未読ストーリーの確認や考察のお供に。
Rストーリーを全て追加し終わったものはキャラ名の隣に★
9/26 祝!コンプリート!追加・編集してくださった方ありがとうございます。
誤字脱字や誤変換などの報告・修正や、リライト版の扱いについての意見はまだお待ちしております。
ストーリータイムライン
ブラウザ版ハイロー・店売りキャラ
エヴァリスト(ストーリー)★
アイザック(ストーリー)★
グリュンワルド(ストーリー)★
アベル(ストーリー)★
レオン★
クレーニヒ★
ジェッド(ストーリー)★
アーチボルト★
マックス(ストーリー)★
ブレイズ★
シェリ(ストーリー)★
アイン(ストーリー)★
ベルンハルト★
フリードリヒ★
マルグリッド(ストーリー)★
ドニタ(ストーリー)★
スプラート★
ベリンダ(ストーリー)★
ロッソ(ストーリー)★
エイダ(ストーリー)★
サルガド(ストーリー)★
レッドグレイヴ★
リーズ(ストーリー)★
ウォーケン★
フロレンス★
パルモ★
アスラ★
ブロウニング(ストーリー)★
ブラウザ版DR期間限定出現キャラ
メレン(ストーリー)★
ミリアン★
マルセウス(ストーリー)★
ルート★
リュカ(ストーリー)★
ステイシア★
ヴォランド★
C.C.★
コッブ(ストーリー)★
イヴリン(ストーリー)★
ブラウ(ストーリー)★
カレンベルク★
ネネム(ストーリー)★
コンラッド★
ビアギッテ(ストーリー)★
クーン★
シャーロット★
タイレル★
ルディア★
ヴィルヘルム(ストーリー)★
メリー★
ギュスターヴ★
ユーリカ(ストーリー)★
リンナエウス★
ナディーン★
ディノ(ストーリー)★
オウラン(※Rストーリー未実装)
ノイクローム★
イデリハ(ストーリー)★
シラーリー(ストーリー)★
クロヴィス★
アリステリア(ストーリー)★
ヒューゴ★
アリアーヌ★
グレゴール★
レタ(ストーリー)★
エプシロン(ストーリー)★
ポレット★
ユハニ(ストーリー)★
ノエラ★
ラウル★
ジェミー(ストーリー)★
セルファース★
ベロニカ★
リカルド★
マリネラ(ストーリー)★
モーガン★
ジュディス★
ブラウザ版イベントストーリー
クリスマスイベント2011
春の丘丘人
クリスマスイベント2012
暗黒塔の財宝
湖畔に潜むもの(幼生ウボス緑)
湖畔に潜むもの(幼生ウボス紫)
タリスマン(ネネム・ステイシア)
タリスマン(ブレイズ)
星の砂
クリスマスイベント2013(タイレル)
クリスマスイベント2013(ルディア)
アコライトイベント2014
Infectionコラボ
クリスマスイベント2014
クリスマスイベント2015
クリスマスイベント2016
幽玄の艶衣
朱炎の追憶(クレーニヒ)
朱炎の追憶(ビアギッテ)
人気者の妖精(C.C.)
