◆殺◆ ニンジャ名鑑N95 【ヤクザ天狗】 ◆伐◆
非ニンジャ。ニンジャスレイヤー誕生前からソウカイヤと孤独な闘いを続けていたとされる神出鬼没のニンジャハンター。黒のヤクザスーツに天狗面、背負い式小型ジェット、直結式オートマチック二挺拳銃という出で立ちで現れる。
◆忍◆ ニンジャ名鑑#95 【ヤクザ天狗】 ◆殺◆
非ニンジャ。ニンジャスレイヤー誕生前からソウカイヤと孤独な闘いを続けていたとされるニンジャハンター。黒のヤクザスーツに天狗面、背負い式小型ジェット、オートマチック拳銃という出で立ちで現れる。短編集にスピンオフ作品が収録された。
登場エピソード
しかしあの男は天狗ではなく、ヤクザでもなく、ヤクザ天狗であった。
「……神々の使者、ヤクザ天狗参上!」
「私は、お前達全員をジゴクへ送り返す。私があの日、お前達を解き放ったのだから…」
人物
- 「レイジ・アゲンスト・トーフ」において、ラオモト・カンがザイバツやドラゴン・ドージョーと並んで「邪魔な存在」と語った人物。それ以外は一切が謎だったが、「ネオサイタマ・イン・フレイム」完結から半年にして、ついに本編登場を果たした。
- フジキドがニンジャスレイヤーとなる以前から活動していたニンジャハンターであり、ソウカイヤにもその名の知れた、孤高なる聖戦士である。
- 天狗とは、日本に古来から存在するフェアリーの一種であり、赤く長い鼻を持ち、空を飛ぶという。だが彼は、天狗でもヤクザでもフェアリーでもなく、「ヤクザ天狗」である。
- どういった経緯があったかは不明だが、自分がニンジャソウルを解放してしまったと思い込んでおり、その贖罪のため全てのニンジャをジゴクへ送り返さんとしている模様。
- ヤクザ天狗の動機はニンジャを解き放ってしまったことへの、つまり自分の行為に対しての贖罪であり、邪悪だと形容されるニンジャソウルに対してさえ「罪は無い」という極めて特異な考えを持っている。
- ニンジャがモータルを虐げるところに現れ、勝手に人助けをし、次からは「呼べば来る」と言い残し去っていく。その際、助けた対象に小型発信盗聴器を密かに付けており、実際呼べば来てくれる。
- しかし、「聖戦」のための軍資金と称して、呼んだ時も、呼んでない時も、ニンジャハントの報酬を要求する。そんな約束などしていないと断ろうとするとヤクザスラングと共に鉄拳が叩き込まれるが、素直に差し出すと一転して殊勝な態度に出る。なんという良い警官悪い警官メソッド。実際ヤクザ。コワイ!
