Mythology of Titan Quest 神話等の固有名詞

Last-modified: 2019-01-07 (月) 22:55:30

Grim Quest Modの日本語化に伴い、含まれる固有名詞についてそれが何を示す物か、を雑記するページです。
Modそのものの紹介、日本語ファイル等は上記のページをご覧ください。

このページに含まれるのは Titan Quest のテキストの内、アイテム類 (commonequipment / uniqueequipment) が殆どであり、
クエスト・会話・NPC・世界観に関わる部分 (登場する街の名前など) は含まれないのでご了承ください。

ここに書かれている内容のほぼ全ては前作 Titan Quest からの内容であり直接的な Grim Dawn への関連性はあまり有りませんが、
(ただし、同開発元なだけあって特にギリシア神話からの拝借が度々見られるため、知っておくと成る程となることはあるでしょう)
今後の整備への備忘録を兼ねています。



地名

名称内容
Achaean
アカイアン
[アカイア (Αχαΐα) 人]
所謂移民族で、ミケーネ文明を興した集団と言われる
Acheron
アケロン
[アケローン (Ἀχέρων) 川] ギリシア北西の川
ギリシア神話に於いては死者の魂を渡すステュクス川の支流とされている
Alexandrian
アレクサンドリアン
[アレクサンドリア (Ἀλεξάνδρεια) 人]
エジプト第二の都市で、アレクサンダー大王が名を冠した
Assyrian
アッシリアン
アッシリア人
現在のイラク付近に興った王国で、バビロニアの北にあたる
Babylonian
バビロニアン
[バビロニア (Βαβυλωνία) 人
メソポタミア期の王国で、初代王はハンムラビ
Chalcidian
カルキディアン
[カルキディケ (Χαλκιδική, 現在では ハルキディキ が主流) 人]
中央マケドニア区に存在し、古代ギリシア戦地の一つ
Corinthian
コリンティアン
[コリントス (Κόρινθος) 人]
ギリシア地方都市の一つで、アフロディーテを祀っていた
Elephantine
エレファンティン
[エレファンティン (Ελεφαντίνη) 島] / ナイル川流内にある島の一つ
エラトステネスが研究に訪れたことがある
Etruscan
エトラスカン
エトルリア人 (ギリシア語では [ティレニア (Τυρρηνία)])
イタリア半島中部の都市国家群で、後にローマ文明に吸収された
Euphrates
ユーフラテス
[ユーフラテス (Ευφράτης) 川]
チグリス川と共に肥沃な土壌を生み、初期の文明を作り上げた
Jericho
ジェリコ
[エリコ, イェリコとも] 現在のパレスチナに在る街
紀元前8000年頃には集落を為し、世界最古の町とも言われる
Laconia
ラコニア
(Λακωνία)
ペロポネソス半島の南部に位置する区で、かつてのスパルタ国の地
Luristan
ルリスタン
現在のイラン南西部の山深くにある地名の一つ
かつて騎馬民族が治めていた跡が見られている
Lykaion
リカイオン
[リカイオン (Λύκαιον) 山]
アルカディア県に存在する山で、ゼウスが生れ出た地の一つとされる
Marathon
マラトン
[マラトーン (Μαραθών)] アテネ北東に位置する村
マラトンの戦いの戦地であり、マラソンの語源
Mongolian
モンゴリアン
モンゴル人
現在に於けるモンゴルと等しい
Mycenaean
ミケーニアン
[ミケーネ (Μυκηναι) 人]
数多くの史跡が見られ、アガメムノンのマスクが発見された場所
Nubian
ヌビアン
ヌビア人 現在のエジプト南部からスーダンにかけての地方
古代からの産鉱地であり、エジプトの重要資源の一つだった
Olympian
オリンピアン
[オリンピア (Ολυμπία) 人]
現在のオリンピックの語源であり、古代ギリシアではここで行われていた
Parthian
パルティアン
[パルティア (Παρθία) 人]
現在のイラン周辺に位置していた遊牧国家
Persian
ペルシアン
[ペルシア (Περσία) 人] 現在のイランに相当する
古代より対外戦争が続き、王朝が著しく入れ替わっている
Phrygian
フリギアン
[フリギア (Φρυγία) 人]
現在のトルコ西部に存在した王国で、ミダス王の居る地
Scythian
スキタイアン
[スキタイ (Σκύθαι) 人]
現在のウクライナ周辺に位置していた遊牧国家
Spartan
スパルタン
[スパルタ (Σπάρτα) 人]
ギリシアの南部に位置し、最強の歩兵軍を擁したことで名高い
「スパルタ教育」の語源
Taklamakan
タクラマカン
タクラマカン砂漠 現在のウイグル自治区に在る大砂漠地帯
その広さは約34万平瓩に及び、日本全土(約38万平瓩)より少し小さい程度である
Theban
テーバン
[テーバイ (Θήβαι) 人]
古代の都市国家で、現在のティーヴァ (Θήβα)
Thracian
トラキアン
トラキア [トラケー (Θράκη)] 人 バルカン半島の南東部に位置する
現在はギリシア、ブルガリア、トルコの三国に跨っている
Troy / Trojan
トロイアン
[トロイア (Τροίη) 人] ギリシア神話で登場する都市
本来はイリオス (Ἴλιος) と言い、トロイア戦争の地となった