人気者の妖精(ギュスターヴ)
人気者の妖精(リーズ)
人気者の妖精(グリュンワルド)
炎熱の館
スキゾクロニクル限定
バレンタインイベント
「チョコレート色の警戒信号」 |
星、ハート、丸、花、四角。 その本には、様々な形をしたチョコレート菓子や焼き菓子が載っていた。 表紙のかわいらしさが気になってドニタが手に取った本は、絵本ではなく製菓用のレシピが書かれた本だった。 「可愛い……」 絵本ではなかったと多少落胆したものの、興味本位で読み進めると、そこにはなんとも可愛らしく複雑な装飾が施された様々な菓子達が、色鉛筆のようなタッチで描かれていた。 その菓子の絵は、絵本でなくともドニタの気を惹くには十分であった。 どこかゆったりと座れる場所でこの本を眺めよう。ドニタはそう考え、戦士達に開放されている蔵書室を後にした。 天井がガラス張りになっているエントランスホールまでやって来た。 この場所からガラス越しに空を見ている限りでは、建物の外が荒廃しきって何もない世界であるということは想像できない。 星幽界での苛酷な試練を乗り越えた戦士達を待ち受けていたのは、『虚無』だった。 皆が絶望の淵に沈んだが、導き手が不思議な声を耳にし、その声に導かれるままに進んで辿り着いたのが、このガラスのドームに囲われた巨大な建物であった。 この巨大な建物は『ウラニエンボルク』と呼ばれる図書館だった。 ここに収められている年代記――クロニクル――は、いまドニタが手にしているような紙の本ではなく、人類の歴史や世界そのものを納めた、特殊なものである。 しかし、その『クロニクル』が格納されている部屋は施錠の上で厳重に管理されており、導き手でさえも、自分達を呼んだ『監視者』によって誘われない限りは、その部屋へ入ることはできない。 ドニタは導き手の供人として『クロニクル』のある部屋へ入ったことがあるが、その時は『クロニクル』の内側へと導かれ、魔物達との戦いを繰り広げたのだった。 エントランスの片隅にあったソファに座ると、ドニタはレシピ本を開く。 書かれている内容はわからないが、描かれている菓子をただ眺めるだけで十分に楽しめた。 食事を必要としないドニタに対し、ドクターはこういった類の知識を入れてくれなかった。 「お、珍しいな。お菓子のレシピなんかに興味があったのか?」 手持ち無沙汰なのか、エントランスをうろうろしていたシラーリーが声を掛けてきた。 導き手に連れられて戦う以外では殆ど関わりを持たない相手だけに、ドニタは警戒する。 「……何よ。悪い?」 「悪いとは言ってないだろ。あ、しかもこれ、結構上級者向けのじゃねえか」 ちょうどドニタが開いていたページには、チョコレートケーキの上にリボン状の飴細工や飾り切りの施された苺が乗っている菓子が描かれていた。 そのページの内容を見たシラーリーが「うわあ」と声を上げる。 この人物はドニタが理解できないレシピの内容がわかるらしい。そのことがドニタの興味を惹いた。 「そんなに難しいの?」 態度を少し和らげて、人当たりの良さそうな言葉を選ぶ。ここでシェリに対するようなつんけんした態度を取っては、この菓子を理解する機会を逃してしまう恐れがあった。 「あー、そうだな。えーと、うん。こういう凝った細工とかは見栄えがするけど、作るのが凄く難しいんだ」 「へえ。どれも可愛く見えるのは、難しくて凝ってるからってこと?」 「そういう訳でもないけどよ。えーっと、そうだな……」 言葉に迷うシラーリーに、ドニタはレシピ本を無言で差し出す。 シラーリーはそれを手に取ると、ぱらぱらとページを捲った。 「ああ、あったあった」 そういって見せられたのは、最初の方のページにあった、丸いチョコレートの上にドライフルーツが乗っているチョコ菓子であった。 「こういう奴は簡単だな。チョコレートも溶かすだけ、ドライフルーツも乗せるだけって感じだ」 「へえ。簡単なのに綺麗ね。面白いわ」 「材料も手頃だし、作ってみるのも楽しいかもな」 「ワタシでも作れるかしら?」 食事の必要が無いために料理をしたことはないが、絵本の中で登場人物達が料理をしているシーンを見て、ずっと以前から興味自体はあったのだ。 食べるという行為自体も、機能としては存在するとドクターに教えられていた。 「ここに書いてある通りにやればな」 「じゃあ、これから作ってみるからやり方を教えて。お人形さんもまだ戻ってこないから暇だし、わからない説明がいくつもあるの」 「オレだってやり方が少しわかるだけだぞ。それに――」 「レシピが読めないワタシ一人でやるより、全然マシだわ」 「……うーん、わかったよ。