムド・ロレス】、及びGJとのマスター戦で【スライダーヒーロー】がたまにこれを使用してくるので注意。
なお、【メガンテ】や【マダンテ】などと同様、AIはこの呪文を使用することがない。
プロフェッショナル版ではAIが使用するようになった。
テリワン3D・イルルカ
DQMJ2より続投。テリワン3Dでは習得にデメリット特性が必須だった。行動不能系が嫌なら【ジェノダーク(スキル)】か【神鳥レティス(スキル)】の2択だが、前者はアンラッキー、後者はウトウト+MPバブルの賢さ半分で必然的に威力がダウンしてしまうので、使うなら間違いなくジェノダークでの習得になるだろう。
回避手段がある分、必ず【ヘロヘロ】か【強者のよゆう】を押し付けられる獣王げきれつしょうよりはデメリットが少ないか。
ちなみにイルルカではメラゾーマの消費MPが10、メドローアが100なので、後述する原典どおり「メラゾーマの10倍の魔法力の消費」となっている。
ジョーカー3・3プロ
属性設定の変更に伴い火+氷結の複合属性となったが元メラ系と元ヒャド系なので実際はあまり変わっていない。
今回はダメージ最低値が380、最大ダメージは1260と言う尋常ではないほどの強化が施され、【超ギガボディ】以外のダメージ上限値999をオーバーするほど。
これに今回の【かしこさ】の仕様が加わると、ステータス相性の良い相手なら一撃で蒸発させてしまうレベルの威力が出る。
加えてMP消費はDQMJ2の仕様の80に戻り、コストパフォーマンスも良くなった。
習得できるスキルは非常に少なく、無印版では【大魔道士】、【闘神レオソード(スキル)】、【DQ30周年SP】の3つだけ。
プロフェッショナル版では上記に加え、【女帝フレイシャ(スキル)】、【邪眼皇帝アウルート(スキル)】、【ジュヒョウの戦士】でも習得できるようになった。
ちなみにプロフェッショナル版では本家であるダイの大冒険からコラボキャラクター達が参戦したため、彼らにメドローアを撃たせる芸当も可能。
特に【大魔王バーン】はかしこさが高く【火ブレイク】を持つため、相性がいい。
ソード
ソードでは主人公と【ディーン】の合体必殺剣として登場。
ディーンが投げた炎と氷がリモコンを∞字に振ることで融合し、突くことで敵全員にダメージを与える火と氷の融合剣といった具合。
バトルロード
【光属性】の究極必殺技扱い。
原典とは違い、炎と氷の魔力が上空で渦巻き、光となって降り注ぐという演出になっている。
また、賢者の【マジックダブルスキャン】で使える合体呪文【メヒャド】も炎と氷を融合させた呪文で、そちらの方が原典のメドローアの演出に近い。
どこパレ
とくぎセレクションで実装された【ミルドラース】の目玉とくぎとして初登場した。
敵全体に【メラ系】と【ヒャド系】の特大ダメージを与える攻撃呪文。消費MPは160と歴代でも随一。
威力は使用者のかしこさに影響を受ける。
威力は作中の攻撃呪文の中では、2020年1月時点でトップクラス。
【プチマダンテ】と比べると無属性ではないので無効化されてしまうことがあるので一見不利。
しかしなんといってもこちらの利点はメラ、ヒャドの心得を乗せることができる点だろう。
心得++にもなれば30%ものダメージを加算することができるので決して馬鹿にならない。
DQMSL
通常の「メドローア」と「極大消滅呪文」の2種類がある。
読みはどちらも「メドローア」(後者については公式のお知らせ欄にきっちり書かれている)。
メドローア
幻魔王【マガルギ】が使用。
敵全体に無属性のダメージを与え、命中した敵のくじけぬ心を解除する。消費MPは101。
くじけぬ解除はともかく、威力は最大で410(賢さ1000以上の場合)と原作での効果を考えるとちょっと残念。
しかし特性の「エレメンタルブースト」の効果でメラブレイクとヒャドブレイクの効果を得ている場合は威力が2.5倍になる。
