本棚/ピノコニー

Last-modified: 2026-03-11 (水) 11:27:03

アーカイブ:固有名詞 | 遺物 | キャラクター | 星神 | 敵対種 | 派閥 | 光円錐


本棚:入手場所|内容:宇宙ステーション「ヘルタ」 | ヤリーロ-Ⅵ(1) | (2) | (3) | 仙舟「羅浮」(1) | (2) |(3) |ピノコニー(1)| (2) |オンパロス (1)|(2)|(3)|紡がれた物語|二相楽園|ぽんぽこ通信|収録なし



Ver3.8時点で96項目。内45項目+α。

ようこそ■■■■へ

怪しいカセットテープ。恐ろしい悪夢。

ようこそ■■■■へ

(途切れ途切れの奇妙な録音テープ。語り手の声はまるで金属同士が擦れた時に立てる鋭い音のようで、悪意と嘲笑に満ちている)

…ジジッ…ハハッ…ドカーン!

お客様、ドリームボーダーへようこそ。僕は…ジジッ…ガイドの…クロックボーイだよ!

楽しい旅にするために、観光中は絶対に次のことを守ってね!

まずは…ジ…ジッ…ここの名物――夢境の蜃気楼だ!

…ジジジッ…揺れ動く巨大な建物は風景でもあり、この土地ならではの生態系でもある…ジジッ…知覚生命体は観光客からの接触に反応を示すんだ。だから勝手に触ったり、落書きしたり、悪意を持って壊したりしないでね。

地面や建物が激しく揺れ始めても慌てないで。ほとんどは蜃気楼の周期的な活動か、一部の観光客が接触しちゃったことが原因の現象で、普通はそんなに長く続かないから。

気に入った建物があれば、中を好きに見てもいいよ。別でチケットを購入する必要はないから安心して。でも、最高の観光を楽しむチャンスは一度きりだから、建物は慎重に選んでね。

…ジジッ…キャーッ…クチャクチャ…ゴクッ…ピーッ!……

広場にはスラーダや、キッチンカーのU…ジジッ…バーガー、クロックピザ、ポ…ジッ…コーン…ジジジッ…なんかがたくさんある。どれもユニークな味で栄養満点!食べると健康になって、元気が湧いてくるよ。

今挙げた食べ物や飲み物は全部、観光客に無料で提供されてるから、欲しかったら自分で取りに行ってね。ただし、くれぐれも地元の住人や他の生き物を食べちゃダメだよ!

…ジッ…ジッ…ジッ…ベト…ネチャッ……最高のサービスを提供するよ!次は、今一番人気の観光スポットを紹介するね。

スラーダハッピーショー――「スウィート・ドリーム劇団」と一緒に踊ろう!
頭をカラッポにして、ストレスから解放された状態で君の熱い血潮をふり撒いて!

折り紙の小鳥――働き者の鳥たちは、毎日町を彷徨いながら、自分の体に空いた「埋める術のない穴」を埋めるための心の材料を探している。でも、蜃気楼たちはケチで、地元の人も助けてくれないんだ。じゃあ、親切な観光客ならどうだろう。助けてくれるかな?

自動交響楽団――さあ、この素晴らしい音楽に身も心も捧げよう!弦の上で気ままに揺蕩い、金管のピストンに合わせて上下に身体を動かして、鍵盤やドラムが奏でるリズムを感じながら…ジジッ…永遠の音楽の中で、永遠の喜びを楽しもう!魂が、この世界とひとつになるまで!

…ジジッ…キャハハ…ワァー!…ジッ…ジジッ……

――ゴトンッ!

ジョヴァンナの業務日誌

ホテルの夢路看護スタッフ総責任者ジョヴァンナの業務日誌、ある宿泊客の夢体験中の事故について記録されている。

ジョヴァンナの業務日誌

X月23日
今日は不思議なことがありました。

朝早く、ある客室のドリームマシンに異常が起きたという警報が発されたため、ホテルはすぐに調査人員を派遣。室内からしばらく応答がないことを確認したあと警備員がドアを開けたのですが、中はもぬけの殻で、ただ開け放たれたドリームマシンが稼働しているだけでした。

その後、私たちはホテル内にて緊急捜索を実施。行方不明のお客様の状況を夢境の中で確認するよう手配しました。幸い夢境の中にいるそのお客様に異常はなく、少なくとも彼の肉体は。現時点では無事なままピノコニーの中にあるようです。お客様の精神衛生のため、私たちはしばらくこのことを本人には知らせないことにしました。ホテルは現在も人手を割き、継続して厳しい観察を行っています。

早く彼の体を取り戻せるといいのですが。

X月25日
ここ数日、ホテルで…ある噂が流れています。私も休憩室で雑談中たまたま耳にしたのですが、ある客室係が言うには、夜中に「あの部屋」の前を通りかかった時、ネズミが壁紙をかじるようなガサガサという音が聞こえてきたらしいのです…ピノコニーにネズミなんているのでしょうか?

また、厨房でも同じ話題が上がっていました。別の若い客室係が後日その部屋に忍び込んだところ、中には誰もいなかったそうです。
ただ、それからも例の音はたびたび聞こえていて、さらには…だんだん大きくなっているのだとか。

X月26日
私にもついに聞こえました――彼らの言っていた音が。ドアの前に3時間以上張り付いていたのも無駄ではなかったようですね。私は音が消えないうちに部屋に忍び込みました。最近、同僚たちは「ドリームマシンに呑み込まれたゲストが幽霊になった」という噂で落ち着きをなくしていますが、私は看護スタッフの責任者として、この馬鹿げた妄想を明らかにしなくてはなりません。

それは何かが擦れる音でした。ガサガサとネズミが壁紙をかじっているようにも、怒った幽霊がもがいているようにも聞こえます。振り返ってみると、客室のドアはまだ開いていました。その音は部屋の隅にあるクローゼットの裏から聞こえたので、私は何歩か近づいてみることにしたのですが…足を前に進めた途端、その音はさらに大きくなりました。少し躊躇いましたが、私は「シーリーさん?」と声をかけてみました。
すると、掠れた笑い声が聞こえてくるではありませんか。その声は…少し変というか、笑い声というよりも、調子の外れた弱々しい悲鳴とか、苦痛から漏れる嗚咽のようでした。私は目の前が少し暗くなり、全身が強張っていくのを感じ感じました。しかし、少しするとその声が小さくなっていったので、私は勇気を出して前に出て、再び呼びかけたのです。
その声は突然聞こえなくなりました。その時の私は恐怖より好奇心が勝っていたので、クローゼットに身を乗り出し、その奥の隙間を覗いてみたところ…そこには血走った大きな目と、蠢く白い歯が見えました。それは恐ろしく、醜悪だったのですが…次の瞬間、私は息の荒い弱々しい叫び声を聞いたのです。

「た――助けてくれ!」

X月28日
今朝、ホテルは改訂された客室管理注意事項と夢に入る際のルールを発表しました。シーリー氏の事故は、元のプロセスにおける欠陥を知らせる警鐘を鳴らしてくれたと言えるでしょう。結果として、次のような改善が行われました。

1. 「夢遊病」の既往歴のあるお客様には、睡眠中の事故を防ぐため、夢に入る際に追加で手足を拘束するプロセスを追加すること。
2. ピピシ人などの小柄なお客様が家具の隙間に挟まれる事態を防ぐため、部屋のレイアウトを調整すること。

被害に遭われたシーリー氏については、脱水や飢餓による衰弱よりも、今回の件で受けた心の傷のほうが深刻な問題であるとのこと。
ホテルは彼に最高の療養環境と丁寧なケアを提供することを約束しました。

彼が1日も早く回復することを心から願っています。

ルイスの芸術評論

ルイスが書いた一連の定期刊行物。画家シャルロットの作品のために特別に書き下ろした芸術評論である。

『輝く銀河の夜』:夢と自由の始まり

01.『輝く銀河の夜』:夢と自由の始まり

筆者:ルイス・ライス

本評論シリーズの冒頭の章として筆者が選んだ作品は、『輝く銀河の夜』だ。

これは著名な画家シャルロットの初期の代表作であり、本エッセイシリーズのタイトルの由来にもなっている。

この画家の他の初期作品と同様、本作にも後年の夢に迷い込むような独特の作風はまだ見られないことから、今日に至るまで相応しい評価と称賛を得るには至っていない。これについて、私は謹んで遺憾の意を表明する。

まずは絵画そのものを見てみよう。広く輝く星空の下で、人類の文明と秩序を象徴する黒い灯台はこんなにも小さい――まるで木の葉の船が果てしない海に迷い込んだようだ。嵐や大波が押し寄せただけで、その存在の痕跡は跡形もなく消え去ってしまうだろう。

この絵を構成しているのは、極めて誇張された、渦のように永遠に流れる線だ。これらの線は万物を飲み込む荒波のように、回転し、激しく動き、隆起することですべてを構成し、すべてを説明している。

技法だけで言えば、この時点での画家の筆使いはまだ未熟であり、色彩も少々稚拙である。後期の夢や幻のような作品に比べると、その画風は明らかに「保守的で写実的」すぎるものだ。しかし、この絵の中には、すでに画家の「人」と「世界」に対する深慮が垣間見える。

「我々が星空を見上げる時、我々は何を見ているのか?」

深遠で広大な宇宙を見上げるたびに、我々は自身の矮小さを必ず自覚することになる。人間――さらに言えば、すべての知的生命体の文明の結晶――は、神秘的で計り知れない偉大なる自然の前では、ただの弱々しいロウソクの火のように、一瞬で消え去る存在なのだ。

しかし、この絵では不朽の星空も、無限の宇宙も、人類文明を象徴する灯台も、灯台の光が照らす夜の色も、世の中の万象も、虚数の法則が気の向くままに塗りたくった歪んだ線に過ぎない。

我々の起源は天地と同じであり、それは塵芥となんら変わらないものだ。世の中の万象は、結局のところ無意味なのである。

では、この冷たく空虚な根本原理の下で、画家は我々にどんな答えを与えたのだろうか?

神秘的なスミレ色のグラデーションをあしらった濃紺の夜空で、星々が柔らかい乳白色の光を放っている。それらと灯台は互いの光を調和させることで、我々に時間の流れの中で躍動する喜びと、果てしない夜に燃え上がる温もりを感じさせてくれる。

これらの色彩のおかげで、その先の雑然とした不安な線は、もはや自然に忠実だからといって冷淡に見えることはない。それらは依然として流れながら循環を続け、決して止まることはないが、人間の魂の温度に染まって柔らかい光を放ち、静寂に満ちた夜空に一筋の生気をもたらしている。

たとえ現実がただの幻想であっても、宇宙が人間のために創られたものではないとしても、我々は絵の中で、夢の中で――自分だけの空を追い求めるのだ。

『海岸線』:変化と新生

03.『海岸線』:変化と新生

筆者:ルイス・ライス

今回はこの画家の出世作である『海岸線』について簡単に評論しよう。

これは作者を表舞台へと導いた重要な使者だ。この絵で画家の筆致はさらに成熟し、その独特で幻想的な作風も基本的な形を成すようになった。本作の解釈について、すでに多くの評論家や学者によって珠玉の名文が残されていることは万人の知るところ。故にここで詳しく述べることはしない。そのため今回も従来の思考法、すなわち「作品から出発して作者自身を分析する」という形式を踏襲しようと思う。

筆者をよく知る古い友人たちにとって、筆者の分析方法はすでに慣れ親しんだものだろう。この画家の人気に影響を受け、最近は私自身もこのエッセイシリーズによって注目を浴びるようになった。そのため本稿の冒頭では、まず筆者自身の思考ロジックを示したうえで、それを新しい読者たちに共有することにする。

学界では一般的に「作品と作者を同一視してはならない」とされている。こうした考え方は、無数の歴史と文化の検証を経て、すでに不滅の真理と化しているだろう。しかし筆者は、作品というものは結局、創作者の潜在意識の欠片が繋ぎ合わさったものに過ぎないと考えている――それは夢や幻のように、往々にして作品の細部に現れ、創作者自身も意識したことのない、心の奥底にある欲望を映し出している。

作者に対する理解を深め、その成長環境や人生経験を知れば知るほど、この逆推論の過程は正確になっていく。それを念頭に置き、前回と前々回の題材について振り返ってみよう。『輝く銀河の夜』からは、この画家の芸術と美への愛、自由への強い渇望、そして人類に対する反省と配慮が見て取れる。

2枚目の『ロビンの死』では、画家は形骸化した、荘厳だがぞんざいな葬儀を描くことで、退屈な現実生活への倦怠と不満を訴えた。

以上を認識したうえで、再度この名作『海岸線』に目を向けてみよう。絵全体の背景は砂浜、海、空の3つの部分から構成され、それぞれの境界は黄金比に従って左上から右下へ斜めに呼応している。左下から右上、つまり砂浜と空の間には、黒い蛇の抜け殻、空を飛ぶ白い鳥、黄金の雲、赤い太陽といった4つの鮮明なイメージが弧を描いて連なっている。

筆者の解釈では、砂浜、海、空はそれぞれ現実の物質世界、人々の精神世界、芸術と美そのものを表している。そして蛇の抜け殻、鳥、雲、太陽は画家の個人的な理想を形にしたものだ。苦しい現実生活を古い蛇の抜け殻のように脱ぎ捨て、新たな生を得た画家は、大地の束縛から逃れた鳥のように、自由と精神性を象徴する輝く雲に向かって飛んでいく。天頂に高く懸かる太陽は、真なる善美の具象と化身であり、画家が永遠に追い求める目標とその方角なのである。

画家は色や線の使い方にも工夫を凝らしている。砂浜の筆致は凛として色は仄暗く、海は延々と続く起伏に濃色を重ねたもの。いっぽうで空の線は軽やかかつ、色も透明感がある。4つのイメージにおける色使いは黒、白、黄、赤で、それぞれ錬金術における黒化、白化、黄化、赤化の4つの過程に対応しており、三次元的に画家自身の変化と新生を象徴している。

すでに広く知られているように、『海岸線』はこの画家の人生における大きな転換点だった。この様々な色を重ねて描かれた点は、画家がすべてを賭けてピノコニーを訪れたことと解釈されるかもしれない。あるいは、たった1作品で頭角を現すダークホースとなることを暗示していたと解釈されるかもしれない。しかし筆者に言わせれば、それ以前から――この点は――とっくに絵の中に存在していたのである。

『この世の楽園』:夢境から俯瞰する現実

04.『この世の楽園』:夢境から俯瞰する現実

筆者:ルイス・ライス

今回見ていくのは、この画家の代表作『この世の楽園』だ。この絵の登場は、この画家の作風が完全に成熟したことを意味している。また、これによって彼女は純粋還元主義派の中で、他の追随を許さない代表的な人物になった。

しかし、この作品の評論を始める前に、諸氏に朗報を伝えたい――なんと、前回の筆者のコメントを呼んだ画家本人から連絡があり、これまでの一連の分析に対する評価と同意を示してくれたのだ!

