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人格ストーリー
人格/ファウスト/ワザリング・ハイツバトラー
(▌=???)
▌それでは、これで失礼します。お食事をお楽しみ下さい。
上品な音楽と照明が備わった食堂。
一目見ただけでも高級な素材で身を包んでいることが分かる人たちに向かって軽く黙礼をした子供は、子供が従っているチーフバトラーがやっているように音のない後ずさりで部屋を出た。
▌…ふぅ。
ドアを完璧に閉め、その空間から数歩離れてやっと子供は小さな溜め息を吐くことができた。
その中でどんな話が交わされているのか、子供は知っていたから。
狼狩り。
エドガー家とワザリングハイツのバトラーたち···。そしてエドガー家の継承者とそのチーフバトラーが謀議しているある種の戦闘に名前をつけるなら、きっとこうだろう。
かつてワザリング・ハイツに押し込められて育てられた人物が、今や没落と滅亡を連れ、亡者のような軍勢を率いて家へ向かって帰郷しているという便りがまさにその計画の発端だったはず。
複雑な利害関係で絡まった彼らがこうやって手を取り合っているのも、きっとこのせいだろうね。
▌…お二人が会談されています。
▌うむ。
▌応対に問題は・・・なかっただろうな。あえて聞かずとも、君が私を失望させたことはなかったから。
▌高い評価、ありがとうございます。
▌適切な評価をしたまでだ。ところで…。
チーフバトラーは鋭い目でどこかに向かって歩いていくと…。
ゆっくりと、しかし冷ややかにそして淡々とドアの枠の狭い隙間を指先でなぞった。
▌・・・まだ他のバトラーは教育が必要そうだな。
その指先には、拭き残された血痕が残っていた。
ゲストが来る前に応対していた招かざる客との戦いの痕がまだ処理し切れてなかったみたい。
▌・・・申し訳ございません。
▌君は厨房を担当するバトラーだから、謝る必要はないだろうに。
▌ただ・・・清潔を担当するバトラーたちへ私の意見を周知させる仕事を引き受けてくれる必要はありそうだな。
▌承知いたしました。
▌そうだな。そろそろ降りるのはどうだ。狩りのための訓練が進んでいるんだろう。
▌はい、全てはおっしゃった通りに進行中です。
子供は軽く挨拶をして、どこかへ向かって歩いていった。
長らく歩き回って辿り着いたへんぴな場所にあるドアを開け、階段をゆっくり降りると…。
▌あぁ、ファウスト様。
四方に血塗れになっている、薄暗い地下室が子供を出迎えた。
でも、子供にとっては見慣れた状況らしく眉毛をピクリともさせずにゆっくりと口を開いた。
▌招かざる客を利用した交戦訓練は支障なく進められていますか?
▌はい。ウーティス様のおっしゃった戦法を身につけるのもほとんど終わりました。
▌そうですか。このまま続けて下さい。
▌あぁ、それと…。
▌ウーティス様から「後始末」に関してご指摘がありました。
▌あっ、あ…。
▌見えない隙間の血痕にも留意して下さい。ご訪問なさるゲストが不快に思わぬように。
▌はい・・・気をつけます。
▌それでは…。
子供は簡単な注意をして、その隊列に混ざるのが当然かのようにトーションを拳に巻いて握りしめながら、奥の暗い区域へと歩いていった。
その中は走る音や投げる音、斬られ引き裂かれる音で満たされていた。
…すぐに新しい高さの音が合わさって、その音は鳴り響き続いた。
人格/ヒースクリフ/ワイルドハント
降る雨は凍(しば)れるほどに痛い。
雨粒には過去の記憶たちが宿っているから。あの人に拾われたときから、その邸宅の面々が毎日オレに刻み込んだ記憶たちが。
だから、オレは降りつけてくるにわか雨をあえて防ごうとしたことは無かった。
記憶が刺激されるたび、その八つ裂きにして殺すべき奴らに復讐をしなければならないという事実を絶えず想起させることができたから。
…あの邸宅に傘が無かったわけではない。
雨粒が肌に染み入ろうとしたとき、一時の安息と幸せをくれた傘。
その傘には、キャサリンという名前がついていた。
もしかすると、この雨を全て避けることはできずとも濡れた服を乾かせさえすれば生きていくのも悪くないと思えたのではないだろうか。
そう錯覚させてくる傘だった。はぁ。笑えもしない。そんなもの、いっそ無かった方が良かった。
結局は他人のために開いてやった傘だったんだ、托鉢するかのように一瞬だけ差し出したんだ…。