転生前から引き継げる「氷炎の魔砲」を使えば両方の効果を一度に得られるのでぜひ狙おう。
なお、この特技を使った時点でメラブレイクとヒャドブレイク、威力2.5倍効果は解除される。
極大消滅呪文
ダイコラボモンスターの転生に使用する「魔界のたまご」が覚えている。
消費MPは88で、賢さによる変動を含めた威力は【イオナズン】と同じ。違いは無属性であることのみ。
原作での設定を考えると結構残念な性能。更に上述の魔界のたまごの入手には10連ふくびきでもらえる「ダイコラボメダル」が必要。
その上ダイコラボモンスターは呪文型があまりいないため適任者も少ない。高い賢さとMP、【いきなりインテ】を併せ持ち、討伐Sランクでウェイトが14と軽い【ザボエラ】が適任か。
星ドラ
ダイの大冒険コラボガチャの第三弾にて、【ブラックロッド】のメインスキルとして実装。単体が対象のAランクの攻撃呪文で、最速CTは32秒、最大ダメージ倍率は120%。
今作ではメラ・ヒャド属性のうち、攻撃対象の敵により大きなダメージを与えられる属性を反映して攻撃するというゲーム内では初めてのシステムとなっている。クエスト中の最初の一回だけ、原作のメドローアの演出がアニメーションで再現される。
武器錬金で「ブラックロッド★」に進化させると、スキルもSランクの「超メドローア」に進化。こちらは原作の演出は削除されているが、最速CTが21秒に短縮。更に、敵にかかっているバフをふきとばす効果・75%の確率で呪文耐性を25%下げる効果が追加された。
ウォーク
2023年1月1日より実装。メドローアに加えて「メドローア・滅」の2種類に分かれており、
いずれもこの日登場した「ウロボロスの杖」で修得する。属性はメラでもヒャドでもなくいずれも無属性。
なお、実装時はダイ大コラボイベント期間中で、武器自体は直接の関係はないものだが、この呪文でしっかり関係性は保った形となった。
詠唱モーションもメラとヒャドを融合させ、矢のように放つものでこちらもダイ大準拠。正月実装の装備にちなみ、単体版はバックに日の出が映る。
メドローア
「ウロボロスの杖」レベル30で修得する。消費MPは64。
単体に絶大な呪文ダメージを与え、低確率で守備力又は呪文耐性を低下させる。
ウロボロスの杖のいきなりスキル「炎氷の融合」を用いるとさらに性能が向上する。
ただしメラ系とヒャド系の呪文ダメージの威力上昇が均等に近くないと効果が下がるので、
メドローアを使う際は、両属性の強化度合いが均等になるようにこころを調整すると良い。
また、使用者の残りMPが少なくなると効果が下がりやすくなる。
メドローア・滅
「ウロボロスの杖」レベル28で修得する。消費MPは78。
こちらは全体攻撃で、威力は単体版よりはさすがに劣るもののそれでもベタンよりはずっと大きく、
勇者姫の剣の「覚醒の炎」と同様、このダメージで残りHPが15%以下になった敵を消し去る。
この効果は触れた物体を問答無用で消滅させるダイ大の効果の再現か。
通常のメドローアとは演出が異なり、小さな矢が拡散して爆発が収束するようなエフェクトがかかる。
更にドラゴラム同様、メタル系にも16の固定ダメージを与える効果もあるなど盛りだくさんの呪文。
「炎氷の融合」による強化はこちらには適用されない。
ライバルズ
第7弾カードパック「光と闇の異聞録」にて実装。魔法使い専用のレア。
コスト3 必殺技
全ての敵ユニットに3ダメージ
このダメージで敵ユニットが死亡する場合、代わりに消滅する
同作の【イオナズン】が7コス全体3ダメージであることを考えると、必殺技の条件であるテンション3を考慮しても実質6コストで同じことができる。
消滅効果はオマケのように見えるが、【ウドラー】などの強力な死亡時効果を防げるので相手によっては強力。