- ……だが、それ以上に彼の精神は狂気に蝕まれており、初登場の「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」ではその言動に多くのヘッズが度肝を抜かれ、深刻な天狗リアリティショック症状を起こした(阿鼻叫喚の実況タグ)。その狂気と執念は、モータルでありながら対峙したニンジャに恐怖を抱かせるほどに凄まじい。
- 公式ファンサイトに人物紹介が掲載された際には、「彼と遭遇した場合にはニンジャであるにせよヤクザであるにせよ関わらないのが一番です!」と書かれてしまっていた。
「……ニンジャはボーを振り上げ、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った……川の水は血に変わり、川の魚は死に、エジプト人はナイルの水を飲めなくなった」
- 旧約聖書にあるエジプト十災、「彼(※モーセ)は杖を振り上げて、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った。川の水はことごとく血に変わり、川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。」(「出エジプト記」7章20-21節)のニンジャ版である。
- これはもちろんヤクザ天狗の狂ったアレンジメントで、忍殺世界の出エジプト記は現実世界のそれと同じ内容である。……この世界のモーセはニンジャであった可能性もあるが。
- これ以外にも、ニンジャ真実の一端が織り込まれた不可解なモージョーを何種類か唱えている。
ヤクザ天狗はセンベイを2枚取り出すと、バーグラーの両目に重ねた。続いて、自らの小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜた聖水入りの真鍮フラスコを取り出し、それを振りかけて火を放った。「ブッダエイメン!」…これは彼が考えたニンジャを蘇らせぬためのモージョーであった。彼は狂っていた。
- 倒したニンジャの生首の両目に2枚のセンベイ(聖餅とかけている?)を重ね、自分の小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜた聖水を振りかけて火を点けるという奇行を働く。ニンジャの蘇生を防ぐために彼自身で考案した行為であるようだが……。
- 両目の上にセンベイを置くのは死者の目の上に硬貨を置く「冥銭」が元であると思われる。彼の理論によればオモチとセンベイはニンジャを浄化する作用があるようだ。
- 中国の民間信仰である道教では「餅米には解毒作用がある」「道士もしくは童貞の小便には魔を祓う力がある」とされており、フィクションでも、誤って埋葬された結果復活した死者=キョンシー退治の道具として用いられ、さらに「火葬することでキョンシーの復活を防ぐ」とも言われている。彼がその辺からインスピレーションを得ている可能性は実際高い。
- スピリタスを混ぜているのはアルコールによる物理的な消毒作用と、死体の処理を簡便化する目的もあるとも考えられる。
- なお聖水には鮮度があるらしい。そりゃ長いことフラスコに入れっぱなしの尿は悪くなるだろうが……それ以前な気が……。
「私を呼んだな。贖罪の戦いには、積極的ドネートが必要だ」
「払えぬなら、お前を天狗の国へ連れてゆく」
- 各種装備や情報収集など、彼の聖戦には先立つものが必要不可欠なのだ。
- ニンジャハントの報酬を支払えない場合、天狗の国へ連れて行かれてしまう。
「オモチを口に咥えて、センベイを額に当てるのだ。ニンジャの悪夢が浄化される」
「オモチを吐き出してみろ……よし、邪悪なニンジャソウルの影響が黒い染みとなってオモチに移った。見えるな?」
- ニンジャの恐怖に苛まれる被害者に、自身の考案した邪悪なニンジャソウルの影響を取り除くまじないを施す。
- この過程でピンクの光が見えてくるらしい。
- ちなみに、このオモチとセンベイは「個人的な贖罪行動」とのことで無料。ヨカッタネ!
「見よ、火の如く赤い巨大なニンジャを」
「それは七つの頭と十本の角を持ち、また偽りの七つのメンポをつけていた」
- 「アンエクスペクテッド・ゲスト」にて、カンゼンタイを指して唱えたモージョー。