じゃあ、アコライトに厨房の場所を聞いてみようぜ」 シラーリーは一つ溜息を吐くと、降参したように手を上げた。 アコライトに案内された厨房には、大体のものが揃っていた。 地上に戻った戦士達は食事を必要とするため、材料なども確保されているのだという。 チョコレートやドライフルーツなども、嗜好品として市販品が用意されていた。 「あら、チョコレートはこれでいいの? カカオから作るものなんじゃないの? 絵本で読んだことがあるわ」 レシピの内容通りに並べられた材料を見て、ドニタは首を傾げる。手に取ったのは、やや古めかしいパッケージに包まれた一口サイズのチョコレートだ。 「そういったのはプロや機械がやる場合。オレ達は初心者だから、市販のものを上手く使うのさ」 「そういえばこの本にはドライフルーツの作り方やチョコレートそのものの作り方は書いてないわね」 「ドライフルーツ一つ作るのだって、また別の作業が必要だからな。生の果物から作ってたんじゃ、いくら時間があっても足りないぜ」 「そういうものなのね」 絵本では調理や作業の工程まではわからない。実際にやってみることで、改めて絵本を読んだ時に違った面白さが出てくるかもしれない。 そんなことを思いながら、ドニタはシラーリーに教えられるがままに作業を進めていった。 シラーリーの教え方は戦闘時の勇猛さ、粗雑さにそぐわず、非常に穏やかで丁寧なものだった。 ドニタの質問攻めにもわかりやすく丁寧に答える姿に、ドニタは意外なものを見たような気がした。 「こんなもんだろ」 「我ながら上出来ね」 二時間ほどで、本に載っているのとよく似たチョコレート菓子が出来上がった。 初めての体験で成功したというのは、ドニタの胸を高鳴らせた。 「意外ね。こんなこともできるんだ」 「まあ、な。案外上手くいくもんだな」 ドニタは出来上がったチョコレート菓子を一つつまむと、口の中へ放り込んだ。 今まで一度も使ったことがない味覚センサーだったが、一応のところ正常に機能し、ドニタの電子頭脳に甘酸っぱいという感覚を伝える。 これがチョコレート菓子というものなのかと、ドニタは一人納得する。確かに、人間の女性が好んで食べるのもわかる気がした。 シラーリーに視線を移すと、彼女はチョコレート菓子を手に取ろうともしていなかった。 「アナタは食べないの?」 「あ、あー……オレはいい。食べきれないなら人形と一緒に食べるか、他の誰かにやってくれ」 シラーリーは言い淀むようにして返した。 不思議に思ったが、自分も彼女もそれぞれ別に目的があり、未だ戦いの最中にいるのだ。 その目的同士が衝突したとき、彼女と刃を交える可能性もあるだろう。 あまり相手の事情を知っても、いざ敵対した時に刃が鈍っては困ると考え、深入りはやめることにした。 前々から交流のあった者ならともかく、本当なら、彼女に対して安易に関わるべきではなかったのかもしれない。 「そう。じゃ、そうするわ」 「悪いな。じゃ、オレはもう行くわ」 「ええ、ありがとう」 シラーリーはドニタの言葉に片手を上げて答えると、そのまま厨房を立ち去った。 残されたドニタは、もう一つチョコレート菓子を口に放り込む。 適度な甘さが口を支配するが、自動人形の自分には少し過剰な刺激かもしれない。この慣れない刺激は、低レベルではあるが、ドニタの電子頭脳が警戒信号を発するほどだ。 「さて、あとは適当にお人形さん達にでも押し付けましょうか」 どうしてこういった甘い物を好む人間がいるのか、押し付ける相手に尋ねてみよう。 電子頭脳が発する低レベルの警戒信号の意味もわかるかもしれない。 そう考えながら、ドニタは簡単なラッピングをチョコレート菓子に施す作業に入るのだった。 「―了―」 |
ホワイトデーイベント
「真夜中のティータイム」 |
「ふーむ……」 目の前に置かれた乾燥ハーブの山を見て、ヴィルヘルムは一人で唸っていた。 戦士達を受け入れる巨大図書館『ウラニエンボルク』には、様々な物資が数週間おきに運ばれてくる。 地上へ戻った戦士達は、一部を除いて、星幽界に存在していた時とは違って食事と睡眠を必要とするようになった。まさに生身といえる状態に戻ったのだ。 そういった戦士達に対して、アコライト達は食料や嗜好品など、生活に必要な様々な物資を定期的に配ってくれた。 どういった原理、法則なのかはわからない。しかし、飲食店などで使うような大袋入りのものから丁寧な包装が施された贈答品のようなものまで、様々なものが存在する。 いつどんな時代から、どういった手段で運ばれてくるのか。アコライト達に説明を求めてみたが、彼らも詳細は知らないようで、曖昧に誤魔化されて終わるだけだった。 