流石の威力だが、前述の通りテンション3が必要であることには注意。
元は4コストだったが、4→3にコストが軽く調整され、使い勝手が増した。
ダイの大冒険
漢字表記は「極大消滅呪文」。その表記と読みを合わせたものは新アニメ46話のサブタイトルでもある。
大魔道士【マトリフ】が、魔王【ハドラー】との最終決戦用に開発した攻撃呪文で、命中した物体を問答無用で消滅させるという、他の攻撃呪文に類を見ない効果を持つ。
左右の手にそれぞれ全く同じパワーで、プラス熱エネルギーであるメラ系とマイナス熱エネルギーであるヒャド系の魔法力を同時に作り出し、双方をスパークさせることで完成する呪文。
二つの魔法力が合体したら両手で引き伸ばして弓矢のように構え、敵に向かって巨大な光の矢として発射。エネルギーの対消滅によって、命中した物体は跡形もなく消え去る。
「爆発で跡形もなく吹き飛ばす」でも「高熱で灰も残さず焼き尽くす」でもなく、光の矢が当たった周辺の物体は何の反応も伴わず文字通り即座に消滅してしまう。
効果範囲は調整できるのか場面によってまちまちで、【サババ】での集団戦では幅20m近くを地形ごと抉り、【バーンパレス】での【シグマ】戦では直径80cmほどの空間に作用している。
本作のメラ系とヒャド系は「熱エネルギーを制御する同じ呪文」の派生であり、魔法力をプラスに作用させるかマイナスに作用させるかが違うだけとされている。
だからこそ、一見すると逆の効果を持つ二つの呪文の魔力は合成することができ、イオ系やギラ系の最上位呪文が「極大」の名を冠しているのに対し、メラゾーマとマヒャドを極大呪文と呼ばない理由はここにあるらしい。
メラ系とヒャド系の合成には、一人の術者が両手に2種の魔力を全く同じパワーで発生させなければならず、難度は非常に高い。マトリフ曰く「センスのないやつには絶対成功しない」とのこと。
片方のエネルギーが強すぎるともう片方の腕に魔法が流れ込むようで、元々メラ系が得意だった【ポップ】は修行や習得直後の段階では氷の魔法力を放出している右腕を焦がしたり炎上させていた。
ちなみに発生する合体魔力の見た目はギラ系にも似ているらしく、ポップは敵の油断を誘う「偽メドローア」としてベギラマを利用したことがある。
外伝作品等ではメラゾーマとマヒャドの合体呪文であることが多いが、ダイ大におけるメドローアはあくまでメラ系とヒャド系の魔法力の合成呪文と説明されていて、メラゾーマとマヒャドの合成ではない。
ほぼすべての魔法を網羅しているマトリフはともかく、ポップは最終決戦時でもヒャド系呪文は【ヒャダイン】までしか習得しておらず、それよりもかなり前にメドローアの魔力合成を会得しているので、上位呪文とは関係なく、メラ系ヒャド系をバランス良く両手で扱うのが発動条件のようだ。
魔力合成に成功し、弓矢状に引き伸ばした段階で消滅エネルギーは形成されていると思われるが、手に掴んだままのエネルギー体で斬りかかったり、エネルギーを保持したまま構えを解いて他の行動に移るシーンは無い。
サババの戦いではシグマに跳ね返されたマヒャドで体勢を崩した際にメドローアの魔法力が消失しているので、弓矢のような構えを続けないと合体魔力も維持できないようだ。
また、このときのポップはさほど魔法力を消耗した様子がないことから、本格的に消費するのは発射のときで、呪文を合成した段階ではあまり魔法力を使わないのだろうか。
こうした難易度や構えなどの条件をクリアできるなら、その威力は凄まじく、メドローアの前に装甲や耐久性などの物理的な防御力は全く意味が無い。
通常の攻撃呪文を全く受け付けない【オリハルコン】だろうが、【アストロン】がかかっている者だろうが、当たればあらゆるものを問答無用で消滅させる。
また【凍れる時間の秘法】で時間が止まっていて物理的な干渉が一切できない物体さえも消滅させられる。