文化

名称内容
Aeon
アイオーン
(αἰών)
古代ギリシア語で時間、時代、時流といった概念を指す
Azi Dahak
アジ ダハーカ
ペルシア神話からゾロアスター教に掛けて登場する怪物
3頭の有翼蛇とされ、後世には次第に人間として描かれるようになった
Enkidu
エンキドゥ
古代メソポタミアの ギルガメシュ叙事詩 の登場人物
ギルガメシュの戦友、親友であり、また英雄として名を挙げる
Khamsin
ハムシン
[カムシン とも] 北阿などで吹く砂塵を伴う熱風
地域性の季節風の一つで、主に春期に掛けて吹くとされる
Korybantes
コリュバンテス
(Κορύβαντες) フリギアの司祭
キュベレ (Κυβέλη) の信奉者は楽器を打ち鳴らし踊り狂う儀式を行った
Marduk
マルドゥク
(Μαρδοχαῖος) 古代バビロニアで信仰された創造神
4つの眼と耳を持ち万事を逃さず、辺地の多くの神と習合しているとされる
Pharaoh
ファラオ
古代エジプトに於ける君主の称号
実質的に為政者であるため、しばしば "王" とされる
Pythia
ピュティア
[ピューティアー (Πυθία)] デルフォイの神託所に仕える女神官
神託所はアポロンを祀っており、預言を降す役割をする
Ramses
ラムセス
古代エジプトに於ける一種の称号であり王の名
ラー (Ra) に創られし者、即ち神命を受けた者という意味
Somatophylakes
ソマトピュラケス
(Σωματοφύλακες) マケドニア王の側近護衛兵
歩兵/騎兵隊の中から選り抜きの幕僚として任命される
Thutmose
トトメス
古代エジプトのファラオの名称
トト神 (Thoth) の造りし者、という意味
Timaios
ティマイオス
(Τίμαιος) プラトンの著作の一つで、またその登場人物
所謂学術書ではあるが、形而上学によって扱われたため非常に難解