筆者が本稿に着手するまでに、我々は何度か手紙のやりとりをしている。画家本人の言葉は素朴だが、その行間には穏やかな優雅さ、そして包容力ある気品が感じられた。いくつかの理念について簡単に話した後、筆者はますます彼女に夢中になってしまい、今回の文章を書き上げたら必ずピノコニーを訪れ、この偉大な画家の驚くべき姿を一目見ようと決意したのだった。

さて、そんな筆者の話はさておき、この不世出の傑作に目を戻そう。この作品を見るたび、私は無意識のうちに画家の精神世界に引き込まれてしまう。しかし、その過程は間違いなく素晴らしいものだ。

この絵が目に飛び込んできた時、人々は絵画の中に霧のようにぼんやりとした光輪を見ることしかできない。そして、その光輪は激しい変化を始め、ルビーと真珠で彩られた唇、黄金に彫られた目、そこから流れる色とりどりの水晶の涙へと変わる。その涙は目頭から落ち、列をなして進む。線を作り、渦を巻き――その目と口と共に――虚空に歪んだ奇妙な人型を形作る。

しかし、そのぼんやりした眩い光輪の中で、これらの凝縮されたイメージは再び轟然と砕け散る。そして我々は黄金が輝きを失い、宝石が血を流し、真珠が悲鳴を上げ、水晶が砕け散るのを見る…これらの華奢な創造物は今や、恐怖の影が満ち目覚めのない残酷な悪夢の中にいるかのごとく、引き裂かれんばかりの苦痛を湛えている。

ここで、画家は我々に荒唐無稽だが真実の悪夢を見せてくれた。彼女は空虚な概念と切実な欲望に――軽薄で鮮やかな色彩によって――目に見える形を与え、無情にもそれらを打ち砕く。

その精神性を意味する朧げな光輪が、贅の極みにある俗物の形をとるとは誰が想像できただろうか?その俗物のどろどろした貪欲な口によって、本来の静謐は噛み砕かれ、宝石の輝きはかえって獰猛になった。かつては澄んでいたはずの瞳も、凡俗に染まって堕落した黄金となってしまった。零れた涙さえも逃れることはできず、乾いて固まり眩い水晶となる。

この疫病のように毒々しい風景は一体どこから来たのだろう?繁栄を極めたピノコニー、永遠の享楽に耽るピノコニー…あなたは人々に夢想と歓喜の歌をもたらすが、その影の中で密かに諸悪を育んでいる。酒池肉林、金、興奮、酒、好色は人々の肉体を満たすが、その魂を引き抜いてしまう。さて、これまで一体どれほどの人間が、その奇怪な夢の中で溺れ、快楽で膨れ上がった死体になったのだろうか?

この目に見えない精神的災難に対して、画家は鋭く全体を捉え、深く再考した――そして彼女は、それらをひとつひとつ打ち砕いていった。遠近法を捨て、論理を捨て、境界を消した画家は、明るく軽薄な色のブロックでそれを精錬して再現した後、この放蕩三昧の悪夢を思い切り叩き起こしたのである。

これは一種の破壊と再構築の激しい対立だ。画家は静謐の中に狂気を秘め、その中で自らの巡礼の旅――純粋なる魂の帰郷の旅――を完成させたのである。

我々がこれらの狂気の表象を通して、画家の繊細にして狂奔、冷厳にして熱烈な魂を覗き見る時、我々も魂も突然の雷鳴を聞いたかのように震えるだろう。

このような驚くべき天才を作り上げた人生経験とは、一体どのようなものなのだろうか?筆者はずっと気になっていた。そして今、私は自らこの偉大な画家の住まいを訪ね、その答えを確かめ――私自身の巡礼の旅に出ようとしている。

夢境の童謡・七人の家

ピノコニーに伝わる奇妙な童謡。

夢境の童謡・七人の家

悪い子供たちを捕らえ、冷たい檻に閉じ込める。
獄卒に情けはなく、飢えと労役は果てしなく続く。
大きな犬が鉄柵を破り、砲火の間に自由が訪れた。
草花は蝶を引き寄せ、大樹の頂上には甘い果実が生っている。
鳥は枝を使って巣を作り、7人は家族になった。

その家族は7人で、貧しい村に住んでいる。
村の外では悪党が道を塞ぎ、一家は飢えと食糧不足に苦しんだ。
枯れ木や枯れ草はその重さに耐え切れず、緑の草は肥料を探し求める。
草木が揺れて果実が落ち、その果汁が白い砂利に飛び散った。
家族は家族を食べ、家には6人しか残らなかった。

その家族は6人で、小さなあばら屋に身を隠している。
大きな犬は疲れて眠り続け、割れた鏡は鳥の羽を傷付けた。
赤い花や緑の草は成長が止まり、枯れ木や枯れ草はまっすぐに立つことができない。
蝶は1匹で家を飛び出し、大きなキリギリスの群れにぶつかった。
大きな虫は小さな虫を食べ、家には5人しか残らなかった。

その家族は5人で、1日中小さなあばら屋で眠っている。
ある夜天使が訪れて、調和のとれた凱歌を歌った。
そのメロディーは美しい夢のよう。夢の中には着るものも食べるものもたくさんあった。
それからすべては思い通りになり、誰もが目を閉じ安らぎを享受する。
みんな決して目を覚まさずに、あの苦しい日々を忘れてしまおう。

『ニッケルシアター特別上映:スリルナイト』

ニッケルシアター「スリルナイト特別上映イベント」のチラシ。注意事項と当日の夜の上映リストが印刷されている。

『ニッケルシアター特別上映:スリルナイト』

グレイディ・シネマズより愛を込めて!
ピノコニー「スリルナイト」特別映画鑑賞イベント

注意事項:
※本イベントはグレイディ・シネマズ傘下のニッケルシアターのみで開催される限定イベントです。観客の皆様は該当の映画館にて現金でチケットをご購入ください。
※本イベントは小規模特別上映で、チケット数には限りがあります。チケットはなくなり次第終了となります。
※本上映はギャングの闘争、家宅捜索、ナイトメア劇団の嫌がらせなどの影響を受ける可能性があります。近くの席に人間ではない観客がいる、映画のキャラクターが現実に飛び出してきたなどの問題に気づかれた方は、お近くのスタッフまでお申し付けのうえ、すぐに避難してください。
※当館は映画鑑賞によって生じるいかなる症状にも責任を負いません。
※それでは、映画の時間をお楽しみください。

「スリルナイト」上映リスト
『燃えろ!ピノコニー!』 ドラマ/アクションホラー/2157紀
監督:ピア・アイゼン
あらすじ:破壊!爆炎!絶叫!若い警察官がピンチを潜り抜け、街を滅ぼそうとする夢境のモンスターに立ち向かう。
しかし、彼とこの街の運命はすでに決まっていた……
「燃えろ!これが爆発の芸術だ!」

『スターロード・パニックナイト』 ドラマ/サスペンス・コメディ/2155紀
監督:ジェリフ・ラファエロ
あらすじ:凶悪な連続犯罪者が映画スターを暗殺しようとピノコニーに潜り込む。しかし、彼の任務は上手くいかなかった――巨万の富を持つお金持ち、家出したお嬢様、何か企んでいるホテルの支配人…彼らがホテルの中でふざけた喜劇を繰り広げる。
「なんでもできると思ってたんだ。スターロードに行くまでは……」

『ビザール劇団』 アニメ/ファンタジースリラー/2153紀
監督:キララ・ミララ
あらすじ:スウィート・ドリーム劇団を引退したポンコツ人形たちが、本当の自分を探す旅に出た。
気を付けろ、このトラブルメーカーたちはピノコニーの街にとんでもないパニックをもたらそうとしている!
「あなたの心はどんな味?スラーダの泡?それとも歯車のオイル?」

『マッドマニヤ』 ドラマ/ポストアポカリプス/2155紀
監督:アリエル・アン
あらすじ:文明崩壊後、ピノコニーの夢は狂砂が渦巻く荒地となり、浮遊車に乗った無法者たちが世界の支配者となっていた。狂った少女マニヤは、そんな暴走族たちの間を渡り歩き、弱者を虐げる罪人どもに残酷な方法で復讐していく…
「ピノコニーに夢を求めようとしないほうがいい。昔からそうだったが、今はなおさらだ」

『十二の刻』 ドラマ/シティクライム/2156紀
監督:匿名のアマチュア監督
あらすじ:宴の星は闇と犯罪を許さない!あるハウンド家のメンバーが十二の刻の夢境で逃亡犯を追跡することになった。
しかし事件が深まるにつれ、自分の秘密に関する暗い真実が明らかになっていく…
「――楽しいピノコニー!幸せなピノコニー!」

『ピノコニーの過去』 ドキュメンタリー/歴史記録/2149紀
監督:■■■■
あらすじ:2149紀、ピノコニーの情勢が混乱する最中、グレイディ社の監査役マッコイ・デナールが銃撃され死亡した。
そして■■■と■■■を始めとする反逆者が抗争のラッパを吹き鳴らした。
「ああ、ピノコニーは連中の名前を覚えておかなきゃならん」

[ドキュメンタリーの紹介文のいくつかの箇所が人為的に黒く塗りつぶされているため、詳しい情報はわからない。下のほうに赤いペンで大きな文字が書かれている]
-この映画はすでに上映リストから削除されました

スラーダ小百科

スラーダ工場が印刷した広告パンフレット。消費者に様々な味のスラーダ飲料を紹介している。

スラーダ小百科

ピノコニーを訪れたことがあるかないかにかかわらず、「スラーダ」というブランド名は聞いたことがあるのではないでしょうか。このソーダ水が誕生してからというもの、その瓶の中の激しい波は星間市場で脚光を浴び、あらゆる銀河の舌を虜にしてきました。本書では、特に人気の高いスラーダの味をいくつか紹介すると共に、消費者の皆様に銀河を席巻した本飲料について、理解を深める機会を提供したいと思います。

【クラシックスラーダ】
スラーダブランドからは現在までに百種類以上のフレーバーが発売されていますが、この「クラシック」は常に売上ナンバーワンを維持しています。ねじれた瓶の中で泡立つ黄金の液体を見れば、誰でも飲み干したくなってしまうこと請け合いです。スラーダの瓶にはシロップ飲料だけでなく、「シロップ主義」の楽観的な精神を代表する、宇宙の各地に夢を届けるという思想が詰まっているのです。
Tips:冷やして飲むとさらに口当たり抜群!

【クールスラーダ】
冷やしてもまだ爽快感が足りないという方は、この「クール」を試してみましょう。このスラーダにはタルウィ星系の特産品であるブルーミントエキスが配合されており、クールキャップがスラーダの温度を限りなく氷点に近い状態で保っています。たとえあなたの住む星系が3つの恒星を持つ灼熱地獄であろうと、このスラーダはあなたをその火の海から救ってくれるでしょう!
Tips:飲む前に周囲の環境温度と、ご自身の胃腸が持つ抵抗力を慎重に見極めてください。

【スパークスラーダ】
スラーダの泡が口の中で炸裂する刺激がお好きですか?それならこの「スパーク」は見逃せません!スパークスラーダのボトル詰めには1万トン級の圧縮機と高分子合金ボトルを採用しており、ひと口飲むだけで無数の細かい泡が口の中で踊り狂う感覚を味わうことができます。ちょっとした痛みなんて恐れず、舌先で超新星爆発が起きる快感を楽しみましょう!
Tips:飲む前にキャップを少しだけ緩め、5秒ほどガスを抜いてからゆっくり開けてください。そうしなかった場合の責任は負えません。

【グッドドリーム・ソーダ】
スラーダのファンは銀河各地に散らばっていて、異なる銀河系の消費者の食習慣に合わせるため、これまでに地域の特色を生かした味のスラーダが数多く開発されてきました。「グッドドリーム・ソーダ」は「仙舟同盟」の消費者たちのために作られた製品で、原料に対して入念な調整を行っています。地域の特産品である夢言花と安神草を配合することにより、薬草の芳香を楽しめるのはもちろんのこと、心身を健康に保つ効果、さらには安眠効果まで期待できるのです。
Tips:偽物や粗悪品を入手するリスクを避けるため、「仙舟代購団」などの非公式販路から「グッドドリーム・ソーダ」を購入することはおやめください

【初代スラーダ】
宇宙中どれだけの商品棚を探しても、「初代」スラーダに出会うことはできないでしょう。しかし、それは宇宙で最も美味しい飲み物であり、スラーダの本来あるべき姿でもあります。
まだ監獄だったピノコニーを訪れたスラーダの創始者「スーサ」氏は、不思議な夢見草を見つけ、信じられないくらい美味しいシロップを調合しました。彼は全身全霊でそれを完璧なものにして、宇宙で最も完璧な飲み物「初代」スラーダを作り出したのです!残念なことに夢見草の絶滅によって、その美味も世界から消えてしまったのですが……
Tips:スラーダ工場のたゆまぬ努力により、絶滅した夢見草が夢の世界で蘇り、一度は消えた美味が再び陽の目を見ることになりました!この伝説のスラーダを味わいたい方は、ぜひピノコニーへ来てお試しください!

『ちびっ子ハヌの大作戦』

クラークフィルムが作った数量限定の漫画本。
「ブラザーハヌ」が体を小さくされた後、ドリームタウンを救う物語が描かれている…本の中には奇妙な会話が挟まれているようだ。

前書き

物語の前書き

これはアニメ『クロックボーイ』に登場するクールなキャラクターの物語である。頭が切れ、はっきりした性格で強く勇敢、危機に瀕しても恐れず、いつも仲間たちを危機から救い、何度となくボス・ストーンの陰謀を打ち砕いてきた……クロックボーイが最も信頼する親友であり悪党たちが最も恐れる相手、ドリームタウンの皆が大好きな——ブラザーハヌ!