ただし、あくまでも「呪文」であるため、明確な対処法や弱点もいくつか存在している。
まず挙げられるのが呪文の反射効果による防御。【マホカンタ】をはじめ【シャハルの鏡】、【フェニックスウィング】のような魔法反射能力を持つ手段なら呪文であるメドローアをはじき返すことができる。
強力無比かつ防御手段が少ないことが術者自身にも仇となり、もしメドローアが跳ね返ってくれば自分達の方が全滅しかねない。
また、通常の攻撃呪文と同じく同じ属性の呪文、つまりメドローアをぶつけることで相殺できる。マトリフがポップに伝授する際の修行も「お互いにメドローアを向け合って緊張感で追い込み、生き残るには相殺させるしかない」というものだった。
マトリフは「数えるほどしか使っていない」と言及しているが、反射、相殺が可能であることには確信を持っていたようだ。
どういった経緯で判断したのかは不明だが、もともとマトリフ一人のオリジナル呪文だったメドローアを「二人でぶつけ合って相殺する」テストはできないはずである。
魔法使いは常に戦況を見極めるパーティーの頭脳という信念をもつマトリフだけに、呪文である以上メドローアがマホカンタなどで対策される危険性は予想できただろうし、仮に反射されるなら逆にパーティーが全滅してしまいかねないので処理法を考えておかないと実戦では危険すぎて使えない。修行内容も「反射された場合の対処法」にもなっている。
適当な魔物にでもマホカンタを使わせ、「マホカンタで防がれるか」をチェックするついでに、もし反射された場合の保険として相殺できるかも検証済みだったのかもしれない(本作のマホカンタは大魔王バーンクラスの魔力の持ち主でないとちゃんと跳ね返ってこないらしいが…)。
相殺による防御は莫大な魔力を消費するメドローアを二回分も使うため、無事に相殺できても今後の戦局に大きな影響を与えてしまうが、それでも消滅よりははるかにマシなため回避ができない場合は選択せざるを得ない。
この他に「魔法力そのものを吸収・無効化してしまうもの」にも効果が無い。
作中ではバーンパレス心臓部の材質がこれに該当し、接触前に魔力を奪われ効果を失ってしまっておりメドローアでの破壊に失敗している。
実例では無いが、【ザボエラ】の【マホプラウス】も「呪文を吸収してから纏めて撃ち出す」設定になっていて、【ミストバーン】の【闇の衣】も呪文を呑み込んで増幅し撃ち返せる。マホプラウスは使い手も同じ呪文を習得していないと吸収できないようだが、この辺りの術や特性にメドローアを撃つとどうなるかはハッキリしていない。
本編には登場していないが、原理的に言えば【マホステ】や【あやしいきり】などでも防げることになる。
熱や衝撃も加えず消滅させるという性質から、【黒の核晶】を爆発させずに処理する手段として名前が上がることもある。
黒の核晶は魔力を吸って爆発するという性質があるものの、ヒャド系で凍結して起爆不能にできているため、同じく呪文のメドローアも吸われないだろうという理屈である。
これについても、ポップやマトリフが念のため莫大な魔力を吸って消滅前に起爆のリスクを避けたといった解釈が加わることも多い。劇中でこの処理法は試みられることなく終わっているため可能かどうかは不明。
なお、メドローアは莫大な魔力を消費するがその具体的な消費MPについては明らかになっていない。
作中の描写からメドローアを1発にはメラゾーマの10倍以上の魔法力が必要という推測もある。
これでDQ3のメラゾーマ(消費MP12)を基準に単純計算すると消MP120以上となり、歴代のナンバリングシリーズでも消費MPが3桁を超えるのは【マダンテ】を除けばDQ9の【ベホマズン】(消費MP128)くらいしかない。