- 元ネタは新約聖書「ヨハネの黙示録」12章3節、黙示録の獣のくだり。「見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた」。
- 黙示録の獣は、元祖「獣の数字」666の持ち主であるが、ヤクザ天狗もまた「獣の数字」893を持つことはよく知られている。同日の「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」で倒された「アマクダリの十二人」が7忍であったことと「偽りの七つのメンポ」の冥合などを思い出して恐怖する者など、実況タイムラインも大混乱に陥った。
- 地の文=サンにも「彼は狂っていた」と断言されてしまっている。しかしこの狂気は戦闘面では実際有効であり、モータルでありながら怒り狂って襲い掛かるニンジャを目の前にしても動じない、強靭な精神力を支える支柱として機能している。
- なお彼自身は「神々の使者」を自称しているが、何の神に仕える存在なのかは謎。「神々の使者」以外にも「正義の執行人」「贖罪の天使」など、名乗りにはいくつか種類があるようだ。
- 「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」での不幸な被救出者であるヤマヒロは、ヤクザ天狗は「ニンジャに挑まざるをえない人間がとるヤバレカバレの瞬間的狂気的行動を何年も絶え間なく続けた結果、狂ってしまったのではないか」と考察している。そして「それ故に彼は孤独であり、仲間を求めているのではないか」とも。
- その狂人めいた行動にばかり目が行くヘッズも実際多いのだが、それ以外では驚くほどに堅実かつ冷静な判断をしている。狂人がニンジャハンターとなったのではなく、優秀なニンジャハンターであるからこそ狂ってしまったのかもしれない。
- 少なくとも同じニンジャハンターを志したマッチ・ジュンゴーの狂気めいた戦いを見ると、それを数年以上続けたヤクザ天狗の精神状態は察するに余りある。
- 少なくとも同じニンジャハンターを志したマッチ・ジュンゴーの狂気めいた戦いを見ると、それを数年以上続けたヤクザ天狗の精神状態は察するに余りある。
- そのニンジャハント伝説はニンジャスレイヤーの耳にも当然届いており、実際彼はヤクザ天狗に対して幾らかのリスペクトを抱いている。
- なお、両者は「アトロシティ~」以外でもソウカイヤとの戦いで何度かニアミスしているらしく、「デストロイ・ザ・ショーギ・バスタード」ではそんな中のワンシーンが描かれた。他にも未訳エピソードにニアミスシーンがあるかもしれない。備えよう。
- アニメイシヨンでの担当声優は中田譲治=サン。悪役俳優から声優に転身した経緯を持つベテラン声優。今までも渋いおじさまや狂気的なキャラを演じてきており、まさにヤクザ天狗に相応しいキャスティングと言える。
外見
- ニンジャスレイヤープラスの身長一覧表によると身長187cm。ヤクザスーツにテング・オメーン、銀色の背負式ジェットエンジンに身を包む。
- オメーンの奥に光る目はサイバネ化され、四肢も同様に違法サイバネ手術による強化が施されている。
- ただし四肢はサイバネ強化されているとはいえ、ニンジャのカラテの直撃を喰らえばひとたまりもない。
- カラテを食らった際の「サイバネと骨が砕ける」との記述から、完全な機械化まではしていないようだ。
- 後頭部には違法LAN端子が4本備わり、2本はヤクザガンに、もう2本はジェットエンジンに繋がる。このLAN直結により、サイバネ・アイや思考とのダイレクトリンクによる正確かつ迅速な照準・三次元機動を可能にしている。
元ネタ・考察
- 原作者の一人であるモーゼズ=サンによれば「泥臭くて弱いヒーロー」をイメージしたとのこと。以下の要素を全て混ぜ合わせて出来上がったのだという。
- 『ロケッティア』(ジェットパックで空が飛べるだけのヒーロー)
- 『ヴァンパイア/最期の聖戦』のヴァンパイアハンター(吸血鬼をウインチで屋外に引きずり出して焼き殺す大暴れの直後、アンブッシュを受け、二人を残してあっさり全滅する)
- 『夜はグリーンファルコンを呼ぶ』(落ちぶれた元ヒーローの老人が、コスチュームを着て殺人鬼に挑む小説)
- 『バットマン:ダークナイト・リターンズ』(引退した元ヒーローの老人が、怒りと狂気から復活し大暴れするコミック)
- ヤクザ
- 天狗
- ヤクザと天狗ナンデ……?クラマーテングやニンキョ・ストーリーの影響だろうか……?
