マップ/イーストハーレム/沈黙の礼拝堂

Last-modified: 2020-03-11 (水) 12:57:01

沈黙の礼拝堂

沈黙の礼拝堂.png
カシュパには「沈黙の戒律 (Omerta) 」と呼ばれる規則が存在する。
組織を裏切った者に下される永久なる口封じのための聖なる儀式。
そのすべてを行う紫の霧は、招かれざる客が近寄ると沈黙の戒律を伝えようとする。


BOSS ドッグヘッド
ドッグヘッド.png

ストーリー

また、目の前で同族の体が弾け飛んだ。爆発音が残した耳鳴りは、しつこく両耳にこびりついた。
地面の鳴りに耐えられず跪いたが、目を見開いて風を切り裂いた奴の位置を把握する。

「この程度とは、がっかりだな」

低い声に向けて耳を澄ました。薄く笑っている。それもそうだろう。
黒い目ほどの大物が逃げた獣人一人を捕まえるために自ら乗り出したという噂を聞いても、私は信じなかった。
奴はそのすべての過程をただ楽しんでいるのだ。
かろうじて形の残った死体を選んで目玉をえぐり出し、ガラス瓶に入れて炎の明かりに照らしてみる。

私は体に残る魔力を絞り出して伸ばした手で投げつけた。
弾かれたように飛んで行った力は奴の目前すれすれを通り過ぎ、すべての力を使い果たした私の体は反動で後ろに転がった。
でも、成功。奴が近寄って来る足音が聞こえる。髪を鷲づかみにする手の力が、首筋の感覚をピリピリと呼び覚ます。

「魔力を使う獣人か」

「……役に立つわよ」

真っすぐに見つめた黒い目の深淵に、血に濡れた歯をむき出しにして笑う私の顔が映った。サルポザはそのまま地面に私を放り出し、
背中を見せて遠ざかって行った。間違いなく、気に入ったんだろう。

「ドッグヘッド様、スニフ=ケイ様が……見つかりました」

長いため息が、現実の風景を呼び覚ます。
無能そうな末端の組織員がぼうっと立っているせいか、散らかった執務室の風景が一層粗末に見えた。

「死体になったってことね」

「それから、ヒカルドは……」

「その名前はもう必要ないわ」

サルポザ様に合わせる顔が無い。役に立つと思っていたのに。
また押し寄せてきた過去の記憶を振り払うため、最後の一滴をごくりと飲み込む。
差し出す駒がないならば、自ら駒になってその手に握られよう。

「幕舎に行くわ。サルポザ様への贈り物を用意しないと」