アーカイブ/キャラクター/景元

Last-modified: 2023-06-04 (日) 17:09:16

帝弓七天将に名を連ねる「神策将軍」。
気怠そうな外見とは裏腹に、非常に思慮深く、策を用いて劣勢を挽回することを智謀と思わない景元は、
不要な問題が起きないよう、万事において工夫を凝らしている。
彼の周到な計略によって平和が保たれてきた仙舟において、景元は一見すると怠け者のように見えるため、他者から「無眼将軍」という渾名をつけられた。

  • ストーリー詳細1
    「太卜殿に教えを請いたい。この星陣棋、なぜ棋盤は四角く、棋子は丸いんだ?」
    「天円地方に倣っているのか?古人の文明が開化する前、人々は大地が平坦であると信じていた。列国の逐鹿、大地を一統した過去を模倣しているのであれば、星陣棋も当然四角くなる。そして棋子は…あの時代の人々は、天は球状の蓋だと信じていた。この棋子も星辰の流転に倣っているから、自然と丸くなった……」
    「いや、違うか」
    「将軍、次の48手はすでに予見しました。質問で私の注意を逸らそうとしているのなら、早々に諦めてください」
    「おや、なぜ符玄殿は私を疑っているんだ?」
    「話を逸らさないでください。続きを」
    「符玄殿の言う通り、棋は比喩、局を以って人を喩えている。戦争の規則は明々白々、各棋子の行動には定数があり、ただ進退するだけ。方を以って進退することこそ、棋盤が四角い理由だ。棋子については…先賢が『用智如圓』で伝えているように、陣中の各子には皆己の心智がある。だから丸い棋子を採用した」
    「星陣棋の起源は『玉砂巡拾』という書物に記されています。景元、私は博覧強記ですから、騙そうとしても無駄ですよ!」
    「雲車左三進四、将。君の負けだ、符玄殿」
    「ま、待った!この一手、なぜ先ほどの予見に出なかったの?や、やり直しを……」
    「棋子は人のようなもの、それぞれに心智がある。特に悔いの残る一戦でもなかったのだから、やり直しの必要はないだろう?はは。一司の長ともあろう者が、わがままを言っていいのかな?」

  • ストーリー詳細2
    六大仙舟を渡る建制として、雲騎軍は火劫大戦の末期に生まれ、雲が如く空を覆い、仙舟を守ると誓った。雲騎軍は帝弓の「巡狩」の勅命を遂行し、今まで伝承してきた。長命種の寿命は驚くほど長いが、血と炎が飛び交じる戦争の中で、百年の関門を潜り抜けた雲騎将軍は非常に少なかった。これは宿命というよりも、一種の伝統に近い。仙舟を鎮護し、忌み物を討伐する武装勢力として、将軍は未来を憂い人員や資源を配置する職責を全うするだけではなく、先頭に立ち、敵陣を叩き道を切り開くべきである。数多ある残酷で短い記録の中、羅浮の雲騎軍を率いる「神策将軍」である景元は、数百年の治軍で抜きん出ている。彼の韜略の下、羅浮雲騎軍は一時期同盟で名を揚げ、数々の輝かしい戦績を立てた。彼本人は戦に恐れる臆病者で、ほとんど陣刀を振るわない、という流言もあるが。景元の智謀は最も鋭利な剣にも勝ると、誰もが認めるだろう。

  • ストーリー詳細3
    最も広く知られている噂によれば、景元は代々地衡司に奉職する一族に生まれた。

狐族から伝わった「選び取り」の風習では、親は幼児の周りに色々な物や玩具を置き、それから1つ選ばせることで将来を占うという。景元の両親は我が子が衣鉢を受け継ぎ、地衡司の学者または執行官になることを期待していたが、景元は玩具の剣を掴んだ。

「選び取り」の結果が彼の未来を確定したかのように、学宮を卒業した後、景元は一目で未来がわかってしまう退屈な人生から脱するため、家族の反対を押し切って雲騎軍に入った。

雲騎軍の戦事蔵庫の中には、彼の雲騎兵卒としての初陣の様子が記録されている。輸送部隊の船がとある海洋惑星に不時着した。その地は忌み物に深く侵蝕されており、「傀儡タコ」と呼ばれる新興の長命種が雲騎の精神を乗っ取って艦隊に紛れ込み、艦隊を自身の巣穴に変えようとしていた。その危機を敏感に察知した景元は、傀儡タコの支配条件や対抗手段を素早く整理した。残りの船員は敵味方の区別がつかない苦境を乗り越え、敵を倒して無事故郷に帰ることができた。

このほぼ戦わずに勝利を収めた戦争で、雲騎将軍たちは景元の才能を目の当たりにした。そして仙舟に戻った後、彼はすぐさま雲騎軍内で頭角を現し、重用されるようになった。

彼の機転と実用主義的な手段は、しばしば上層部を悩ませると同時に強烈な印象を与えた。やがて前任の羅浮剣首の招待を受けた景元は、その所部に加入し、「雲上の五騎士」としての伝説の道を歩み始めた。


  • ストーリー詳細4
    仙舟の歴史に残る有名な伝説で、共に戦うために諸仙舟雲騎軍から集った5人の英雄のことを「雲上の五騎士」と呼ぶ。この5人を中心に成された功績は、絶えることなく史書に記録されている。タラサに攻め入った歩離人の艦隊を退けたこと。豊穣聯軍の慧駿族と造翼者の同盟を打ち破ったこと。仙舟玉殿の包囲を破り、活性化惑星「計都蜃楼」を打ち砕き、星海を観測する同盟の目を守ったこと……

しかし、累々の功績も時間の流れには逆らえない。「雲上の五騎士」の共闘は100年足らずで崩壊した。戦が減るにつれ、同盟の各仙舟はそれぞれの航路に戻り、羅浮も銀河間の交易路の巡航を始め、同盟のために補給と盟助を求めた。

旧友は風流雲散した、もはや二度と会うことはない。宿敵は死んだか捕らえたか、記憶の中に残るだけ。倒れた将軍はこのような苦悩に耐える必要はないが、生き延びた将軍はそのすべてに向き合わなければならない。どんなに素晴らしい未来を夢見ても、神の如く強敵を討っても、時間はお前の牙と爪を引き抜くと同時に、お前を生かし続ける。お前にできるのは、ただ片隅で余喘を保ち、己の無力を呪うことだけ。

そして真の智者だけが、時間という不敗の相手の前に立つことができる。