- なお、海外で出版されたというニンジャスレイヤーの最初期の版(プロトニンジャスレイヤー)には「テング・ニンジャ」なる、ニンジャスレイヤーの窮地に駆けつけてくれる正体不明のニンジャという設定のキャラクターが存在する。
- 現在のヤクザ天狗と比べると天狗以外の要素は残っていないが、第3部エピソード「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」では、このテング・ニンジャのようにニンジャスレイヤーのピンチを助けるという一幕が挿入された。
- ニンジャとモータル、復讐と贖罪、カラテと射撃、特徴的なエントリー方法など、我らがニンジャスレイヤーとは対照的なキャラクター造形をされているのは、ヤクザ天狗がプロト版からの古参キャラクターであることと決して無関係ではあるまい。
ワザ
- 基本は「アイサツをしてきたニンジャに即発砲」。
- ダイナミック・エントリーからの名乗り口上でアイサツという致命的かつ本能的な隙を誘発し、ニンジャであってもまともに喰らえば無視できないダメージを負う重金属弾の連射で四肢を破壊、機動力を削いだ上で確殺する慈悲なき戦術である。
- 至近距離から放たれた弾丸を掴み取るタツジンや、アイサツ後コンマ数秒で電撃的に攻撃態勢に入るニンジャのようなヤバイ級の連中に対しては、さっさと諦めて逃げるか、最初から手を出さないことにしている。
- 一見すると卑怯(同じことをニンジャがすると実際スゴイ・シツレイ)かもしれないが、彼は多少サイバネ化しただけのモータルなのである。非ニンジャの彼がニンジャの作法に従う義務はないし、従っていては実際死ぬ。非ニンジャであるという点で、ビーハイヴのようなスゴイ・シツレイも省みない戦法をとる者とは事情が異なるのだ。
- ネオサイタマ電脳IRC空間でのキャラクター紹介によると、戦闘時のジツ:カラテ比率は0:10。そもそもニンジャではないので、ジツを使った戦闘スタイルは取りようがない。
ソウビ
- ソウビとして戦闘用サイバネや銃火器などを所持している。
◆脳内UNIX◆
- 敵ニンジャの予測移動パターン構築、LAN直結した装備の残弾数・残燃料の伝達など戦闘に必須の機能を持つ装置。ニュービー・ニンジャ程度ならば、その戦闘時の動きを瞬時に予測可能。
◆オートマチック・ヤクザガン「リデンプション」&「アブソリューション」◆
- ヤクザ天狗の象徴たる、2丁の赤漆塗りの大口径拳銃。
- LAN直結を利用した論理トリガーによる射撃が可能で、直撃すればニンジャであろうとただでは済まない重金属弾を無慈悲に連射する。
- 本人認証システムが組み込まれており、ヤクザ天狗以外の者がこの二丁拳銃を使用することは不可能。
- 「Redemption」は「(神による)贖罪・救済」、「Absolution」は「赦免・罪障消滅」の意。
◆ドス・ダガー◆
- 使い込まれたドス・ダガー。ヤクザらしい基本装備と言える。
- ただしニンジャ相手に接近戦を挑むのは愚策であるため、実戦においてはあくまで緊急用のサブウェポンとしての位置付けに過ぎない。
- 強化セラミック製。
◆ベンツ型ヤクザモービル「聖戦(クルセイド)」◆
- 無線IRCで自動操縦が可能。車内の至る所に、マークしたヤクザの顔写真や古文書の切れ端などが貼られている。
- ヤクザ天狗は過去に助けたヤクザなどにニンジャ情報を仕入れるための盗聴器を仕込んでおり、それらの音声は全てこのモービル内部で聞くことができる。
- ちなみに、非戦闘時の上、本調子ではなかったとは言えフジキドにすら盗聴器を仕掛けるワザマエを持つ。神出鬼没のように見えるが、実際情報に基づいた論理的な立ち回りなのである。
- 盗聴電波の受信装置はバックパックに入る程度の小型のものも存在する。この装置は暗黒非合法探偵の活動に大いに役立っているらしい。
◆黄金ヤクザウォッチ◆
- 「8時9分3秒」で永遠に止まり続けている腕時計。神々の戦士に何らかの啓示を与える。
◆ロレックス・ヤクザダイバーカスタム◆
- 冷徹な銀色をした厳しき旧世紀の腕時計。
- その針は「8時9分3秒」を指し示している。
◆聖水◆
- 自分の小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜた自作の聖水。
- ニンジャを蘇らせぬため、倒したニンジャの死体に振りかけて火を点け燃やすのが本来の使用法。
- スピリタスが入っているためよく燃えるので実際殺傷力があり、生きたまま聖水で焼き殺されたニンジャもいる。コワイ!