いつもおしゃれなコートを着てかっこいい帽子をかぶり、サングラスで鋭い眼光を隠し、一言も発することなくドリームタウンをパトロールしている。博学のフクロウ先生よりも落ち着いていて、人望のあるウッド爺よりも大胆で、派手なノーツガールよりも人気がある。

「今回は二十二匹の『ワニ』がやって来た、全員が重い『尻尾』を抱えて」

前の物語で、ブラザーハヌはドリームタウンをかき乱すハエ一族を打ち負かした。しかし汚くも、ボス・ストーンがどさくさに紛れてフクロウ先生の発明した体を小さくする装置を持ち去ったのだ。ドリームタウンの危機にあって、ブラザーハヌは装置で「ちびっ子ハヌ」に変えられ、屈強な体が使えなくなり、力でボス・ストーンに勝つことはできなくなってしまったのである。

「■■■、自ら戦うのか?」

しかしブラザーハヌの機転を甘く見てはいけない。この寡黙なクールガイは怪力の持ち主だが、今回はそれだけではなかった。親友のクロックボーイと共に知恵と俊敏さでボス・ストーンを打ち負かし、小さな体で皆のドリームタウンをボス・ストーンの手から奪還してくれるだろう。

クールな声で「フン」と言った。
「お前ってやつは、いつもクールだな」

上 第一章

(一)

ハエ一族がドリームタウンを去り、この街にまた活気が戻ってきた。そんな、とあるうららかな日、クロックボーイは広場でいたずらをしていた。

「おい——クロックボーイ、このいたずらっ子!今回こそは許さないチュン!」

怒って膨らんだ赤い小鳥はクロックボーイをつつきながら追いかけている。このとても怒りっぽい折り紙の小鳥を、クロックボーイはうっかり刺激してしまったようだ。

「チクタク!ブラザー・レッド、つつかないでくれよ——僕はフクロウ先生の彫像にちょっとお化粧をしただけだ。お年寄りだし、きっと気にしないさ」

「そんなわけあるかチュン!やつらを絶対に■■■■に入れてはいけないチュン。ここは俺たちが心血を注いで作った故郷だチュン」

クロックボーイの「お化粧」によって、フクロウ先生の彫刻はめちゃくちゃに落書きされていた。特に顔にある文字盤の二本の針がヒゲのように見えて滑稽だった。

「ゴホン、クロックボーイ。フクロウ先生は折り紙の小鳥の師匠であり、わがドリームタウンを建設した功績者だ。こんな風に侮辱してはダメだろう」

街で一番の説教好き、ウッド爺が根っこを引きずりながら歩いてきた。後ろには超「クール」なブラザーハヌもいる。

「ゴホン、ブラザーハヌ。君からも言ってやってくれ」ウッド爺は言った。

「フン」ブラザーハヌは冷たく鼻を鳴らした。相変わらずクールだ。

「敵をこっち側深くに誘い込む計画を放棄するのか?しかし、僕たちの戦力の差は……」

しかし、その「フン」という一声だけで、クロックボーイとブラザー・レッドはすぐにケンカをやめた。

「チクタク、ごめんよ…彫像はきれいに拭いとくよ……」クロックボーイは長針をうなだれさせ、文字盤を下に向けた。

クロックボーイにとってブラザーハヌは最も親しい友人であり、油断ならない相手でもあった。この無表情で寡黙なクールガイを刺激したくなかったのだ。

「分かった、でも絶対に無事で帰ってきてくれよ…■■■■には君が欠かせないんだ」

クロックボーイがおとなしく彫刻につけた針を外すとブラザーハヌはうなずき、身を翻して広場を去って、暗い路地にひとり入っていった。

彼にとって街の争い事を解決するのはたやすいことだった。本当に面倒なのは、街を脅威にさらしている悪党だ——彼らを「フン」の一言で解決することはできない。

だから、ブラザーハヌは日々懸命にドリームタウンを隅々まで調べ、街角に潜んでいる悪行を暴いた。しかしこの真面目さこそがボス・ストーンに付け入る隙を与えてしまったのだった……

自身ありげな声で「フン」。

上 第二章

(二)

ドリームタウンの街角で、ブラザーハヌは奇妙なテレビを見つけた。

ブラザーハヌは疑惑のまなざしでテレビを観察している。彼の直感が、これは折り紙の小鳥とフクロウ先生のものだと告げていた——このような複雑な機械をいじれるのは彼らしかいないし、この街の住民たちはテレビを見るよりも舞台に集まってノーツガールの歌を聴く方が好きだったからだ。

ブラザーハヌは少し考えて、とりあえずこのテレビをフクロウ先生に返すことにした。しかしテレビに触れた瞬間、奇妙な信号が体に入ってきたではないか。まずいと思った時にはもう遅く、邪悪で粗野な笑い声が聞こえ、目の前の景色がゆがんでいく……

「ハハハハハ、ブラザーハヌ、まんまとはまったな!お前なら、これに触らずにはいられないだろうと思っていた」

「■■■!全ての『ワニ』はお前の方へ泳ぐ!」
「これ以上行ってはダメだ、これはわなだ!」

ブラザーハヌの視界が再びはっきりした時、空はすっかり暗くなっていた。出ていたはずの太陽が一瞬で影も形もなくなっている……いや、何かが太陽を遮っている。

ブラザーハヌが顔を上げると、そこには真っ赤な大口を開けた人物がいた――ドリームタウン最大の敵、ボス・ストーンだ!

ボス・ストーンの体は巨大だった。今までこんなに大きくなったことはなく、それはブラザーハヌを片足で踏み潰せるほどだった。大口を開けたまま覆いかぶさろうとした彼を、ブラザーハヌは軽々と転がってかわす。ボス・ストーンは「うわあ」と声を上げて地面に倒れた。

激しい爆発と衝突音

「いまいましいブラザーハヌめ、今に見ていろ!」

ブラザーハヌは振り返りもせず走った。彼の鋭い野生の勘をもってしても、全く状況が分からなかった。なぜボス・ストーンはあんなに巨大化したのか?なぜ周囲には見慣れない景色が広がっていたのか?まさか自分はまだ、ボス・ストーンのわなにはまっているのではないか?
一体何がどうなってしまったのだろう?

苦しそうな声で「フン」。

上 第三章

(三)

彼はすぐに真相に気付いた——ボス・ストーンが大きくなったのではなく、自分が小さくなったのだ!

まずいことになった。今までは自分の強力なパワーでボス・ストーンを打ち負かしてきたが、こんなに小さくなってはハヌミサイルランチャーすら運べない。どうやって立ち向かえばいいのか?

悩んでいると、ボス・ストーンの邪悪な計画が動きはじめた——ドリームタウンの家々は全て珍しい宝石でできており、ボス・ストーンはこれを最も欲しがっていた。彼は子分のワニを連れて大手を振って街に入ると、住民たちの家を壊しはじめた。

ブラザーハヌの助けがない今、丸腰の住民たちは隅に隠れることしかできない。家を建てた折り紙の小鳥たちは紙の木に集まり、ボス・ストーンに向かって「チュンチュン」と抗議の声を上げている。

「この野郎、住宅地から上陸するとは…発砲できない!」

「ハハハ、チュンチュン言っても意味ないぞ!ブラザーハヌはお前たちを助けられない。ドリームタウンの宝石は全部俺のものだ!」

混乱状態のドリームタウンを見てボス・ストーンは狂ったように笑っている。彼がここに目をつけてから攻撃に成功するのは初めてだった。この太ったワニは勝ち戦の将軍のように、大きなおなかを揺らして堂々と街を練り歩き、そして広場を通りがかった時、すぐにフクロウ先生の彫刻に目を留めた。

「お前たち、このバカな鳥、なかなかいい石でできてやがる。丸ごと持って帰って、俺の彫刻に変えてやろう!」

子分たちが彫刻に手を出そうとした時、思いがけない人物が立ちふさがった——

「チクタク、やめろ、悪党ども!僕の『クロックトリック』を見せてやる!」

クロックボーイだ!唯一のいたずらっ子であるべきは彼で、他の誰かが住民を困らせるのは我慢ならないのだった。

クロックボーイは指で自分の長針を動かそうとしている——これは「クロックトリック」といって、街の全てを彼の文字盤で制御し、心を変えることができ、時間まで戻せる。この不思議な能力によって、クロックボーイもブラザーハヌのような救世主になることができた。

しかし、この物語の主役はブラザーハヌだ。

クロックボーイが針を動かすよりもボス・ストーンの手下の方が早かった。奇妙な液体を彼の頭にぶちまけたのだ。

「チク…タク…どうしたんだ…動けない……」クロックボーイは全身ネバネバになり、針も文字盤に貼りついてしまった。

「やっぱり僕は君ほど戦場を指揮するのはうまくないよ。■■■…君には無事でいてほしいんだ」

「ハハハ、クロックボーイよ。これはお前のために準備した強力接着剤だ。ここで新しい彫刻になるがいい!」

「チクタク……」

接着剤が固まり、かわいそうなクロックボーイは広場に固定されてしまった。隠れている住民たちはパニックになっている。今となってはいまだに現れないブラザーハヌに望みを託すしかない。

しかしブラザーハヌはどこに行ったのだろう?

「待って、彼の声が聞こえる……」
低い声で「フン」と。

上 第四章

(四)

ボス・ストーンはドリームタウンを占領し、ウッド爺の屋敷も奪い取った。巻き上げた宝石が部屋いっぱいに積み上げられている。

「ドリームタウンを『ストーン町』に改名するか…いや、ちょっと地味だな。『ストーンキングダム 』にしよう、ハハハ!」

彼の貪欲な大口からよだれが垂れている。頭は未来の妄想でいっぱいで、面倒事がまだ一つ解決していないことを完全に忘れている……

この時ドリームタウンの辺境では、勤勉なフクロウ先生が街の新しい建物の設計に夢中になっていた。過去の作品が今まさにボス・ストーンによって破壊されているとはつゆ知らず、森でのんびりと適当な石材を探している。

「■■■、大丈夫か!?」
「分かっている。こいつがスフェロイドのガラクタと一緒に死ぬはずがないとな」

突然、地面に置いてある石が動いていることに気付き、彼は興味を引かれた。長く生きてきたが、動く石材など見たことがない。すぐに飛んで行って石をくちばしにくわえたところ、それは妙にふにゃふにゃしていた——なんと、ブラザーハヌだったのだ!

フクロウ先生は慌ててブラザーハヌを放し、いぶかしげに尋ねた。「ホーホー、ブラザーハヌ、どうしてこんなに小さくなったんだホ?私の教え子たちよりも小さいじゃないか!」

ブラザーハヌは仕方なさそうに「フン」と言った。

フクロウ先生はすぐに事のいきさつを理解した——自分が発明した体を小さくする装置はハエ一族が侵入した時に奪われた(注:『クロックボーイとハエ』のお話を参照。夢の泡シリーズは各夢境で好評発売中)。おそらくそれが悪人の手に渡り、ブラザーハヌがこのような姿に変えられてしまったのだろう。

「フフ、敵の旗艦に飛び込んでくるなんて、本当に運がいいな。」
「でもその傷では…もう戦えないだろう」
「ホーホー、体を小さくする装置がなければ元には戻れない。ボス・ストーンの手に渡ってしまった今、面倒なことになったホー……」難題に直面し、賢いフクロウ先生でもどうすればいいか分からない。

しかしブラザーハヌにとっては全く問題ではなかった——街を救うために元に戻る必要があるなら、何とか方法を考えよう。そのためにボス・ストーンを倒す必要があるなら、小さな体で何とかして倒すしかない。

サングラスの下にブラザーハヌの強いまなざしを見て、フクロウ先生は彼の決心を感じた。

「待て、『ワニ』のおなかの中で、けが人に計画を実行させるなんて無茶だ!」
「でも彼が言っていた通り、今はもう選択肢がない」

「分かっているホー。君の勇敢さ、さすがはわがドリームタウンの英雄だホー!」

フクロウ先生はブラザーハヌがボス・ストーンを倒すのを手伝うことに決めた。まず折り紙の小鳥に偵察に行かせて居場所を探るとともに、ブラザーハヌを助けるためのからくりを仕掛けさせた。

全ての準備が整ってから、フクロウ先生は再びブラザーハヌの小さな体をくわえた。フクロウ先生と折り紙の小鳥たちは皆、この小さな体が街を丸ごと救ってくれると信じていた。

「行こう、私がボス・ストーンの所まで連れて行ってあげるホー!」

ブラザーハヌはうなずくと、鳥たちと一緒にドリームタウンの方へと飛んでいった。

「分かった…じゃあ君に任せたよ。みんなの夢をもう一度背負ってくれ」
(固い決意の)「フン」

中 第一章

(一)

フクロウ先生は翼を力いっぱい羽ばたかせ、ようやくブラザーハヌをドリームタウンに送り届けた。

かつて活気に満ちていたドリームタウンは、今では見る影もなかった。いたるところにボス・ストーンの醜い彫像があり、小さなワニたちが町中で横暴を働き、理不尽に住民をいじめていた――

彼らは折り紙の小鳥たちが苦労して建てた家を壊し、ノーツガールの華やかなステージを荒し、ミスター・ソーダのソーダを飲み干し、ウッド爺の樹冠をメチャクチャにした。

「■■■■教授、『ワニ』たちが夢境に侵入しました」
「そうか…彼らは誤った選択をしたかもしれないね」

この光景を見て、ブラザーハヌはここが「ナイトメアタウン」だった頃の出来事を思い出し、怒りに満ちて「フンッ」という声を鳴らした!彼は黙って、現在の自分がどれだけ小さくなっても、憎きボス・ストーンを倒すと誓った。

自分の生徒がいじめられ、チュンチュン鳴いているのを見たフクロウ先生も怒った。「ホーホー…憎きボス・ストーンめ、ブラザーハヌ、私が彼をやっつけよう!」

フクロウ先生はタウンホテルの屋根に飛んでいった――そこはボス・ストーンから見えない場所だった。彼はホーホーと鳴き、町の折り紙の小鳥をすべて呼び寄せ、小鳥たちが空を色とりどりに染め上げた。

「■■■■教授、なぜカタルスを……」
「フフ、この子たちを信じてみよう。彼ら以上に夢の中の武器に詳しい人はいないからな」

ボス・ストーンとその手下たちは驚いた。これほど多くの折り紙の小鳥を見たのは初めてだったのだ。
フクロウ先生は折り紙の小鳥たちに秘密の図面を何枚か渡していた。それを見た彼らは涙を拭い、元気を取り戻し、ボス・ストーンが占領した家で作業を始めた。

ボス・ストーンが気づく前に、町全体が姿を一変させた。ミスター・ソーダのボトルの小屋は折り紙の小鳥によって大砲に変えられ、ノーツガールの舞踏会の船は戦艦に変えられ、ウッド爺のオークの家さえも地面から引き抜かれ――ワニを食べる木の恐竜になっていた。

「これはすごい!教授、これからも夢の中でもっとこういうものを作ってよ!」
「…ダメだ」

ボス・ストーンと彼の手下たちは怖がっていた。彼らは折り紙の小鳥たちの創造物に抵抗できず、タウンホテルに隠れた。

これにはフクロウ先生も困ってしまった。タウンホテルはドリームタウンで最も華やかな建物であり、町で最も稼げる施設なので、簡単に壊すわけにはいかなかったのだ!

恐ろしい武器が門の前で攻撃をためらっているのを見て、ボス・ストーンは小鳥たちが何を恐れているのかを理解し、大声で笑い始めた。「ハッハッハ、バカな鳥たちめ。攻撃できないだろう!野郎ども、マッチを投げてこの怪物たちを燃やしちまえ!」

ワニたちはホテルの中でマッチに火をつけ、折り紙の小鳥の武器に向かって投げ、灰にした。

「夢境で彼らを追い払うのは一時しのぎに過ぎない…この『ワニ』たちを夢の中で倒したとしても、現実世界の火力の差はあまりにも大きい。中央セクターが陥落したら、夢の中の子どもたちも危険に陥ってしまう……」
「大丈夫、■■■■教授――ハヌヌがいることを忘れないで!」

そうだ。ブラザーハヌも戻ってきたのだ。彼こそが物語の主役だ!
しかし、今のブラザーハヌはとても小さい。大きな口を持つ巨大なワニを倒すにはどうすればいいのだろうか?

