目次
概要 
- 空気より軽い気体を内部に溜める事で空を飛ぶ乗り物。言うなれば気球の進化系。
気球と違う点は基本的には流線型をしており、
エンジンやプロペラなどの推進用の装置や舵を取るための帆や翼が付いている。
- 定義の上では、気球に推進装置がついているものが飛行船となる。
MH2のオープニングでプロペラのようなものを回して飛行している古龍観測隊の気球や、
MHFに登場するアイルーが漕いで動かしているパローネ=キャラバンの気球も飛行船の一種である。
- 現実では航空史における黎明期に登場し、大型飛行船での旅客や爆撃なども行われた。
しかし速度が緩慢であること、見かけの割に積載量が乏しいことから飛行機に取って代わられてしまい、
更に水素ガスの発火により「ヒンデンブルク号」が爆発炎上した事故で信用が失墜。第一線から退いた。
現代で実用されるのは、ヘリウムガスで浮遊する小型のものが広告などに使われるのみであり、
それに関しても特に今の日本国内では絶滅危惧種と言えるほどに希少な存在となっている。
- このように使い勝手が悪い代物だが、中には空中空母*1というファンタジー染みた運用をされた例もある。
これは現状ハンターたちもやっていない真似*2なので、まさに事実は小説よりも奇なりと言ったところだろう。
モンハンの世界における飛行船 
- 飛行機やヘリコプターのような揚力を利用した航空機が殆ど存在しないMH世界において、
ハンターが利用できる唯一の飛行機械*3。
これ以外の飛行手段はライダーが騎乗する飛行モンスター、ハンターが利用できる小型の翼竜種など
限られた特別な者にしか使用できない、それも生物依存で大量輸送などに向かないものしかない。- 何気に動力機関を搭載した高度な代物で、他の技術が大方私達の世界に於ける中近世レベルに止まる中、
飛行船に関しては現実で言う近代レベルかそれ以上に達しているのは、特筆すべき事柄の一つであろう。
- 何気に動力機関を搭載した高度な代物で、他の技術が大方私達の世界に於ける中近世レベルに止まる中、
- ロックラックなどには発着場もあり、客員や物資を運ぶために空を飛び交っているほか、
王立古生物書士隊や龍歴院所属の調査員が調査のために乗り込むことも多い。
また調査のための飛行船には、護衛のためにハンターが同乗する場合がある。- 飛行船の技術が向上した現在では、飛行船を用いて大陸を横断することも行われるようになり、
ハンターが飛行船で遠く離れた狩場や拠点へ向かうのも珍しくはない。
事実、MH4(G)やMHX/MHXXでは飛行船が主人公のメインの移動手段となっており、
MHWでも調査団が飛行船を利用した環境調査を行なっている様が描かれている。 - 危険なモンスターの存在や異常現象が確認された場合、
ギルドや王立古生物書士隊が調査のために飛行船で調査隊を派遣することもある。
しかし異常現象などは規格外のモンスターが現れる前兆であったりする場合が珍しくなく、
報告にこそ成功するものの、敢え無く墜落・消息不明になってしまう飛行船も存在する。
実際に消息不明となった調査隊が乗っていた筈の飛行船が、残骸となって発見された事件もあるが、
彼らの身に何が起こったのかを知る手立てはほとんど残っていない。
- 飛行船の技術が向上した現在では、飛行船を用いて大陸を横断することも行われるようになり、
- 多種多様な飛竜が縄張りとしているMH世界の空は、現実世界と比べると余りにも危険な領域である。
飛行船が航行中に飛竜と遭遇する可能性も0ではなく、
実際にムービーなどでは飛行船の前に飛竜種が現れた例もある。
それゆえ、MH世界の飛行船は非常に頑強な素材で組み立てられており、
飛竜撃退用のバリスタなどで武装をしていたりする事もある。
その頑強さは「火竜のブレスをものともしない」と称されるほどであり、
こと安全性についてはギルドからも太鼓判を押されるものであることが分かる。- 逆に言えば飛行船の墜落は、その辺りの空域で常識の範疇を越えた「何か」が起こったことを意味する。