人物

名称内容
Alexander
アレクサンダー
[アレクサンドロス (Ἀλέξανδρος)] マケドニアの王にしてファラオにもなった英雄
自ら数多くの戦に出陣し、矢の雨の中を歩いた逸話が有名
Anendjib
アネジイブ
初期エジプト王朝のファラオ
長きに渡りメンフィスを統治したという
Archimedes
アルキメデス
(Ἀρχιμήδης) 数学者、物理学者、天文学者など多様な学才を発揮する
彼はそれぞれの分野で多大な功績を残し、今も多数の名が残る
Cleopatra
クレオパトラ
(Κλεοπάτρα) 特に知られているのは七世で、古代エジプト王朝最後のファラオ
絶世の美女とされるが、その人生は波乱に満ちたものであった
Damocles
ダモクレス
(Δαμοκλῆς) 紀元前四世紀頃、現在のシチリア島辺りに居た僭主の廷臣の一人
頭上に今にも落ちそうな抜身の剣を吊るされていた故事が有名
Dienekes
ディエネケス
(Διηνέκης)
スパルタの勇猛な戦士で、テルモピュライの戦いに於いて名を挙げた
Hammurabi
ハンムラビ
古バビロン都市国家の六代目王
後にバビロニア帝国の初代王となり、ハンムラビ法典を整備した
Herod
ヘロデ
ローマ帝国初期に治めていたユダヤの王
ローマとの協調を勝ち取ったが、強い猜疑心を持ち多くの身内等を殺害した
Hippocrates
ヒポクラテス
[ヒッポクラテース (Ἱπποκράτης)] 古代ギリシアの医者
本人の医学遍歴は不詳だが、現代医学 (臨床医学) への偉大な一歩を踏み出した人物とされる
Hydarnes
ヒュダルネス
(Ὑδάρνης) 古代ペルシアの人名
特にマザイオスの子を指し、アレクサンドロス三世に従事した
The Last Emperor
末帝
中華最後の皇帝である[愛新覚羅 溥儀 (アイシンカクラ フギ)]のこと
辛亥革命により退位した後も満州皇帝等を努め日本との友好に尽くした
Memnon
メムノン
(Μέμνων)
ギリシア人ながら、敵対する事になるペルシア王朝に仕えた
Mentuhotep
メントゥホテプ
古代エジプトを統一した一人 特に二世を指す
テーバイに安定をもたらし、主要都市へと押し上げた
Nebchadnezzar
ネブカドネザル
古代バビロン王朝の王
領地を広げた高名な一世の他、四世まで名を連ねている
Ptolemy / Ptolemaeus
プトレマイオス
(Πτολεμαῖος) 数々の分野で多くの功績を残したローマの学者
またプトレマイオスはギリシア名であり、紀元前300年頃のエジプト王朝の国王でも居る
Queen Zenobia
クイーン ゼノビア
(Ζηνοβία) 三世紀頃に西亜を制圧していたパルミラ王国の女王
時のローマ帝国と戦争し奮闘したが、最後には敗れて瓦解した
Theogenes
テオゲネス
(Θεογένης) [テオジニス とも] ヘラクレスに仕える神官
拳闘士として名高く、ローマの彫刻 "拳闘士の休息" のモデル
Zeno
ゼノン
(Ζήνων) ギリシアの人名、特に紀元前500年頃のエレア派ゼノンを指す
自然哲学者であり、「アキレスと亀」のパラドックスを提唱したことで有名


ギリシア神話

(Act1 / 4)

