ストーリーブック/イタズラ好きのホムンクルス
Last-modified: 2023-04-09 (日) 19:06:15
イタズラ好きのホムンクルス
ストーリー
- ベッキー
- はるか昔から魔界の果てには空を突き破るほどの高くて大きな城があった。
その城の名を知る者は一人としていなかった。
なぜならその城へ入って戻った者がなかったためだ。
実に高い城に、人々は城から空に上がれば
神に会えるに違いないと思うようになった。
そのため腕に自信のある者は神に会おうと城に挑み続けた。
だが城の中には強く恐ろしい怪物がいたのだ。
挑戦者たちも強かったが怪物ははるかに強かった。
挑戦者はみな怪物によって命を落とした。
そのため、誰も帰ってくることができなかった。
しかし、外の者たちは中に入った者は神のところに行き、
帰ってこないのだと思っていた。
そのため人々は挑み続けた。
そんなある日、頭のおかしい竜が現れ人々を遮った。
「俺がこの城の主だ!神への道は俺だけのもの!」
竜は巨体で強かった。人々は黙るしかなかった。
竜は意気揚々と城の中に入った。
怪物が現れたが竜によって倒された。
巨人も倒し、老いたピエロも倒した。竜は無敵であった。
ついには城の最上階に辿り着いた。
誰も足を踏み入れたことのない場所。
なんとそこには可愛い金髪の少女がいたのだ。
その少女は実に強かった。
竜は少女に襲い掛かったがついには倒れた。
少女が拳を振り回すと竜は遠くへ飛ばされた。
少女は竜よりはるかに強かったのだ。
その少女は今も城の最上階にいる。
その強い少女は最上階を守り続けるだろう。
そしていつかは城を壊し、外の世界に出て世界を支配する
その少女の名は…ベッキーである。
おしまい!…と。…やっと書き終わったぁ~!
さっそく、これをたくさんコピーして外の世界にばら撒こう!
そしたらいつか…エヘヘッ!
- ゴールドクラウン
- 何をしているんです?
- ベッキー
- きゃああああああああ!
- ゴールドクラウン
- 落ち着いてそんな大声を出したらアイアンエイムがびっくりして
警報を発するかもしれないんだから!
- ベッキー
- 聞いたてた聞いてたよね??
どのあたりから聞いていたの?どうして聞いてたのよ!
- ゴールドクラウン
- 竜が城に押し寄せるくだりからですけど…。
小説を書いてるんですか?
- ベッキー
- 外の世界の人たちってあたしのこと知らないでしょう?
あたしが有名になったらみんなあたしを神として崇めるようになるから!
そしたら美味しいものもたくさん食べられるようになるだろうし~、
可愛い服も着て~。エヘヘヘッ。
- ゴールドクラウン
- ホムンクルスが私利私欲に走るとは…。
ルーク様があまりにも完璧に改造してしまったせいか…。
ここからは出れないって何回話せば分かるんですか?暇なんですか?
だったら私に手品でも習います?
ああ、でも、頭の悪いホムンクルスには難しいか…ははは!
- ベッキー
- だ・る・ま・さ・ん・がころんだ!
- ゴールドクラウン
- ………?
- ベッキー
- だるまさんがころんだ!今動いたでしょう?ゴールクがおに~!
- ゴールドクラウン
- ええっ?今何て?ゴールク…?ゴールク!か、カッコいい!あっ、待って!
- ゴールドクラウンを避け、望楼から逃げ出したベッキーは
騒がしく死者の城のあちこちを走り回った。
突然の騒ぎに驚いたパンチャーが拳を飛ばし、
バブルバッファーの後頭部を一撃した。
バブルバッファーは直ちに透明なシャボン玉を吐き出して反撃し、
この喧嘩でランバー3つが犠牲となり、地面に倒れた。
ウェブスパイダーはベッキーが現れると捕まえようと高く飛び上がったが、
ベッキーが体を小さくすくめて素早く避けると、
ブルーランバーの電球だけが割れた。
ベッキーはからかう仕草をしながら逃げた。
だが、遠くまでは行けなかった。 サラマンダーの火炉に近づくと警報が鳴り、
アイアンエイムが起動したからだ。
いくらいたずらっ子でもアイアンエイムが戦闘態勢に入ると、
これ以上は進めないと諦めた。
非常階段からこっそり戻ろうとしたベッキーは巨人アルゴスの大きな手に捕まった。
- ベッキー
- 離して!離してってば!
- アルゴス
- ベッキー、うるさい。 ベッキー、また問題起こす。ベッキー、投げる!
- ベッキー
- やめてぇ!
- ゴールドクラウン
- うわっ、アルゴス!
- アルゴス
- 私の名前を気軽に呼ぶな!
- ゴールドクラウン
- アルゴス!そのちびっ子を離してください!
ベッキーがいなくなるとルーク様の次元航法システムが止まってしまいます!
- アルゴス
- ガルル…また騒いだら…
- ベッキー
- もう分かったってば!早く離してよ!気持ち悪くなるじゃない!
- アルゴスは気に食わないという顔でベッキーを離した。
頭から落ちたベッキーが悲鳴を上げたがアルゴスは知らんぷりで元の場所に戻った。
- ベッキー
- もう!痛いじゃない!バーカ!
- ゴールドクラウン
- 竜は一発で倒せるのにどうしてアルゴスには?
- ベッキー
- そ、それは…あたしは心が優しいから!
- ゴールドクラウン
- そうですか・・・。あははははっ!
- ベッキー
- 笑わないでよ!あたしはホムンクルスだけど、
ホムンクルスも強くなるかもしれないじゃない!
もしあたしが強くなったら真っ先にあんたを掴んでぐるぐる振り回すからね!
- ゴールドクラウン
- とにかく後もう少し待てばヘブロンの王が力を取り戻します…。
その時は外に出られます。この世の中を支配するようになりますから。
- ベッキー
- あたしはあたしが強くなりたいの…。
まあ、ルークじじいには色々お世話になったから、その時までだけ…
痛っ!どうして殴るのよ!
- ゴールドクラウン
- …ルーク様のことをじじい呼ばわりするのは絶対許しません!
- ベッキー
- もう分かったってば…。ルーク様…ルーク様って呼べばいいんでしょう?
ふんっ。
…かくれんぼも飽きた…。つまらないな~。
外に出られないなら誰でもいいから遊びにきてくれないかな…。