オレのためだと、愛しているんだという虚しい妄想をしたという事実に屈辱と、恥を感じた。
二度と傘を望まないと決心した。
ただ…オレに篠突く雨を降らせたその邸宅の人間たちへ血が噴き出し、骨が突き抜ける鋭い嵐をお見せしてやろう。
その瞬間、俺*1の人生の理由はそれ以外無くなってしまった。
…この森は高く、静かな場所だ。
嵐が吹き付ける瞬間にもあのクソでかい邸宅がありありと見える、鬱蒼とした森。
確かな目的が前にあるとき憎悪は薄れること無く、そして余すこと*2オレを満たしてくれる。
時にはバトラーたちが洗濯物を干したり、外部の客が晩餐を楽しみに出入りするのを見て、楽しかった瞬間を時々思い出すこともある。
事あるごとにブツブツ文句を言うような口調だったが、邸宅の誰よりもオレの面倒を見てくれたチーフバトラーの姿も時々思い出す。
…いや、こんなものは幻想だ。
地獄のような時間が過去になりながら思い出になり、遂にはそれを楽しかったものだと錯覚させる弱い、弱い心の方便だ。
全て消し去れば良い、全て消し去れば…過去と記憶を丸ごと消し去ってしまえばこんな動揺も終わるだろう。
どちらにせよ…キャサリンという名の傘は死んでいる。
いまや本当に一瞬すら、あの邸宅でオレが休める場所はないだろうから。
この剣を得た日だっただろうか、あるいは無数のオレに会ったり覗き込んだりしたあの日だっただろうか。
あるいはお坊ちゃんの邸宅を攻撃したとき、斬り裂きながら数多くのバトラーたちの死体を作った日だっただろうか。
オレは倒した奴らから服従の魂を縛り付ける方法に気付いた。
誰にも教わっていなかったが、無数の世界のオレがそんな者を引き連れているからオレも当然、それと似たものに変化したんだろう。
この者たちの絶えぬ憎悪と怨声が聞こえてくる。だが、それと共にオレに忠誠を捧げるしかない不合理な図はかなり笑えるものだった。
ワイルドハントの行列を率いて、お坊ちゃんの役立たずな腕を喰いちぎり。
オレは、オレ自ら主催する晩餐があの邸宅で行われるであろうと声高に宣言した。
猶予は充分に与えよう。
腕を失った分だけ、オレに憎悪を積み上げたであろうあのお坊ちゃんのレイピアはどれだけ鋭いのだろうか。
既に死んだ奥様を一日中探しているチーフバトラーのトーションはどれだけ固いのだろうか。
裏切りを感じている元保母の怒声がどれだけ頭を揺らすだろうか。
あらゆる準備を終えてから晩餐にオレを受け入れてこそ、オレの復讐の真骨頂を見せられるだろう。
充血した眼と、思いっきり膨れ上がった血筋を露わにしながらオレとオレの作った行列に立ち向かうことを望んでいる。
そしてオレは果ての果てに奴らを全員ぶっ潰し…。
嵐の吹き付けるあの丘の上で、全てが粉々に壊れた様子を見てこそオレは残されたキャサリンに再会するだろう。
そして、それまでのオレの哀しみと…怒りを…。
折れてしまった傘の前へと心の中身を全てぶちまけ、叫んでやる。
また、残した未練と復讐の成功も叫ぶだろう。
全ての悲劇の始まりであったワザリング・ハイツをついにぶち壊したと。
お前も…お前も…。
あのクソッタレな邸宅さえ無ければ幸せになれたんじゃないのか、と。
降る雨は凍(しば)れるほどに痛い。
雨粒には過去の記憶たちが宿っているから。あの人に拾われたときから、その邸宅の面々が毎日オレに刻み込んだ記憶たちが。
だから、オレは降りつけてくるにわか雨をあえて防ごうとしたことは無かった。
記憶が刺激されるたび、その八つ裂きにして殺すべき奴らに復讐をしなければならないという事実を絶えず想起させることができたから。…あの邸宅に傘が無かったわけではない。
雨粒が肌に染み入ろうとしたとき、一時の安息と幸せをくれた傘。
その傘には、キャサリンという名前がついていた。
…あの邸宅には、傘といえるものも無かった。
雨粒が肌に染み入ろうとしたときも、薄く小さな布でさえそれを撥(はじ)くことはできなかったのだから。
もしかすると、この雨を全て避けることはできずとも濡れた服を乾かせさえすれば生きていくのも悪くないと思えたのではないだろうか。そう錯覚させてくる傘だった。はぁ。笑えもしない。そんなもの、いっそ無かった方が良かった。
結局は他人のために開いてやった傘だったんだ、托鉢するかのように一瞬だけ差し出したんだ…。
オレのためだと、愛しているんだという虚しい妄想をしたという事実に屈辱と、恥を感じた。