名称内容
Achilles
アキレウス
(Ἀχιλλεύς) 叙事詩イーリアス (Iλιάς) の主人公である英雄
駿足であったが、アキレス腱を射られ命を落とした
Aether
アイテール
(Αἰθήρ) 原初の天空神で、イーサー (蘭語/エーテル) の語源
天の彼方にある大気の神格化とされ、父である幽冥の神エレボスと対を成す存在
Agamemnon
アガメムノン
[アガメムノーン (Ἀγαμέμνων)] トロイア戦争に於けるギリシア軍の総大将
19世紀に黄金のデスマスクが発見されたことで有名 (後に別物と判明)
Ajax
アイアス
[アイアース (Aias / Αἴας)] 神話上の英雄、特に大アイアースを指す
アキレウスの従兄弟にあたり、オデュッセウスらと共にトロイアの戦いで活躍した
Alcyoneus
アルキュオネス
[アルキュオーネス (Ἀλκυονεύς)] ヘラクレスに退治されたギガンテス
アルキオネスは郷地に於いては不死身だったが、アテナの助言を受けたヘラクレスがそこから引きずり出し、殺した
Aphrodite
アフロディーテ
[アプロディーテー (Ἀφροδίτη)] 美、愛、性などを司る女神
最高美神とされ、彼女絡みで一悶着有る逸話が多く残される
Ares
アレス
[アレース (Ἄρης)] 戦を司る神
狂乱、荒廃、憤怒を扱う神であるため崇拝されることは少ない
Argo
アルゴ
[アルゴー (Ἀργο)] 英雄たちを乗せる巨大な船
造ったアルゴスから名が取られ、50人の英雄 = アルゴナウタイ (Ἀργοναύται) が乗り込む
Artemis
アルテミス
(Ἄρτεμις) 狩猟と貞淑を司り、後に月の女神となった
本来の古代ギリシア神ではなく、寓話を取り入れたものと言われる
Atalanta
アタランテ
[アタランテー (Ἀταλάντη)] 神話人物の一人
優秀な女狩人であり、求婚するものに試練を与えた逸話が残る
Athena
アテナ
[アテーナー (Ἀθηνᾶ)] 知恵や芸術、戦略を司る女神
かつてギリシアで大戦が勃る以前から、守護神として祀られていた
Atlas
アトラス
[アトラース (Ἄτλας)] タイタン神族の息子でプロメテウスの兄
ゼウスによって蒼穹を支えることを命じられた
Atreus
アトレウス
(Ἀτρεύς) ミケーネの王で、アガメムノンとメネラオスの父
テュエステスの兄にあたり、王位を巡り騒乱を起こす
Atropos
アトロポス
(Ἄτροπος) 未来を司る女神
運命を操り、糸を切ることを役割としている
Bellerophon
ベレロポーン
[ベレロポンテース (Βελλεροφόντης)] 神話上の英雄
元は違う名前だが、兄弟のベレロスを殺してしまったことから "ベレロス殺し" の名になった
Boreas
ボレアス
[ボレアース (Βορέας)] 荒れ狂う北風の神
強力かつ粗暴で、法螺貝を携え翼を持つ髭を生やした老人として描かれる
Caduceus
カドゥケウス
[ケーリュケイオン (κηρύκειον)] [カジューシース とも] ヘルメスの携える伝令の杖
2匹の蛇に翼を持つ姿で、通商や交通のシンボルとして用いられる
Calchas
カルカス
[カルカース (Κάλχας)] 神話上の預言者
アガメムノンのギリシア軍に従事し、預言術で手助けをした
Carnus
カルノス
アカネイアの預言者の一人
ゼウスとエウロペの息子であるという話もあり、アポロンの信者
Cassandra
カサンドラ
[カッサンドラー (Κασσάνδρα)] トロイアの王女
アポロンに預言能力を授かるが、怒りを買い "カサンドラの預言を信じぬよう" という呪いを掛けられてしまう
Cerberus
ケルベロス
(Κέρβερος) ハデスの支配する冥界の番犬
主に三つ首の怪物として描かれ、ヒュドラ、キマイラなどと共に有名
Chiron
ケイロン
[ケイローン (Χείρων)] 半人半馬であるケンタウロス族の賢者
多くの神に学び、英雄に知恵を授けた 後に射手座となる
Cocytus
コキュートス
[コーキュートース (Κωκυτός)] ステュクス、アケロンなどと並ぶ冥府へと流れ込む川
"嘆きの川" を意味し、文や詩の題材として良く用いられる
Cyclops
キュクロプス
キュクロープス (Κύκλωψ)] / 英発音でサイクロプス
鍛冶技術を持つ単眼の巨人
Daedalus
ダイダロス
(Δαίδαλος) 神話人物の一人で、大工、発明家