メドローア習得前ではあるが14巻(ザムザ戦当時)で確認できるポップの最大MPは153しかなく、最低でも2発は撃てることから考えて、レベルアップによる最大MP上昇を考慮しても消費MPは80~90程度という推測もあり、ゲームシリーズの単体技初出であるDQMJ2でも80だった。
コミックス21巻巻末のQ&Aコーナーの情報から計算した場合・・・死の大地編当時のポップの最大MPは、メラゾーマ20発以上はかるいとのことなので、DQ3基準で12×20=240以上。dq4以降の基準なら10×20=200以上である。更にメドローアは2・3発しかうてないとのことなので。限りなく少な目に見積もって200÷3で一発で約66の消費。逆に多く見積れば240÷2で120以上の消費となる
いずれにしろ大きなMP消費は術者に負担をかけるので、既に肉体の消耗が激しかったマトリフが使うと、吐血や体力切れなどだいぶ辛そうな状況になっており、ポップも終盤ではメドローアの連発で立ちくらみを起こしている。
ちなみに、マトリフがメドローアを開発した動機は、ハドラーを封じようとした凍れる時間の秘法の失敗により自らも時間停止に巻き込まれた【アバン】を救えなかったことを悔やんでというもの。
ミストバーン戦後のアバンは、【マァム】がポップ達の生存を知った際、「メドローアから2人を助けてたんですよ」と呪文名を口にしているので、実戦で目撃したか、少なくともマトリフから存在を知らされていたようだ。
アバンがアバンストラッシュを完成させてハドラーを倒したのは凍れる時間の秘法が解けた後なので、マトリフのメドローア会得は秘法の解除には間に合わなかったようである。また、ハドラーは後に蘇生しているため、少なくとも全身を消滅させるレベルのメドローアは食らっていないことになる。
強力すぎて直撃すればその場で勝負が決まってしまうので、作中でまともに敵に命中した場面は意外と少ない。
ゲーム本編での攻撃呪文はシステム的に必中だが、ポップは敵の回避や反射を掻い潜ってメドローアを命中させるために知恵を絞ることとなる。
実戦ではポップとマトリフ合わせ9回使っているが、決定打になったのは策のぶつけ合いとなったポップ対シグマ戦の大詰めと、マトリフが不意打ち気味に【ジャミラス】を撃破したときの2回だけである。
他に明確なダメージと戦果になったのは【ハドラー親衛騎団】との初戦。騎団の全滅を狙って発射し、【ブロック】がメンバーを土中に押し込んで回避されるも、ブロックのオリハルコンの巨体を大きく抉って戦闘不能にし、騎団がひとまず引き上げるのに繋がっている。
【老バーン】との戦いでは1発目を反射され、相殺するためにもう1発を使用。
【キルバーン】の【◇の9(ダイヤ・ナイン)】から脱出する際には、罠の発する地獄の猛火に撃ち込んで穴を開けている。
ダメージ源にはならなかったが、その決定力で【天地魔闘の構え】を誘い、技の弱点を見切るための布石としても使われている。
「狙ったが当てられなかった」のは、老バーンとの初戦時にマホカンタで反射されたとき、ミストバーンのフェニックスウィングに弾かれたとき、バーンパレス心臓部からの脱出時に壁の破壊を試み吸収されたときの3回だけである。
修行による試し撃ちでは、「最初にマトリフがポップに向かって撃ったもの」「ポップがそれを相殺するため見様見真似で放ったもの」「後にポップがもう一度岩壁に向かい試し撃ちしたもの」の3発が描写されている。
また、直接の描写はないが、強化版【ミナカトール】発動に必要な【アバンのしるし】が光らず悩んだポップがどうして良いか判らず自分を追い込んでいた際、背景にメドローアを当てたと思しき丸く削られた岩壁が描かれていた。
ダイ大の『技の人気投票』では栄光の1位に輝くという偉業を成し遂げている。
実は総合得票数では【アバンストラッシュ】がトップだったのだが、主人公である「【ダイ】のアバンストラッシュ」と、技の開祖「アバンのアバンストラッシュ」が別集計になったことで個別票1位をゲットした。
