ストーリーブック/旧友
Last-modified: 2023-04-09 (日) 18:30:37
旧友
ストーリー
- ライナス
- しばらくだな。こんなところで会うとは。
- アガンゾ
- ライナス…まだこの街にいたのか?
- ライナス
- 君は相変わらず冒険を続けているようだな。調子はどうだ?
- アガンゾ
- まあまあな。
- ライナス
- せっかくだし、うまい酒でもどうだ?
- アガンゾ
- 喜んで。
…鍛冶屋の方はどうだ?
- ライナス
- 冒険のようなワクワク感はないが、ただの鉄の塊が少し手を加えると
武器に姿を変えるのを見るのもそれなりに楽しい。
君もやってみないか?案外性に合うかもしれんぞ。
- アガンゾ
- 興味深い提案だが今は断る。
- ライナス
- 以前から聞いてみたかったが、君は一体何のために冒険を続けている?
- アガンゾ
- 急にどうした?
- ライナス
- 俺から見れば、君は何の目的もなくただ彷徨っているように見える。
- アガンゾ
- …必ずしも目的が必要なわけではないと思うが。
- ライナス
- 要は、君には目的が必要だということさ。
今の君はその目的を見つけるために彷徨っている。
- アガンゾ
- 「目的を見つける」…。 そうかもしれない。
気がつけば転移を防ぐために動いていたが、
俺もどうしてこんなことをしているのかよく分からん。
悲鳴の洞窟事件のようなアラドの脅威となることを
阻止するために動いていると自分に言い聞かせているが…
果たしてそれが俺にとって重要な問題なのかと思う時がある。
- ライナス
- 疲れてきたんじゃないか?
- アガンゾ
- 疲れたかもしれないし、元々の性格なのかもしれない。
何かに情熱を持って取り組んだことがないから。
- ライナス
- 情熱…。聞いただけでワクワクする言葉だな。
一時は俺も情熱を持ってアラドのあっちこっちを飛び回ってた。
ふう…転移か。転移によって命を落とした人々のことを考えると、
それを阻止するという君の行動は正しいと思う。
いや、素晴らしいことさ。
誰かがやらなければならないことを君がやっている。
剣を捨てハンマーを握るようになった俺からすればとてもありがたいことさ。
- アガンゾ
- やめてくれ。もう酔っ払ったのか?そんなことを言うなら、帰るぞ。
- ライナス
- 俺だって照れくさいさ。
最近ここにも色んなことがあった。
それを目の当たりにし、色々考えるようになってな。
- アガンゾ
- ふん、年のせいか?だいぶ変わったな。
- ライナス
- 俺だけが年を取ったわけじゃないぞ。時間はみんなに公平だからな。
- アガンゾ
- 確かにそうだな。
ところで、あそこから覗き込んでいるゴブリンとは知り合いか?
- ライナス
- 何? ったく、あいつまた遊びに来たのか…。
ゴプリンと人間が仲良くなってもいいことはないからと言ったのに。
- アガンゾ
- 世の中はすっかり変わってしまったかもしれない。
あの幼いゴブリンのように、長年の争いはもう遺物になったかもしれん。
- ライナス
- 俺も世の中で起きている変化を感じている。
こんな田舎でも感じられるほどだから
変化の中心地では目まぐるしく起きているだろう。
どうだ?時代の変化を記念して君もゴブリンと仲良くなれば?
- アガンゾ
- 俺はそろそろ失礼するよ。ゴブリンの友達の友達で満足しよう。
- ライナス
- その言い方はまるで俺が友達を紹介したがるガキのようじゃないか。
- トビー
- ライナスさ~ん! トビとじゃんけんしようよ~。
- アガンゾ
- プッ。
- ライナス
- ……あの役立たずのチビ…。