意図せずして何らかのモンスターの縄張りを侵犯してしまう、獲物として狙われるなど原因は多々あるが、
いずれにしても極めて強大な存在の影響であることは共通している。
- 逆に言えば飛行船の墜落は、その辺りの空域で常識の範疇を越えた「何か」が起こったことを意味する。
- MH4では「我らの団」がイサナ船を飛行船へと改造し、シナト村へと向かっている。
MH4Gのストーリー中では、飛行船用の高性能な燃料を入手するための依頼が舞い込むのだが、
その燃料として採用されたのはなんとババコンガ亜種のガスだったりする。
- MHXでは、飛行船をベルナ村、ココット村、ポッケ村、ユクモ村、
そして龍歴院という5つの拠点を結ぶ交通手段として利用できる。
ちなみに同作に登場した飛行船は、オープニングのムービーを見る限り、燃料は固形物のようだ。
恐らくは燃石炭あたりだろう。- またこれを見る限りでは、ベルナ村やユクモ村はもちろんのこと、
初登場作品の時点では飛行船が存在しなかったであろうココット村にも
飛行船の発着所が設置されたであろうことが推測される。
- またこれを見る限りでは、ベルナ村やユクモ村はもちろんのこと、
- 続くMHXXでは、村上位及び集会所G級クエストに対応した新たな拠点として、
龍歴院が保有する大型飛行船団「龍識船」が登場する。
異なる施設が設置された3つの飛行船が橋によって連結され、巨大な一つの飛行船のような様相を呈しており、
ここから飛行船を乗り換えてハンターや研究者達が各地のフィールドへ飛んでいくことから、
別名「空中の港」とも呼ばれているようだ。
船上には研究者用の施設だけでなく、ハンター用に雑貨屋や武具屋、「集会酒場」も併設されており、
研究者のみならずハンターにとっても巨大な拠点と呼べる飛行船である。
ハンターが実際に飛行船に乗る描写は、下記の大型探査船など前例があったが、
拠点そのものが飛行船にある(というか空中にある)のは今回が初めてとなる。- この龍識船は世界各地を巡りながらモンスターの生態を調査するために開発されたとされており、
空中の港、ハンターの拠点としての側面だけでなく、従来の「調査船」という側面も併せ持っている。 - MHXXではこの龍識船を始めとして、飛行船の技術が以前よりも大幅に向上しており、
より高い空域を航行できる特殊な飛行船が開発された事で、新フィールド「遺群嶺」や、
そこに現れる天彗龍バルファルクに関する調査も可能になった。
描写を見る限りでは、4シリーズ時点で飛行船による超長距離移動は実現していたようだが、
それが村々や龍歴院をはじめとした調査拠点に広く普及したということだろう。
- この龍識船は世界各地を巡りながらモンスターの生態を調査するために開発されたとされており、
- MHFでは優れた気球操船技術を保有するパローネ=キャラバンと呼ばれるキャラバンが登場しており、
その設定の一環として気球がフィールドそのものやその一部として登場する。
MHF-Gではこれらの技術を応用した対モンスター戦のフィールドとなる「大型探査船」という飛行船が実装され、
ここではシャンティエン、ガルバダオラとの戦闘が行われる。
古龍観測所の気球 
- 古龍観測所が所有する観測用気球で、本体の周りを回転する推進装置がついているため
結構な速度で移動できるようだが、ゲーム中で見かけるものは基本的にその場で停止して観測している。
MH2のOPでは気球が大写しになるカットがあるが、そのシーンでは
下部に人間が乗り込めるようになっており、巨大な望遠鏡を用いて観測手の老人が
大型モンスターの状況などを情報収集し、伝書鳥を使って本部へと送っている姿が描かれた。
- 一部の作品(MH2やMH4をベースとした作品群など)では実際にクエスト中に上空に浮かんでいることがある。
ただの雰囲気づくりで登場しているわけではなく、基本的にアクションの「手を振る」を
気球に向かって使うことでクエスト中1度だけ大型モンスターの位置を教えてくれる(千里眼の薬と同じ効果)。