蝋翼のイカロスの父で、ミノス王に "迷宮" (ラビュリントス) を作った
Deimos
デイモス
(Δεῖμος) / 英発音でダイモス
恐怖の神の一柱で、フォボス等と共にアレスに従属し戦った
Demeter
デメテル
[デーメーテール (Δημήτηρ)] ゼウスの姉にあたる豊穣神
人々に実りを与えるが、怒りを買うと飢餓をもたらすという
Diomedes
ディオメデス
[ディオメーデース (Διομήδης)] 神話上の英雄の一人、人間
神をも傷つける勇猛な戦士であると共に、政の才も発揮した
Dionysus
ディオニュソス
[ディオニューソス (Διόνυσος)] 豊穣、葡萄酒、酩酊を司る神
バッコス (Βάκχος) とも呼ばれ、人類に酒をもたらした
Dryads*1
ドリュアデス
(Δρυάδες) 木のニュンペーの複称 単数では[ドリュアス (Δρυάς)]
ドライアドの名で広く知られ、自らが宿る木の寿命が尽きると共にその生涯を終える
Elysium
エリュシオン
[エーリュシオン (Ἠλύσιον)] 英雄たちが死後を暮らす楽園
花が一面に咲き、空が広がる "エリュシオンの野" としてよく描かれる
Epeius
エペイオス
(Ἐπειός) 神話上の人物の一人
トロイア戦争に参加し、有名なトロイアの木馬作戦にも参画した
Erebus
エレボス
(Ἔρεβος) 幽冥を示す原初神
地下世界の神であるが故に、しばしば奈落の神タルタロスと混同される
Erysichthon
エリュシクトン
[エリュシクトーン (Ἐρυσίχθων)] 神話人物の一人で、特にトリオプスの子を指す
罰当たりにもデメテルの樫を切り倒した結果、生涯に渡り癒えぬ飢餓を命じられた
Eurydice
エウリュディケ
[エウリュディケー (Ευρυδίκη)] 森の木の下女神 (ニュンペー)
夫が冥府から帰還するために "振り返ってはいけない" 話が有名
Eurytos
エウリュトス
(Εὔρυτος) 神話人物に複数おり、特にオイカリアの王を指す
アポロンから授けられた弓術を、ヘラクレスに教えたという
Gaia
ガイア
(Γαῖα) / [ゲー (Γῆ) とも] 地母神であり、原初神の一柱
デルフォイの神託所は元々ガイアのものであったとされる
Geras
ゲラス
[ゲーラス (Γῆρας)] 原初の老年神
杖をつく老人とされ、ヘラクレスと共に描かれる姿が知られている
Gigantes
ギガンテス
(Γίγαντες) 巨人族を指す複称 単数では[ギガース (Γίγας)]
ウラノスの切り落とされた男性器の血から生まれたと言われ、エウリュトスもその一人
Gorgon
ゴルゴン
[ゴルゴーン (Γοργών)] 蛇の髪と猪の牙を持つ醜い女の怪物
凝視されたものは石になるとされ、有名なメドゥーサはゴルゴン三姉妹の一人
Hades
ハデス
[ハーデース (Ἅιδης)] 冥府の神 冥府が地下 (Chthonious) であることから、転じて豊穣の神でもある
プルートーン (Πλούτων) やクリュメノス (Κλυμένος) といった異名もある
Harmonia
ハルモニア
[ハルモニアー (Ἁρμονία)] 調和を司る女神
アレスとアフロディーテの子で、ハーモニーの語源とされる
Hecate
ヘカテ
[ヘカテー (Ἑκάτη)] 魔術、豊穣、出産などを司る女神
冥府の高位神であり、人類に叡智をもたらした
Hector
ヘクトール
(Ἕκτωρ) 英雄の一人、トロイア軍の戦士
防衛軍の総大将として指揮し、自身もまた勇猛に戦った
Helios
ヘリオス
[ヘーリオス (Ἥλιος)] 太陽を司る神
セレネの兄にあたる古い神で、後にアポロンと習合されるようになる
Hephaistos
ヘパイストス
[ヘーパイストス (Ἥφαιστος)] 炎と鍛冶の神 アフロディーテの最初の夫
ヴルカン/ヴァルカン (Vulcan) はローマ神話名で彼の事である
Hera
ヘラ
[ヘーラー (Ἥρα)] 結婚、母性、貞節を司る最高女神でゼウスの妻
神々の女王として権力を持ち、数々の英雄と相交わっている
Herakles
ヘラクレス
[ヘーラクレース (Ηρακλής)] アルケイデス (Ἀλκείδης) やアルカイオス (Ἀλκαῖος) と同一人物の英雄
ヘーラーの栄光 (クレース) を繋げてヘラクレスとなる
Hermes
ヘルメス
[ヘルメース (Ἑρμῆς)] 音楽、体育、発明、策略など多数を司る神
ゼウスの伝令を任され、羽付きの黄金のサンダル (タラリア) を履く