二度と傘を望まないと決心した。
そんな錯覚なぞ、この人生でたったの一回ですら覚えるなという風にな。
はぁ。むしろ良かった。そういうものが無いおかげでオレのこの復讐心はより鮮明になるのだから。
既に、復讐を決心することになった記憶のいくつかは喪われてしまった。
確かに邸宅を出て、この場所を潰して無惨な姿にしてやると思うようになった決定的な切っ掛けがあったはずだが…。
いや、こんなことを考え続けても意味はない。決定された以上、復讐は達成すべき目標でしか無いから。
ただ…オレに篠突く雨を降らせたその邸宅の人間たちへ血が噴き出し、骨が突き抜ける鋭い嵐をお見せしてやろう。
それだけでいい。俺*3の人生の理由はそれだけで十分だ。
…この森は高く、静かな場所だ。
嵐が吹き付ける瞬間にもあのクソでかい邸宅がありありと見える、鬱蒼とした森。
確かな目的が前にあるとき憎悪は薄れること無く、そして余すことなくオレを満たしてくれる。
時にはバトラーたちが洗濯物を干したり、外部の客が晩餐を楽しみに出入りするのを見て、楽しかった瞬間を時々思い出すこともある。
事あるごとにブツブツ文句を言うような口調だったが、邸宅の誰よりもオレの面倒を見てくれたチーフバトラーの姿も時々思い出す。
…いや、こんなものは幻想だ。
地獄のような時間が過去になりながら思い出になり、遂にはそれを楽しかったものだと錯覚させる弱い、弱い心の方便だ。
どうせ彼らと過ごした記憶は、既に白く濁った霧のように薄れているから。
その記憶の中に、オレしかいなかったわけじゃ無かった気がするが…確かに…。
いや、もういい。全て消し去れば良い、全て消し去れば…過去と記憶を丸ごと消し去ってしまえばこんな動揺も終わるだろう。どちらにせよ…キャサリンという名の傘は死んでいる。
どうせ…要らない記憶だったんだろう。全て美化されたんだろう。
いまや本当に一瞬すら、あの邸宅でオレが休める場所はないだろうから。
この剣を得た日だっただろうか、あるいは無数のオレに会ったり覗き込んだりしたあの日だっただろうか。
あるいはお坊ちゃんの邸宅を攻撃したとき、斬り裂きながら数多くのバトラーたちの死体を作った日だっただろうか。
オレは倒した奴らから服従の魂を縛り付ける方法に気付いた。
誰にも教わっていなかったが、無数の世界のオレがそんな者を引き連れているからオレも当然、それと似たものに変化したんだろう。
この者たちの絶えぬ憎悪と怨声が聞こえてくる。だが、それと共にオレに忠誠を捧げるしかない不合理な図はかなり笑えるものだった。
ワイルドハントの行列を率いて、お坊ちゃんの役立たずな腕を喰いちぎり。
オレは、オレ自ら主催する晩餐があの邸宅で行われるであろうと声高に宣言した。
猶予は充分に与えよう。
腕を失った分だけ、オレに憎悪を積み上げたであろうあのお坊ちゃんのレイピアはどれだけ鋭いのだろうか。
既に死んだ奥様を一日中探しているチーフバトラーのトーションはどれだけ固いのだろうか。
裏切りを感じている元保母の怒声がどれだけ頭を揺らすだろうか。
あらゆる準備を終えてから晩餐にオレを受け入れてこそ、オレの復讐の真骨頂を見せられるだろう。
充血した眼と、思いっきり膨れ上がった血筋を露わにしながらオレとオレの作った行列に立ち向かうことを望んでいる。
そしてオレは果ての果てに奴らを全員ぶっ潰し…。
嵐の吹き付けるあの丘の上で、全てが粉々に壊れた様子を見てこそオレは残されたキャサリンに再会するだろう。見ながら何も残っていないであろうあの地面の上に立っているだろう。
そして、それまでのオレの哀しみと…怒りを…。折れてしまった傘の前へと心の中身を全てぶちまけ、叫んでやる。
…確か。
これを誰かに…吐き出すつもりだったはずなのに。
また、残した未練と復讐の成功も叫ぶだろう。
全ての悲劇の始まりであったワザリング・ハイツをついにぶち壊したと。
お前も…お前も…。
あのクソッタレな邸宅さえ無ければ幸せになれたんじゃないのか、と。
それだけじゃない…。
何かのために必死でやってきたことが…。
雨が…また降りつけてくるな。
そうだ、こんなに鋭い雨粒に当たっても思い浮かばないということは。
オレが今思い浮かべている過去の痛みに比べると限りなく些細なことに過ぎないということだろう。
だから、気にしない。
邸宅の一握の灰にしてしまえば思い出せるかもしれない。
…思い出せなくとも、復讐を果たすことで目標を達成することになるから。