フクロウ先生は眉をひそめ、折り紙の小鳥たちはため息をつき、彫像になったクロックボーイの目にも心配の色が浮かんでいた――しかし、ブラザーハヌは依然として無表情で、ホテルの方に静かに歩いていった。

自身ありげな声で「フン」と鼻を鳴らした。

中 第二章

(二)

「ハヌヌ、彼らの戦力は前線にあるはずだが、主力艦の中にも必ず予備の戦力を配置しているから、気を付けるんだ」

ブラザーハヌは丸腰でホテルに潜入し、ボス・ストーンの手下たちは廊下のいたるところをパトロールしていた。彼らは、ボス・ストーンがここに隠している財宝を、誰かが盗もうとするのではないかと恐れていたのだ。

小さな体のおかげで、ブラザーハヌはホテルの中で悪者たちの視線を避けながら進むことができ、ボス・ストーンの行方を探していた。

ロビーにたどり着いたブラザーハヌは、ボス・ストーンの右腕「モグモグマネージャー」が階段の前に立ちふさがっているのが見えた。それはボス・ストーンよりも大きなワニで、蚊一匹たりとも通り抜けることができなかった。

以前なら、ブラザーハヌの「ハヌランチャー」の一撃でこの木偶の坊を倒せただろうが、今のブラザーハヌは他の方法を考えるしかなかった。

「お前の実力は信じている。だが、今のお前の身体でこのレベルのカンパニーの装甲と正面切って戦うのはやめた方がいい……」

どうしたらいいのだろうか?
ブラザーハヌがホテルの物置棚で考え込んでいると、突然モグモグマネージャーが棚に向かって歩いてきた。

「クスクス、オオカミの匂いがするようだ!」

迫りくるモグモグマネージャーを前に、逃げ場のないブラザーハヌ。大きな戦いを避けられそうにない!
ブラザーハヌは戦いの準備を整え、モグモグマネージャーに向かって突進した――

しかし、モグモグマネージャーは小さなブラザーハヌにまったく気づかなかった。ブラザーハヌはそのまま彼の口の中に飛び込んでしまった!ブラザーハヌは食べられてしまっただろうか?

機械の衝突音、怒号、銃声。

「クスクス、鼻がおかしいのかな?」この愚かなワニは左右を見回し、頭をかいた。
モグモグマネージャーは歯に何か挟まっている気がしたが、気にしなかった。なぜなら、このだらしがない男は歯を磨かないからだ――それもあってブラザーハヌは九死に一生を得た。

――ブラザーハヌは尖った歯を慎重に避け、大きな口の中を素早く動き回り、モグモグマネージャーの歯の穴に身を隠した!

「ハヌヌ、手を出すなと言ったのに、なんで話を聞かないんだ!」
「もういいでしょう、教授。彼のことはよく知っているはずです…ちょうど、あの装甲の中に入れば疑われなくなります。あの中の生命維持装置はきっとあなたの傷を治すのに役立ちます」

こうしてブラザーハヌは最高の隠れ場所を見つけたのだった。

中 第三章

(三)

ブラザーハヌは危機から脱したが、いつまでも隠れているわけにはいかない。彼はボス・ストーンを見つけて倒さなければならないのだ。そうしないと、ドリームタウンはいずれワニたちの餌食になってしまう。
しかし、ブラザーハヌはモグモグマネージャーの歯の穴に閉じ込められてしまった。どうやってボス・ストーンを見つけるのだろうか?

――心配ご無用。イケメンは常に方法を用意してある。

「そう、彼には必ず方法がある。何しろ彼はハウンドのボス——無数の反乱を起こしている人なのだから」

ブラザーハヌはモグモグマネージャーの口の中で考えていた――しかし、ワニの口はあまりにも臭く、ブラザーハヌの鼻はとても敏感なので、思わず嫌悪感を込めて「フンッ」と鼻を鳴らしてしまった。

「クス!ブラザーハヌだ!ブラザーハヌの声だ!」この「フンッ」の声にモグモグマネージャーは驚き、周りを隅々まで注意して探したが、ブラザーハヌの姿を見つけられなかった。

モグモグマネージャーの間抜けな様子を見たブラザーハヌは、いい方法を思いついた!
彼がモグモグマネージャーの口の中で何度もフンと鼻を鳴らし続けると、モグモグマネージャーは混乱して訳が分からなくなった。

「主力艦に誰かが忍び込んだことに気が付いて、一部戦力を防衛のために帰還させている」
「ハヌヌ、気を付けるんだ…しかし、奴らはお前が犯人の装甲の間に隠れているとは思わないはずだ」

「クスクス!ブラザーハヌ、一体どこに隠れているんだ!」モグモグマネージャーは狂ったようにブラザーハヌを探し、ホテルの床板をひっくり返した。彼はブラザーハヌが自分のすぐ近くにいると感じていたが、その暗くてカッコいい姿をどうしても見つけられなかった。

「マネージャー、マネージャー、ブラザーハヌの声はマネージャーから聞こえてきます!」彼の部下のワニが手がかりに気づき、頭の悪いボスに急いで教えた。
「クス!ブラザーハヌ…まさか俺の体の中に隠れているのか!?」

しかし、モグモグマネージャーは服をすべて脱いでもブラザーハヌを見つけられなかった。
一方、ブラザーハヌはまだ彼の口の中でフンと鼻を鳴らし続け、モグモグマネージャーは頭がおかしくなりそうだった。

「クス!もしやブラザーハヌは透明になれるのか!急いでボス・ストーンに報告しなければ!」
モグモグマネージャーはお尻を出したまま、慌てて階段を駆け上がっていった――ブラザーハヌの計画通り、彼は苦労することなくボス・ストーンに会うことができた。

「司令室はこの階にある…ハヌヌ、お前は天才だよ」

中 第四章

(四)

「クス!ボス・ストーン!大変ですクスクス!」
モグモグマネージャーは大声でスイートルームに駆け込んだ。泡のベッドで美しい夢を楽しんでいたボス・ストーンが目を開けると、全裸の太ったワニが視界に飛び込んできて、とても驚いた。

「バカ、何をしているんだ!」怒り心頭のボス・ストーンは、尻尾でモグモグマネージャーの顔をたたき、彼の歯を吹き飛ばした。
歯の穴に隠れていたブラザーハヌも飛ばされた。彼はその隙にボス・ストーンの部屋の隅に隠れ、獲物を狙う狼のようにチャンスを待つことにした。

「ハヌヌ。敵の主力が戻ってきているようだが、そちらは大丈夫か?」
自信ありげに「フンッ」と鼻を鳴らした。

「クスクス…ボス・ストーン、ブラザーハヌが戻ってきました!あいつは透明になれるんです。カッコいい「フンッ」しか聞こえず、姿が見えないんです!」
モグモグマネージャーがブラザーハヌのことを話すと、ボス・ストーンは思わず震えた。「ブラザーハヌめ…分かった。お前はさっさと出ていけ――次に俺のところに来るときはパンツを履いてからにしろ!」

モグモグマネージャーを追い払ったボス・ストーンは悩み始めた。たしかにブラザーハヌは彼によって小さくなったが、それでもドリームタウンの大英雄なのだ!

ボス・ストーンは自分の棚を開け、隠していたハヌランチャーを見た。そして今のブラザーハヌは自分の歯の隙間よりも小さいことを思い出して、ようやく安堵した。

「ブラザーハヌ、たとえ戻ってきても、小さな体では俺を倒せないぞ!」ボス・ストーンは部屋の中で大声で叫んだ。ブラザーハヌに聞こえると思っていたからだ――実際に彼は聞いていたが。

「弾薬庫を見つけたのか?しかし、たとえ十分な武器があっても、あんなに多くの『ワニ』を倒すことはできないだろう?」
見下すように「フンッ」と鼻を鳴らした。

ボス・ストーンは自分の大きなベッドに戻り、不安を抱えたまま夢の中に戻った。彼は先ほどの恐怖で汗をかきながら寝ていた。美しい夢も悪夢に変わってしまった。
ブラザーハヌは物陰から出てくると、自分より数百倍も大きな棚を開けて中に入った……

「なんだって…待て、ハヌヌ、ダメだ!」
笑いを帯びて「フンッ」と鼻を鳴らした。

ハヌランチャーは目の前にある。小さな体のブラザーハヌは弾薬を苦労して担ぎ、大砲の中に入れた。

「待て、ハヌヌ。そんなことをしてはダメだ!」
否定するように「フンッ」と鼻を鳴らした。

棚の中の物音で再びボス・ストーンが目を覚ました。
「まさか…本当にブラザーハヌが来たのか?」ボス・ストーンはつばを飲み込み、恐る恐るベッドから起き上がった。
「怖がるな、兄弟たち!怖がるな、今のあいつはこんなに小さいんだ。一口で噛み砕けるぞ!」ボス・ストーンは自分の手下たちを呼んだ。すべてのワニが小さな部屋に押し込められ、棚に近づいた――

「ハヌヌ、ダメだ…ピノコニーに君がいなくなったら、私はどうすれば……」
やるせなく「フンッ」と鼻を鳴らした。

彼らが棚を開けると、漆黒の砲口と、発射ボタンの上に立つ小さなブラザーハヌが目に飛び込んできた。

「君なら大丈夫。だって、君は『時計屋』だから」

ブラザーハヌはカッコよく「フンッ」と鼻を鳴らし、発射ボタンを踏んだ。

カッコよく「フンッ」と鼻を鳴らした。
巨大な爆発音、そして静寂。

下 第一章

(一)

ドォォン!

ブラザーハヌのロケットランチャーがボス・ストーンを吹き飛ばし、屋敷の中の花火も爆発させた。
巨大な爆発は町の窓ガラスをすべて粉々にし、数軒の家をなぎ倒し、強烈な衝撃波で固まっていたクロックボーイを池の中へ吹き飛ばした――彼はようやく動けるようになった!

「チクタク!ブラザーハヌ!ブラザーハヌは!?」

クロックボーイはずっと広場に張り付いていたが、町で起こったすべてを目の当たりにした。ちびっ子ハヌがボス・ストーンの拠点に入るのを見て、今起きたばかりの大爆発を目にした。クロックボーイは文字盤に入った水を出すこともせず、爆発が起きた方向に慌てて走っていった……

廃墟の中で、クロックボーイは小さな帽子しか見つけられなかった。

「ハヌヌ…どうして…もし君が目覚めなければ、ピノコニーは……」
「元気を出して、『時計屋』。今は誰かが状況を仕切らなければ…オオカミの群れが急にリーダーを失ったら、混乱に陥ったしまうはずだよ」

外での騒ぎが徐々に収まると、町の人々はこっそりと顔を出した。彼らは通りにいたワニたちがすべていなくなっていることに気付いた。いたのは、廃墟の中で涙を流すクロックボーイだけだった。

「クロックボーイ、クロックボーイ、ボス・ストーンは倒されたの?」
「クロックボーイ、クロックボーイ、ブラザーハヌはどこへ行ったの?」

クロックボーイは、町の人々がボス・ストーンの脅威から逃れたばかりで、今は彼らを安心させる必要があると分かっていた。そのため、彼はうそをついた――

「『時計屋』さん、それは本当ですか?」
「はい。ハヌヌ当主は先の防衛戦で重傷を負い、一時的に関連業務を欠席します。しかし、ハヌヌ当主は引き続きピノコニーの重要な決定を行いますので、ご安心ください」

「チクタク。心配しないで!ブラザーハヌはちょうどボス・ストーンを追い払って、休んでいるだけだから!きっとすぐに、また町で彼のすごく「クール」な姿を見られるようになるよ!」

その言葉を聞いて、町の人々は胸をなでおろし、喜んで祝い始めた――彼らはついにボス・ストーンを追い払ったのだ。この敗北で、あの憎きワニも当分ドリームタウンを悩ませることはないはずだ。
皆はブラザーハヌのために盛大な祝賀パーティーを開いた。主役のブラザーハヌは不在だったが、皆は楽しい時間を過ごした…クロックボーイを除いて。

その夜、文字盤が悩みでいっぱいになったクロックボーイはとても遅くまで眠れなかった。
夢の中で、クロックボーイは砂漠に来ていた。そして、ブラザーハヌが遠くに立ち、空を見つめていた。

「チクタク!ブラザーハヌ、どこに行ったんだい!?」
「チクタク。ブラザーハヌ、早く戻ってきて。ドリームタウンには君が欠かせないんだから!」

ブラザーハヌはただ、クロックボーイが自分に向かって走ってくるのを見て、黙って自分の帽子を取った。

「フンッ。ここは美しい、そうだろう?」
「そうだよ。だから君は目覚めたくないの?」
「いや、目覚めたくない理由は…君たちあまりにも幸せそうに眠っているからだよ」
「僕は……」
「じゃあ、ここで眠りなよ、『時計屋』。もし悪夢に向き合う勇気がなければ、まずは美しい夢に隠れるといい――」

「でも覚えておいて。夢である以上、いつかは必ず目を覚ますからね」

彼は「カッコよく」フンッと鼻を鳴らした。

クロックボーイは目を覚ました。彼の文字盤には涙の痕が残っていた。

下 第二章

(二)

ブラザーハヌが姿を消して以降、ボス・ストーンはもう二度と町の領土に侵入してこなかった。しかし、彼は卑劣な手段でドリームタウンの航路を封鎖した。町の石は売れなくなり、外部からの物資も運び込めなくなった。

「クロックボーイ、クロックボーイ、飢え死にしそうだよ!」
「クロックボーイ、クロックボーイ、早くブラザーハヌに何とかしてもらってよ!」

しかし、ブラザーハヌは戻ってこない。クロックボーイにどのような手があるだろうか?
1日、また1日と時間が過ぎ、町の状況は悪化の一途をたどる。誰もがクロックボーイに早く決断を下すよう催促するが、彼の時計の針はクルクル回るだけで、いい方法は見つからなかった。
その時、町のリーフ店長が悪い考えを抱き、ボス・ストーンに手紙を書いて、ブラザーハヌが行方不明になった情報を伝えようとした――飢え死にするよりも石を掘る方がましだと考えたのだ。

しかし、彼が育てたリーフJr.がその秘密に気付き、クロックボーイとその仲間たちに知らせた。
リーフ店長は捕まり、町の人々は怒り心頭でその町の裏切り者を尋問し、どのように処罰するかを議論した。

「当主の皆さん、今回はルーサンのラチカにどのように処分を下すかを話し合う必要があります」
「前の『白い砂漠』事件はすでに真相が明らかになっており、プラム家の崩壊と数千の果実の犠牲については、彼が責任を負うべきだ」
「フンッ、前のカンパニーの艦隊もこいつが呼んだのかもしれない」
「しかし、ラチカはピノコニーにも大きく貢献している。私は禁固刑を提案するが……」
「彼を殺せ」
「でも……」
「ハヌヌならそうするだろう」

皆は、「もしブラザーハヌなら、リーフ店長を大いに苦しめるだろう!」と言った。
クロックボーイは、仲のよかった友人を許したいと思っていたが、怒りに燃える住民たちには逆らえず、リーフ店長の葉を1枚ずつ抜くしかなかった。彼の店はリーフJr.が引き継ぎ、住民たちが飢えをしのげるように、おいしい葉っぱを分け与えた。
しかし、葉っぱはすぐに食べ尽くされてしまい、ドリームタウンの危機はまだ解決できていなかった。クロックボーイは「コンパス号」の友人たちを呼び寄せ、解決策を考えてもらおうと思った。