Hesione
ヘシオネ
[ヘーシオネー (Ἡσιόνη)] 神話上の女性
ヘラクレスがトロイアを征服した際、救済の代償としてヴェールを差し出した
Hespera
ヘスペラ
[ヘスペリアー (Ἑσπερια)] 黄昏時のニュンペーで、ヘスペリデス (ニンフ)
"夕方の女" を意味する名前で、この名前が付けられた小惑星も存在する
Hygeia
ヒュゲイア
[ヒュギエイア (Ὑγίεια)] 健康や衛生を司る女神
英語の"衛生学" (ハイジーン / hygiene) の語源と言われる
Hyperion
ヒュペリオン
[ヒュペリーオーン (Ὑπερίων)] タイタン神族の一柱
光明神であり、人々に天体や季節の概念を授けたという
Hypnos
ヒュプノス
(Ὕπνος) 眠りの神で、催眠 (ヒュプノーシス / Hypnosis) の語源
"死" を想起する兄弟は共に非情であるのに対し、ヒュプノスは温厚な性格であるとされる
Iris
イリス
[イーリス (Ἶρις)] 虹の女神 / 英発音でアイリス
ヘラの伝令を努め、その象徴とされる様々な物の語源になっている
Kairos
カイロス
(Καιρός) 機運の神
ゼウスの末子とされ、 "カイロス時間" (瞬的なもの) の語源とされる
Karkinos
カルキノス
[カルキーノース (καρκίνος)] ヘラクレスに退治された蟹の怪物
ヒュドラを助けようとして殺されてしまったのを哀れに思ったヘラが天に昇らせ、かに座となった
Ketos
ケートス
(κῆτος) ポセイドンによって作られたとされる海の怪物
狗の頭部と鯨の身体、魚の下半身を持ち、ペルセウスによって退治された逸話が有名
Lamia
ラミア
[ラミアー (Λαμία)] 神話上の怪物 (元は女性) 蛇の半身を持ち、子供を喰らう
ゼウスに惚れ込まれたがためにヘラの怒りを買い、怪物に変えられてしまった
Lampades
ランパデス
(Λαμπάδες) 冥界のニュンペーの複称 単数は[ランパス (Λαμπάς)]
ヘカテと共に、冥界を松明で照らす役割をしているという
Lethe
レテ
[レーテー (λήθη)] 冥界に流れ込む川の一つ
川の水を飲んだ者はすべてを忘れるといい、これにより現世の記憶をなくすものと言われていた
Machae
マカイ
(Makhai / Μάχαι) [マケー (Μάχη) とも] 戦に現れるデーモン
それぞれ戦乱、鬨の声、突撃などを司り他の戦争神に属した
Menelaus
メネラオス
[メネラーオス (Μενέλαος)] トロイア戦争に於けるギリシア軍の副大将、スパルタ王
戦役後に不死の能力を授かり、エリュシオンで余生を過ごしたとされる
Meriones
メリオネス
[メリオーネース (Μηριόνης)] 神話人物の一人
父親から貰い受けた兜を、オデュッセウスに託したとされる
Moirai
モイライ
(Μοῖραι) "運命の三女神"の呼称 単数では[モイラ (Μοῖρα)]
初めはそれぞれのモイラとして呼ばれたが次第に纏めて考えられるようになり、その役割を充てられるようになった
Morpheus
モルペウス
(Μορφεύς) 祖母ニュクス (夜) 、父ヒュプノス (眠り) を持つ夢の神
モルペウスは人の夢を形作ったり具象化を行うという
Myrmidon
ミュルミドン
[ミュルミドーン (Μυρμιδών)]
神話上の民族で、アキレウス率いる軍としてトロイア戦争に参加した
Nemean Lion
ネメアの獅子
[ネメアー (Νεμέα)] 現在のコリントス地方に在る谷に棲み人を襲ったとされる怪物
ヘラクレスによって斃された後、魂は獅子座へと昇った
Nemesis
ネメシス
(Νέμεσις) 義憤と罰の女神
神格として成立したのが遅く、逸話はあまり多くない
Nyx
ニュクス
(Νύξ) 原初神の一柱で、夜の女神
アイテール、カロン、タナトス、ネメシスなどの母にあたり、娘のヘーメラー(昼)と対を成す
Odysseus
オデュッセウス
(Ὀδυσσεύς) 叙事詩オデュッセイア (Ὀδύσσεια) の主人公
叡智の将として知られ、トロイアの木馬作戦の考案者である
Oneiros
オネイロス
(Ὄνειρος) 夢の神格化で、ヒュプノス (眠り) とタナトス (死) の兄弟であるとされる
生物に等しく訪れる死は、刈り取られるものではなく最後に与えられる眠りという考えもある
Orion
オリオン
[オーリーオーン (Ὠρίων)] 神話人物の一人、狩人
