錬金術師の友達
錬金術師モーガンとクロンターの日常の一コマ。
砕けた口調のクロンターが新鮮なストーリーとなっている。
ストーリー
- モーガン
- やぁ、クロンター。元気だった?
- クロンター
- モーガン!しばらくだな。
アンダーフットにはいつ帰ってきたんだ? - モーガン
- 今帰ってきたばかりさ。女王様に報告しに行く前に君に会いたくて。
ラミも元気そうで何よりだよ。 - クロンター
- ところでその袋は何?
- モーガン
- 小人たちを相手に苦労していると聞いて持ってきたのさ。
- クロンター
- それはありがたい。で、疲労回復剤とか?
- モーガン
- ううん、ネバネバする草だが。
これを黄金に塗っていろんなところに置いておけば小人たちの手にくっついて動けなくなるだろう。
その隙を狙って君の特技である説得を試みる。どうだ? - クロンター
- うむ…小人たちが暴れだしたらどうするんだ…斧を投げつけられたり…。
- モーガン
- 奴らもびっくりして手を放そうと両手を使うから斧は投げられないはず。
- クロンター
- まるで虫とりネバネバのようだな。
- モーガン
- その通り!そしてこれはおそらく成長促進剤…。
- クロンター
- 「おそらく」?
- モーガン
- 動物実験をしてみたら成長が2倍くらい速くなったが…問題は…
急に狂暴化してなかなかコントロールができなくなって…。
あ…それと頭に角が生えて…小人たちは喜ぶかも。 - クロンター
- 君を小人たちに近づかせないようにしなければ…。
- モーガン
- 帰る途中、ネズミを1匹捕まえたけどかなり凶暴な奴でさ、
偶然出会った冒険者が助けてくれて…いや、本当に危なかったよ。
小人たちに身長が伸びる薬だと言い聞かせて誘き出したら?
小人たちの間では身長が高いほど偉くなるみたいだが。 - クロンター
- モーガン…私は彼らと会話がしたいだけさ。
- モーガン
- でも、君の前に現れない限り何も始まらないじゃないか。
これなら…少しは彼らに会える可能性が高くなるのでは…。
帰る途中に変わった実の種を砕いてお酒に混ぜて飲んだら眠気が覚めたんだ。
そしてこれは…。 - クロンター
- ちょっと待った。
一体その袋にはなにが入っている?
ちゃんとしたものは一つもないようだが…。 - モーガン
- おっと、気づいちゃった?
実は論文のテーマがなかなか決まらなくてさ。
女王様にシルバークラウンの生態について報告した後、
学術院に顔を出さなければならないんだけど…
最近シルバークラウンでも色々あって。
現実逃避というか…手当たり次第に作ってみたんだが。 - クロンター
- はぁ…
では、この大量の荷物はシルバークラウンから帰ってくる時に暇つぶしで作った薬
…っていうことか?アンダーフットが大変なことになるぞ! - モーガン
- …うむ?おほ…。
- クロンター
- …それはいけない!
アンダーフットをめちゃくちゃにすることだけは…。 - モーガン
- 暇つぶしか。それいいじゃないか?
「暇つぶしで生活の材料で簡単に作れる薬」をまとめて提出すれば…。
アカデミックではないが一般人にも分かりやすい入門書を書いたと言えば
じいじいたちも口うるさく言わないだろう。
ペンと紙を貸してくれ。そしてラミも。 - クロンター
- ラミナビエントはどうして…?
- モーガン
- 静かなところに行って書きたいから。
アンダーフットの騒音で頭の中にあるアイディアが消える前に神に書き留めておきたい! - クロンター
- まあ、いいけど…
ラミナビエントにその変な薬が触れないようにくれぐれも気をつけてくれ。 - モーガン
- …ふむ。
- クロンター
- 絶対…絶対だからな!
- モーガン
- わ、分かったから…では、行ってくる!
女王様には急用ができたからと代わりに方向を頼む。
これが報告書、では、よろしく! - クロンター
- 何!モーガン!
モーガン! - シャラン
- こんにちは。
モーガン様がアンダーフットに帰ってきたと聞きまして、
一緒に女王様にお会いしようと思っておりますが…。
今回もやられたようですね。 - クロンター
- は…はははっ…自由な人ですし、宮内の人々と接するのが苦手だからかもしれません。
どうして冒険者にならなかったんだろうと思うほどです。 - シャラン
- そうですが。でも、女王様に報告をしなければならないのですが。
- クロンター
- 報告書は私が持っています。代わりに私が行くしかありませんね。
モーガンのおかげで錬金術についてますます詳しくなっている気がします…。
悪いことではないんですが、これでいいかどうか…。 - シャラン
- …変わり者ですからね。
- クロンター
- …ふう…。