「大丈夫。グラークスおじいさんの指導と『記憶』の知識があれば、きっと夢境の秘密を解明できるよ」

プリンセスミラーは折り紙の小鳥を連れて荒野を開拓しようとしたが、怪物によって粉々にされた。

「フッ、余計な心配はいらないよ。ケルベック当主と彼のタイガーモスは君よりも『開拓』のことを分かっているから。君は彼女の航海図に一筆加える用意をしておくんだ」

キャプテン・リボルバーは小さな蝶をつれて洞窟の冒険に出たが、暗闇の中で姿を消してしまった。

最後には、クロックボーイだけが町の中心にぽつんと立っていた。
クロックボーイはまた泣いた。彼はいつも泣き虫だった。彼は心の中で思った――もし自分がブラザーハヌだったらよかったのに!彼はブラザーハヌの「フンッ」を真似してみたが、まったくカッコよくなかった。

「チクタク…待って、ブラザーハヌならきっと泣かないよ!」

「君は彼ではないのだから、彼と同じようにはできないよ」
「そう、僕は彼よりももっとうまくやらないと」

その夜が過ぎた後、クロックボーイはフクロウ先生の巻物を読み始め、砂漠の秘密を理解した。彼はプリンセスミラーの地図を見つけ、町を救う助けとなるものを探した。彼はキャプテン・リボルバーの拳銃を手に取り、町のパトロールを始めた……

「チクタク。いつか、僕は君よりもカッコよくなってみせる!」

ドリームタウンのこれから開拓される予定の砂漠の中で、とても「カッコいい」人影が、頑張るクロックボーイを遠くから見守り、カッコよくフンッと鼻を鳴らした。

カッコいい声で「フンッ」。

歌の星から来た絶唱・「純美の歌」コンサート

スターのラローズはピノコニーの街角で丁寧にデザインされたチラシを配り、「純美の星」をテーマにしたコンサートを紹介した。

歌の星から来た絶唱・「純美の歌」コンサート

宇宙各地から来た音楽愛好家の皆さん:

あなたは知っていますか?銀河にはかつてメンダシアという名の「歌の星」があったことを。そこで暮らす人々は「純美」の導きで歌と踊りにふけり、全世界をかけて音楽の美しさを探究していました。しかし残念なことに運命は人を裏切るのが常であり、この芸術の楽園は、世に知られる前に女神と一緒に滅亡してしまいました……
その星の人々は「純美」を失いましたが、寛大な「調和」のデウムが彼らを受け入れました——アイリス家の努力により「歌の星」の残された人々はピノコニーに来て暮らしているのです。メンダシア民謡の継承者であり著名な音楽家の「ラローズ・サリー」が、スウィート・ドリームで幻の「純美の歌」をお届けします。

数多の琥珀紀を超えて今、メンダシアの歌声があなたを、イドリラがまだ光を放っていた頃の宇宙に連れ戻し、美を求める魂に火をつけます。古典音楽愛好家も銀河のポップミュージックファンも、この貴重なコンサートは必聴です。
歌の星より来たる幻の歌・メンダシア民謡コンサート、歌声に永存せし宇宙の美!

曲目
1. 『メンダシアの女王』
2. 『鏡の中の目』
3. 『バラと勲章』
4. 『孤独な陶器の騎士』
5. 『天上の鏡』
6. 『吟遊の日』
7. 『音符は雨のごとく』
8. 『イドリラのキス』
※曲目および順序は変更になる可能性があります。

会場:ピノコニー-黄金の刻-グラークス通り142号-ピロウシアター

持ち込み禁止の物品:
1. 熱、動力、量子エネルギー武器および鋭利な刃物。無機生命体およびサイボーグのお客様は武装パーツを取り外してからご入場いただきます。

2. 花火や爆竹、アルコール、ライター、量子爆弾、携帯式核兵器など引火や爆発の危険のある物品。無機生命体のお客様は機械オイルを持参しないようお願いいたします。

3. パヴェルチーズ、沼ニンニク、一つ目ニシン、ソーダ豆汁、ゴミスラーダなど臭いの強い飲食物。
4. 音の出る器具。楽器、リピート機、自動楽団、伝声鳩など各種の音が出る器具は持ち込み禁止です。

5. 有害な薬剤、伝染病の病原菌などの危険物質。無機生命体の電子ウイルスも含みます。

6. 許可なく撮影器具を持ち込むことはできません。カメラだけでなく、ビデオカメラ、夢の泡カメラおよび各種の記憶保存装置も禁止です。

7. 無人機、UFO、飛行リュック、飛行バイクなどの飛行マシン。翼のあるお客様は会場内で飛ばないでください。

8. 悲しみ、苦しみ、怒り、嫉妬などのネガティブな感情。

9. 夢境で禁止されているその他の物品およびハウンド家がイベントにふさわしくなく、明らかに危険だと判断した物品。

『銀幕の衝撃波』第280期

ピノコニーの著名な映画評論家、シャブローが執筆を担当し、ラディカルな観点と鋭い書きぶりが特徴。

『銀幕の衝撃波』第280期

今月の映画評論速報
映画評論家:シャブロー

1:『ソーダライフ』
ジャンル:青春/恋愛/ミュージカル
個人評価:2.5/10
一言:冗長でつまらないスラーダの広告:
評論:
多くの金をかけて売れっ子俳優をそろえ、苦心して二時間の大衆映画を作ったスラーダ社の誠意には敬服する。しかしその宣伝効果は三十秒のCMにも及ばない——最近のピノコニー経済の成長は確かに目覚ましい。そうでなければルーサン家がこれほど金を無駄にすることはなかっただろう。

この映画に登場する全てのキャラクターは『クロックボーイ』の「ミスター・ソーダ」のように頭の中がスラーダでいっぱいだ。主人公の男がスラーダを拾ったことからロマンスが始まり、夢の中でスラーダによって成功し、最後はスラーダのCMソングを歌って「スター・オブ・ザ・フェスティバル」になり、全ての人がスラーダまみれの会場でスラーダを持ちながらダンスを踊っている……なんとまあ、この映画で出てくるスラーダの量といったら、私が生まれてから今までに見た数よりも多い!

よく考えてみると、これはこれでスラーダの広告という目的をきちんと果たしているのかもしれない——長々と二時間もこんな物を見せられて我慢したら、確かに観客はおいしい飲み物で傷ついた魂を癒やす必要があるからだ。

02:『虫巻風の十六頭虫』
ジャンル:スリラー/ホラー
個人評価:1/10
一言:レベルがより一層下がった
評論:
『虫巻風の三頭虫』が上映された当初は、このような粗悪な映画にあれほど多くの続編が作られるとは夢にも思わなかった。

ゆえにその十三番目の続編が人気映画として宣伝されているのを目にした時、レベルの低い特撮技術とAI生成のシナリオの評論に時間を割きたくないと思った。しかしこの映画の売上に貢献した観客たちには物申したい——あなたたちが買ったチケットの一枚一枚がグレイディ・シネマズの墓の土になるのだと。

映画の面から言えば評価は0点だが、この1点は美術チームに贈りたい——彼らは十六の頭と三十二の羽、六十四の足を持つスウォームの怪物を作り上げた。これはなかなかすごいことだ。もし次の続編でさらに頭を増やせたら、もう0.5点あげてもいい。

03:『ミームクライシス』夢の泡リメイク版
ジャンル:ホラー/冒険/夢の泡
個人評価:2.5/10
一言:こねくり回した二番煎じ
評論:
『ミームクライシス』が上映された時、私は5点をつけた——読者の皆様はお気づきだろうが、この点数は『銀幕の衝撃波』ではかなりの高得点だ。

残念ながら、今のグレイディ・シネマズはスウォームの頭を増やすことばかりに力を注いでいる。最先端の夢の泡技術は原作を再現できないばかりか、オリジナルの良さを台無しにしてしまった。監督は夢境と画面の違いを全く理解しておらず、ひたすらストーリーを一方的に見せ、うんざりするほどの自分と関係ないセリフを見るように強要している——笑止千万だ。もし夢の泡の映画が画面の一切を夢の中に移動させるということなのだとしたら、ソファーに座って原作を見ている方がマシである。

この映画の題材に興味があるなら、原作を買って見ることをおすすめする。そうすればお金と時間をこのゴミみたいな夢の泡に捨てずに済むだろう。

04:『クロックボーイと機械の街』
ジャンル:アニメ/コメディ/冒険
個人評価:4.5/10
一言:新規性に欠ける量産型映画
評論:
周知の通り、『クロックボーイ』は夢境の大人気アニメだ。クラークフィルムの看板作品であり、宇宙で最も価値のあるアニメキャラクターでもある。しかしクラークフィルムは『クロックボーイ』での成功にしがみつき、怠慢の罪を犯している。この『クロックボーイと機械の街』はその最たるものだ。

このアニメ映画のシナリオは去年の『クロックボーイとネットワークの街』と全く同じ構造で、ドリームタウンで危機に遭遇し、クロックボーイと仲間たちが協力を求め、新しい仲間と出会い、友情と団結で街を救う……正直、こんな似たり寄ったりの映画を七十八回も作って、制作者は飽きが来ないのだろうか?

クロックボーイのアニメ映画を初めて見た人は優秀な劇場アニメ作品だと思うだろうが、何度も見たことがあるファンにとっては何の新鮮味もない。

今月のおすすめ映画
推薦人:シャブロー

『ある星雲の凋落』
ジャンル:戦争/ドラマ/サスペンス
個人評価:9/10.0
一言:なかなかまねできない良作
評論:
この映画は銀河で最も著名な監督の一人——レック氏の本質をよく表した作品である。本作でも彼の一貫して突出した能力が発揮されている。

『ある星雲の凋落』では真実とロマン、優しさと残酷さ、そして生命を二百分間で千五百のシーンに収めている。物語の舞台は半琥珀紀前に滅亡したスラトゥガ星雲で、レック氏はその星雲を治めたオムニック元首を主人公として選び、彼の視点から星雲の最後の半年間を描いた。

リック監督の過去の作品と同様に、作り込まれたリアルさで、まるで主人公になって物語をありありと体験しているかのようだ。無名ながらも役にぴったりのキャスト、起伏に富んだ物語と素晴らしい編集…その全てが『ある星雲の凋落』を映画史に刻むに値する。

この作品を振り返る時、過去に追い求めた芸術の理想がとめどなくあふれてくる……筆者の年ではもうこのような優れた作品を生み出せないが、文章によって映画業界と観客たちに呼びかけたい。私たちにはレック氏のように偉大な芸術家がもっと必要だと!

注:本誌記者の情報によると、レック氏はピノコニーの夢の泡技術に関心があり、現在夢の泡映画を制作しているという——これは映画ファンにとって大変な朗報だ。彼の作品は映画市場を覆う暗雲を吹き飛ばし、光明をもたらしてくれると信じている。

『記憶域ミームの被害者リストの一部』

記憶域ミームの被害に遭った人の名前が記された手書きリストの一部、ファミリーが極秘に保持する機密情報の一つ。情報源の人物により暗号が施されている。

暗号版

『記憶行ミー夢乃非外社リ素ト乃一部(暗号版)』
経国:胃化ノ情報ハ
木密度甲

ばーにーず、任弦ノ弾性。「他蘇我礼ノ戸樹」デ游イデイタ都気ニ阿玉ヲ内、休出字ニ冥少譜命ノみーむニ皿割レタ。九女院ノ木奥ハ柵序図ミ。

みや、ぴぴしー仁ノ助成。「耐用ノ戸樹」デ裕仁トカクレンボヲシテイタ都気ニ冥少譜命ノみーむニ皿割レタ。裕仁ノ木奥ハ柵序図ミ。

いざべら、任弦ノ助成。「穂市墓氏ノ戸樹」デ柔翼柱ニ疾走。翼層布巾ニ能古サレテイタ温製れこーだーカラハおむにっくノ貯命ナ恩額化びそうぇん乃『激昂局』ガ菜画レテイタ。

うぃるむ、おむにっく仁ノ弾性。「ぶるーすノ戸樹」デがーるふれんどトきすヲシタ跡、冥少譜命ノみーむニ皿割レタ。がーるふれんどノ木奥ハ柵序図ミ。

非外車ガイタ馬書、酒俗オヨビソノ都気シテイタコトガ御名古都ナルタメ、源氏店デハみーむノ甲堂ニ基礎癖意ハ身イダセナイ。

正式版

『記憶域ミームの被害者リストの一部』
警告:以下の情報は
機密度高

バーニーズ、人間の男性。「黄昏の刻」で泳いでいた時に頭を打ち、救出時に名称不明のミームにさらわれた。救助員の記憶は削除済み。

ミヤ、ピピシ人の女性。「太陽の刻」で友人とかくれんぼをしていた時に名称不明のミームにさらわれた。友人の記憶は削除済み。

イザベラ、人間の女性。「星々の刻」で入浴中に失踪。浴槽付近に残されていた音声レコーダーからはオムニックの著名な音楽家ビソウェンの『月光曲』が流れていた。

ウィルム、オムニック人の男性。「ブルーアワーの刻」でガールフレンドとキスをした後、名称不明のミームにさらわれた。ガールフレンドの記憶は削除済み。

被害者がいた場所、種族およびその時していたことがすべて異なるため、現時点ではミームの行動に規則性は見いだせない。

『ブルースの夜』のチラシ

「ブルーアワーの刻」のチラシ、ロマンチックな雰囲気が伝わってくる。

ブルースの夜のチラシ

「ブルーアワーの刻」から来たチラシ。
シワシワで、多くの人に見られたようだ。
描かれているカップルは寄り添って耳元で何かをささやき、背後では夢の泡の海で飛空艇「暉長石号」が航行している。

黄昏、日没、そして街灯がともる
歌と踊りが止まることはない。
現実から抜けだそう
「ブルースの夜」

銀河のスターの物語

「銀河のスター」レスリー・ディーンの物語を通して集めた手がかり

ファンの切り抜き

悲報:銀河の巨星、レスリー・ディーン堕つ

イプシロン・エンターテインメント紙によると、信頼できる消息筋からの情報で「エンド・オブ・ネビュラ」号と呼ばれる星系級旅客船がイプシロン-X連合空港から離陸した後、7システム時間後に爆発した。事故原因は明らかになっていない。

イプシロン連合商会はすぐに救援艦隊を送り救援活動を展開したが、現時点では生存者は見つかっていない。「銀河のスター」の美称を持つ演劇界の新星レスリー・ディーンが同号の乗客だったという情報もある。

イプシロン・エンターテインメント紙は事故で亡くなった乗客、乗組員および家族の皆様に心からの追悼の意を表している。

レスリー・ディーン復活計画

レスリー・ディーンの忠実なファンの皆様:

お誘いを快諾くださり、ありがとうございます。今から「レスリー・ディーン復活計画」の詳細と方法についてご説明します。

ステップ一:クラウドファンディングを開始し、まとまった金額を用意してイプシロン商会同盟からレスリー・ディーンの「記憶庫」を買い取る。

ステップ二:レスリー・ディーンの「記憶庫」を徹底的に学ぶ。「レスリー・ディーン復活計画」に参加する全ての人が彼の性格、人柄とその一生を完全に頭に入れられるようにする。

ステップ三:ピノコニーに行き、入夢技術により皆で「共感覚夢境」を作る。「記憶庫」とファンの心の中にあるレスリー・ディーンのイメージを複合させることにより、夢境世界で「銀河のスター」の体、思想と精神を復活させる。

ファンの皆様、私たちは皆レスリー・ディーンの短い、しかし輝きに満ちた演劇人生を見届けました。彼の突然の死を皆が嘆き悲しんでいます。もしあなたも運命が理不尽だと感じるなら、「レスリー・ディーン復活計画」に参加してください——私たちには自ら心の空白を埋め、彼が本来送るはずだった輝かしい人生の続きを作るチャンスがあります。

■号ガチャマシンに関する研究

ピノコニーの夢追い人が記した実験記録。娯楽施設に隠された秘密を暴くことが目的だと言われている。

■号ガチャマシンに関する研究

前書き
周知の通り「黄金の刻」には非常に問題のある娯楽施設が多いが、中でも黄金ガチャマシンはヘビー級選手だ。私と仲間たちはファミリーがガチャ確率に対して行っている陰謀を暴くため、エディオンコインを連続で五十枚投入し、毎回のガチャの結果を記録する。

実験一
実験方法:エディオンコインを一枚普通に投入する。
結果:クロックピザ(一枚)×1
感想:排出率を操作しているんじゃないか?