ポセイドンの子であるとされ、死後は昇りオリオン座となった
Ouranos
ウラノス
[ウーラノス (Ουρανός)] 原初の天空神、天王星 (ウラヌス) の語源
ガイアの息子であり夫で、タイタン12神をその間にもうける
Panacea
パナケイア
(Πανάκεια) 癒しを司る女神
全癒の象徴であり、 "万能薬" (panacea) の語源となっている
Patroclus
パトロクロス
(Πάτροκλος) 神話人物の一人で、アキレウスの友
アキレウスに代わりトロイア戦争に出陣し、ヘクトールによって討死した
Peleus
ペレウス
[ペーレウス (Πηλεύς)] 神話上の英雄で、アキレウスの父
女神テティスと婚姻し宴を開いたが、この時の諍いが後にトロイア戦争の火種となる
Penelope
ペネロペ
[ペーネロペー (Πηνελόπη)] イタケーの王であり、オデュッセウスの妻
竹取物語に於けるかぐや姫の様に多くに求婚されたがすべて断った事から貞淑の象徴ともされる
Persephone
ペルセポネ
[ペルセポネー (Περσεφόνη)] ハデスの妻で冥界の女王
冥府の柘榴を食べてしまったが為に、そこから四季が始まったという
Phobos
フォボス
[ポボス (Φόβος)] 敗走、恐怖、混乱の神
アレスの息子で共に戦場を駆け、恐怖症 (フォビア / phobia) の語源となった
Phonoi
フォノイ
(φόνοι) 戦争に於ける略奪、殺害、虐殺などの神格化
アンドロクタシアイが戦いの虐殺を演出し、彼らはその "外" での事を担当したという
Phorkos
ポルキュス
[ポルキュース (Φόρκυς)] 海神の一柱
ガイアとポントスの子で、ゴルゴン等の父とされる
Prometheus
プロメテウス
[プロメーテウス (Προμηθεύς)]
人類を創造し、神命に背き "火" を与えたと言われている
Siren
セイレーン
(Seiren / Σειρήν) 上が人間の女、下が鳥もしくは魚の半身を持つ怪物
歌声で航海者を惑わし、様々な災難に遭わせる
Talos
タロス
[タロース (Τάλως)] クレテ島を護るために作られた青銅の自動人形
ヘパイストスもしくはダイダロスが造ったと言われ、血管の一つには神の血が流れている
Tartaros
タルタロス
(Τάρταρος) 原初神の一柱であり、奈落そのもの
冥界より遥か下方の存在で、後に "地獄" として扱われる
Telamon
テラモン
[テラモーン (Τελαμών)] 数々の戦に関わった英雄の一人
ヘシオネを妻に迎え、後にトロイア戦争の英雄となるテウクロスをもうける
Telchines
テルキネス
[テルキーネス (Τελχῖνες)] アテネの南東に位置するロドス島の精
半獣人でクロノスの鎌を鋳造したとされ、恐らくTQに於けるテルキン (Telkine) の語源
Tereus
テレウス
[テーレウス (Τηρεύς)] 神話人物の一人
アレスの息子で、トラキアを治めたとされる
Teucer
テウクロス
(Τεῦκρος) 神話人物の一人で、特にテラモーンの子を指す
大アイアースなどと共にトロイア戦争にて、弓術を用いて活躍した
Thanatos
タナトス
(Θάνατος) 死を司り、また死そのもの
有翼の神として描かれ、タルタロスにその館を構えていると言われる
Theseus
テセウス
[テーセウス (Θησεύς)] 神話英雄の一人で、アテーナイ (現アテネ) の王
当時アテーナイを実効支配していたミノス王の息子、ミノタウロスを退治した物語が有名
Thyestes
テュエステス
[テュエステース (Θυέστης)] 神話人物の一人
ミケーネ王位を巡って兄を陥れようと画策し、様々な悪事を為した
Tiresias
テイレシアス
[テイレシアース (Τειρεσίας)] テーバイに仕える盲目の預言者
諸説あるが、神罰として盲目となった際、代わりとして預言能力を授かったという
Triton
トリトーン
[トリートーン (Τρίτων)] ポセイドンの息子である海神
海そのものを象徴し、その法螺貝でギリシアの洪水を鎮めたという
Typhon
テュポン
[テューポーン (Τυφών)] 神にして最大となる怪物たちの王
タイフーン (Typhoon) は彼の名が語源であると言われる
Zeus
ゼウス
(Ζεύς) 全知全能の主神であり、天空と宇宙を司る
タイタン神族のクロノスとレアの末子で、ポセイドンとハデスは兄にあたる