…鏡はもしかしたら、嘘で満ちているのかもしれない。
ここに来て記憶に残るのは…結局のところ誰かが言っていた、いつかの一言だけだ。
人格/ウーティス/ワザリング・ハイツチーフバトラー
▌仰せの通り、お茶をご用意いたしました。邸宅の温度がかなり寒いので、冷めないうちにお召し上がりください。
子供はテーブルに触ったのかも分からないくらいの繊細な手つきで、何の音や振動もなくそのティーカップを置いた。
その一方で、礼儀を弁えた手と少し曲げられた腰は微動だにしなかった。
毎日のようにそのティーカップを受け取った者にとっては、大したことない一つの行動かもしれないが、子供を初めて見る人は誰であれすぐに悟ることができたはずだ。
この子は高度に熟練したバトラーだという事実を。
▌…。
▌それでは、わたくしは本日招待予定であったゲストを迎えるための指示業務がありますので…失礼いたします。
何も言わず、持っている紙に集中していた者に丁寧に挨拶をすると子供は後ずさりしてその部屋を出て廊下に立った。
もちろん、ドアを閉める気配さえほぼ感じられない滑らかな動作でね。
▌ウーティス様。
廊下には、すでにもう一人の子供が待っていた。
▌うむ、ファウスト。
▌ゲストを迎える準備に支障はないだろうな。
子供は、その子供が待っていることは当然だというように頷き、すぐに廊下のどこかへと向かって歩いて行った。
既に何度も呼吸を合わせたことがあるかのように、待っていた子供も優しくそばに付き添って一緒に歩いていったんだ。
▌ウーティス様が指示された事項はすべて終わりました。
▌ヂェーヴィチに依頼した品物もまた遅滞なく全て受け取り、本日の晩餐に問題なく活用されるでしょう。
▌相変わらず素晴らしい仕事ぶりだ。
▌しかし褒めはしない、ファウスト。理由はよく分かっているな?
少しは心が傷ついてしまいそうな口調と表情だが、後を追う子供の表情には何の変化もない。
当たり前すぎる日常の光景だからなのかな。
▌はい。この地に帰属した…ワザリング・ハイツのバトラーなら、あまりにも当然のことです。
▌そうだ、また…。
子供は片目に着けたモノクルをカチャつかせながら話を続けた。
▌奥様に使えるバトラーであるならば、むしろそうでない姿は醜態でしかないだからだ
▌…よく理解しております。
▌うむ。いいだろう。奥様にお前の忠直な態度を必ず伝えておこう。
…子供が言う奥様という者はもう逝去して長いけど、子供はまだ奥様の声を聞いてるみたいだね。
奥様を記憶して、追慕してるだけだと思うにしても…たまに、どこかにいる奥様と本当に会話をしてるかのように行動してるんだ。
子供に従う他のバトラーたちもやっぱり、こんな状況がおかしいってことくらいみんな知ってたけど、進言できる人は誰もいなかった。
チーフバトラーという座は、それほどの位置だから。
後を追っていた子もそんなことを考えながら、階段を一緒に下り始めた。
▌あのチーフバトラーが連絡をしてきたらしいな。
▌エドガー家に行ってしまった…良秀…様のことですね。
▌ふむ、あの者がこの邸宅を出てからもう結構な時間が経っているではないか。様は省略するように。
▌…チーフバトラー良秀が、じきに狼の狩りを始めると言いました。
▌あの野良犬が今や狼になったか。このワザリング・ハイツと奥様の名前を汚す者が自らの足で歩いて帰ってくるなぞ。手間がかなり省けるな、ファウスト。
▌……。
子供の目が細くなった。
▌問題でもあるか。
▌…あの人は、この狩りを計画するエドガー家の良秀と極めて親しい間柄だと聞きました。
▌そのような感情がこの計画に支障をきたすかどうか、ファウストは心配です。ファウストも初めて経験する状況ですので。
▌ふん。簡単なことだ。
子供は後を追っていた子供の焦った声をまるで大したことではないかのように笑い流してしまった。
▌この地を捨てて主人について行ったのは釈然としないが、腐っても鯛。チーフバトラーは腐ってもチーフだ。
▌そんな大事なことに旧交を持ち出して来るだなんて、馬鹿な話だ。むしろ自分が終らせるべき仕事だから、より執拗で、より忠実に狩りへと臨むだろう。
▌…そうですか。
二人の会話がちょうど終わりかけた頃、階段の終わりにある巨大な邸宅の玄関に辿り着いた。
そして既にその空間は、列を揃えて待機している邸宅のバトラーたちでいっぱいだった。
▌面白いな、これは何だ?