実験二
実験方法:道端の噴水で手を洗ってからエディオンコインを一枚投入する。
結果:ケーキ「星空を仰ぐ」×1
感想:こんな物、タダでもらっても食べない。
……
実験九
実験方法:エディオンコインを一枚投入し、二人で強くレバーを引く。
結果:信用ポイント×500
感想:悪くない、まだ良心的だろう。
……
実験十四
実験方法:エディオンコインを一枚投入し、踊りながら三周回って逆立ちしながらスラーダを三本飲み、レバーを引く。
結果:ケーキ「星空を仰ぐ」×500
感想:なんてこった!
……
実験二十三
実験方法:エディオンコインを一枚投入し、ファミリーがあがめている「デウム」をののしってからレバーを押す。
結果:■■■■×1
感想:ファミリーはガチャにこんな物を入れていたのか?ち、違う…実験中止だ!

いくつかのニュースリリース

ピノコニーテレビ局のいくつかのニュースリリースは、夢の中の面白い話を記録している。

いくつかのニュースリリース

ピノコニーの旅行者数が過去最多を更新
今日までにピノコニーを訪れた夢追い人の数は百億人に達し、本琥珀紀の最高記録を更新しました。娯楽への情熱がピノコニー経済の発展を牽引しています。また、スラーダ関連製品の売上は前年同期比の10倍以上まで増加しました。
調査によると、約6割の観光客が訪れる前からピノコニーのことを知っており、自ら夢境の甘美さを体験したいという期待を抱いてやって来ています。他の3割は間もなく開催される調和セレモニーのために訪れているそうです。
当然ながら、このような繁栄にはファミリーの賢明な指導者と、各ファミリーが力を合わせることが不可欠です。
そうすれば調和セレモニーは大いに盛り上がることでしょう。

親愛なるサンデー氏、特別講演を行う
最近のピノコニーにおける観光業の盛況について、ファミリーを代表して親愛なるサンデー氏が特別講演を行いました。
サンデー氏は、この成績はピノコニーの各ファミリーが力を合わせて誠実に努力した結果であり、その栄光は夢境全員のものだと述べました。オーク家の統括、ハウンド家の守護、ルーサン家の経営、アイリス家の芸能、カタルス家の技術がなければ、私たちの夢境は今日ほど素晴らしいものではなかったでしょう。
このことは団結こそが宇宙で最も強い力であることを教えてくれました。近い将来、ピノコニーの観光業はさらに革新的になり、より多くの人に調和と美しさを体験してもらえるようになるでしょう。訪問者の皆様、夢境ではどうぞ安心して楽しくお過ごしください。ファミリーがお客様一人一人をしっかりとお守りします。

スラーダ社がシロップに新風
まもなく到来する調和セレモニーを祝して、スラーダ社は新製品を発表しました——スラーダシェアセットです。このセットには友人たちとシェアできるよう12本のスラーダが入っており、デウムの調和のとれた善を感じることができます。
ピノコニーのリーディングカンパニーとして、同社はこれまでに5琥珀紀近くに渡って観光客にサービスを提供し続け、創業者のエディオン氏の物語も夢追い人たちに語り継がれてきました。「スター・オブ・ザ・フェスティバル」は先ほど、ピノコニーの夢境の発展は日進月歩であり、時代のチャンスをつかみ、安定した成功を収めるためこれからも積極的に観光客のニーズに応えていきたいと述べました。
新しい琥珀紀でスラーダ社は投資を続け、絶えず革新し、より豊かで、より健康で、よりおいしい製品を提供することにより美しき夢を形作る力となれるよう努めるとしています。

紙幣ディスペンサーの抜け穴を利用した犯人捕まる
先日、ハウンド家の調査員は紙幣ディスペンサーの盗難事件を解決。被害額は数十万信用ポイントに達したものの、ピノコニーは市場秩序をしっかりと維持しました。
調査によると、このマシンの設計者は、ある一連の操作を特定の順序で行うと大量の高額紙幣が排出される仕掛けを基盤部分に隠していたことが分かりました。そして機に乗じた者たちはこの抜け穴を利用して大量の金を盗んだのです——安全性の観点から犯行の具体的な細は公表されません。
現在、容疑者の不正所得はすべてルーサン銀行に返還されています。皆様には防犯意識を高めていただきますよう、またお金儲けには地道な努力が必要であり、まぐれ当たりはないということを改めてお伝えいたします。

ファミリーの夢境拡張計画
旅行ニーズの高まりを受け、ファミリーは夢境で新エリアを開発すると発表しました。
ファミリーの呼びかけで宇宙の各業界から来た芸術家たちが一堂に会し、夢の饗宴を準備しています。現在、ドリームメーカーたちはファミリーが決定した拡張対象地域に集い、盛んに工事が行われています。
間もなくこのエリアは訪問者全員に開放され、より素晴らしい夢境体験を提供することでしょう。お楽しみに!

『夢境観光ガイド-交通編』

旅行ガイド、観光客向けにピノコニーの夢境の交通手段を紹介している。

『夢境旅行ガイド-交通編』

おすすめ
エファ出版グループの目玉商品『夢境旅行ガイド』!
本書は夢の世界をより深く知り、レジャーを楽しむのをお手伝いします。
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おすすめ度No.1:公共鉄道「スフェロイド」
宇宙一の鉄道、独特の球状車両で長距離を移動する最善の選択!
「スフェロイド」はピノコニーの夢境独自の交通システムで、球形の車両と発射式の発車方法が特徴。
それぞれの路線の番号が車両に書かれており、発車が集中している時はまるでピンボールの球が駅から空に向かって発射されているようで、とても面白い。
編集から:
「ピノコニーでぜひ体験したい十大アクティビティの一つ!」

おすすめ度No2:短距離歩行ツール「ウートペン」
素晴らしい小型移動ツールで、景色を見ながら移動できる!
街中を走る一輪車、あるいは道端に止まっている楽器のような飾りを見たことがあるだろうか?
そう、これはルーサン家が発売した新しい移動ツール——「ウートペン」。管楽器からインスピレーションを得た、優美で曲線的なデザイン。半開放型車両のため、走りながらピノコニーの絶景を観賞できる。
現在、街角に止まっている車両をいつでも利用できる「ウートシェア」サービスを実施中。
編集から:
「自動操縦なので、運転したことがなくても大丈夫!」

おすすめ度No3:豪華な旅のチョイス「リムジン浮遊車」
プレミアムな車で豪華な体験を!
贅沢を尽くしたリムジン浮遊車はプライベートな外出に最適。
ほとんどが自家用車だが、ホテルでタクシーの予約もでき、値段もサービスも宇宙一!
ピノコニーカーディーラーで購入することも可能だ。ここには全世界に名をとどろかせる有名ブランドが集まっている。「潘興」「バートン」「スタインウェイ・ファルコン」…この世に買えないものなどないのだ。
編集から:
「四輪の方が一輪より絶対に快適」

編集者おすすめ:徒歩で観光
ピノコニーの街の景色に心ゆくまで浸ろう。
時には喧騒から抜け出し、ピノコニーの大通りや路地を歩いてみよう——ちょっと違った貴重な風景を見つけられるかも。
紙幣を吐き出す特殊なATM、謎めいた穴場の地下バー、あちこちに隠れている小さな生き物…いろいろな考え事をしている通行人たちと会話するのもいい。ピノコニーのあちこちに知られざる秘密が隠されている。
編集から:
「ピノコニーの路地には気を付けて…刺激を求める夢追い人がギャングごっこをしているので、捕まらないように!」

出版社に連絡すると『夢境旅行ガイド』を全冊購入できます。おまけでピノコニー全体の地図が付属。

『夢境旅行ガイド-ショッピング編』

旅行ガイドの続編その一、観光客向けにピノコニーの特色ある土産店を紹介している。

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買い物天国:オーディ・ショッピングセンター
キーワード:商店街、大型デパート、ブランド、ワンストップ
ピノコニーが初めてでどこに行けばいいか分からないときは、ピノコニー最大の総合ショッピングモール——オーディ・ショッピングセンターに行ってみよう。
そこには考えられる限り全ての商品が集まっている——最新型スフェロイド「フライホイール2001」から辺境の星で書かれた冒険小説まで——オーディ・ショッピングセンターに行けば、あらゆるニーズを満たすことができる。
ショッピング以外にも、いろいろなセットサービスが提供されている。全店舗に無料の配送サービスがあり、実物の商品はホテルの部屋または銀河宅配ネットワークで宇宙の隅々にまで送ることができるのだ!

オリジナリティーあふれるレストラン:デルマー料理店
キーワード:予約制、メニューなし、オーダーメイド
デルマー料理店は知る人ぞ知る個人経営のレストランで、料理の多くはピノコニーでしか味わえない。商店街にひしめくファストフード店と異なり、この店では主にオーダーメイドサービスを提供している。記憶を渡すと、シェフがそれを材料にあなただけのごちそうを作ってくれるのだ。
三代目シェフのレクターは「料理は単に空腹を満たすだけのものではありません。記憶が味と好みを作り上げ、メニューからはその人の人生が見えるのです」と語る。
銀河の巨星レスリー・ディーンもかつてここで食事をしたと言われている。

盛り上がるアクティビティー:「クラーク・スタジオ」キャラクターグッズストア
キーワード:漫画、クロックボーイ、フィルムランド、キャラクターグッズストア
「クラーク・スタジオ」は唯一の公式ストアであり、店舗全体が作中のドリームタウンを再現している。店員たちは街の住民の格好をしており、ルーサンコインを使ってクロックボーイの各種グッズを購入できる。
クロックボーイの人形、ブラザーハヌの帽子、ハムスターナイトのスフェロイドシール、折り紙の小鳥ランダムグッズなど、どれも人気商品ばかりだ。
面白いことに、近年ではファンの評判や好みが変化したことで悪役ボス・ストーンの人気が急上昇し、ひそかに新たな売上ナンバーワンになろうとしている。

熟睡体験:商店街の地下バー
キーワード:会員制、不定期営業、隠された場所、夢のカクテル
広場の脇にある商店街には隠れ家的な小さなお店がたくさん軒を連ね、そのドアを開けられるのは常連客のみだ。
このバーに名前はなく、店主にも名前がない。メニューにはスラーダカクテルというカクテルが一種類だけ。店主がその日の気分で作るので、毎回味が違うとのこと。
もちろん、ここでもクラシックスラーダを頼むことはできる——しかし味は外で飲む既製品にはるかに及ばない。

『夢境観光ガイド-娯楽編』

旅行ガイドの続編その二、観光客向けにピノコニーの特色ある娯楽体験を紹介している。

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スウィート・ドリーム劇団:ホテルで繰り広げられる不思議なショウ
「ホテル・レバリーへようこそ、スウィート・ドリーム劇団です」
もしかすると、ホテルで巨大なティーポットとカップが浮かんでいるのを見たことがあるかもしれない——夢の中ではどんなことも可能なのだ!
壁の絵が歌い、ろうそく台が踊る。彼らは楽しい「スウィート・ドリーム劇団」。スウィート・ドリームを形作る、一生懸命に働くかわいい仲間たちが名前の由来だ。
ホテルで彼らと交流すれば喜んでサービスしてくれ、さらには一緒に遊んでくれるだろう。
運が良ければ、あちこちで稽古をしている様子を見ることもできる。その時は真剣な練習を邪魔しないよう、そっと立ち去ろう。
位置:「ホテル・レバリー」

夢の泡:夢境の一風変わった体験
「お刺身のように新鮮で甘い生命の響き」
ピノコニーでは憶質に特殊な加工を施し、安全で穏やかな記憶媒体——夢の泡に変えた。
従来のスクリーン映像とは異なり、夢の泡はかつてない没入体験をもたらしてくれる。思い出の中のキャラクターになってその視点でシーンに立ち、異なる人生の物語を体験できるのだ。
オーダーメイド以外にもランダムな夢の泡を購入することも可能で、一番お得な価格で夢境の特色あるサービスを受けられる。
「ファミリー」からのお知らせ:未加工の新しい夢の泡を使用する前には必ず免責同意書を書いていただきます。一度購入した夢の泡は返品できません。
位置:「夢境ショップ」

クラーク・スタジオ:クロックボーイファンの天国
「クロックボーイと仲間たちが暮らすドリームタウンを完全再現!」
クラーク・スタジオ——ここはまさに全宇宙のアニメ愛好家の天国だと言えよう。
ここでは名作アニメのおなじみの場面を体験でき、クロックボーイと仲間たちの冒険を振り返ることができる。あるいはドリームタウンの住民になってブラザーハヌやハムスターボールの騎士と一緒に毎日行われるパレードに参加することも可能だ。
販売グッズの詳細は『夢境旅行ガイド-ショッピング編』参照。
位置:「クラーク・スタジオ」

黄金ガチャマシン:どこにでもある大きなチャンス
「昔、ある平民がガチャで一夜にして大金持ちになったらしい…これはきっと実話だ!」
それは一日じゅう光輝きながら、明日の大物が賭けに来るのを待っている。こうしたマシンは大通りの脇でたくさん見られ、
あるオムニックの確率学の研究者は「一枚のエディオンコインでピノコニー全てを手に入れることも不可能ではない」と言った。
わずかなコインを入れるだけで一攫千金のチャンスがあり、奇跡の大金持ちになれるかもしれない。
位置:「エディオンパーク」

宴の星コレクションカード

エファ出版グループ傘下のドリームスターエンターテインメント™がデザインしたピノコニー限定スターカード。本シリーズの著作権は当社に帰属します。許可無く、掲載内容の一部およびすべてを複製、転載または配布、印刷など、第三者の利用に供することを禁止します。

宴のスター:ロビン

宴のスター:ロビン
ロビン_本棚.webp

鳥が殻を破る時、その第一声が星々を魅了した。
彼女のために運命は既にレッドカーペットを敷いており、世界中をあまねく照らす宴の星になることこそが唯一の道であった。
無数の砕け散った宝石でできた舞台の上でロビンは高らかに歌い、この世界に残る美徳や善意、真心、そして活力を賛美した。
色とりどりの光に包まれた舞台の下で、人々は涙を流しながら人生のみじめさ、醜悪さ、嘘、そして寂しさの一切を忘れ去る。