◆仕込み銃◆
- テング・オメーンの鼻の中に仕込まれた秘密ピストル。至近距離からの発射ではあったが、ニンジャの頭蓋を貫通する威力を持つ。
- 装填された弾丸は1発限りな上、使える状況も非常に限定されることから考えても、まさに秘中の秘、切り札中の切り札と思われる。
- 余談だが、彼がオメーンを被ったままセントーに入ってきた時、ヘッズは重篤なTRS(天狗リアリティショック)を起こした。
- しかしこれは入浴中ですら武装していたということであり、それに気付いたヘッズはさらなる衝撃を受けた。
- フジキド=ニンジャと対面するためだったからかも知れないが、彼に安らぎの時間は1秒も無いのであろうか……。ヤンナルネ。
- この仕込み銃が登場するまで、「テング・オメーンの鼻にも何らかの攻撃手段が隠されているのではないか」と予想していたヘッズも幾らかは存在した。だがそれも半ばネタとしての考察であり、本当に仕込み武器が登場するとは予想外であっただろう。
- アイサツ・アンブッシュで傷こそ与えたが仕留め損なった場合は、ジェットエンジンとサイバネ・アイ、そしてLAN直結オートマチック・ヤクザガンを駆使した三次元立体機動から、(単騎ゆえ不完全ではあるが)武田信玄考案のサンダンウチ・タクティクスで敵を削り殺す。
- 弾幕を掻い潜られたり、アンブッシュからの斬り込みで白兵戦に持ち込まれた場合はそもそも戦いにならないため、ドス・ダガーはヤクザガンが使用不能になった時、体勢を立て直すまでの「時間稼ぎ」と割り切っている。ヤバレカバレの蛮勇ではサンシタにすら負けてしまうのだ。
- 実際アイサツ・アンブッシュのみでニンジャを仕留めたケースは本編中でも描写されてはおらず、その勝利は常に紙一重のものである。
- 実際アイサツ・アンブッシュのみでニンジャを仕留めたケースは本編中でも描写されてはおらず、その勝利は常に紙一重のものである。
- こうした理論・装備・戦術によって、イレギュラーさえ起こらなければアンブッシュで確殺、それを掻い潜られても末端のサンシタニンジャなら圧倒することさえ可能。
- なお発表済み作品で、「五体満足のニンジャに」「正面から」「タイマンを挑み」完勝した非ニンジャはわずか二人、しかも複数名を撃破した者となるとヤクザ天狗ただ一人である。
- 確かに狂人ではあれど、彼の戦闘行動は一挙手一投足全てが実際理に適った殺忍戦術に則っているのだ。天狗判断力、とでも形容するべきか。
- 加えて彼は「ヤクザを救う者」とでも言うべきか、ニンジャに虐げられるヤクザを可能な限り救おうとする一方で、致命傷を負ったヤクザに穏やかに語りかけながらその死を証拠隠滅に利用していると思わしき冷徹な描写も見られる。
- 少なくともドラゴン・ドージョーの場所を発見・強襲することさえ可能だった全盛期のソウカイヤが、ヤクザ天狗の正体・所在を一切掴めずにいたという事実は、特筆すべきであろう。
- さらに地の文=サンによると、第3部序盤までで、「20近いニンジャを浄化してきた」らしい。我らの殺戮者のスコアがぶっちぎりすぎるため少なく感じられるかもしれないが、ニンジャをこれだけ殺した者はニンジャを含めそう多くなく、キリングランキングでは五指に入る数字。
- しかもあくまで「浄化してきた人数」のため、「殺害したが浄化には失敗した」ニンジャも存在する可能性がある。
- 少なくとも交戦人数が20人を上回ることは確実。いずれにせよ、モータルがこれだけの実績を残していることは驚嘆に値するだろう。
- 半神的存在であるニンジャを、無慈悲にハントしていくモータル。それこそが天狗ではなく、ヤクザでもなく、ヤクザ天狗なのだ。
正体考察