ここ最近になって運ばれてきた物資の中に、大量の乾燥ハーブが詰められた袋があった。 他の物資と同様、小分けにされた贈答品のようなものから業者が扱うような大袋に入っているものまで、形状、容量共に様々で、基準は不明といってもよかった。 こういったものはヴィルヘルムが扱うのが適当であろうと、アコライト達から管理を一任されたのはつい先日のことだ。 かつて薬草栽培から管理までを生業としていた身のため、アコライト達の判断は正しいといえた。 しかし、問題はこのハーブの山をどうやって消費するかである。 料理の風味付けに使うものはすでに厨房へ運ばれており、いま手元に残っているのはハーブティーや芳香剤として使うようなものだけだ。 ヴィルヘルム自身は好んでハーブティーを飲むが、それは好き嫌いの分かれやすい嗜好品である。 芳香剤として使うにしても、そういったものを好む者が戦士の中にどれだけ存在するかもわからない。 香水の代用品として使うにも、香りの種類がバラバラのために、おいそれと勧めることはできない。 個人的なことを言ってしまえば、美味しいものはより美味しく、良い香りのものはよりよく、それを好む者に使ってもらいたい。 せっかく送られてきたものだ。効果的に使用したいと思うのは、栽培者としての心意気とも言うべきだろうか。 「……さて、どうするかな」 ある日の深夜、『クロニクル』での戦闘を終えたヴィルヘルムは、綺麗にラッピングされた小袋を片手に厨房に立っていた。 戦闘直後の精神状態を引き摺ってしまっていたため、ハーブティーを飲んで気分を落ち着けようと考えたのだ。 ケトルを火にかけて湯が沸くのをじっと待つ間、ヴィルヘルムはぼんやりと『クロニクル』での戦闘を振り返っていた。 『クロニクル』の内側で行われたことは、多元世界を混沌へ陥れようと願う何者かとの戦いであった。 それ故、対峙する魔物は星幽界にいた魔物に勝るとも劣らないほどに凶悪であり、狡猾だ。導き手の指示や戦術を用いて善戦するも、怪我を負うことが少なくなかった。 だが、次元干渉が何らかの作用を及ぼすのか、傷についてはこの図書館へ戻ってくればすぐさま癒えた。 しかし、戦闘を行ったという記憶や感情は、当然消えることはない。精神的な高揚感や倦怠感については、図書館に戻ってきたとしても、傷のようにすぐ平常時に戻るわけではなかった。 「以前はどうしていたのやら……」 ロンズブラウ軍に従軍していた頃は、ハーブティーに頼ることはなかった。では、どうやって気分を落ち着けていたのだったか。 安易な解決方法があればそちらに流され、以前の状況を思い出せなくなってしまうとは。 何とも困ったものであると、少しだけ自嘲した。 ぼんやりと湯が沸くのを待っていると、ふいに厨房の入り口から声がした。 「こんな時間に何してるの?」 ジェッドだった。彼はお腹をさすりながら入ってくると、まっすぐに食料の貯蔵されている棚へと向かう。 「やあ、ジェッド。こんばんは。ちょっと寝付けなくてね。君はどうしたんだ?」 「なんか腹が減っちゃってさー。ヴィルヘルムも?」 「そうだな、似たようなものさ」 ジェッドがテーブルの上に菓子やソーセージなど、調理の必要がない食料を置く。それと同時くらいに、ケトルの注ぎ口から湯気が噴き出し始めた。 ヴィルヘルムはハーブの入ったティーポットに湯を注いだ。 ガラスのティーポットは中身がよく見え、注がれた湯でハーブが踊っているのがわかる。 「なにそれ? 不思議な匂いだね。レモン? でもレモンは入ってないし……」 ふわりと立ち上がるハーブティー独特の香りに、ジェッドはソーセージを齧りながら少しだけ首を傾げる。 「ハーブティーさ。こういうのは初めてかい?」 ティーポットの中で乾燥していたハーブの葉が開いていくのを物珍しそうに眺めるジェッドに尋ねると、ジェッドはティーポットを凝視したまま頷いた。 そんなジェッドの様子を見て、彼の分のカップも用意しようと立ち上がった時、再び入り口の方から誰かの声が聞こえてきた。 「お二人とも、こんな遅くに何をしているのですか?」 深夜の見回りでもしていたのだろうか。ランプを片手に携えたメレンが顔を覗かせた。 「ええっと、夜食中?」 先にメレンと目が合ったジェッドが答える。 「そうでしたか。ヴィルヘルムも?」 「そんなところだ。メレンは見回りか?」 「ええ。この図書館にはまだ謎の部分が多く、危険がいつやって来るかわかりませんので」 「君達でもわからないところがあるのかい?」 「はい。我々アコライトも皆様と同じで、ただこの場所へ導かれただけにすぎませんから」 メレンの言葉にヴィルヘルムは少しだけ目を見開いた。