テイベルスの光
イシス=プレイ表記は原文ママ。
ストーリー
- 黄金の星、テイベルスは燦爛たる光で満ちた場所であった。
太陽の軌跡をたどってゆっくり流れるところであった。
誰もが疲れたら宙に浮く木の下で翼を休め、お腹が空けば果物をもぎって食べた。
青年たちは大きな木を手に入れるため激しい風をかき分けながら競い合った。
だが、誰も「最も高い者」には勝てなかった。
高<飛び上がり、空の星の歌を間きながら眠りについた。
彼の後を追ったせいで倒れた者は数えきれず、彼の鋭い羽根によって目に傷を負い、
地へ落ちた者もまた数え切れなかった。
彼は光の泉の水を飲んだ者であった。
黄金色に輝く世界で彼は自ら光を放つ者で、人々は彼のことを海に落ちた太陽呼んだ。
誰もが彼の歌と美しい翼を愛した。
黄金の海は激しく荒れ、黄色い野原には亀裂が出来崩れ落ちた。
何か悪いことが起きたに違いない。
異変の調査を頼まれ、彼は一気に赤い空の上まで飛んで行った。
そして星の光の間に不気味に揺れ動くあるかけらを見つけた。
彼は何の迷いもなくかけらを追いかけた。
だが、近づくにつれその暗くて汚いかけらの中に宿る
強力な意志が自分を見ていることに気づいた。
私が戻らなけれはばみなで逃げろ。」
みなが彼を送り出しながら涙した。
誰よりも強いイシス=プレイを助けに行こう。」
誰よりも硬い口ばしを持っていたスレニクロンの翼も羽根ががすべて抜けた。
後ろめたさゆえ、ロスオールはその立派な尻尾を自慢することもできず、
スレニクロンのことを恐れ、今もなお夜の洞窟に身を潜めている。
翼が凍りつき地に落ちる者が続出した。
赤い足のアルケトープレクセスは両翼が肩から同時に剥がれ、海に墜落した。
頭をぶつけ気絶したが幸い命は助かった。
その島には今もアルケトープレクセスの頭の跡が残っている。
彼がいるところに行けなくなったルフソンは涙を流しながら悲しい歌を歌った。
みなも歌を歌い雲の間から見える黒いかけらを見つた。
そして紫色の雨が止んだ。だが、イシス=プレイは二度と帰ってこなかった。
最も高く空を飛んだ彼の姿が再び黄金色の海の水面に映し出される時、
深い悲しみに沈んだ世の中も以前のように幸せの歌で満たされるようになるだろう。