【ミルドラース】

Last-modified: 2024-03-18 (月) 01:02:33

概要

【ドラゴンクエストV 天空の花嫁】における【ラスボス】
その他、DQ9やモンスターズシリーズなどにも登場している。
【イブール】からは「大魔王ミルドラースさま」と呼ばれるが、肩書きとしては『魔界の王』というものが用いられる。
魔王、大魔王、魔族の王といった肩書きの持ち主は多数いれど、魔界そのものの王はそうそういないので本来凄い存在なのだが…評価については後述。
名前の由来として、ミルドアース(フランス語や英語で「地球粉砕」の意)や戯曲『ミュセドーラス』という説がある他、宗教(光の教団)繋がりで「ミトラス教」を捩った可能性もある。
ミトラス教は太陽神ミトラスを主神とする宗教で、キリスト教と対立する立場にあるような存在。
DQ5では人間側に【マリア】【ヨシュア】(=イエス)という、キリスト教の主要人物の名を冠されたキャラが登場しているため、それに対して魔物側の首魁の名に「ミトラス」を捩ったものを付けることで、作中の人間と魔物の対立関係をキリスト教とミトラス教の対立関係に準える形になる…というものである。
 
英語版の名称はGrandmaster Nimzo(DQ9では単にNimzo)。
由来はニムゾ・インディアン・ディフェンスという、チェスの駒の動かし方か。考案者のアロン・ニムゾヴィッチの出身地は当時のロシア帝国なので、部下の名前がチェスの駒の英名とロシア名を組み合わせたものになっていることとも合致する。
 
亜種として、スーパーライトには類似した容姿を持つ「ラース」及び「災いの童子ラース」がいる。

DQ5

【魔界】の総本山【エビルマウンテン】に居を構え、「王の中の王」を名乗る本作のラスボス。
人間界を侵略するために【主人公(DQ5)】の母【マーサ】を誘拐し、約30年もの間、魔界と人間界を繋ぐ門を開かせようとしていた。
エビルマウンテンにて「長い年月を経て神をも超えた」と豪語し、もはや用済みとなったマーサを始末する。
【イブール】の会話からは、光の教団にとっての神であったこと、そして光の教団が滅ぶという予言もしていることがわかっている。
 
リメイク版では、元々は人間であり神になろうとしていたのだが、心の邪悪さから逆に魔族にされたという設定が追加された。【きんだんのまきもの】を見るに【進化の秘法】で進化した可能性もある。ジャハンナにいる【アンクルホーン】によれば、その邪心があまりにも強すぎたために神の怒りを買い、魔界に封印されたとのこと。

第一形態

HPMP攻撃力守備力素早さ備考
1600200180801回行動、自動回復50
かがやくいきorメラゾーマ→通常攻撃orいてつくはどう→仲間呼び

2本の角と白い髭の生えた人間形態。
【メラゾーマ】【かがやくいき】【いてつくはどう】を使う他、【なかまをよぶ】を使って【キラーマシン】【あくましんかん】を一度に2体呼び寄せる。
行動パターンは後述の3段階ローテーションになっている。
 
部下は際限なく呼ぶため相手にしてもキリがないが、守備力が低いうちはキラーマシン2体を放置するのは危険。比較的無害なあくましんかんが出るまで待つか、【メダパニ】で動きを止めると良い。ミルドラースを倒せば自動的に戦闘が終わるのでザオリクを使われる心配はない。
普段は腕を組んだ姿を取っているが、仲間を呼ぶさいは両腕を広げるモーションをとり、背景がフラッシュすると同時に腕を広げる。ちなみにこの横に広げた手は鳥山明の原画も存在しており、本作では貴重な敵モンスターのアニメーションである。
HPは高くはないが、自然回復を持っているので体感的にはそこそこしぶとい。【ルカニ】系がよく効くため、打撃攻撃がかなり有効。

リメイク版

HPMP攻撃力守備力素早さ備考
2500240230801回行動、自動回復50
かがやくいき→通常攻撃orメラゾーマorいてつくはどうor仲間呼び

2段階ローテーションに変更され、奇数ターンにかがやくいきを必ず使うようになっており、耐性を持たないキャラのみでパーティを構成すると苦しいが、冷気系に強いモンスターが居れば相当楽になる。
全くルカニが効かないため、【ドラゴンのつえ】【はげしいほのお】などで手下ごと凪ぎ払うといい。
攻撃呪文への耐性は第二形態よりも高い。
ラスボスなので経験値は0だが、リメイク版では手下の経験値は貰える。

第二形態

行動回数行動内容
パターン11~2通常攻撃→しゃくねつほのお→いてつくはどう→イオナズン→マホカンタ→めいそう
パターン21~2めいそう→しゃくねつほのお→いてつくはどう→メラゾーマ→ルカナン→通常攻撃
パターン31しゃくねつほのお→痛恨の一撃→メラゾーマ→めいそう→イオナズン→いてつくはどう
HPMP攻撃力守備力素早さルカニ耐性
パターン1450031523075なし
パターン2450031523015弱耐性
パターン3450029230120なし

辺りが揺れて周囲の岩が沈んだ後光に包まれて巨大化、少しずつ部位が追加され光が消えて、横に体形が広く4本の手と特徴的な尻尾を持った怪物の姿に変身。BGMが【大魔王】に変わる。
 
【しゃくねつほのお】【イオナズン】、メラゾーマなどによる攻撃がメイン。
ほとんどの補助呪文・特技は効かないが、逆に攻撃呪文・特技にはほぼ耐性を持っていない。
特に1.5倍ダメージを与えられる【ふぶきのつるぎ】が効果絶大である。
こちらのメラゾーマやイオナズンも有効だが、戦闘開始時から必ずマホカンタがかかっている点には注意。
守備力が高めなのでルカニ系で下げたいところだが耐性は低いもののマホカンタを張っているのでいてつくはどう(【てんくうのつるぎ】含む)で解除しないと通らない。やまびこメラゾーマを使えるようにする意味でも真っ先にマホカンタは解除しておきたいところである。
てんくうのつるぎがあれば簡単に解除できるので、男の子に装備させない場合でも必ず誰かに持たせておきたい。
 