かつてアコライト達が聖女の従者であった頃と同様、この周辺のことは大なり小なり把握していると考えていたからだ。 「前みたいに色々答えてくれなくてヘンだなとは思ってたけど、なるほどなあ」 ジェッドが納得したように頷く。 「申し訳ありません。では、見回りの続きをしなければなりませんので」 言葉通りの表情でメレンは眉を下げた。その顔に思うところがあったのか、ヴィルヘルムは立ち去ろうとするメレンを呼び止めた。 「待ってくれ、メレン。少し休憩しないか? あー、その、もし飲めるならハーブティーでもどうだろう」 「そうですね、いただきます。機能としては一応備えていますし」 「お菓子もあるよ!」 ヴィルヘルムの淹れたハーブティー、ジェッドの用意したお菓子が揃い、男三人での小さなお茶会が開始された。 「レモンが入ってないのにレモンっぽい感じがする」 「こういうものを『良い香り』と言うのですね」 「ああ、そうだね。それに、この香りにはリラックス効果があるとも言われている。寝つきが良くなるかもしれないな」 「へえ、面白いね」 真夜中にハーブティーと茶菓子を嗜むという、日常とは違う行為。それが、少しだけ三人の気分を昂揚させる。 普段あまり会話をすることのない三人だが、この日ばかりは上擦った声色で会話が弾んだ。 『クロニクル』での戦いが嘘のような、ゆっくりとした時間が流れている。 ヴィルヘルムは、この時間の流れ方を失いたくはないなと感じ始めていた。 その日以降、ヴィルヘルムは何日置きかに一度くらいの頻度で、真夜中の厨房でハーブティーを淹れるようになった。 誰かと共にティータイムに興じることもあれば、一人で色々なハーブを調合して味を確かめることもあった。 かつて植物園で働いていた時のような、穏やかな時間がそこにはあった。 ――普段の厨房は戦士達が食事を求めて行き交うが、夜が更けると明かりが落とされる静かな場所だ。 ――そんな場所に、今宵も何らかの理由で誰かがひっそりと訪れる。 「む……?」 「これは殿下。どうされましたか?」 「いや、少しばかり寝付けないだけだ。お前達は何をしている?」 「ヴィルヘルムにお茶を淹れてもらってたのよ。彼、とても上手よ」 マルグリッドがヴィルヘルムとグリュンワルドを交互に見やり、微かな笑みを溢す。 「そうか……」 「殿下もいかがですか?」 「……いただこう」 真夜中に明かりが漏れている厨房を訪れると、そこでは柔らかな笑みを湛えた青年が、疲れた戦士と共に密やかなティータイムを過ごしているという。 「―了―」 |
更新履歴
- 8/4保管庫作成 スキゾ限定バレンタイン・ホワイトデーストーリー追加 -- 2018-08-07 (火) 19:12:22
- 8/25 タイレルR1、ブロウニングR1、レッドグレイヴR1、エヴァリストR1、アーチボルトR1・2、クリスマスイベント2012追加 -- 2018-08-25 (土) 08:56:28
- 8/26 ミリアンR1・2・3・4、マルグリッドR1追加追加 -- 2018-08-26 (日) 19:11:04
- 8/27 エヴァリストR4、クレーニヒR4、アリステリアR1・2、ステイシアR1、マルセウスR1、アベルR1、マルグリッドR2追加 -- 2018-08-27 (月) 21:52:07
- 8/28 レオンR3、ベルンハルトR1・2・3・5、ベリンダR1・2・3・4、クリスマス2016ストーリー追加 -- 2018-08-28 (火) 00:07:26
- 8/29 フリードリヒR1・2、クリスマスイベント2013(タイレル)追加 -- 2018-08-29 (水) 22:17:37
- 8/30 ブレイズR2・3・4、メレンR1・2追加 -- 2018-08-30 (木) 18:29:40
- 8/31 ブレイズR1、クレーニヒR1追加 -- 2018-08-31 (金) 00:27:13
- 8/31 アスラR1・3・4・5、ブロウニングR2・3・4、ミリアンR5、マルセウスR1・2・4・5、ルートR1・2・3・4、リュカR1・2・3・4、ステイシアR2・3・4、ヴォランドR2・3・4、C.C.R2・4・5、コッブR1・2・3・4、イヴリンR1・2・3・4、ブラウR2・3・4、カレンベルグR1・2・3・4、ネネムR1・2・3・4、コンラッドR1・2・3、ビアギッテR1・2・3、クーンR2・3追加 -- 2018-08-31 (金) 03:07:29