宴のスター:オーディ・アルファルファ

宴のスター:オーディ・アルファルファ
オーディ_本棚.webp

眠りについた時、辺りは見渡す限り荒れ果てており、ただ、一人の背の低い人物の人影だけが見えた。その人は休まず種をまき続け、乾いた土を信念で潤そうとしている。
種子が芽吹き、ようやくチャンスの新芽が土を破って顔を出した。まばらな緑は多くの庭師を魅了し、庭師たちは理想の甘露でこの苗床を潤す。
最後には緑の野が広がって青々とした葉が茂り、ルーサンがつけた無数の薄紫色の花を求めて、数多くの志ある者たちが草原を奔走した。
富の花園の中心で、この賑やかな景色を夢の中で永遠のものにするために、最初の庭師は今もなお忙しく働き続けている。

宴のスター:エディオンさん

宴のスター:エディオンさん
エディオン_本棚.webp

見よ、黄金色の美酒が街中を流れている。甘く滋味あふれる小川は夢境の血液であり、気泡ただよう海は富の糖蜜酒だ。
時間の奔流がその風味を薄めることはできない。なぜなら、歴史という長い川でオールを漕ぎ、一生分の情熱を注いでこの芳醇さを守り続けている熱心な船頭がいるからだ。
さあ、眠りについたお客人。瓶の中の夢を心ゆくまで飲み干しなさい…それは快楽をもたらす霊薬であり、悩みを忘れるための秘密のレシピなのだから——夢の主は喜んでそう教えてくれるだろう。

宴のスター:レスリー・ディーン

宴のスター:レスリー・ディーン
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頭上に広がる銀河の中にある世界は数千億にのぼり、何兆年もの間、絶えず光と熱を放出してきた。
だが、この長い浜辺には時折、光り輝く微細な砂粒が現れる。そして、それは微笑み一つで地平線全体を覆い尽くすほどの輝かしい光を放つのだ。
最後には、波が砂の一粒一粒を流してしまう…しかし、その光を覚えている人たちは皆、「その姿に宇宙が嫉妬した」と歌い継ぐ。
限りなく小さいが、それでも——なんと偉大な勝利だろうか。

宴のスター:ハムーツ

宴のスター:ハムーツ
ハムーツ_本棚.webp

冷たいレールの上を、熱い流星が切り裂く。無数の金の杯の中で、彼の命の炎が会場を照らす。
人々は勝利に群がる。まるでそれがゴールかのように。しかし、彼はゴールから出発し、次の勝利へと向かう。星々も彼に味方しているのか?無敗の寵児を育てているのか?それとも、速さに完璧な付け加えをする英雄が足りないのか?
マッチポイントに迫ると、歓声が大雨のように降り注ぐ。時代を超越した騎士が、彼の鋼鉄の松のボールに乗り、再び未来へと転がっていく。

宴のスター:メーフン・アイリス

宴のスター:メーフン・アイリス
メーフン・アイリス_本棚.webp

最初のバラがそのつぼみを惜しみなく咲かせるまで、もともと荒野に華やかな色彩はなかった。
その前には、草木すべてが彼女に頭を下げていた。その後は、蜂も蝶も彼女のために踊っていた。
嫉妬する神々は彼女の目を奪ったが、傷跡からは花のつぼみが生まれた。頑固な氷雪が彼女を埋めたが、枝は氷を突き破った。
彼女はただ笑い、体を軽く傾けた。露が落ち、大地が潤い、そしてアイリスが原野に満開に咲き、美しい夢はあざやかに彩られた。

宴のスター:ゴフェル

宴のスター:ゴフェル
ゴフェル_本棚.webp

私たちはこの世で主の弟子を見つけた。1本の大樹が、無知な雛鳥たちに庇護を与えてくれる。
彼は風に向かって慈悲の種をまき、風も温かくなった。彼は雨に向かって調和の道を歌い、法律は慈雨と共に流れて川になった。嫉妬の雷が彼の体を焼き尽くしたが、灰の中の不滅の魂が暗雲の悲しみを和らげた。
土から新芽が生え、地上の聖者は裸足の子どもたちにまだ愛着を持ち、期待に応え、白昼の美しい夢を約束する。

宴のスター:ハヌヌ

宴のスター:ハヌヌ
ハヌヌ_本棚.webp

オオカミを鎖でつないでも、彼は結局抜け出すだろう。なぜなら、その生まれながらにしての自由を抑え込むことはできないからだ。
傷ついた体を持つ者が、夢の中で目を覚まし、おりを引き裂き、涙と血が混ざる川を渡る。
誰も生まれながらに奴隷であるべきではない。彼は怒り、暴君の権力を打ち砕き、この世界に平等を取り戻すと誓った。
圧倒的な束縛が彼を荒野に葬ろうとするが、彼は命を賭して千年の鎖を砕き、荒野に自由の国を築く。

宴のスター:グラークス

宴のスター:グラークス
グラークス_本棚.webp

森を呑み込むような暴風雨を翼が遮り、荒野を焼き尽くす太陽を影が遮った。彼と共に飛んだ者だけが知っていた。それは黄昏に舞うフクロウであり、無知の嵐から逃れようとする者たちを導くのだと。
彼は知恵の宝石をくわえてきて無知な子どもたちに与え、寒さから身を守る新しい巣をしつらえさせた。彼は知識の翼を広げ、夜空から三分の喜びと七分の狂想を摘み取り、地上にも星光を映し出した。
太陽が再び現れると、空には彼の姿が見えなくなり、大地には十二の都市ができた。それは彼が幼い鳥たちに残した夢の国だった。

宴のスター:名もなきヒーロー

宴のスター:名もなきヒーロー
名もなきヒーロー_本棚.webp

かつて旅人たちが戦乱の刀と炎を越え、壮大な開拓を行った。
博学な賢者は紙とペンで船を作り、神秘の海を航海し、未知の渦に落ちた。恐れを知らぬ剣士は銃火で道を照らし、火に飛び込む蛾を連れ、果てしない深宇宙に消えた。
名もなき英雄は名もなき墓標と化し、勇敢な英雄は勇敢な伝説を残した。
歳月はわずか数筆で、名前の知られていない者たちをどれだけ連れ去ったのだろうか?しかし、永遠に消えることのない声が響き続け、時間の砂漠を越えていくことになるだろう。

宴のスター:折り紙のドリームメーカー

宴のスター:折り紙のドリームメーカー
折り紙のドリームメーカー_本棚.webp

夢の手品を見たことがありますか?魚が空を泳ぎ、鳥が水底で休息します。種は手のひらで芽生え、木は海に根を下ろします。世界は白紙なのです。誰かがそれを折り畳んで詩の形にするまでは。
私はかつて夢の手品を目の当たりにしました。真夜中から始まり、黄金の幕が下りるまで。太陽が永遠に昇らず、流星が昼間の空を横切り、荒れ果てた都市も崩壊して宮殿となり、悲しみも消滅して喜びへと変わります。
さあ、顔をあげてください。この最後の手品を見届け、星々にあなたの目を照らしてもらいましょう。

従業員ハミルトンのメモ

シングラーと一緒に夢境ホテルの異変を調査していた時に見つけた小さな手がかり。ハミルトンという名前のホテル従業員から受け取った。

従業員ハミルトンのメモ・1

その1

ついにこの時が来た。

今日夢に入る前、リーダーが私を見つけて親切にたくさん助言をしてくれた。早口だったので半分も聞き取れなかったが、何を言いたいのかは大体分かった。私は今回の夢に対して「見通しが暗い」と思っている。うまく任務を遂行できなければファミリーに追い出されるかもしれない。しかし彼は私を非常に評価してくれている。私のように謙虚で努力家で一生懸命に仕事をする若者は少ない、順調に試練に合格することを願っているとまで言った。

私は少しお茶を濁し、それから部屋に戻って夢に入る準備をした。緊張していないといえば絶対に嘘だ——でも、私に何ができるというのだろう?黙って受け入れるしかない。私は目を閉じて無理やり眠り、夢を見ないで休んだ…あんなことをするには、とにかくまず体力をつけて心の準備をしておかなければ。

従業員ハミルトンのメモ・2

その2

私は夢に入った。するといつもと同じホテル・レバリーの従業員宿舎で目が覚めた。

しかし雰囲気が全くなじみのないものになっている。周囲の人たちは何かに気付いているようで、私に向けられている目が少し他と違うように感じた。もちろんただの思い込みの可能性もあるし、本当のところは分からない。

普段は全く交流のない人に突然肩をたたかれ、激励されているようだ…しかし彼が何の仕事をしているのかさえ思い出せない。ドリームサポーターか?ああ、私の記憶は何者かに消されてしまったようだ……

私はジェリミと少し言葉を交わし、夢境ホテルで起きた一連の奇妙な出来事について話した。突然現れた絵画、客を襲う楽器など、聞いていると寒気がしてくる。おかしなことだが、彼と私は近しい間柄にもかかわらず、私が今日何に立ち向かわねばならないか全く知らないようだった…以前伝えるのを忘れていたのだ。大丈夫、それでもいい。心配する人が一人減るだけの話だ。

私は黒ずくめの服装に着替えた。黒は安心感を与えてくれる。宿舎で長い間待っていたが、その間は緊張でいてもたってもいられず、部屋を何周したか分からない。

そして、ドアをノックする音が聞こえた。

従業員ハミルトンのメモ・3

その3

本当に信じられないことだが、なんとシヴォーンさんと直接会って話す機会を得たのだ……

アイリス家の著名な人物で、地位は当主の次といったところだろう。いつもは一人でいることを好み、めったに人前に姿を現わさないと聞いたことがある。こんな所に出向いて、しかも私のような無名の小物と話をしてくれるなど思ってもみなかった……

最初は緊張して、一言も発することができなかった。しかしシヴォーンさんはまるで魔力を帯びているかのように、すぐに私を落ち着かせた。彼女はたくさんの重要なことを説明した。最近夢境ホテルに異変が起き、ファミリーは怪奇現象に対処するため努力していること、従業員はどんなことに注意すべきか、など…大きな事から小さい事まで詳細に話し、私も奇跡的に集中力を切らすことなく彼女の一言一言に聞き入った。

彼女は最後に、未知の危険を前にしてアイリス家の全員——いや、ファミリーのメンバー全員が武器を持って戦う覚悟が必要だと言った。VIPたちを守るため、我々は脅威をもたらす相手の前に立ちふさがらねばならない……

正直、自分にその準備ができているかは分からなかった。

従業員ハミルトンのメモ・4

その4

ついに成功した!デウムを賛美せよ!私は自分の仕事を守った——自分自身をアイリスと呼ぶことさえできた。

その過程は本当に恐ろしいものだった。三回試し、最初の二回は五秒と持たなかった…しかし最後の一回で奇跡的に成功したのだ!

微弱な調和エネルギーを頼りに、自らの思想とあのクソみたいな皿と気持ち悪いスポンジを協調させた。二十秒間継続し、皿を汚れ一つなく磨き上げることができた。さらに思念によって蛇口をひねり、皿に残った泡をきれいに流しさえした。

周囲の全ての人たちはまだ拍手している。私の姿はシヴォーンさんの目にも届いたようだ。これをクリアした今、もはや取るに足りない実習生ではない…誇り高きアイリス家の一員だ!永遠に!

クラークフィルム決算短信

クラークフィルム第3四半期の財務諸表。グループの各セグメントにおける収支状況の詳細が記録され、今後の成長目標がおおむね定められている。

クラークフィルム決算短信

本年度第3四半期、グループの売上は■■■■■■■■ルーサン幣で、前年同期比19.2%減、前四半期比10.2%減となりました。純利益は■■■■■■■■ルーサン幣で、前年同期比17減、前四半期比0.7%増となりました。

アニメーション事業の売上は■■■■■■■■ルーサン幣で、売上構成比の約33%を占め、前年同期比27%減となりました。
今年度は第3四半期までに、クロックボーイの映画2作と連続アニメ37話が公開されました。そのうち、『クロックボーイ』の新シリーズ第9シーズン、「クロックボーイの大冒険:迷海の町」がそれぞれ49%、51%の比率を占めています。
これは、アニメーションが依然として弊社事業の重要な構成要素であることを示していますが、代表取締役(「時計屋」)の失踪により、『クロックボーイ』シリーズの制作能力不足および興行収入の不振が原因で、売上成長に大幅なブレーキが見られました。

キャラクターライセンス事業の売上は■■■■■■■■ルーサン幣で、売上構成比の約29%を占めています。
今四半期はピカピ玩具工場と提携し、「着せ替え可能なクロックボーイ」、「折り紙の小鳥ドローン」、「『小さなブラザーハヌ』の家庭用ゲーム機」などの製品が市場で好業績をあげました。今後は関連部署への投資を持続的に増やし、より質の高いグッズ製造を促進しています。
迫りつつあるキャラクター版権失効リスクに対し、法務部門は解決策を積極的に模索しており、スターピースエンターテインメント社との早急な和解を目指しています。

クラークフィルムランドの売上は■■■■■■■■ルーサン幣で、売上構成比の約18%を占めています。
「調和セレモニー」の宣伝効果により、フィルムランドの安定した顧客基盤と売上能力が大幅に向上しました。また、体験型および見学型アトラクションへの持続的な投資によって、明らかなポジティブフィードバックを受け、リターン率は15%に達しました。そのうち、来場者サービスに関する持続投資のリターン率が最も高く、約24%となりました。調和セレモニー開催期間中、第4四半期に「クロックボーイフェスタ」は過去最高益を超えることが予想されます。

ピノコニー以外の星域との事業提携収入は売上構成比の11%を占め、ピノコニー内の事業者との提携および観光客向けグッズ売上が79%を占めています。マーケティング部門は、外の星域、特にファミリーの影響範囲内にある星域へのアプローチ力と市場競争力を高め、『クロックボーイ』が夢境から銀河へと大きく飛躍する準備を整えるべきだと考えています。

その他の各種事業の投資収入は■■■■■■■■ルーサン幣で、売上構成比の約9%を占めています。
特筆すべき点としては、夢の泡映画の投資および開発がピノコニーのエンタメ業界で新たな成長ポイントとなっていることです。市場予想によると、夢の泡映画は半琥珀紀以内に従来の映像産業を超え、夢境メディアの新たな柱となると思われます。

『クロックボーイ』のIPは現在および将来も長期にわたって、クラークフィルムの看板商品であり続けます。現在、このIPは多方面で挑戦を迎えています。『クロックボーイ』のアニメコンテンツはストックが枯渇しかかっており、5年間のプロモーションを経た『ドリームタウン伝説』シリーズの映画を次の四半期に公開しなければなりません。
財務部は強い警告を発しており、代表取締役(「時計屋」)と至急連絡を取り、新たな戦略計画を策定しなければ、クラークフィルムの資金繰りは極めて大きなリスクにさらされるとのことです。

