マップ/聖者の地/オズマレイド/混沌の消滅/恐怖の大地

Last-modified: 2022-03-10 (木) 16:15:55

恐怖の聖地、グラウベン

繁栄の都市・エレリノンの郊外にある街で、富裕層の商人や貴族が暮らしていた。
黒い聖戦勃発後、偽装者軍団に抵抗したが、街に潜入したアスタロスによって内部に偽装者が発生し、崩壊する。
聖なる5人の一人であるシャピロ・グラシアが恐怖のアスタロスを撃破した場所でもある。

消滅の神 カザン

消滅の神.gif
CV:濱本大史

ストーリー

生涯を閉じた者たちが訪れる世界では赤い月だけが私を照らし、
信念と誓いのために力を尽くしてきた私の使命は、業となって私を踏みにじる。

九の鬼神試練が足かせとなって私の足を引き留めるが…

それでも…。
その試練を後にしてでも君を止めなければならない。

試練の時間が遅れるほど、私の影に課される罪の重さは増すが
憎悪によって全てを投げ捨てた親友の末路を、黙って見ているわけにはいかなかったから。

帝国に向けた憎悪は私もまた断たれた腱が沸き立つほど
止まってしまった心臓が泣き叫ぶほどにはっきりと残っているが。
愛する者とその者を見つめることのできた両目を失った君の心臓ほどではないだろう。

いっそ私が全てを背負って終わらせていれば…
失うものの無い私が全てを背負って逝っていれば…

彼女のささやきに揺れる君を見ながら、全てが私の罪のように感じていた。
空っぽになった魂だけが残る君が、その魂すら投げ捨てようとしているのを見ていられなかった。
いっそ私の魂を燃やしてでも、君だけは無事でいてほしかったのに…
すでに生の全ての業を背負ってここに呼ばれた私には、君の足を引き留めることしかできなかった。

そして、その日が来てしまう。
世界に何度も警告してきた、来ないことを祈っていたその瞬間が。

冥界から赤い月が消えた日、私もまた月と共にここに辿り着き、
鈍くなり、ぼやけていた帝国への怒りが、肉体に刻まれたかのように燃え上がった。

いっそこれで良かったのかもしれない。
君はそこで見守っていてくれ。 君の業は全て私が背負おう。

あの日の記憶のように赤く流れる空の下で
あの日の後悔を繰り返さぬよう、この手で全てを始末する。

そして、その後に全ての罪を背負って行こう。
冥界に私が呼ばれるまで…。

行動パターン

永遠に燃える渓谷、エルトフェル

ペル・ロス帝国の繁栄の都市エレリノンが建てられたミナス平原にある美しい渓谷。
黒い聖戦勃発後は荒廃し、水の代わりに血が流れるほど凄惨な激戦地となる。
最初に聖火を発現させたラミエール・レッドメインが地形を利用し、単身で数百の偽装者を燃やして戦死した場所でもある。

混沌に浸食された K

浸食されたK.gif
CV:小林康介

ストーリー

黒き大地には長い時間が流れたが、あの時の熾烈な戦いの痕跡はそのまま残っていた。
目の前に見える一体の遺骸に近寄る。
長い時間が流れたせいで原型は留めていなかったが、間違いなく幼い子供だろう。

"......"

これが我々のした事の結果なのか?
長い時間怒りに満ちていた自分の信念には、一筋の疑いすらなかった。
だが、小さな疑いが芽生えた瞬間、その疑いは果てしないほどに膨れ上がり始めた。
私はあの者の言う通り、すでに答えを知っていたのか?
私の神だと思った者の言葉を押して新たな混乱を与えた者は、本当に私が答えを知っていると思ったのだろうか?
あの日から、胸の片隅に怒りに満ちた心の隙間から、どんどん入り込み始めた。
ならば、私が今までしてきたことは…また別の私を作っただけだったのか?

「何を疑っているのだ?」

頭の中であの方の声が聞こえた瞬間、抗えない強大な力を感じて跪いた。
全身を潰すような力は絶対的な命令のようで、決して抗うことのできないものだった。

「欺瞞に満ちた者どもを引きずり下ろす日が迫っているというのに、その些細な欺瞞に心が揺れているようだな」
"混沌よ、私は大切なものを守りたかっただけなのです。ですが、私のしたことは…"

足元の黒き大地から、あの方の気運が立ち昇るのを感じた。
そして、包み込むような混沌の力が、私を浸食し始める。

「疑いを捨てて、ただ守るがいい」
"何をですか?"

「お前の大切なものを」
"どうやって?"