発表コーナーには、喜ぶポップに「元々はオレの技(呪文)じゃぁねーか!!」とマトリフが突っ込みを入れ、ポップも渋々マトリフに感謝するというやり取りも掲載されている。
勇者アバンと獄炎の魔王
23話にてメドローアの誕生秘話が語られている。
【バルゴート】はマトリフの2つの呪文を同時に扱う才能に感心したものの、「危険な組み合わせ」として、
自身のヒャド系魔力と全く同じ強さのメラ系魔力をマトリフに重ねさせて実際にスパークを起こさせ、
「一歩間違えばお前自身を滅ぼす」と忠告。
そのことを思い出したマトリフは【ウロド荒野】でハドラーの足止めの際に戦った【ガンガディア】との戦いで相手のメラ系呪文に合わせてヒャド系呪文を使用。
あと一歩で消滅させられるところをガンガディアには【ルーラ】で逃げられてしまったが、魔物の軍団をほぼ壊滅させることには成功した。
もしハドラーに掛けられた【凍れる時間の秘法】を解呪をされる前にメドローアが完成していたらハドラーだけ消滅させてからアバンを解呪するという展開もあったかもしれないが、25話を見る限り解呪までに完成は間に合わなかった様子。
【フューレ】の【暗黒のマント】に火炎呪文を反射された際に前述の「メドローアが反射された場合の危険性」に思い至っている。そこからメドローアが反射された際は相殺するという対処法を思いつくに至ったと思われる。
そして地底魔城の決戦において、やはりマトリフはこの呪文を決め手として使用する。またガンガディアは以前自分にもできるか何度も試したが成功はしなかった。
【ドラゴラム】で炎のブレスと圧倒的な物理攻撃力で攻め、メドローア発動の隙を与えないガンガディアに対し、マトリフはメラを乱射し応戦。当然メラ程度は竜と化したガンガディアには通じず弾かれてしまうが、地面に残ったメラに向けて威力を調整したヒャドを放ち、遠距離から小型のスパークを起こすという離れ業でガンガディアを動揺させ、その隙にメドローアを生成、ガンガディアに命中させることに成功する。
これらの様子から、メドローアの本質は「対消滅のエネルギーを発生させた上で、制御する」ものと考えられる。
他者のメラ系呪文に合わせたレベルのヒャド系でも消滅作用が発生するが、たとえ小規模のものでもマトリフやガンガディアが恐れおののく程の爆発が生じている。
この作用を自身の手元で起こし、なおかつそれを制御して意図した場所に放つと考えると、その消費魔力量もさもありなんと言ったところだろう。弓矢の形も、制御に最も適した形であったのかもしれない。
クロスブレイド
超2弾でポップとマトリフのスペシャル連携として「ギガメドローア」が登場した。
魂の絆
【ポップ】と【マトリフ】の奥義として採用。
言語切り替え時の英語表記は「Medroa」。
基本性能は共通しており、遠距離広範囲に貫通魔法ダメージを与える。【限界突破】可能となっており、条件次第で一万以上のダメージを与えられる。
原作の問答無用で消滅させる効果は再現されていない(というかしてはいけない)が、一切の属性を持たない唯一の攻撃という特徴が与えられており、弱点は付けないがどんな敵にも一定の効果は期待できるようになっている。
メドローア(ポップ)は【羽ばたきの杖】によって修得可能で、使用時に「短時間、自身の会心時ダメージアップ」の効果を得られる。
メドローア(マトリフ)は【英知の杖】によって修得可能で、使用時に「短時間、自身の魔法攻撃力アップ」の効果を得られる。またポップのものより基本の威力が高い。
インフィニティストラッシュ
ポップの隠し必殺技として登場。【記憶の神殿】の奥深くに行くとイベントが発生し、そこで炎と氷のエネルギーを均等に合わせるミニゲームを成功させると習得できる。