- 正体に関しては「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」におけるフジオの回想に登場したフリーランス・ヤクザ「デグチ」ではないかとする説が有力。
- ヤクザ天狗はエジプトのニンジャ文明を知っている。
- 「私があの日、お前達を解き放ったのだから…」という独白は、フジオがダークニンジャとなった運命の日を指していると解釈できる。
- どちらもLAN直結された2丁のオートマチック・ヤクザガンを使用する。
- 優れた戦闘能力と状況判断能力を持ち、サイバネ化も施されている。「信じているのは銃とカネ」と称して事あるごとに報酬に拘る姿。最終的にNRSを発症したものの、ニンジャへの強い耐性を持ち合わせていた。
- 同行者のホソダがZBR入りスピリット(物理書籍版ではスピリタス)が入った真鍮フラスコを持ち歩いていた。
- 「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」での再登場時には「マレニミル社」「最後にフジオ・カタクラと妖刀を投げ落としてゲヘナの蓋を閉じる」という発言をしている。
- 書籍版の挿絵で描かれたデグチの髪型が、ヤクザ天狗と同じく三角柱の角刈りである。
- しつもんコーナーにて、デグチとヤクザ天狗との関連性を示唆する質問と回答がなされている。
- コミカライズ版のデグチが発狂するシーンにて、彼の後方にテング・オメーンが示唆的に映り込んでいる。
- 仮にデグチがヤクザ天狗の正体だとすると、「グランス・オブ・マザーカース」同様にネオサイタマ時代の「アトロシティ~」が長く翻訳されていなかった理由もわかる。ともあれ今後、さらなる真実が語られる日が来るかもしれない。今はただ備えよう。オモチとセンベイを持って……。
ストーリー中での活躍
- 「サプライズド・ドージョー」におけるドラゴン・ドージョー襲撃により、ドラゴン・ゲンドーソー、ニンジャスレイヤーというソウカイヤにとっての3大脅威のうち2つが消失。ただ独りネオサイタマに残ったニンジャハンターとして、「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」で初登場した。
- バーグラーから理不尽な要求を迫られていたヤマヒロを、アイサツ・アンブッシュからの紙一重の勝利で救助。モータルがニンジャを殺害せしめるという驚異的な戦果と、恐るべき狂気の発露を見せる。
- その後、再びヤマヒロの救援要請に応え、ケンリュウ・ハッカードージョーを襲撃したグリーンエレファントをハント。
- 続くガスバーナ戦では逆にアンブッシュを受けたことにより重傷を負うも、生きていたニンジャスレイヤーのエントリーで命拾いし、ヤマヒロを拉致する形で脱出。ハッカードージョーとヤマヒロからのドネートでもって、聖戦士は次なるイクサに備えるのであった。
- 時系列的におそらくニンジャスレイヤー誕生以前を舞台にした「ニード・フォー・アナザー・クルセイド」では、ディサイプルに拘束された状態で登場。
- すでにソウカイニンジャ数名をハントしていたヤクザ天狗には賞金がかけられており、アイサツ・アンブッシュを受けて重負を負いながらも反撃に成功したディサイプルによって拷問にかけられるも、その狂気で相手を圧倒。さらに愛車「クルセイド」による奇襲で窮地を脱したヤクザ天狗は、全身ボロボロになりながらもディサイプルをハント、浄化する。
- 致命傷を負いながらニンジャの恐怖に怯えるヤクザへ「お前が私を呼んだ。お前がニンジャを殺したのだ」と告げてその死を看取り、ヤクザ天狗は次なる戦いに備えるため、終わりの見えぬ闇の中へ孤独に消えた。