「3つある行動パターンのうちからランダムに1つを決定し、戦闘終了時まで変わらない」という歴代の中でも彼しか見られない特殊な仕様になっている。
強力な攻撃が多いが、完全ローテーションなので行動のタイミングは掴みやすい。
この行動パターンの難易度がバラバラで上から順番に「パターン強」「パターン中」「パターン弱」とも呼ばれている。
いわゆるパターン弱は攻撃こそ激しいが、ラスボスなのに完全1回行動なので注意すれば簡単に倒せてしまう。
それに対しパターン強は「通常攻撃→しゃくねつほのお」のコンボが連続で来る可能性があるうえ、【マホカンタ】を使用(マホカンタ状態の場合はマホカンタを飛ばして行動)するので、中途半端な素早さと1~2回行動も相まって攻撃呪文のタイミングが掴みづらく、戦いにくいパターンとなっている。
残ったパターン中は1~2回行動ではあるが、攻撃と補助が交互に組まれている(=1ターンに受けるダメージが把握しやすい)上に全体攻撃はしゃくねつほのおのみなので、パターン弱程ではないものの戦いやすい。
下記の通り素早さも15と極端に低く、ほぼ先手を取れるのも安心要素。
 
前述のように各パターンによって素早さが違うというのも特徴。
またパターン3の通常攻撃は必ず攻撃力×5のダメージ固定の痛恨の一撃になるため、攻撃力はかなり抑えられている。
耐性面はほぼ共通となっているが、ルカニ系への耐性だけは若干違いがある。
 
どのパターンでも【めいそう】でHPを500回復するため、1周期中に501以上のダメージを与えないと倒せない。
攻撃呪文・特技への耐性は皆無なので、とにかく覚えている中で最強の攻撃をぶつけたい。
また、ルカニ系への耐性が低いので、守備力を下げた上でバイキルトを併用すれば、打撃もかなりの火力を期待できるようになる。
ルカニ弱耐性を持つパターン2でも、主人公がLv53以上ならばルカニ無耐性扱いとなる。
上記の通りふぶきのつるぎは相性がよく、守備力0・バイキルト時ならば余裕で300近いダメージを叩き出せる。
なお【HP無限バグ】が発生する可能性があるものの、めいそうを使用するおかげで解除されることがある。
 
いてつくはどうのせいで補助呪文を使いにくいが、しゃくねつほのおが危険なのでフバーハだけはなるべく解除されるたび(パターン弱は素早さが高く、いてつくはどうの次のターンがしゃくねつほのおなのでここだけ注意)にかけ直し、打撃で攻める場合はバイキルトも使う方がよい。
打撃攻撃の威力はどのパターンも高いが、強と中では通常攻撃はローテーション一巡のうち1回ずつしか行わず、一見危険そうなパターン中でのルカナンもいてつくはどうで解除してくれるのであまり気にしなくてよい。
パターン弱に至ってはいくら守備力を上げてもダメージ固定なのでスカラ・スクルトは必要ない。
 
このようにミルドラースの攻撃は激しいが、3人パーティでもフバーハや入れ替えを駆使して上手に立ち回れば、実は【けんじゃのいし】だけでも十分回復が間に合ったりする。

PS2版

HPMP攻撃力守備力素早さ備考
7000375
(終盤のみ43)
245751~2回行動
残りHP行動内容
7000~4501しゃくねつほのおor通常攻撃いてつくはどうorイオナズンルカナンorマホカンタ
4500~2501しゃくねつほのおor飛ばすいてつくはどうorメラゾーマルカナンor通常攻撃
2500~1しゃくねつほのおor痛恨の一撃ルカナンorメラゾーマいてつくはどうorイオナズン

変身時の演出は、光に包まれ巨大化した後光が消え部位がどんどん追加され真の姿になる、というもの。
残りHPにより変動する仕様に変更された(一定ダメージ量に達すると別のステータスの形態に変化する)。
めいそうこそなくなったが、代わりにHPが2500増えている。
また、ルカニ系が一切通用しなくなったため打撃攻撃でダメージを与えにくくなっている。
1回行動がなくなった上にローテーションも読みにくくなったため、かなり強化されている。
いてつくはどうの頻度も上がっているため、補助呪文が使いにくいのも厄介。
しかし、これを逆手に取って補助呪文を使用し、相手の足止め作戦で いてつくはどうの誘発手段として使えると言えば使える。
また、最初のモードならマホカンタを剥がしておくのも有用。
マホカンタがかかっていれば これを使用せず、補助効果がかかっていないと いてつくはどうを使用しない。

物理で殴る以外では天空の剣でマホカンタを剥がして攻撃呪文で押すのが楽。
ギガデインやメラゾーマ、イオナズンを連打してMPがなくなったらエルフののみぐすりで回復すれば足りる。
あえて難しくなる要素を挙げるなら、嫁をラスボス戦に連れてくるとレベル差でしんどい思いをするのがネックになる程度である。
耐性やステータスの強いモンスターで戦うと難易度が著しく下がるので、ぜひ人間6人+キラーパンサー+ザイルで挑んでみよう。
 
特に終盤の痛恨ラッシュ(威力は215固定)が脅威。対処法も特にないので、さっさと倒してしまおう。
ちなみに痛恨は固定ダメージなので、終盤のルカナンは完全にサービス行動である。

DS版以降

HPMP攻撃力守備力素早さ備考
7000375
(終盤のみ43)
245751~2回行動
残りHP行動内容
7000~4501しゃくねつほのおor通常攻撃いてつくはどうorイオナズンルカナンorマホカンタ
4500~2001しゃくねつほのおor通常攻撃いてつくはどうorめいそうルカナンorメラゾーマ
2000~1しゃくねつほのおor痛恨の一撃いてつくはどうorイオナズンルカナンorメラゾーマ

光に包まれ巨大化し部位がどんどん追加され、光が消えて真の姿になるという演出。
めいそうが復活したほか、ローテーションが若干見直されている。だが相変わらず終盤のルカナンがサービス行動であることは変わらない。
基本的な戦い方もPS2版と同じで良い。
ちなみに、めいそうでHPが4501以上になっても、元の行動パターンに戻ることはない。

評価

歴代ラスボスの中でもトップクラスに認知度が低いラスボスである。
未プレイのプレイヤーはもちろん、クリア済みのプレイヤーにすら名前を忘れられていることは珍しくない。
2chでは一時期「影が薄いラスボス」ということで逆に有名になるというよく分からない状況になっていた。
そのせいで「誰だっけ?」とすっとぼけられることは日常茶飯事。「ミルなんとかさん」と呼ばれたり、酷い時にはわざと名前を間違えて「ミル・マスカラスさん」「ミートソースさん」「ミルキーホームズさん」「ミスタードーナツさん」「ミルクティーさん」「ミルクセーキさん」など、最早1~2文字しか合っていないネタ名で呼ばれてしまったりという、散々な扱いを受けている。
中でも「ミートソースさん」は、後述の理由である意味公式ネタ。詳細はこのページ最下部の「その他」を参照。
 
