ストーリーブック/時限爆弾サイファー

Last-modified: 2023-04-09 (日) 17:49:03

時限爆弾サイファーズ

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アラド大陸におけるサイファーズや魔法使いへの価値観が窺い知れるストーリー。

ストーリー

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親愛なるアラドの住民たちと転移とモンスターによって苦しんでいる哀れな人たちへ。
 
苦しい毎日を懸命に生きる読者たちに非常に大事な話がある。
読んだ後は世の中はこんなにも危険なのかと嘆くかも知れないが、
知らずにやられるよりは知った上で対策を講じた方が身のためであろう。
 
皆さんに話したいこと、それは「サイファーズについてである。」
彼らについて知っている者はほとんどいないだろう。
聞いたことがあっても、魔法使いと何が違うのか分からない者がほとんどだろう。
 
ここまで謎に包まれている理由は…
ほとんどのサイファーズが地域社会によって隠ぺいされたからである。
また彼ら自身、実に巧妙で悪賢い。
 
ここまで読んだ読者は「サイファーズは一体何者?」という疑問を抱いているだろう。
ここからは非常に重要な内容となるので、吟味して読んでいただきたい。
 
分かりやすく言えば、サイファーズはいわゆる能力者である。
彼らは一般の人には使えない力を扱い、それが原因でよく魔法使いと誤解される。
 
だが、身分と人格が認められた極少数の才能ある志願者のみが
厳しい訓練を受け、魔法使いとして成長していくのと違い、
サイファーズの強力な力は生まれつきである。
 
これが最も大きな違いで危険な理由でもある。
管理どころか研究すらされていない状況で
突然変異によって生まれるサイファーズは強力な力を持っているものの、
その力をコントロールできる正しい価値観が確立されていない。
 
これがどれほど恐ろしいことか…お分かりだろうか。
考えてもみてほしい。
魔法使いは長年の訓練で自分の限界を知り、魔法の恐ろしさにも気づく。
 
そして長い歴史の中で定められた規則を守るように教育を受け、
これを破って善良な住民に被害を与えた場合は魔法ギルドに通報され、処分を受ける。
 
要するに手に入れるのは難しいがそれなりの安全装置が働いている力である。
 
しかし、サイファーズの場合はそうではない。
生まれつきの能力の範囲と限界は本人にしか分からない。
その上、サイファーズに関する研究も進んでいないため、
彼らの才能を悪用し、犯罪を犯してもそれを判断する根拠がないのだ。
 
これは様々な異変が起きている昨今のアラドで彼らによる被害が
続出しても追及するのが難しいと言うことである。
 
実際にサイファーズが自分たちの「匿名性」を利用した事例は過去にも何度もあった。
私は過去の記録からサイファーズの突発的な行動と思われる事例を
いくつか見つけたが実際はもっと多いだろう。
 
だが、身の毛のよだつ事実はこれだけではない。
サイファーズたちはほとんどが身を隠して暮らしているため、数と行動すら把握されていない。
それに魔法で感知できないため、彼らの居場所を見つけるのは不可能に近い。
 
もしかしたら隣人がサイファーズかもしれないのだ…実に恐ろしい。
 
また、彼らが呪われて手に入れたその力は持ち主の人格を破壊する。
これは様々な事例で立証されている結論で、
彼らが起こした事故はいつも大きな犠牲をもたらした。
 
周りに喰らい顔をし、目を光らせながら
犠牲にする善良な住民を探している者はいないだろうか?
 
彼の周りで不幸が立て続けに起こり、常識では理解できない惨事が続いたら?
 
何事も疑え。
状況を掴んだら直ちに官庁に向かうのだ。
地域社会はサイファーズが隠れていないか調査を続け、決して警戒を緩めるな。
 
彼らが増える原因を突き止め、危険を取り除くまで決して警戒を緩めてはいけないのだ。