- この段階では体の一部分しかサイバネ化しておらず、また切り札も仕込んでいなかった(あるいは仕込んでいたが作動させられなかった)など、ニンジャハンターとして発展途上であったことが伺える。
- この段階では体の一部分しかサイバネ化しておらず、また切り札も仕込んでいなかった(あるいは仕込んでいたが作動させられなかった)など、ニンジャハンターとして発展途上であったことが伺える。
- 「スロー・ア・シュリンプ・トゥ・キャッチ・ア・シーブリーム」では、相棒フェルピットをハントされたグレイハウンドによって罠を仕掛けられる。
- それは以前救助したヤクザを脅迫して再度ヤクザ天狗を呼び出させるというものであったが、密かにその奥歯に盗聴器と発信機を仕込んでいたヤクザ天狗はグレイハウンドの拠点を強襲。彼をハントし、浄化する。これもまた新たな聖戦士候補と見込んだヤクザへの試練であった。
- 期待を裏切ってしまったことを悔いる彼を許してその死を看取ると、ヤクザ天狗は新たな聖戦へと向かう。
- フェルピットとの交戦については詳細不明であり、レッサーヤクザによって呼び出されたヤクザ天狗が単独でハント・浄化したとのことである。
- 「デストロイ・ザ・ショーギ・バスタード」では、違法賭博施設「ツクツク」を盗聴器によって偵察中、内部で発生したニンジャスレイヤーのイクサを知る。
- ニンジャハントの必要がなくなったため撤収したが、ニンジャスレイヤーとニアミスし、その存在をはっきりと認識する。
- そして第3部「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」にて久々の再登場。頻繁に咳き込むなど何らかの体調的インシデントを抱えながら、岡山県の秘境にて暗躍するニンジャ修道会の動向を探っていた。
- そして偶然にも秘境を訪れていたニンジャスレイヤーと入浴中に接触、対話を試みる。自らの贖罪であるはずだったダークニンジャの死とベッピン消滅の事実を知り激しく動揺するも、修道会にユカノが攫われるという事態に遭遇。ニンジャスレイヤーが救助に向かったのを好機と見て、修道会のハントを敢行する。
- まずワッチタワーをアンブッシュからのイクサで真正面から打ち破り、聖水を浴びせ焼き殺してハント。続けてニンジャ3体に行く手を阻まれていたニンジャスレイヤーを援護してスタラグマイト・ケムリニンジャ(スモーク)のスレイを助け、「汝ら咎無し」の宣言と共にユカノの下へ送り出す。
- ニンジャ修道会の黒幕であったセノバイトとのイクサは熾烈を極め、消耗していたこともあって瀕死の重傷を負うも、最後の切り札を使いまたしても紙一重の勝利を納める。その光景を目撃したラマ屋によって一命を取り留めたようだが……。
- セノバイト相手に優勢に立ち、追撃していた最中にも突如として咳き込み、逆転を許してしまう描写があったことから、やはり持病を抱えている可能性は濃厚と見られる。
- セノバイト相手に優勢に立ち、追撃していた最中にも突如として咳き込み、逆転を許してしまう描写があったことから、やはり持病を抱えている可能性は濃厚と見られる。
- 「アンエクスペクテッド・ゲスト」では助けを求めるヤマヒロの叫びに応えるが如く1010200903(すなわち10月10日午後8時9分3秒)にスガモ重犯罪刑務所に降臨。崩落するビルからヤマヒロとマズダ・タロを救い出し、最終局面を迎えていたネオサイタマ市警49課とカンゼンタイの戦闘にも参戦。聖水を用いた浄化の儀式を以てカンゼンタイにトドメを刺した。
- 如何にしてスガモの状況を知り、駆け付けたのかは不明である。ヤマヒロは公衆電話でヤクザ天狗と通話したと信じていたが、通話後の受話器をとったタロの耳には不通を示す音声が聞こえるのみであった。