影の薄さには様々な要因が考えられるが、主に挙げられるのは以下の通り。

登場の遅さ

まず「ミルドラース」という名前が出てくるのが【イブール】撃破後というかなりの終盤であること。
DQ5のストーリーは「世界に平和を取り戻す」というよりは「主人公の半生を追う」という側面が強く、光の教団自体が裏工作主体であり、世界を恐怖に陥れる組織というイメージが薄いので首領の印象もどうしても薄くなる。
【デスピサロ】【暗黒神ラプソーン】【魔王ウルノーガ】のようにストーリー序盤から関わることもない(リメイク版だと幼年時代の【レヌール城】や、ジャミ撃破後、という早い時点でも名前を聞けるのだが、機会が散発的であり印象に残るわけでもないため、忘れられる可能性が高い)。
 
登場が遅いという点ではDQ2の【シドー】やDQ3の【ゾーマ】、DQ6の【デスタムーア】も同様。
しかし、シドーの場合は「悪霊の神々」というサブタイトルからしてゲームを買う前の客に伏線を伝え、そしてプロローグの兵士から聞ける「ハーゴンは禍々しい神を呼びだし~」という台詞から「ハーゴンが呼び出す『禍々しい神』という存在がいる」ことを暴かれている。そして何より「破壊神」という肩書きがキャッチー。説明書やパッケージにも堂々と登場している。
ゾーマは、アリアハン城の宴をぶち壊して宣戦布告することがインパクトに残りやすい。名言も豊富。
デスタムーアは姿こそ見せない上に配下の【ムドー】が目立ちすぎている感はあるが、また別の配下である【デュラン】が存在感をフォローしてくれているのでミルドラースよりかはマシである。そもそもデスタムーアはその侵略手口からしても慎重かつ周到な性格が見受けられ、意図的に終盤まで身を隠していたと取られることも多い。

他のボス

何よりも部下である【ゲマ】の存在感が大きすぎるのが最大の問題。
DQ5は主に幼年時代・青年時代前半・青年時代後半で区別されることが多いが、幼年時代の最後では主人公の父【パパス】を惨殺、青年時代前半の最後はゲマの直属の配下として印象強い【ジャミ】との戦い、そして青年時代後半の山場で決着をつけるという、主人公にとっては20年以上にわたる因縁の宿敵である。
リメイクではさらにゲマの登場回数が2回から5回、戦闘回数は2回から3回に増えている。
そしてリメイク版でのゲマの立ち位置は、主人公からすれば「父を目の前で殺された」に加え「妻と共に石像にされ、何年も家族と離れ離れにされた」「やっと会えた母にも手を下した(しかも父を殺したのと同じ技で)」というもの。
3世代続く家族をテーマにするDQ5で、主人公とその家族達の運命を狂わせたゲマの印象はあまりにも大きすぎる。
そのため「ゲマは覚えているけどラスボスが分からない」「むしろゲマがラスボスで良い」などという声がしばしば聞かれる。
更に青年時代後半で戦うことになる【ブオーン】光の教団との繋がりが一切無いにも関わらず演出のド派手さと初見殺し性で多くのプレイヤーに印象を残したことも影を薄くしてしまう一因となるだろう。
そしてリメイク前も含めクリア後になると、彼ですら手を出せない裏ボス【エスターク】の前に霞んでしまう(このことは作中でも言及されている)。

戦闘

前作の【デスピサロ】が一度の戦闘で第7形態まで変化するのに対し、人間形態→怪物形態というあまりにも無難な形態変化。
この形態変化は、古くはDQ1の竜王から使われてきたものである。良く言えば伝統的かつ王道なのだが、印象には残らない。
最上級呪文、ブレス、しもべ召喚、痛恨といった、この上なく無難な攻撃方法。
炎統一のりゅうおう、全能力カンスト且つベホマを使うシドー、冷気統一のゾーマ、特徴的な形態変化のデスピサロ、異様に強い複数のパーツがそれぞれ襲いかかり倒す順番を間違えると【ザオリク】まで使ってくるデスタムーアらと比べると、あまりに王道すぎてどうしても個性が乏しいと言わざるを得ない。
単純な戦闘難易度を言っても「やや弱い程度」の部類なので、これまた印象に残らない。
 
とはいえ十分な事前情報もない初プレー時、耐性が低い仲間モンスターや人間キャラだけでパーティを組むと適正レベル帯なら結構苦戦する。
本作の防具の耐性はあまりあてにならず、しゃくねつやイオナズンは人間キャラメインのパーティだとほとんど軽減できない。
特にラスボスの癖に「めいそう」を使うのは初見のプレイヤーに絶望感を与えるには十分なインパクトであった(厳密には前作のデスピサロも第四形態でのみ使用するが、使う前に形態変化に移行することが多い)。
しかし、ネタが割れれば実は対策は容易で、素の耐性の高い仲間モンスターをメインにすれば攻撃はそこまで熾烈ともいえず、ブレスや呪文がメインなミルドラースにとっては不利な環境となり歴代ラスボスの中では倒すのが簡単な部類。特に【シーザー】は最大級の天敵。
なにより、確定で2回行動をしないのも痛い。戦闘は3人制限のSFC版はともかく4人に増えたリメイク版でも1~2回行動のままなのは残念である。
SFC版は前述の通りパターンがランダムに決まるため、最弱パターンが選ばれたらあっけなく倒せてしまう。
最強のパターンも相対的にはそこまで強すぎるということはない。
 