エジプト神話

(Act2)

名称内容
Ammit
アメミット
神話上の幻獣の一種
ワニの頭部、獅子のタテガミと上半身、カバの下半身を持ち咎人の心臓を貪り食らうという
Amun-Ra
アメン-ラー
[アメン (Ἄμμων)] 大気神および太陽神
長きに渡りラーと習合し、最高神として奉られた
Anubis
アヌビス
(Ἄνουβις) 冥界アアルの神 死者を測る者
犬もしくはイヌ科の頭部を持つ、オシリスの子
Heka
ヘカ
古代エジプトに於ける魔術のこと 英語のMagicに相当する
ペレ エム ヘル (死者の書) によればそれなくして神も力を行使することはできなかったと言う
Horus
ホルス
(Ώρος) 天空神であり太陽神 隼の頭部を持つ姿が有名
同名神がおり、時代が経つにつれ習合されたと考えられる
Isis
イシス
(Ἶσις) ナイルを治める豊穣神
古代ギリシアに於いてはデメテルやアフロディーテと同一視されることもある
Nephthys
ネフティス
夜を司る女神
セトの妻であるが、オシリスと不倫したことで生まれたのがアヌビス
Onuris
オヌリス
[アンフル (Anhur) とも] 戦争の神
古代エジプト軍を支え、ギリシアではアレスと同一視される
Osiris
オシリス
(Ὄσιρις) 生産の神 イシスの兄であり夫
セトに謀殺された後、アヌビスを継ぎ冥界の王となる
Renunutet*2
レネヌテト
乳母の女神
運命や富を司り、コブラの頭部を持つとされている
Set
セト
(Seth / Σήθ) 砂漠、異邦、嵐などの神 バアル (Baal) と同一視されることもある
またタイフォン (Typhon) も彼の異名の一つである
Sphinx
スフィンクス
[スピンクス (Σφίγξ)] エジプト神話を基に他の神話にも登場する神像/怪物
女性の顔とライオンの体躯を持ち、謎解きを好む
Thoth
トト
[トート (Θωθ)] 知恵、時、創造などを司る神
長く信仰されたため習合を繰り返し、様々な逸話が存在する
Udjat
ウジャト
[ウアジェト (Wadjet)] 誰もが一度は見たことが有るであろう眼のシンボル
総合してホルスの目と呼ばれ、左が「ウアジェトの目」、右が「ラーの目」と呼ばれる


東洋神話

(Act3)

名称内容
Djinn
ジン
(جن,) アラブに於ける超自然体 (精霊, 妖怪, 魔神 等) の総称
英称はジーニーで、アラビアン・ナイトの話が有名
The Dragon-Kings
龍王
[リュウオウ] ルーツとなる仏教と、道教では全く異なる概念を持つがどちらも神格
また日本では水神の化身とされ、竜宮様と呼ばれる
Guan-Yu
関羽
[カンウ] 美髯公の異名を持つ、三國志の代表的な武将
義理堅く、その死後に於いては神格化され祀られている
Ishtar
イシュタル
[イシュタール, イナンナ とも] メソポタミア神話に於ける愛と美の女神
戦や豊穣、明星神でもあり、アフロディーテの基とされる
The Jade Emperor
玉皇上帝
[ギョクコウ ジョウテイ] 道教の最高神であり、天地人すべてを支配する
古くは帝 (みかど) 信仰からなるもので、現在も崇拝されている
Li-Nezha
哪咤
[ナタ] ヒンドゥー教などの登場人物
狡猾な少年神で、乾坤圏や混天綾などを操る
The Monkey King / Sun-Wukong
孫悟空
[ソン ゴクウ] 西遊記のメインキャラクターの一人であり、道教の神
如意棒を操り、斉天大聖の名で崇められる
Shen-Nong
神農
[シンノウ] 古代中国伝承に登場する帝の一人
人々に食物の選別や農耕、医療などを教えたと言う
Shiva
シヴァ
(शिव) ヒンドゥー教に於ける3最高神の一柱
破壊を司る神で、特にシヴァを篤く信仰する一派をシヴァ教という
Yen-Lo-Wang
閻魔大王
[エンマ ダイオウ] 原語では ヤマ-ラージャ (Yama-Raja) / 仏教やヒンドゥー教に於ける冥界の王
死者を裁く神であり、日本では地蔵菩薩の化身とされる


コメント

  • 物凄く軽い気持ちで纏め始めたのは良い物の、凄まじい数で引っ込みが付かず既に後悔中……。 -- 前管理者? 2016-09-26 (月) 19:16:14

*1 この綴りは英名のドライアドから取られているもので、ギリシア語の場合はDryades
*2 正しくは Renenutet