この際、チカチカと光が点滅している事から、フィールドに居るハンターなど
近くの相手に対しては光を使ったモールス信号のような方式で情報をやりとりするようである。- 常に浮かんでいるわけではない。必要な時に限っていないのはもはやお約束。
- 一般的なフィールドだけでなく、塔に出没する作品もあり、
この場合、古龍種どころか祖龍ミラボレアスが出現し、雷を落としまくっている中で観測を続ける
という命知らずな気球がいたりする。
余談 
- MH3とMH3Gでは、飛行船を模った「模型・飛行船」というインテリアが存在する。
さらに、MHXではあろうことか飛行船を模った武器が登場した。
- プロローグを読む限り、無印の時代には人間が空を飛ぶ技術は夢物語であったようだ。
ほどなくして気球や飛行船が実用化されるようになるのは、技術発展の賜物だろうか。
- カプコンのゲームには「航空機はほぼ確実に墜ちる」という妙なジンクスがある。
有名なものは『バイオハザード』シリーズにおけるヘリコプター*4だが、この作品に限らず乗り物は高確率で大破する。
モンハンにおいても例外ではなく、上述の通り頑丈に造られた飛行船*5でさえ墜落してしまうことがある。
とはいっても、カプコン製の航空機の中では頑丈な方であるが。
- 気球の浮遊方式は、気球内部に温めた空気を送る事で浮き上がる熱気球と、
空気より軽い水素やヘリウム等の浮遊ガスを充填する事で浮き上がらせるガス気球、
そして、両者を複合したロジェ気球の三種類に分けられる。- 熱気球は熱量の調整で容易に高度を調整できるメリットがあるが、
燃料を大量に消耗する為長時間の浮遊には不向きな上、
気球に熱でダメージを与える為、再利用がしにくいといったデメリットがある。 - ガス気球は反対に燃料が無くとも浮き上がるが、高度調整の為にガスやバラストの放出といった操作を必要とする他、
ガスが可燃性のものであった場合、火気や静電気などで爆発を起こす危険性があるといったデメリットを持つ。 - ロジェ気球は、基本的には浮力を浮遊ガスに頼りつつも、熱で高度を調整できるというため、
操作性と長期滞空性を両立できる事がメリットとなるが、気球への熱ダメージの問題はそのままな上、
ガスが可燃性の場合は火気を思いっきり近づける形になる為、爆発のリスクが非常に大きくなるデメリットがある。 - モンハン世界の飛行船では、熱源の存在が確認できないタイプと熱源が存在するタイプの両方が見受けられる。
熱源のないタイプはほぼガス気球だろうが、
熱源を持つタイプでも龍識船などの長期間飛行を行う物が見られる事を考えると、
こちらは恐らくロジェ気球方式を採用していると考えられる。
- 熱気球は熱量の調整で容易に高度を調整できるメリットがあるが、
- 現在は希少種となってしまった飛行船だが、近年復活に向けた取り組みが活発になってきている。
それが『ハイブリッド飛行船』という代物で、
これは浮遊ガスのみならず、気嚢部分で産んだ揚力も利用して飛行するものである。
これにより、通常のジェット重飛行機を凌駕する積載能力と優れたエネルギー効率を実現可能であり、
また垂直離陸能力を持たせれば、滑走路を必要とせず規模の大きい空輸が行えるという特性がある事から、
次世代の輸送手段として研究開発が進められている。
関連項目 
世界観/イサナ船 - 飛行船の一種。船を改造して造られた
フィールド/大型探査船 - 飛行船の一種。戦闘フィールドにもなる
世界観/ベルナ村 - 飛行船の発着所が確認できる村
世界観/龍識船 - 飛行船の一種。研究員やハンター達の拠点となる程の規模を誇る
世界観/研究基地 - 同上。こちらは特殊な経緯により一般的な飛行船ではない
武器/飛行船武器 - 飛行船をモチーフにした武器群
モンスター/アルバトリオン - 墜落の原因その1
モンスター/アマツマガツチ - その2
モンスター/オストガロア - その3
モンスター/バルファルク - その4
モンスター/レイギエナ - その5
モンスター/シャンティエン - その6