いっそ底抜けに弱ければそれはそれで「弱いラスボス」として有名になれたかもしれないが、生憎そこまで弱くはないのでやっぱり印象に残らない。
 
まあ裏を返せば、仲間がランダムに加入するというシステム上、どんなパーティでも倒せるように無難な設計になっているのだろう。パーティが3名という重要な変更点に配慮する必要もある。
これら新たなシステムの試みを成功させる為に無難な位置に立たされたなどの意味で、仕様に泣かされたラスボスであることは間違いない。
やはり仲間モンスターという、ともすれば強さに大きな格差の出ることが必然のシステムの前に、どうあっても強くなれない存在なのかもしれない。
もしも状態異常を多用するなどして序盤の仲間モンスターが立ち向かえないような相手になっていたら、鳴り物入りの仲間モンスターシステムが「結局は全体的に耐性の強い後半のモンスターを仲間に連れるしかない」などの酷評をされていた可能性があるからだ。
なお、この点に関してはDQ8(3DS版除く)の【暗黒神ラプソーン】も同様。スキルの振り分けに失敗したプレイヤーでも倒せるように出来ている為、当初はあちらも弱かった。
ただ、あちらは3DS版では大幅に強化されて弱ボスの汚名を返上したため、4人パーティを組めるようになった上に、PS2やDSにスマホと何度も強化のチャンスがあったにも関わらず強さがほとんど上がっていないミルドラースの弱さが際立つ。

特徴の無さ

【オホホホ。それで わたしを たおしたつもり?】の迷言を残したオルゴ・デミーラ、その肥満な外見故にしばしばデブソーンなどという蔑称で呼ばれる暗黒神ラプソーンといった、「悪い意味で」存在感を残したラスボスも少なくない。
それどころか隠しボスの【ダークドレアム】フルボッコにされたデスタムーア、作中で「エルキモす」という蔑称をいただいた【堕天使エルギオス】といった、プレイヤーどころかゲーム作品を通して公式にコケにされたラスボスも存在する。
しかし、作中のミルドラースにはそういった弄りがいがある要素すらない。
 
強いて挙げるなら、ラスボスらしい「いかにも敵の総大将」という王道(あるいはテンプレ)ではなく、それとは真逆の「部下の働きと努力をバッサリ切り捨てる」というワンマンな態度くらいか。
だが、普通は印象に残りうるこの態度さえも、ゲマ一味の存在感と「徒労」にかき消される始末。
部下の存在感が大きかったのは同じでも、意図して影を薄くしていた(のであろう)デスタムーアとはえらい違いである。
それなのに、肩書きなんかもってのほかの王の中の王

功績

DQ2とDQ5以外の歴代ナンバリング作品のラスボスたちは、それぞれ

などと、前述通り事実上ハーゴンの最後っ屁であるDQ2の【シドー】を除けばそれなりの功績を残している。しかし当のシドーも続編といえるビルダーズ2で(ハーゴンに利用されていた点はあったとは言え)主人公を利用して破壊の力を増幅するという行動をとり、最終的にはシドーの善性と呼べる存在が幻の世界を新たな世界として創り変えるという実績を残したため、ミルドラースの功績(笑)が余計際立つ。
なんならミルドラースはよく考えてみると「神に封印され魔界で力を蓄えていた」だけである。
ただ、光の教団を使って人間界を侵食していたため、「部下の手柄は上司の手柄」と捉えるならそれも功績と言えるだろうが……こいつ自身の目立った功績はマーサ殺害くらいである。マーサ殺害がなければ彼のことをゲマ以上の憎むべき敵として認識出来なかったろう。
しかし、リメイク版の設定で言えば人間という立場から魔界の王に成り上がった手腕は見事の一言に尽きるうえ、人間でありながらカリスマで多くの魔物を従えているのを見れば主人公以上の魔物使いと考えることもできるかもしれない(逆に言えば主人公側に寝返った魔物もいるのだが)。
さらに、ミルドラースにとってはあとは人間界への門を開くだけだった上、マスタードラゴンさえもかなわないほどの力を蓄えることはできていた。
また、リメイク版では自分の部下であるゲマや光の教団の働きを「必要のないくだらない努力」と吐き捨てている。
その理由は「自分が運命に選ばれた者で、長い年月を経て勇者や神を超える力を得たから」。
つまり、高貴な身分の子供を誘拐することで勇者の誕生を阻止する地道な計画や、宗教を用いて人間社会を内部から崩壊させるような慎重な策を弄するまでもなく「自分の力で勇者や神を倒して世界を支配できるのだ」という意味で言っているのだろう。
第二形態に変身する前のセリフも含め、自分の力、強さに対して絶対的な自信を持っていることがうかがえる。それがワンマン気質に繋がっているのだろう。
……まぁ、エスタークにビビっているという一点でやっぱり台無しになってしまうのだが。

結論

設定上は、人間となり改心した魔物からも慕われ続ける絶対的なカリスマがあり、高い人望があるキャラクター。
しかし、攻略中は(全てではないが)仲間モンスターという名の改心した魔物に倒されたり、特に第一形態の際は主人公側にメダパニを掛けられた下僕にタコ殴りにされることもあったり、と、プレイ上は設定と真逆のネタ評価が多くなりがちなラスボスである。

余談

集英社の攻略本【奥義大全書】では、呪文解説ページにあるデイン系のエフェクトを撮影した写真で、ミルドラースの第1形態が映り込んでいる。
また【公式ガイドブック】では「上巻・世界編」の攻略チャートのページに最終形態のドット絵が黒塗り(透かせば顔などが判別できる)で掲載されている。
 
デザインの類似性から、第二形態の没キャラが【ムドー】ではないかという噂があった。
またその横に広い体形が相まって、 色違いである【ブースカ】が魔界で進化していったのが、DQ5の時代でミルドラースになったという説が一時期流れたことがある。
実際にはリメイクの際に元人間だったという後付け設定が与えられたが、【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】でVジャンプ編集部が「ブースカがミルドラース第一形態の予定でデザインされた」と記述しており、ある意味では完全に間違っていたとも言えない噂であったことが判明した。

CDシアター

CV:飯塚昭三
こちらでは真の姿がゲームと違って巨大な闇の竜となっており、彼の台詞から「神」は【マスタードラゴン】を指しているように、マスタードラゴンと対極の存在であることを強く押し出している。
概ねゲームと同じ経緯で主人公リュカ達と対峙し、息子ティミーの一撃を受け、彼の勇者としての強さを評した上で真の姿を見せる。
「天空に光の竜あらば魔界に余あり」と豪語し、猛攻を仕掛ける。
その強さは圧倒的で、仲間モンスター達を一撃で行動不能に陥らせ、リュカの指示による家族全員の最上級呪文(バギクロス・メラゾーマ・イオナズン・ギガデイン)の一斉攻撃を受け付けず、天空の剣の波動すら「顔無き剣の僅かな光如き」と一蹴しリュカ達を追い詰め、パーティ随一に勇猛果敢なティミーを絶望させる。
しかし、リュカの不屈の一喝に応じた【ドラゴンのつえ】が輝きリュカ達にマスタードラゴンの力をもたらし、その力を一身に受けた父子渾身の一撃により倒される。