▌…晩餐前、招待していない客が到着したようでしたので準備いたしました。
▌そうか…狩りを始める前に身体を解すとするか。
子供は並んでいるバトラーたちの前に進み、背筋をまっすぐ伸ばした。
その前には邸宅と似つかわしくない部外者数人が武器を出していたが、子供は気にも留めなかった。
▌さて、おもてなしが遅くなり申し訳ありませんでした。異邦人よ。
▌失礼ですが、当家は現在招待されていない者をお迎えしてはおりません。
その言葉を合図に、バトラーたちはそれぞれ攻撃の準備をし始めた。
子供もトーションを片手に巻き付けて…こう言ったんだ。
▌それでは、招かざる客はご退去願いします。
台詞
人格/ファウスト/ワザリング・ハイツバトラー
| 人格獲得 | 失礼いたします。当家でご用意しましたアフタヌーンティーです。ごゆっくり。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 朝食は簡単にカスタードと、それに合わせるワインをご用意いたしました。食後の紅茶もご用意いたしますので、ゆっくりお楽しみください。 |
| 昼の挨拶 | この邸宅には陽光があまり入りません。ウーティス様のご命令通り、薪ストーブの火力を上げました。近くに来て身体をお温めください。 |
| 夕方の挨拶 | 寒さに耐えられるアヒルの羽毛が入った寝具を用意するように言われました。では、良い夜を。私たちは狩猟関係の会議に召集されていますので。 |
| 対話1 | ウーティス様は私たちの代わりに、奥様と沢山のコミュニケーションを取っていらっしゃいましたね。次の日になっても、その話が絶えないまま続くこともありました。 |
| 対話2 | 本日地下が…少し騒がしくなるかもしれません。狩りに備えてバトラーたちの手合わせの時間がありますので、金属音が鳴り響いてもご安心するようにお願い申し上げます。 |
| 対話3 | お茶はヂェーヴィチ協会を通じてお届けする最上級の茶葉を、全く崩さない方法で準備しておもてなしいたします。先代から絶えぬ、このワザリング・ハイツを代表する茶です。 |
| 同期化後の対話1 | あぁ、多少騒がしかったですか。申し訳ございません。今回の招かざる客は多少暴れる傾向にあり…退去させるにあたって少々骨の折れる部分がございました。何卒、ご理解いただけますと幸いです。 |
| 同期化後の対話2 | 勿論、招かざる客の対応で生じた破損品や汚れは、掃除を担当するこの邸宅の優秀バトラー達が解決するでしょう。ご主人は心配いりません。全ては、事が起こる前へと戻るはずです。 |
| 放置 | …思索に私が邪魔なのであれば、しばらく席を外させていただきます。 |
| 同期化進行 | …訪問客のお方はこちらへ。僭越ながら、招待されていらっしゃらない方は…すぐに退去の手続きを踏んでいただく必要がございます。 |
| 人格編成 | お呼びであればいつでも。 |
| 入場 | ファウストが出迎えましょう。 |
| 戦闘中の人格選択 | 不都合なことでも? |
| 攻撃開始 | …こちらへ。 |
| 敵混乱時 | 品性が方正ではないですね。 |
| 混乱時 | はっ…。 |
| 敵討伐 | 即時、ご退去ください。 |
| 本人死亡 | 申し訳ございません…ウーティス様、奥様。私に与えられた仕事を…。 |
| 選択肢成功 | 簡単です。 |
| 選択肢失敗 | また未熟な部分があるとは…。 |
| 戦闘勝利 | 招かざる客の対応を完了いたしました。まだ、あの日の狩りを実施するには少し足りない部分がありますね。補います。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 完璧に対応しました。この勢いで…チーフバトラーが計画する狩りまで成功裏に完遂してみせましょう。 |
| 戦闘敗北 | 申し訳ございません。応対に問題が生じたようです。…次はご心配をおかけしないよう最善を尽くします。 |
人格/ヒースクリフ/ワイルドハント/6章前