- 9/1 メレンR3・4、アインR1、ベルンハルトR4、ステイシアR2・3・4、ナディーンR1・2、メレンR5、ユハニR2、アベルR2、リーズR1・2、ロッソR1、ウォーケンR1・2、ジェッドR1、ヴィルヘルムR1、グリュンワルドR5、アイザックR5、マックスR1、湖畔に潜むもの(幼生ウボス紫)、暗黒塔の財宝追加 -- 2018-09-01 (土) 22:40:40
- 9/2 ナディーンR1修正、フリードリヒR5、クーンR1、エヴァリストEP1、ドニタR1追加、完了済ページの細かい修正 -- 2018-09-02 (日) 12:49:30
- 9/3 タイレルR2、ユハニR1・R3、エプシロンR1・R2、アリアーヌR1、アインR4・R5、ウォーケンR5、炎熱の館追加 -- 2018-09-03 (月) 09:38:20
- 9/4 タイレル3・4追加 -- 2018-09-04 (火) 00:24:50
- 9/5 エヴァリストR5、マックスR1、ヴィルヘルムR1、湖畔に潜むもの(幼生ウボス緑)、タリスマン(ネネム・ステイシア)、タリスマン(ブレイズ)、ドニタR1・2・3・4・5追加 -- 2018-09-05 (水) 21:17:26
- 9/6 エプシロンR3、セルファースR1、ベロニカR1、リカルドR1、モーガンR1、ジュディスR1、春の丘丘人追加と完了済ページの細かい修正 -- 2018-09-06 (木) 16:56:03
- 9/7 ヴィルヘルムR2・3・4、サルガドR1・2・3・4・5、ジェミーM1・2、マリネラM1・2、ラウルR1、ノエラR1、クリスマスイベント2013(ルディア)、クリスマスイベント2014、朱炎の追憶(ビアギッテ)、朱炎の追憶(クレーニヒ)、Infectionコラボ、アコライトイベント2014追加 -- 2018-09-07 (金) 00:31:22
- 9/8 星の砂、幽玄の艶衣、人気者の妖精(ギュスターヴ)、人気者の妖精(グリュンワルド)、シャーロットR1・2・3、フロレンスR1・2・3・4・5、レッドグレイヴR1・2・3・4、ウォーケンR3・4、ポレットR1、グレゴールR1・2、C.C.R3,レオンR4追加 -- 2018-09-08 (土) 08:38:47
- 9/9 レオンR5、ブレイズR5、フリードリヒR3・4、ベリンダR5、シャーロットR4、カレンベルクR2、シラーリーR1、R2、シェリEP1追加 -- 2018-09-09 (日) 12:57:18
- 9/10 パルモR5、クレーニヒ残りR全部追加されているのを発見 -- 2018-09-10 (月) 22:04:19
- 9/11 メリーR1・2・3、ジェッドR2、3、4、5追加 -- 2018-09-11 (火) 20:03:16
- 9/12 シェリR残り全て、アーチボルトR残り全て、マックスR残り全て、ロッソR残り全て、マルグリッドR残り全て、リンナエウスR1・2、クリスマスイベント2011追加 -- 2018-09-12 (水) 20:22:53
- 9/13 ルディアR1、イデリハR1追加。クリスマスイベント2011と2012が逆になっていたので入れ替え -- 2018-09-13 (木) 17:14:44
- 9/14 ルディアR2、イデリハR2・3追加 -- 2018-09-14 (金) 20:00:53
- 9/15 ストーリータイムライン追加 -- 2018-09-15 (土) 08:29:20
- 9/16 ルディアR3・4追加 -- 2018-09-16 (日) 21:06:01
- 9/17 ノイクロームR1・2、リーズR3・4・5追加、シェリR5訂正 -- 2018-09-17 (月) 20:06:42
- 9/18 ギュスターヴR1・2、ディノR1追加 -- 2018-09-18 (火) 12:13:54
- 9/19 ギュスターヴR3追加 -- 2018-09-19 (水) 11:55:00
- 9/20 ディノR2追加 -- 2018-09-20 (木) 11:52:04
- 9/21 ノイクロームR2画像追加 -- 2018-09-21 (金) 19:51:58
- 9/22 ユーリカR1・R2・R3追加 -- 2018-09-22 (土) 13:15:58
- 9/23 Infectionコラボ、バグにより空白になっていた部分をInfectionオープニングから引っ張ってきて追加 -- 2018-09-23 (日) 19:02:39
- 9/26 ディノR3追加 -- 2018-09-26 (水) 12:14:48
誤変換、脱字、その他の報告はこちらへ