小説版

変幻自在に姿を変える能力を持ち、声や喋り方もそれに合わせて変わる。
初登場時は痩せた全裸の子供だが、半人半獣の美青年、血まみれのパパス、ティミー、巨大なポピーと次々に姿を変え、最終決戦では赤黒いドラゴンの姿に変わる。
その正体は、いわば誰もが抱える「心の闇の化身」とも呼べる存在。
元々は人間の子供だったが、世界中の誰からも顧みられることなく、世界中の人間が心のどこかに持つ"闇"と合体して肥大化した姿。【ゲマ】も同質の存在であり、彼の体の一部であった。
リュカはゲマを討ち取った際に自分の心の闇を受け入れていたためその部分だけが急所となっており、ティミーに天空の剣で貫かれて消滅した。

ユア・ストーリー

その昔、【天空人】が多くの犠牲を払って魔界の門の中に封印した大魔王とされており、【ゲマ】はその復活を企んでいるという設定。
 
しかしこの作品で実際に登場するのは本来のミルドラースではなく、そのコードに擬態してVRゲームに侵入したコンピューターウイルスである。
このため、ミルドラース+コンピューターウイルスで『ミルドウイルス』あるいは、ユアストーリー+ミルドラースで『ユアスドラース』と呼ぶべきではないかという意見もある。
容姿も原作のミルドラースの第一形態・第二形態とはまったく異なる、人型の宇宙人のような外見であり、むしろDQ10オンラインの時元神キュロノスに近い。
頭部は白い仮面のような顔で周囲には細い円、頭上にはアンテナのようなものが生えている。胴体は一定時間ごとに上から下に流れていく黒いブロック状の物体から成り、中心に赤いコアのようなものがある。さらに周りにはデジタルっぽいダガー形の浮遊物が浮かんでいる。
ウイルスなので当然といえば当然だが性格もミルドラースとは大きく異なり、現実的な事実とメッセージを伝えるだけの存在となっている。
VRゲームを嫌う一人の天才プログラマーが暇つぶしで作り出したものらしい。
 
アルス(男の子)が魔界の門を封印した直後にVR世界の時間を止め、プレイヤーの演じる主人公「リュカ」の目の前で「マッピングオフ」「グラヴィティオフ」「コリジョンオフ」などと唱え、あらゆるNPCやオブジェクトを破壊・消滅させていく。
そして「リュカ」に世界の真実を語って現実のプレイヤーとしての記憶を呼び戻させ、「大人になれ」というプログラマーからの伝言を伝えた後、強制的に現実世界に引き戻そうとする。
しかし、【スラりん】に擬態していたアンチウイルスプログラムがワクチン(【ロトのつるぎ】形)を出し、それをプレイヤーが使用したことによって消滅する。
ウイルスが消滅すると、破壊されていたVR世界は無事に正常な状態を取り戻す。
 
このウイルスのCVは井浦新。クレジット上はあくまで「ミルドラース」扱いになっており、公式サイトではギザギザの?マークで姿が伏せられている。
 
なおNPCの一人であった【マーサ】は事前にこのウイルスの存在を悟っており、以下の台詞が伏線になっていた。

今回の ミルドラースからは 
とてつもない チカラを 感じます。
それは 世界を 消し去ってしまうほどの 
チカラ……! 
戦おうと 思っていては いけません。

そう 今までと まったくちがう チカラ……。
私たちが 戦える相手では ないのです。

初見では一見「RPG的によくある誇張表現」としか思われないような台詞だが、結末を知った後に振り返って見れば「世界を消し去る」「まったくちがうチカラ」が決して誇張表現ではなかったことがわかるだろう。
特に、ゲームキャラクターが「今回」とわざわざ言うところは初見では気付きにくいものの伏線だったといえる。

DQ9

他の大魔王と同様、【大魔王の地図】のボスとして登場している。
詳細はこちらを参照。

モンスターズシリーズ

モンスターズシリーズでは、ミルドラースの各形態が別々のモンスターとして扱われるため、本項では第一形態についてのみ記載する。
第二形態については【魔王ミルドラース】を参照。

DQM

エスターク×【ゴールデンスライム】で、第一形態が誕生する。
ゴールデンスライムのせいで最初はHPが低くなりがちだが、エスタークの方は晩成型でHPが非常に良く伸び、ゴールデンスライムも守備力の伸びが最高なので、下手なレベルで配合したりしなければ、防御面での不安はかなり解消されるはず。
耐性面ではほぼ最上位のランクに入り、+99にして何回かゴールデンスライムをかけ続ければ、バギ、炎ブレス、仲間、ギガスラッシュ、マダンテ耐性のみ強耐性で、それ以外は完全耐性となる。しかし、逆に耐性強化をしていなければ、なんと麻痺が効いてしまうという致命的な欠点がある。なんとしても補いたい。さすがに魔王故に【ザキ】【メガンテ】は効かないが。
????系の中でも上位五指に入る耐性の高さで、ほとんど【メタル化】同然に扱える。
特技は【メラ】【イオ】【デイン】と、見事に呪文ばかり覚えるが、親が素で覚える特技が強力なので、特に困ることは無いだろう。 
本人が本編で使用するのはメラのみで、他は使わない技であり再現度は低め。
 
デスピサロ、エスタークと言った魔王、さらには系統最強格のモンスター達を惜しみなく配合に使った末にようやく作れるので、本作でミルドラースを知ったプレーヤーにとっては、魔王の中でも上位クラスに位置するモンスターである。
前述の通り性能も申し分ないので本編のような「印象の薄い地味魔王」というイメージはあまり無いはずである。

なお、コイツと【ゾーマ】との配合で【デスタムーア】第一形態が誕生する。
ミルドラース、ゾーマのどちらを血統にしてもデスタムーアが生まれる為、お見合いで作ると両方にデスタムーアが行き渡りとてもお得。
 
旅の扉のボスとして出てくるコイツは第一形態で、ギガデインを乱射する。
攻撃がワンパターンになりがちなので、マジックバリアと多少のデイン耐性があれば割と楽な相手。いてつくはどうも使ってこないので、打撃にも不安があるならスクルトを使えば問題ないだろう。
他にもメラゾーマとイオナズンを使う。
なお倒すと「これは夢に違いない、それなら納得ができる」と大魔王らしからぬ小物感バリバリのセリフを吐く。