| 人格獲得 | 再び舞い戻ってきた。キャサリンと…あの八つ裂きにすべき邸宅の奴らと対峙しに。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 森の朝は早い…。悪夢を見て目覚めたときは殊更だ。いつもキャサリンが消えてしまう悪夢を見る。オレは、いつも…。 |
| 昼の挨拶 | そろそろか…あのか弱いお坊ちゃまが昼の紅茶をご馳走になってるだろう。クックッ…喰いちぎられた片腕じゃかなり不便だろうよ? |
| 夕方の挨拶 | 晩餐に招待されたことはないが、よくキャサリンがオレに晩餐会場の料理を持ってやってきてたな。 …今になっては全てつまらぬ、昔の記憶に過ぎないが。 |
| 対話1 | 丁度良い、時計か…。もうじき「約束」の時間が来るだろうから、その目安にはぴったりだ。キャサリンは昔から待たされるのが大の嫌いだったから。 …こんな風に変わってしまったオレを、本当に歓待してくれるかは分からないが。 |
| 対話2 | ここは森にしては静かだ…。近辺のものは全て食い尽くしたからな。そんな静けさの中にいると、突然…キャサリンが思い浮かんで…すぐどうにもできないほどに沈んでゆく。 |
| 対話3 | 幼い頃にオレの面倒を見ていた奴がいた…いつであれこうやって向き合うことになるんだな。でも最後は、最初とは反対にオレが膝元に置いてやろう。 |
| 同期化後の対話1 | はっ、殆ど快楽に至ってると言ってもいいだろう!この怒りに身を任せる時間は! お前も、オレも何も考える必要は無い。ただ嵐が吹き荒れるこの丘の上で決着を付けるのだ! 最後に絶壁の上に立っているのは一体誰になるのだろうな。 |
| 同期化後の対話2 | オレの怒りが向かう場所ははっきりしている。何よりも…強いオレの生きる動機、動力だ。オレの胸まで引き裂いたお前と…その出逢いの種になったワザリング・ハイツの完璧な没落をこの目で見てやろう! |
| 放置 | オレのキャサリンがこの世を去った日、オレも死んだんだ。 |
| 同期化進行 | 約束した晩餐の日でもあり、狩りの日でもある時が来た。毛先の感覚でも分かるな。今日…ワザリング・ハイツがズタズタに引き裂かれるということが。 |
| 人格編成 | この音は…嵐か…。まるでキャサリンが泣き叫んでいるようだな…。 |
| 入場 | ワイルドハントよ…。 |
| 戦闘中の人格選択 | (狂気に満ちた笑い声)*4 |
| 攻撃開始 | 首を差し出すがよい…! |
| 敵混乱時 | 嵐の中で…。 |
| 混乱時 | 続けるが良い!この嵐が収まるまでな! |
| 敵討伐時1 | 埋もれて眠れ。 |
| 敵討伐時2 | 悲鳴を上げろ。 |
| 敵討伐時3 | 引き裂いてやろう。 |
| 本人死亡 | 死んでも…オレは…再び…。 |
| 選択肢成功 | 狩りのためならば…。 |
| 選択肢失敗 | 狩りが失敗したか…。再び足の爪を鋭く研ぎ澄ますだけだ。 |
| 戦闘勝利 | まだだ、まだ足りない。ワイルドハントよ、更に前へ!キャサリンへオレの愛の絶叫が届くまで…! |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 決着がついたぞ!これ以上嵐の音に歯軋りする必要も、キャサリンの夢を見て悲しみに暮れる必要も無い!全て、全て…終わらせて…しまったのか? |
| 戦闘敗北 | なんと滑稽なザマだ…どうでも良い。オレは再び戻ってくる。ワザリング・ハイツを丸ごと貪り喰らうその時まで。 |
人格/ヒースクリフ/ワイルドハント/6章後
| 人格獲得 | この怒りがいつから始まったのか、理由は何だったか…。 ああ、知る必要はない。ただアイツらを八つ裂きにすれば良いだけだ。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 森の朝は早い。邸宅の朝も同じだ。復讐を果たすための練習の場に、これほど相応しい場所は他にない。 |