「大切なものを失わせた者たちを、一人残らず破滅させることで」

目の前に一瞬見えた気がした光は、次第に満ちてくる混沌の気運に浸食され、消え去った。

行動パターン

殉教者の礼拝堂

元々はエレリノンの外郭に位置する、小さな名もなき礼拝堂だった。
黒い聖戦当時、ここでは数多くのプリーストたちが暗黒3騎士と偽装者に命を奪われた。

将軍カレリン

カレリン.gif
CV:綿貫竜之介

ストーリー

襟の隙間から入り込む雪山の寒さは過酷だった。
絶え間なく視野を遮る吹雪のせいで、
丘の下に落とした松葉杖は真っ白な雪原の中に沈んでしまった。

"吹雪の音がまるで人々の歓声のようだと思いませんか?
ずっと聞いている大将軍と一緒に凱旋行進の戦闘に立った時を思い出します。"

雪山の頂上。
近いはずの太陽ですら溶かすことのできない万年雪の上で
両足の腱を全て抜かれた男が、誰かの死体の前で座り込んでいた。
彼が抱きしめている死体も、両腕の腱が全て抜かれていた。

"あの頃は、国のために戦うことだけが全てだと思っていました。
いつも自ら先鋒に立ち、戦闘後に飲む一杯の酒で全ての痛みや不安を吹き飛ばしましたね。"

しばらく言葉を止めた男の豪快な笑い声が、吹雪を貫いて響き渡った。
蒼白になった顔とは違って、まだ力に満ちた声だった。
幸せな記憶を反芻しているのか、男の目にしばし生気が戻る。

"あんなに忠誠を捧げたのに…その結果を見てください。
失ったのは家族と両足の腱、得たものは大将軍の冷たい死体だけです。
でも、最後に大将軍にこうしてお会いできたのが不幸中の幸いかもしれませんね…。うぅぅっ…"

激昂した感情で吐き出した呼吸と涙は、雪山の寒さにそのまま凍り付いてしまった。
男の髭が、次第に青い光を帯び始める。彼は少しずつ呼吸が煩わしくなっていくのを感じた。
生の最後が迫っていることを直感した男の顔に、凄然とした微笑みが浮かぶ。

"ふぅ…もしも…もしもですけど。
あの世という場所があって、もう一度機会が与えられるならば…"

力なく続く男の呼吸が、ついに絶えた。
男の声はもう聞こえなかったが、
吹雪の中で、彼が言おうとした言葉がこだまのように聞こえた気がした。

あの世でも大将軍を追って、戦場の先鋒に立ちましょう。

行動パターン

赤い楽園の祭壇

その昔、ペル・ロス帝国が祀っていた光の神の祭壇で、今は廃墟となり果てている。
以前は神聖視されていたここは、暗黒3騎士によって消滅復活の儀式が行われた場所でもある。

副官レオニット

レオニット.gif
CV:広瀬裕也

ストーリー

短剣を持つ手が震えた。恐れのせいではない。
戦友たちを死地に追いやったという罪悪感と長い謹慎生活は
戦場を渡り歩いた若い副官の肉体を、短剣一本まともに握れないほどに弱らせた。

彼は静かに短剣の刃を見つめる。
カザンの死後、悪夢のように続いた現実から逃れられると思うと、せいせいする。
咳のように弾け出る血液を飲み込みながら、彼はもう一度服装を整えた。

"カレリン将軍…そして、大将軍。"

爵位を返上して廃人になり、生気を失っていた彼を目覚めさせたのは、大将軍カザンが追放されたという報せだった。
両腕の腱を絶たれ、追放者の山脈に追われた罪人が生きて戻ったことは一度もなかったので、
人々はある瞬間からカザンの死を既成事実化させて公然と語っていた。

"この愚かな副官を絶対に許さないでください。
いくら皇帝の計略に騙されたとはいえ、私は裏切り者です。"

跪いたレオニットの前に、副官職に就いた日にカザンから贈られた剣とカレリンに貰った盾、
そして彼が常に戦場に持ち歩いていた魔法書が並べられていた。
どれも三人の結束を象徴すると思って、彼がいつも大事にしていた物だった。

"たとえ…肉体はこの首都に幽閉されていますが、心だけはあなた方と共にあります。
どうか、哀れなこの魂だけでもお連れください。"

贖罪するように前に倒れた彼の肉体から、苦し気なうめき声が漏れた。
床を流れる鮮血が剣と盾、魔法書を順に濡らす。
吐き出した血で汚れたレオニットの口元に、寂し気な微笑みが浮かんだ。

生の最後の瞬間、
いつの間にか開かれた冥界の門の隙間から、誰かが自分を見つめていることに彼は気付かなかった。

行動パターン