発動から矢の発射に若干隙があるが、Lv.3で命中させると必ず99,999のダメージを与えられる。その威力は【鬼岩城】、記憶の神殿のバーンを除く【チャレンジモード】のボスを一撃で倒せ、極大消滅呪文の名に恥じぬほど。
ただし【竜騎衆】は一人ずつ現れ、【ザムザ】は制限時間3分なのでメドローアLv.3だけでは勝てないが…
蒼天のソウラ
16巻九十話「氷と炎の狭間」にて本家DQ10よりも先に登場。
魔法合成士の究極奥義の1つ。
「メラ系とヒャド系の魔法を合成させることによりプラスとマイナスの魔法力をスパークさせる」「その対消滅に対象を巻き込む」呪文であり、十字型をした光の矢にして放つなど、全体的にダイの大冒険のメドローアに則った説明と描写になっている。
正式名称も同じく「極大消滅呪文メドローア」。
一人で撃てたダイ大とは異なり、四人がかりで撃つ大規模な魔法になっていて、「<合成魔法の使い手>ブラオバウム」「<レヴィヤルデ砲雷長兼副操縦士>バンダ」「<謎の貴公子>ソーリス」「<謎の従者>みみみっく」が協力して撃つ合体魔法。
ゲームシリーズへ輸入されたメドローアの多くが二人連携の攻撃だったので、さらに大がかりだと言える。
呪文を成立させるための条件も厳しく、メラ系とヒャド系の担当者はそれぞれ長年の付き合いがある者同士が息を合わせなければならない。同門の魔法使いである「みみみっく」がメラ系を担当し、「ソーリス」がヒャド系を担当したが、弟子であるソーリスの方が実力が上だったために出力調整を必要とした。
息を合わせたメラ系とヒャド系の魔法力を魔法合成士ブラオバウムが合体させるのだが、魔力のバランスが崩れると術者が消滅する危険性を伴う上、魔力合体には目鼻から血が出るほどの猛烈な集中を必要とする。
困難を乗り越えてメドローアが合成できたら、狙撃担当のバンダが魔力の矢にし、【暴走魔法陣】を進路に設置した上で弓形の杖から発射する。
一射のためだけにとてつもない手間と危険性が伴うため、初めて撃った際は陽動のために自軍の移動拠点であるえぐみマーク2さえ囮として使用した。
また、成功させた場合でも狙撃担当以外の3人の魔法力を著しく消耗させてしまう。特に制御担当のブラオバウムは目鼻からの出血に加えて熱を出し吐血までしているほど。
それだけの苦労を伴うぶん威力も凄まじく、魔物達が築いた3枚の城壁を貫通し大穴を開けるという、城を築いた魔族側からすれば反則と言えるほどの破壊力を見せつけた。
その後も描写はないが2発目を成功させ、さらにその日のうちに3発目を敵軍の城壁目掛けて放とうとするが、罠の可能性を疑った【<早撃ち>ダン】がバンダの弓を壊して妨害、不発となった。
ダンの勘は見事に的中しており、【ライセン】が城壁裏に仕掛けていた【マホカンタ】による反射を未然に防ぐこととなった。
術者のブラオバウムによると、本作のメドローアは「物理現象への変換を経由しない純粋な魔法力そのもの」による攻撃であるため、他の呪文よりも対魔法障壁の影響を大きく受けるのではないかという。
バウムの理解どおりなら、マホカンタに跳ね返されるだけでなく、【マホキテ】などの影響も強く受ける可能性が高いことになるが、作中でメドローアがマホカンタやマホキテに直撃したことはない。「どんなに強力だろうとも、魔法の一種なので魔力対策には弱い」という特徴もダイ大の設定や描写と同様だと言える。
バウム達は古の英雄譚を引き合いに「二つの魔力の生成・収束・狙撃まで一人でおこなう大魔導士(原文ママ)が登場していたりする」と、一人でメドローアを撃てる魔法使いが存在した可能性にも触れているが、上記の難易度の異常さから当のバウムは創作、ソーリスは軍記物の誇張だろうと考えている。
DQ10をベースにしたソウラの世界観とダイ大がどのぐらい繋がっているかは不明だが、この古の英雄譚が語り伝える大魔「導」士こそ、【マトリフ】と【ポップ】の大魔道士師弟だったりするのだろうか?