| 昼の挨拶 | そろそろか…あのか弱いお坊ちゃまが昼の紅茶をご馳走になってるだろう。クックッ…喰いちぎられた片腕じゃかなり不便だろうよ? |
| 夕方の挨拶 | 晩餐に招待されたことはない。願ったこともない。だが…中々楽しそうには見えたな。 どれ…オレが帰っても、あの笑いが続くか見物だな? |
| 対話1 | ふむ…時計を見ても、特に役に立ちそうとは思えない。時間を忘れてかなり久しいからな。 ただ…どうしてかは分からないが、じきに「約束」の時間が近づいてきているような気がするな。 |
| 対話2 | ここは森にしては静かだ…。近辺のものは全て貪り尽くしたからな。 そんな静けさの中にいると、突然…何かが浮かんで消えるんだ。とても、気持ち悪い感覚だな。 |
| 対話3 | 幼い頃にオレの面倒を見ていた奴がいた…いつであれこうやって向き合うことになるんだな。でも最後は、最初とは反対にオレが膝元に置いてやろう。 |
| 同期化後の対話1 | はっ、殆ど快楽に至ってると言ってもいいだろう!この怒りに身を任せる時間は! お前も、オレも何も考える必要は無い。ただ嵐が吹き荒れるこの丘の上で決着を付けるのだ! 最後に絶壁の上に立っているのは一体誰になるのだろうな。 |
| 同期化後の対話2 | 気になるときがある、オレはどうしてこの邸宅にこれほどにまで縛られていたのか…お前は確実に知ってそうな眼をしているな。 首を刈って眼を抉り出し覗き込めば、オレにも少しはその理由が分かるだろう。理由を知ったとしても変わることは無いだろうが。 |
| 放置 | 剣のガラスの欠片が曇っている。中には何も見えない。オレは何のために剣を研ぎ澄ましているのか…。 |
| 同期化進行 | 約束した晩餐の日でもあり、狩りの日でもある時が来た。毛先の感覚でも分かるな。今日…ワザリング・ハイツがズタズタに引き裂かれるということが。 |
| 人格編成 | この音は…嵐だろうか…。 |
| 入場 | ワイルドハントよ…。 |
| 戦闘中の人格選択 | (狂気に満ちた笑い声)*5 |
| 攻撃開始 | 首を差し出すがよい…! |
| 敵混乱時 | 嵐の中で…。 |
| 混乱時 | 続けるが良い!この嵐が収まるまでな! |
| 敵討伐時1 | 埋もれて眠れ。 |
| 敵討伐時2 | 悲鳴を上げろ。 |
| 敵討伐時3 | 引き裂いてやろう。 |
| 本人死亡 | 死んでも…オレは…再び…。 |
| 選択肢成功 | 狩りのためならば…。 |
| 選択肢失敗 | 狩りが失敗したか…。再び足の爪を鋭く研ぎ澄ますだけだ。 |
| 戦闘勝利 | ワイルドハントよ。更に前へ。妨げる者たちもこの行進に融けてゆく。この意味の分からぬ憤怒の果てへと至るまで…! |
| EX CLEAR戦闘勝利 | …終わりか?本当に、一片も残っていないのか?それならどうして…この怒りが終わら…ないんだ? |
| 戦闘敗北 | なんと滑稽なザマだ…どうでも良い。オレは再び戻ってくる。ワザリング・ハイツを丸ごと貪り喰らうその時まで。 |
人格/ウーティス/ワザリング・ハイツチーフバトラー
| 人格獲得 | 靴の泥はきちんと落とされましたか?予めお伝えしますが、この邸宅で私の許可なしに家具にも指一本触れない方がよろしいかと。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | この邸宅を呼吸させる時間だ。さあ、皆カーテンを開けろ。吹き付ける風と一筋の日差しが、この場所の肺にまで届くように全開にしろ。 |
| 昼の挨拶 | 寒さを感じるなら、この暖炉の側で体を温めてください。おそらく、あなたにとってこの邸宅で暖かさを感じられる唯一の場所でしょう。 |
| 夕方の挨拶 | 嵐が吹き荒れていますね。だからこそ窓を開けておきます。そうしてこそ奥様の…奥様のお言葉がもっと鮮明に聞こえるはずですから。 |
| 対話1 | もし探し物があれば私にお申し付けください。ここの全ての食器や家具の配置は、私の手のひら上にありますからね。 |