DQM1(PS版)、DQM2

会心率が第一形態で最低、第二形態で高くなるようになった。
第一形態を生み出す組み合わせにエスターク×【スカルスパイダー】が追加され、第二形態を生み出す組み合わせに第一形態×【ジェノシドー】or【オリハルゴン】が追加された。
もっとも、配合材料を手に入れる難易度からして、結局デンタザウルスを使った人が大半であろうが・・・
また、第一形態×キングアズライルでデスタムーア第一形態が誕生するようになっている。第二形態では何故いけないのだろうか。
なお、デスタムーア第一形態を作る際に第一形態とゾーマとのお見合いで両方に行き渡らなくなったことに注意(第一形態の場合、血統がゾーマ固定になる)。
第二形態なら問題なく行き渡れる。

 
ちなみに第一形態はGB版DQM2で【メタル化】が可能である。
また、PS版の第二形態は高い会心率と耐性(AI対戦時、脅威となる連携技の発動をシャットアウト可能)により全モンスター中でも上位に入るポテンシャルを持つが、残念ながら同じ????系にはさらに凶悪な性能を備えたジェノシドーがいるため目立つことができなかった。

DQMJ

「ミルドラース」名義だが、第二形態なので便宜上【魔王ミルドラース】に記載。

テリワン3D

「ミルドラース」の名で第一形態も再登場。サイズは1枠で、???系のAランク。
性別は基本的に♂固定である。
 
【がいこつけんし】×【黒竜丸】で生まれる。
どちらも位階最上位なので、生み出すのに苦労はさほどしないだろう。
この第一形態に【バラモス】を混ぜれば、第二形態の「魔王ミルドラース」を作れる。
第一形態を使った配合はこれだけ。
 
特性は「スタンダードボディ」「AI1~2回行動」「呪文会心出やすい」。
+25以上で「ときどきインテ」、+50以上で「イオブレイク」が加わる。
能力値は攻撃力と賢さがやや高く、MPと守備力が低い。
特性を生かして呪文攻撃を主体に戦わせるといいだろう。

イルルカ

基本的にはテリワン3Dと変わらず。
両形態共に、配合の他に錬金カギの報酬でも入手できるようになった。
第一形態の方はAランクなので、前作から連れて来るのもアリ。
前作の特性に加え、新生配合で「吹雪ブレスブレイク」、メガボディ以上で「メラ系のコツ」、ギガボディで「いてつくはどう」を会得する。

DQMJ3

他のラスボスと同じく、最終形態の【魔王ミルドラース】のみが登場。

DQMJ3P

【りゅうおう】【ハーゴン】【バラモス】【ラプソーン】(小)は復帰し、【魔剣士ピサロ】まで登場したというのに、何故か呼ばれなかった…。
まあデスタムーア(第一・第二形態)やオルゴ・デミーラ(人型形態)、【冥王ネルゲル】も呼ばれてはないのだが。

DQM3

最終形態のみが「ミルドラース」名義で参戦。

少年ヤンガス

敵としては

【魔導の宝物庫】のボスとして第二形態が登場。お供は【ホークマン】6匹。
曰く、【カンダタ】の宝を守っているらしい。原作だと「王の中の王」って言っていたはずなのだが。
配合で生まれたんだろうか?
ポジションといい【カメハ】に頭を下げていた【ムドー】を思わせる。
事実上のラスボスだけあって攻撃力は【ガーゴイル】と同じ200。
さらにイオナズン、【死のムチ】、しゃくねつなどの強力な技を使ってくるのだが、魔導の宝物庫の999階まで降りてくることが出来たヤンガス達ならばそこまで苦戦はしない。
人によってはホークマンの捕獲の方がメインになったりする。

味方としては

配合は【ベリアル】×【ドラゴンブッシュ】+【ミルドラースの魔石】
成長限界はレベル50。
デフォルトネームは♂が「ルドラス」、♀が「ミラーラ」。
レベル80ぐらいまで成長が早く、特に全方位攻撃の死のムチがかなり強力。
力が初期値・成長率ともにかなり高く、そこらの雑魚相手ならただの会心の一撃で1000以上のダメージを叩き出す。
【ほのおむこう】持ちなので原作では効いたメラゾーマが効かない。
ただし死のムチの使用頻度が非常に高く、あっという間に疲れが溜まっていってはすぐ壺の中に戻っていくこともザラ。
灼熱に至っては圧倒的な攻撃力を持つミルドラースにとっては完全に蛇足。もっと言えば特技枠を1つ無駄に圧迫している。
強いことは強いのだが上記2つの特性がどちらも問題を抱えているので扱いづらいのが難点。
 
台詞は雌雄で内容の違いこそあるが、デスピサロやエスタークとは違い、♀にしてもギャル口調になったりしない。
♀は実はツンデレ。最初はヤンガスに敵意を向けているが、信頼度を上げるとイブールの本にサインをしてくれる(持ってないけど)うえ、最終的にデレる。
問題は♂の方で、信頼度が低いうちはいつものミルドラースなのだが、信頼度を最大まで上げると、なんとゲマの代わりにヤンガスを側近にしようとする。
本編でもゲマの働きをどうでも良いとか言っていたし、ゲマの詰めが甘いせいで勇者に倒されたようなものなので、やはりゲマが嫌いなのだろう。

バトルロード2

第三章以降から大魔王として登場。肩書きは「魔界の王」。本作ではいきなり第2形態。
ステータスはHP:5300(2人プレイ:6600) ちから:674 かしこさ:208 みのまもり:83 すばやさ:42。
HPは低いが、どの技も威力がかなり高く、約900ダメージ受けることも珍しくなかった。
また、眠りの効果を持つ「魔瘴の息」、マヒ効果を持つ「デステイル」も操った。
雷、氷に弱いが、賢さが高いため呪文だと効果が薄かった。
 
また、討伐数が30体以上の台では目を赤く光らせた真ミルドラースが登場。
HPは1人プレイ:6400 2人プレイ:7300。
魔瘴の息が猛毒のブレスである「魔瘴の毒息」に、ドルモーアが「マヒャド」に、魔風弾が「雷撃弾」に変化し、技の威力が上がり、属性も多彩になっていた。
耐性も変化し、灼熱に強く炎・爆発に弱かった。
4ターン,5ターン目にいてつく波動を使う。つばぜり合いのできない魔物使いは少々運ゲーになった。
総合的に見れば、低めのHP、2回攻撃を持たない、まりょくの溜まりが特に早いわけでもないなど、真大魔王としては比較的倒しやすい部類であったと言える。
なお、とどめの一撃は【マヒャデドス】
 