- wiki編集用画像UP用ページにタイムライン投げておきました。9枚と多いので別にページ用意した方が良いかもしれません。エヴァEP欠けているのでそこだけ黒いです。持っている方画像編集頂けると助かります。 -- 2018-09-14 (金) 23:42:55
- タイムライン画像提供ありがとうございます。とりあえず個別ページを作ってそちらに縮小無しで貼らせて頂きました。 -- 2018-09-15 (土) 00:19:21
- ディノR2まで追加しましたが、R3不所持のため、持ってる方お願いします… -- 2018-09-20 (木) 11:52:53
- すごい…もう足りないのディノR3だけか。お疲れさまです! -- 2018-09-22 (土) 20:20:58
- ディノR3他に更新する人がいなさそうなので追加しました。一部俺となっている部分は原文ママになります。 -- 2018-09-26 (水) 12:13:46
- ありがとうございます!これで全てですね。 -- 2018-09-26 (水) 19:25:34
- お疲れ様です! -- 2018-09-27 (木) 11:24:37
- アーチR5の「ジェッド」が全部「ジェット」 -- 2018-09-26 (水) 21:06:55
- R4にもあったので一緒に修正しておきました。 -- 2018-09-27 (木) 11:28:22
- おつかれさまです!イデリハR#の画像が欠けてるようです。 -- 2018-09-26 (水) 22:55:01
- R3ですすみません -- 2018-09-26 (水) 23:34:11
- イデリハMemory3はスキゾでの追加なので元々画像ないです。 -- 2018-09-27 (木) 08:41:50
- とりあえずイデリハM3の画像添付部分を消しておきました。他のスキゾのみ追加分も画像添付部分は消しておいた方が良いかもしれませんね。 -- 2018-09-27 (木) 09:27:30
- 画像未実装表記とかあってもいいかもですね。邪魔かもしれませんが…… -- 2018-09-27 (木) 11:17:12
- カード絵無しとか書いておくといいかもしれませんね。 -- 2018-09-27 (木) 13:38:39
- イデリハM3冒頭に「画像未実装」という表記を足してみました。これだと文章部分と微妙に紛らわしいかもしれません…どうすれば良いでしょう? -- 2018-09-27 (木) 19:21:28
- 四角で囲ってみました。これでどうでしょう? -- 2018-09-28 (金) 08:11:40
- 仕様上そもそも画像が無いものなので未実装じゃなくて無しの方が適切じゃないでしょうか。 -- 2018-09-28 (金) 08:22:30
- 「画像なし」にしてみました。これで分かりやすいかな? -- 2018-09-28 (金) 21:44:54
- 分かりやすいですね。いいと思います。 -- 2018-09-29 (土) 21:08:35
- コメントが流れてしまったので、現状未修正かつ修正に原文の確認が必要なところをまとめておきます。各ストーリーお持ちの方は確認にご協力いただけると幸いです。他にもあれば追記をお願いします。 -- 2018-09-27 (木) 11:20:09
- マックスR5>>「『誰』がマックスの電子頭脳に青のような通信を送ったのだろうか。」(「青」部分) -- 2018-09-27 (木) 11:20:29
- 「あのような」でした。修正しておきました。 -- 2018-09-27 (木) 15:30:39
- ルートR4>>「さというのなら、一体、最初に何が起きたのか?」 -- 2018-09-27 (木) 11:21:28
- 「だというのなら」でした。修正しておきました。 -- 2018-09-27 (木) 22:18:32
- マックスR5>>「『誰』がマックスの電子頭脳に青のような通信を送ったのだろうか。」(「青」部分) -- 2018-09-27 (木) 11:20:29
- マリネラのストーリーの順番合ってます?R1が下になってるんですが。 -- 2018-09-29 (土) 21:14:09
- 修正しておきましたー。以前見た時はR1が先頭だったので、スキゾ基準に直してくれた人がいるのかな? -- 2018-09-29 (土) 23:38:07
- 炎熱の館、コンマになっている三点リーダ部分や半角になってる!と?を直しておきました。 -- 2019-06-16 (日) 01:55:21