| 対話2 | シロップは2スプーン半、温度は適度にぬるく、今日ご覧になる書類は机に載せておきました。狂った狼の狩りまで残り僅か、我々は皆抜け目なく備えております。 |
| 対話3 | 私の先代は全員この邸宅の下に埋葬されています。この期限の無い契約は、遙か遠くになるとは思いますが必ず履行される日が来るでしょう。 |
| 同期化後の対話1 | 希に、この土地の奥深くから耐えられないほどの渇きを感じるときはありますが…いつかは報われるであろう、その日のために耐えています。ついに全ての苦行が終わり、それが一口を喉を通る瞬間は…まさに恍惚そのもの…。 |
| 同期化後の対話2 | 我々はこの邸宅の立つ土地と契約を結んだ存在です。その契約が完了するまで、何者にも我々を止めることはできません。吹き付ける嵐も、雷も、あのクソ狼も。 |
| 放置 | あなたがこの屋敷に足を踏み入れた瞬間から、どこに隠れていても奥様は感じることができます。 |
| 同期化進行 | ああ、奥様が下さったプレゼントですね。ありがたく頂戴いたします。 |
| 人格編成 | 招かれざる客を迎える時間のようですね。 |
| 入場 | 次の午餐までには、戻って参ります。 |
| 戦闘中の人格選択 | 不都合でもございましたでしょうか。 |
| 攻撃開始 | この土地と奥様に指一本でも触れようとする者がいるのであれば…。 |
| 敵混乱時 | 招かれざる客は潰れていなさい。 |
| 混乱時 | 聞こえる…あの下から私を呼ぶ声が…。 |
| 敵討伐 | 招待されていないものは全て片付ける。 |
| 本人死亡 | 駄目だ、まだ…あの水を一口飲むまでは…。 |
| 選択肢成功 | 仰せの通り、完了いたしました。 |
| 選択肢失敗 | 私の失策です、申し訳ございません…奥様。 |
| 戦闘勝利 | さあ、今からワザリング・ハイツに復帰する。邸宅の仕事がうんと溜まってるからな。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 見ていらっしゃるのですね、奥様。お褒めに預かり光栄です。招かれざる客を残らずまとめて片付けました。 |
| 戦闘敗北 | 教育と準備が…不足しておりました。申し訳ございません、奥様。 |
固有バフ・状態異常
| 邸宅の木霊 | スキル・コイン効果で沈潜威力や回数が付与されるとき、50%の確率で沈潜回数が1増加 精神力を持つ対象の場合はパニックタイプが「邸宅の木霊」に変化し、パニックになると次のターンに自分を除いた同じチームのランダムなキャラクター2名に邸宅の木霊を2付与。 精神力が無い対象の場合、表面が出る確率が-10% ターン終了時に1減少 この効果は合算されず、更新される。 精神力を持つがパニックタイプが変更されない一部の敵には、精神力を持たない場合の効果が適用される。 | - | |
| 棺 | 最大10 ターン終了時、次のターンにて3につきダメージ量増加2を得る(最大6) 4につき速度の最小値が1増加(最大2) 5につきマッチ威力増加1を得る(最大2) | + | |
| デュラハン | 最大3 攻撃レベルが3増加 防御レベルが3減少 速度最小値・最大値が1増加 ターン終了時、次のターンに1得る(ただし、自分の精神力が-25以下なら除去) ターン終了時にデュラハンがいれば、自分の精神力が(15-(棺÷2))だけ減少(最低10) | + | |
| 迫り来る破綻 | 精神力のある対象なら、パニックタイプが「破綻」に変更 精神力のない対象の場合、表面の出る確率-10% ターン終了時に1減少 この効果は合算されず、更新される パニックタイプを変更できない一部の精神力を持つ敵には、精神力のない対象用の効果が適応 | - | |
| ワイルドハント | 初めて付与されたターンの間は体力が1残り、ターン終了時に全体力の50%だけ体力を回復、精神力が0に初期化 攻撃により死亡時、最も少ないE.G.O資源を1得る 攻撃により死亡時、最後に自分を攻撃した対象に沈潜3を付与 復活したターン終了時に死亡 | + |