【レジェンドクエストV】をSランク以上でクリアすることで、【レジェンド6体合体】によりプレイヤーが使用することも可能になった。
組み合わせは【ソルジャーブル】【シャドーサタン】【ホースデビル】【シールドヒッポ】【エビルスピリッツ】【ボストロール】
ボストロール以外はDQ5にも登場したモンスター。ボストロールはその体型が似ている点からだろうか。
また、レジェンド大魔王カードを使用する事で、条件無しで使うことも可能だった。

バトルスキャナー

変身形態のみ登場。
ロケテ時で先行登場し、10章で一般登場した。肩書きは引き続き「魔界の王」。
ウーガの祭壇のクエスト「魔界へと繋ぐ祭壇」で戦える。
HPは6363。
ゾーマ同様、1ターン目の初めにいてつくはどうを使うので、使いたい技の一つ上の技までテンションチャージする必要があった。
弱点は爆発、聖、魔。【バズズ】【ベリアル】【ヘルバトラー】がいると有利。
強化版は【魔界の王の地図】に登場した。
【スペシャルチケット】【マヒャデドス】【神をも屠るいちげき】が存在する。
 
余談だが上記のバトルロードシリーズ含めて彼は原作ゲームでは【ヒャド系】を一度も使用したことがないはずなのになぜかアーケードでは得意技にされることが多い。原作的にはむしろ【メラ系】やら【イオ系】やら【しゃくねつほのお】を吐いたりとむしろガッチガチの炎系のラスボスなのだが…
逆に氷使い代表の【ゾーマ】は反対に炎が得意にされており、この辺り入れ替えた方がいいという意見もちらほら。

スキャンバトラーズ

第三弾で登場。HPは5400。
最初に自分にダメージ軽減のバフをかけ、いてつくはどうを使う。
スペシャルチケットに魔界奥義・神滅乱撃が存在する。
 
その後超三弾で再登場。HPは8500。
1ターン目はいてつくはどうとスカラを使う。
その後はドルモーア、マヒャデドスなどの呪文で攻める。
新たなSPチケットに魔重終焉撃が追加された。

モンパレ

人型と変身形態がそれぞれ別のキャラとして実装された。
後者は攻撃力が高く、かいしん率も高い。更にシャイニングボウのバギ&ドルマ版である魔風弾を習得している。

クロスブレイド

漫画版

18話で登場。【ロムドラド】によって呼び寄せられ、多数の魔物からエネルギーを吸収していた所で勇者パーティと遭遇し、対決。
勇者達に抵抗して苦しんで死ぬか諦めて楽に死ぬかを選ばせるも、ユウキから「仲間になろう」と提案された事に怒り、かがやくいきを吐く。
しかしユウキとダイに切り裂かれた直後第二形態となり、お返しと言わんばかりのしゃくねつのほのおで圧倒するが【マァム】の加勢であっさりと倒されてしまった。
後にロムドラドは「こちらの世界に飛ばされた際エネルギーを奪われ、本調子でなかった」と敗因を分析。最初魔物からエネルギーを吸収していた理由もこれだろう。

ライバルズ

デスタムーアやオルゴ・デミーラが先に登場し忘れられたと思われていたが、第5弾カードパック「勇気の英雄譚」にて共通レジェンドレアカードとして登場。
第1形態の方が出ている。

5/4/6 魔王系
自分のターン開始時、自分のデッキからコスト5以下のランダムなユニット1体を場に出す

効果は仲間呼びの再現。
だがこの効果で出てきたユニットは召喚時効果を発動せず、場に出すタイミングも遅いため扱いづらい。
実装当初はこういった扱いづらさが目立って採用は稀だったものの、中型以上のモンスターのみを採用させる復活ククールや、魔王であることだけで十分な価値のある魔王ピサロなどに採用されるようになる。
実装されてしばらくたってから再評価が進んだ遅咲きのカードであった。

ライバルズエース

真3弾にて「魔界の王ミルドラース」名義で共通拡張カードとして実装。変わらず第1形態。同弾でサービス終了となったため第2形態は登場せずに終わってしまった。

5/5/5 魔王系
召喚時:味方ユニット1体にさくせんを出す
自分がさくせんを出す場合、出たさくせんの効果全てを得る

同作のサービス終了が決定した後で実装された、最後の拡張カードの1枚。
百獣の王キングレオなどの、さくせん軸を強化する1枚になっている。彼の部下は戦略性に欠けていたのが皮肉ではあるが…
 
本来3択から1つ選ぶさくせんの全てを受けられるようになるため、運も絡むが間違いなく大きなアドバンテージを獲得できる。
【エルギオス】に至ってはさくせん12つとめちゃめちゃなアドバンテージを得られる。
自身の効果で1つはさくせんが出せるので、まずは保護のために彼自身を選ぶと便利。イル&ルカなどで即座に彼自身にさくせんをさらに重ねればより万全。
特技耐性やHP補強を施して更なる盤石の態勢を取れる。
【魔王の書】などと合わせて固い壁を作るのもいいだろう。

ウォーク

DQ5コラボイベント中の2021年10月25日より登場。
クエスト7章4話でボスとして登場し、同時にメガモンスターとしても登場する。
イベント中では第一形態の姿も出てくるが、挑めるのは第二形態のみ。
翌26日から11月11日までの間には最大12人で挑めるスペシャルメガモンスターとしても登場。倒すとこころが2つ入手できる。
メガモンとしては通常版はHPは約160000で、スペシャル版は180000。推奨レベルは上級職Lv70。
バギ系が最も有効で、次いでメラ系、デイン系の順に有効。他は等倍のヒャド、ジバリア系を除き耐性がある。
 
400程度の痛恨の一撃、350程度のメラゾーマ、200程度のイオナズンなど。だがそのメラゾーマと同程度の威力を全体にぶつけてくる【しゃくねつのほのお】はかなりの脅威。
ルカナンは唱えないが、時折行う四本の腕によるランダムな4回の物理攻撃には守備力の低下が含まれる。
まもりのたてやフバーハが欲しいところだが、凍てつく波動を使って打ち消すこともあるのであてにはできない。
そして最大の脅威は、HPが半分を切ったあたりから「私が魔界の王たる所以を見せてやろう」というセリフを挟んで次のターンで使用する「暗黒魔瘴弾」。
これを使うターンは1回しか行動しないが、単体に約450程度のダメージと全体に約250程度のダメージが襲い、確率で守備力低下と全属性耐性低下が入る。
守備力低下や全属性耐性低下は受けるとその後の暗黒魔瘴弾をはじめ、属性攻撃のダメージが上がってしまう。HP700程度を維持できそうにない場合はぼうぎょしてしのぎたい。