- 戦いが終わった後、すでに覚悟を決めていたヤマヒロをニンジャハントの報酬を払えぬ代償として連れ去り、彼を抱えて飛び去った。Twitter連載では4年越しで、かつての言葉「払えぬなら、お前を天狗の国へ連れてゆく」を現実としたのだ。
- 彼らがいなければ世界は滅びていたかもしれない。NSPDのマッポとデッカー、囚人達でさえ、二人を敬礼で見送った……。
- 「ザ・リデンプション」では、二人を待ち受ける驚愕の運命が描かれた。
- スガモ重犯罪刑務所から飛び立った直後、01の奔流に飲み込まれた二人が辿り着いたのは、雪の舞い散るネオサイタマであった。傷つき憔悴したヤクザ天狗は治療のために拠点へ向かい、コネクションを辿ろうとするが、やがて事態の異常性に気がつく。ここは過去の――すなわち2011年12月24日のネオサイタマ、そしてヤクザ天狗にとっての運命の日だったのだ。
- 贖罪の聖戦に終止符を打つため、ヤクザ天狗はヤマヒロに一つの願いを託す。タカシミズ・ダイナーに向かい、まだ幼い頃のフジオ・カタクラとヤクザ達を殺せ、と。決死の覚悟でダイナーに飛び込んだヤマヒロが撃った、その若いヤクザは……。
- ここまで本編中で確認された殺忍スコアは撃墜数11(うち共同撃墜4)。
- 果たして再び聖戦士が現れる時はいつなのか。ヤクザ天狗に魂の救済(アブソリューション)は訪れるのか。今はただ、備えよう……。
一言コメント
- ワザマエ!実際ミゴトなヤクザ天狗=サン! -- 2023-01-25 (水) 15:18:16
- 8月頃にペルーでジェットパックを駆使して空を飛ぶ違法採掘マフィアが発見されたフライング・ヒューマノイドしんじつでMRSが発生した。ボンモーコンビがこういうジェットパック技術の噂を聞いてヤクザ天狗=サンのモチーフの1つにした可能性も実際高い -- 2023-10-30 (月) 01:35:05
- 儀式のときに煎餅を2枚乗せるのは、せんべいツー→せんべつ→餞別ってことで死者への手向けってことなのかと思ってた -- 2023-11-28 (火) 17:02:48
- 四部にはでてこないのかな? -- 2024-03-23 (土) 22:33:48
- >また偽りの七つのメンポをつけていた メンポに本物と偽物がありますか?おかしいと思いませんか? -- 2024-06-20 (木) 15:40:42
- コミック版でデグチ=サンに気付いたけどTwitterの時点で気付いてたヘッズは実際スゴイ -- 2024-08-25 (日) 14:41:17
- 自動標準をヤクザ天狗ができてオムラ等が実装できていないのは実際怠慢では?これをモーターに実装するだけでアデプト級はオタッシャ重点な -- 2024-08-31 (土) 10:21:39
- 天狗が居るのだからヤクザ河童もいたのでは? -- 2024-11-13 (水) 07:31:07
- 久しぶりにコミカライズ読んで思ったけど、この手の超人を狩る常人キャラが「そもそもが常人なのでどれだけメタ張っても格の低い超人に何とか勝つのが限界→だから本人も格の高い超人は基本避ける」というスタンスなのが初見だと潔すぎて新鮮だった そして実際サンシタであっても常人がニンジャを狩り続けること自体がスゴイというパワーバランスなのが面白い -- 2024-12-23 (月) 19:10:29
- イカスシが実際に効果が出てきたこともあって、煎餅頭に添えてお餅を口にくわえるの実際に効果あるのでは疑惑が出てきてるのひどい -- 2025-01-02 (木) 11:25:09