助っ人は花嫁が【デボラ】ならデボラ、それ以外ならレックスがおすすめ。
タバサは助っ人レベル20以上でミルドラースへのダメージ上昇がつくが、彼女の主力となるイオナズンはそもそもミルドラースがイオ属性に耐性を持っているのでオススメではない。
なかまモンスターのお気に入りを設定しておくことで1日1回約20%ダメージカットできるので、挑むなら忘れずに設定しておくこと。
ただし、このダメージ軽減も凍てつく波動で消されてしまうので過信はできない。
また、この1日1回はゲマ、ないしはグレイトドラゴンに勝利すると無くなってしまうので、ミルドラースに挑む場合は、その前にこれらには挑まないようにするべき。
 
こころは黄色でコストは122。
HPとみのまもりに優れた耐久向きのこころで、力もそこそこの数値。黄色の中ではMPもそれなりに高い。
高グレードでは特にバギ系の斬撃・体技ダメージを上昇し、ドルマ系への耐性が付くほか、グレードSでは5%の確率で自分が受けた呪文を敵へ跳ね返す効果もある。

DQタクト

2020年12月31日開催の「ドラゴンクエストVイベント」にて第2形態「大魔王ミルドラース」が登場。2021年8月6日より「総力戦!ミルドラース編」にて第1形態「ミルドラース」も仲間にすることが可能になった。

第1形態「ミルドラース」

???系のSランク、まほうタイプで登場。
リーダー特性は「敵のギラ耐性-25%」
基本特性「魔界王のめいそう」
とくぎは「業火」「焼き尽くす炎」「魔界の焦熱」
覚醒スキル 10Pで「暗黒のチカラ」100P(完凸)で「まれにマホカンタ」を習得できる。

第2形態「大魔王ミルドラース」

詳しくはこちら【魔王ミルドラース】

ドラけし!

2022年12月1日に追加された13冊目のぼうけんのしょ「サラボナ周辺」のボスとして第1形態の「ミルドラース」が登場。そして同日開催されたDQ5イベント「天空の花嫁と魔界の王」に第2形態の「大魔王ミルドラース」が登場。

第1形態「ミルドラース」

常設ステージ「サラボナ周辺」から行けるエビルマウンテンのボス。属性は赤。星3でクリアするとアイコン入りの宝箱が取れる。
また一度クリアした後52万点以上取ると通常ミッションからドラけしを入手可能。
星は4で、スキルは横長長方形の範囲を呪文攻撃する「魔界の焦熱」。けしコン!の大魔王ミルドラース戦で編成しているとptが少し加算される。

第2形態「大魔王ミルドラース」

イベント「天空の花嫁と魔界の王」の後半ではともにクエストで登場し、クエスト報酬の扉を使って戦える彼を倒す必要がある。
第二形態の大魔王ミルドラースは巨大敵として登場。属性は赤。

けしコン!では29,400ptで伝説の魔物使いを+に錬金できる「太陽王の装束」が、6万ptでこのミルドラースのドラけしが貰える。
星は5であり、スキルは横長の特殊範囲を呪文攻撃する「れんごく火球」。
ptが多く稼げるドラけしは勇者レックス、伝説の魔物使い+、大魔王ミルドラース。
この中で大魔王ミルドラースを編成できるという事はごほうびは全て受け取り終わってptを稼ぐ意味がないという事ので、実質勇者レックス、伝説の魔物使い+の二種。
次はタバサ、花嫁たち、サンチョ、ブオーン、パパスである。
けしコン!の仕様により、ドラけしの獲得難度はバトケシ!のレアボスLv.70討伐報酬の星5ドラけしよりは簡単。
原作では呪文に弱かったが、本作では逆に呪文やブレスに強く物理の方が有利。
 
なお、けしコン!はこれが初の実装だが、試験的な運用だったのか、報酬を全て取り終わってもけしコンチケットが数十枚も余るほど大量に配布され、ガチャでボーナスキャラを引かなくとも余裕で取れたので評判は上々だったのだが、やはり配りすぎたと判断されたのか、以降の実装ではボーナスキャラを引かないと全部取り切れないぐらいに絞られている。

蒼天のソウラ

12巻で魔公王イシュラースが装備する<三日月の深淵(アビスモ・デ・クレシエンテ)>から呼び出される魔王・魔神の一柱として登場。
口から灼熱の炎を吐き、【真の太陽(ヴェリタ・ソルレ)】の面々を苦しめた。
狐火のアスキスの「鰐襲楼」で迎撃される。

その他

1993年の【月刊Vジャンプ】創刊号の『ちょっとだけかえってきた Dr.SLUMP』(作画は中鶴勝祥)ではDQ5ネタとして第1・第2形態とも登場した。
ネタバレ防止のために「ミ◯◯◯ース」と伏字にされていたのをいいことに則巻アラレに「ミートソース」と呼ばれた。一応、原作・監修:鳥山明のため、「ミートソースさん」はある意味公式ネタ。
そのことに酷く激昂し襲いかかるものの、アラレの怪力には敵わずあっさり返り討ちにされてしまった。
さらに激怒して第二形態になるも、残り2ページでは何もできるはずもなく、ガッちゃんズの破壊光線一撃で沈められてしまった。つまりガッちゃんズの破壊光線は軽く5000のダメージを与えられるということに……。
もっとも単なるオマケ漫画なので出てきたミルドラースも本物ほど強くはない偽物かもしれないが。
  
オリジナル版発売後にコケにされたラスボスとしては、北米版DQ8にてヤンガスに「デブ(fat geezer)」呼ばわりされた【暗黒神ラプソーン】や、派生タイトルではあるものの公式ファンブックに「楽勝」呼ばわりされた【ヘルジャスティス】が存在する。

海外版の名前は前述通り「グランドマスター」。DQM2にて同名の隠しボスがいるのだが、こちらも功績が無い、いきなり出てくるなど共通点が多く、同様に影が薄い。この名前だと影が薄くなる原因でもあるのだろうか?