『マシーンタウン』創作日誌

クロックボーイシリーズのアニメーターが書いた創作日誌。映画『マシーンタウン』の制作過程が記されている。

『マシーンタウン』創作日誌

琥珀2157紀 プロジェクト1日目
多くのチームメンバーと同じく私も『クロックボーイ』を見て育った。私は『クロックボーイ』アニメの唯一無二のクオリティよ名声を知っており、クロックボーイのアニメを作る困難さも理解している。
10年ごとに作られる記念編として、観客はより大きな期待を抱いて新作を見に来るだろう。『ネットワークの街』、『スターシップタウン』などの名作の後に続くということも、私たちには少なからずプレッシャーを与えた。
夢の中の世界だが、アニメ制作は人々が考えるように、頭の中で画像を動かすだけで、キャラクターがひとりでにスクリーンに飛び込み、自分の役を演じてくれるわけではない。この作品は伝統的な手が気アニメーションであって、不思議な夢の泡の映画ではないのだ。しかしこれこそが『クロックボーイ』の魅力が長く続く理由でもある。
スケジュールにかかれた恐ろしい内容を見て、私はふさふさの頭髪を撫で、その悲惨な未来を嘆いた。

琥珀2157紀 プロジェクト31日目
今日、プロデューサーがクラークフィルムのドキュメンタリーを見せてくれた。
「夢追い時代」、夢境が不安定であったため、今の私たちが使用している多くの技術はピノコニーの夢境では使えなかった。
すべての動作は、実際の人間が台本に合わせてフィルムランドで実演してからフレームに書き起こされたのだ。プロデューサー自らクロックボーイの被り物をして踊ることがさえあった。
つまり…時計屋もクロックボーイを演じたことがあったのだろうか?残念ながらドキュメンタリーでは彼の本当の姿は明かされなかった。

琥珀2157紀 プロジェクト73日目
今日はコーリンを喧嘩した。彼はマシーンタウンのキャラクターにはゼンマイ仕掛けのような硬直感を出すべきだと主張した。
まいった。彼は鏡を見て、自身に自分が言っているような硬直感があるかを確かめるべきだ。彼は頑なに「私のメーカーは他の廉価なオムニックなど足元にも及ばない」と主張した。「時計屋」が私たちを見ていなかったら、彼の錆びついた金属頭を一発殴ろうかと思った。

琥珀2157紀 プロジェクト160日目
町の背景コンセプトをデザインしている時、ラーリは本当に役に立つアドバイスと参考をくれた。彼の祖先はかつてナナシビトと深く関わっていたようで、多くのピノコニーの外の話を聞きかじったらしい。
ナナシビト、なんてすばらしい。お金が貯まって時間ができた時には、私も外の世界をこの目で見るんだ。

琥珀2157紀 プロジェクト324日目
眠ると夢の中にいる、そして夜更かしは眠っていない状態だ。じゃあ、夢の中で夜更かしするのは睡眠と夜更かし、どっちの状態と言えるのだろう?
54システム時間連続で働いた後、支離滅裂な精神で思わず考えた。
「時計屋」はいつも思いがけない方法で登場する。彼は時にはテーブルの下にある時計の中に隠れたり、時には泡に変身したりした。このようなささやかなサプライズは彼の数少ない道楽のようだ。
ただ、日々のユーモラスな感じとは異なり「時計屋」はアニメ制作に関してはとても厳しかった。彼の脚本を書く実力を認めざるを得ない。しかし、偶像崇拝を捨てて考えれば、彼の要求する作画制度はほとんど偏執の領域に達していた。コーリンは彼が描いた脚本に基づいたシーンを考えるのにもう少しでマザーボードをショートさせるところだった。

琥珀2157紀 プロジェクト420日目
ハウンド家から来てもらっていたアクション指導者の心が折れた。無理もない。脚本と絵コンテにある多くの内容は、常人のロジックでは推し量れないものばかりだからだ。
実を言うと私はこの兄弟を尊敬している。今まで持ちこたえたからだ。私はとっくにあの絵コンテのせいで燃え尽きてしまった。机に突っ伏しながら、頭の中に「アニメーターは消耗品なのだろうか」という考えが浮かんだ。
もう十分だ!私が作りたいのは自分で理解できるアニメであって、ボスの考えた滅茶苦茶なアニメではない!
2日間の傷病休暇を貰い、ドリームサポーターに診てもらおうと思う。

琥珀2157紀 プロジェクト421日目
予約したドリームサポーターは不在だった。彼もまたドリームサポーターを予約して診断を受けに行ったからだ。
でも、もう私はこれ以上頑張れそうになかった。勇気を出して「時計屋」に連絡して辞職を申し出た。
しかし、驚いたことにお高くとまった取締役は私を引き留めたりせず、友人のように私と世間話を始めた。
私はドリームサポーターに言おうとしたことをすべて彼にぶちまけた。私が彩墨星系で勉強をしていた学生時代からクラークフィルムでの不満まですべて話したが、彼は静かに聞いていた。私のような大したことのないアニメーターのために彼はどれほどの時間を浪費したのだろう。
話を聞き終わった後、彼は驚くことに私に謝罪をしたのだ。そして辛抱強く私に『クロックボーイ』に関するすべてを話してくれた——なぜこの作品を作る理由や私の知らない詳細まで説明してくれたのだ。
私たちはプロデューサーが部屋に入って、仕事を始めろと催促するまで夜通しで語り合った。
話し合いを経て、私は辞職を取り消した。
ボスに説得されたからじゃない、私がこの先また彼と話をしたいと思ったからだ。

琥珀2157紀 プロジェクト729日目
様々な困難、チームのメンバーが入れ替わりを経て、私たちはもうすぐ完成する。
制作の過程はかなりの苦痛が伴ったが、完成したものを見た瞬間、言いようのない幸福を感じた。夢境が与えてくれるどんな幸運よりも素晴らしいものだった。
しかし、最大の功労者である「時計屋」は姿を消した。彼は最後の上映会にも表れず、作品に対して何の意見も発表しなかった、
しかし、私はドリームタウンが必要とする時に必ずクロックボーイが現れてくれるように「時計屋」はクラークフィルムが彼を必要とする時に必ず現れてくれると信じている。

『クロックボーイとプリンセスミラー』

クロックボーイの最も有名な大作映画の1つ。プリンセスミラーの助けを借り、クロックボーイと折り紙の小鳥が怪物を倒すストーリー。

1
クロックボーイの家の外から慌ただしいノックの音が聞こえる。彼はいつものように服を着て、飛び跳ねるように家のドアを開けた。5羽の折り紙の小鳥が羽をバタバタと動かしている。クロックボーイは少し不思議に思った。

「チク~タク。みんなおはよう。あれ!あの霧は何?」
「チュンチュン、クロックボーイ、クロックボーイ、砂漠の霧が私たちの家を包み込んでいるチュン」

大変だ。それはナイトメア砂漠の霧だ。中には目に見えない怪物が隠れており、多くの住民がその餌食となってしまった。そして怪物が時計を食べるかどうかも分からない。

小鳥たちは危険を冒してナイトメア砂漠から石を口にくわえて運び、町を建設した。一番大きくて良い石は砂漠の奥深くにあるが、小鳥はそこへ行く勇気がない。クロックボーイの針は焦燥のあまり円を描き始めた。チク~タク。彼は怪物が「ゴロゴロ」と意地悪く笑っているのが聞こえた。

「怪物、君の名前は何だ!」
「ハハハ、クロックボーイ、俺の名前は『アンノウン』だ。2つの目と2つの口を持っていて、ドリームタウンを丸呑みにしてやる。俺の魔の手から逃れられる者などいないのだ」

怪物は得意気に霧の中を飛び、時には屋根をめくりあげ、時には砂嵐を起こすが、誰にも怪物を倒すことはできなかった。そう、この怪物に怖いものなどなく、サボテンでさえその名を聞くとトゲを落として震えるのだ。ドリームタウンは再び大きな危機に陥った。

「カチャッ、このままでは、ドリームタウンもナイトメアタウンになってしまう!」とリボルバー隊長が言った。ドリームタウンの衛兵である彼も、形のない「アンノウン」を倒すことはできない。
「チク~タク。そうだね、何とかして倒さないと」
「何を使う?クロックボーイ、あの『アンノウン』はとても恐ろしいヤツだ。僕の銃弾も君のクロックトリックも恐れていないよ!」

――「あいつが何を一番恐れているか知っているわ」
優しい声が聞こえてきた。歌声のようで、小鳥たちの歌よりも心に響いた。その声は柔らかく美しく、お姫様のようだった。彼女の頭は精巧な鏡で、上品なロングドレスをまとい、皆に軽くお辞儀をした。
それはクロックボーイの昔の友人――ミラーガールだった。かつてはミラー王国の姫で、皆は彼女のことを「プリンセスミラー」と呼んでいる。

「チクタク。プリンセスミラー、君はあの『アンノウン』という怪物を怖がっていないの?」
「もちろん。あの『アンノウン』という怪物が最も恐れているのは、人に知られることなの。鏡にその醜い姿を映し出されると、もう恐ろしい『アンノウン』ではいられなくなるのよ」

そう言うとプリンセスミラーは、薄気味悪く笑う霧に向かって大胆に歩み寄った。鏡から淡い光が放たれ、宝剣のように怪物の目を貫いた。霧は徐々に消えていき、身の程知らずの怪物も悲鳴をあげた。

「いやだ、やめてくれ。こんなの見たくない!この憎たらしいチビどもめ、必ず戻ってきてお前たちを丸呑みにしてやるからな」

怪物は慌てて逃げ出し、町は元の姿を取り戻した。クロックボーイとリボルバー隊長は、プリンセスのためにパーティーを開き、住民たちはうれしそうに踊り出した。彼らは彼女のために歌い、彼女の勇気を称え、彼女のために最も美味しいケーキを作ろうとした。

「慌てないで、クロックボーイ。あの怪物はまた戻ってくるわ。勝利に乗じて追撃し、あの悪党を倒しましょう!」

おお、実に素晴らしい。悪者を倒せば、小鳥たちは砂漠の最も奥まで飛んでいき、石や枝を探すことができる。そうなれば、ドリームタウンをもっと大きく、もっと良くできるだろう!

その頃、「アンノウン」は自分のアジトに隠れ、「ウウウ」と暗い泣き声をあげていた。ミラー王国の姫は彼の天敵だ。何とかして彼女を始末しなければならない。
――「アンノウン」はとても邪悪なので、すぐに方法を思いついた。それは最も悪い方法だった。


クロックボーイたちは、プリンセスミラーの後ろにぴったりとくっついていた。鏡が照らした場所は、恐ろしい霧が消えていった。

道中、クロックボーイとプリンセスミラーは過去のことについて話し始めた――彼らは旅の途中でに出会ったのだ。
「チク~タク。プリンセスミラー、君のミラー王国を覚えているかい?あそこはみんなが鏡で、とても面白かったね」
「もちろん覚えているわ。丸い鏡、四角い鏡、星形の鏡…いろいろあったわね。そして、私はその中で最も高貴な丸い鏡だった。あなたがミラー王国に来たばかりのとき、私はあなたのことを『ミラープリンス』だと思ったのよ!」

笑い声に包まれながら、クロックボーイはミラー王国の美しい風景や、プリンセスミラー、リボルバー隊長と一緒に旅したことを思い出した。彼らは多くの美しい場所を訪れたが、どれも今のドリームタウンほどではなかった。

クロックボーイは、仲間たちの助けがあれば、町を世界で最も美しい場所にできると信じていた。

――邪悪な笑い声が砂漠の静寂を破った。

「クックック。ここはドリームタウンではなく、俺のナイトメア砂漠だ!俺こそがナイトメアの国王なのだ!」

クロックボーイは、自分がこれまでに聞いた中で最も悪の声だと確信した。ボス・ストーンのような超大悪党でさえ、これほど恐ろしい声ではなかった。その声はとても遠くからでありながら、とても近くから聞こえるようだった。しかしプリンセスミラーの光が当たるたびに、声は悲鳴をあげて遠ざかっていった。

彼らはそのようにしながら歩き、どれほど歩いたのか分からなくなっていった。砂漠の霧がすべて晴れて、別の世界にたどり着いたかのようだった。しかし、砂漠はとても広く、それはクロックボーイの錯覚にすぎなかった。やがて夜が近づいたとき、彼らはようやく霧が非常に濃い場所に着いた。

「ここが怪物のアジトみたいだね」

プリンセスミラーは勇敢に前に進み、彼女が一歩進むごとに霧が少しずつ後退していった。しかし、クロックボーイの頭の中で警報が突然鳴り響いた。

「チクタク!プリンセスミラー、これは罠だよ!止まって!」

しかし、手遅れだった。「アンノウン」は霧の地下に長いロープを隠し、プリンセスミラーの足を絡ませた。「パリン」という音と共に、プリンセスミラーは地面に倒れ、無数の破片になった。そして同時に、企みを成功させた「アンノウン」の大きな笑い声が霧と共に再び砂漠全体を覆った。

「カチャッ、どうしよう、どうしよう?クロックボーイ、プリンセスミラーが砕け散ってしまたよ!」
「チュンチュン、どうしよう、どうしよう?クロックボーイ、私たち食べられちゃう!」

「怖がることないわ。泣くにはまだ早いから。みんな、私の破片を拾って」

優しく、聞き覚えのある声が再び砂漠に戻ってきた。皆がプリンセスの破片を拾うと、オーロラのような色が砂と共に流れ始めた。地面のいたるところに落ちた鏡があり、それぞれが怪物の姿を映し出した――小さく、滑稽で、臆病な幽霊を。「アンノウン」は力を失い、悲鳴をあげながら永遠に姿を消した。

ただし、使命を果たしたプリンセスミラーは、最後の言葉も出せなくなった。折り紙の小鳥は石をすべて捨て、リボルバー隊長は弾丸を吐き出した。彼らはクロックボーイと共に、プリンセスの破片を1つずつ拾った――それは彼女が残した最後の宝物だった。

たとえ肉体が壊れても、プリンセスミラーの輝きはドリームタウンずっと守り続けた。霧や新たな怪物が襲ってくるたびに、鏡が怪物たちの姿を暴いたのだ。今日もそうだ。

……

新しい一日が始まり、クロックボーイが家のドアを開けると、彼らが丁寧につなぎ合わせた鏡が町の庭園で静かに眠っていた。

「チク~タク。おはよう、プリンセスミラー。今日もすてきな一日だね」

「時計屋」調査記録

「時計屋」の事績および目撃記録に対するファミリーの調査分析レポート。

「時計屋」調査記録

「太陽の刻」に保管されている歴史資料によると、「時計屋」はファミリー議会が設立される前から存在しており、ハヌヌ、グラークスを含む多くのピノコニーの元老たちから支持を受けていた。彼はこの優位性を利用して発言権を握り、ピノコニーで大活躍し、「ピノコニーの父」となった。

しかし、そのような名声を持ちながらも、彼はさまざまな手段で神秘的なイメージを保っていた。確認可能なインタビューやテキストの記録だけで、時計屋は少なくとも300以上の異なるイメージを持っていた。これらは大まかに2つのカテゴリーに分けられる。

1つ目のタイプは、非人間的なものが多い。彼は奇妙なオブジェクトをリモートコミュニケーションの媒体として選んでいる。その中で最も一般的なのがスウィート・ドリーム劇団、『クロックボーイ』のおもちゃ、クラークフィルムランドのキャラクターグッズである。「時計屋」がパートナーや従業員と交流するほとんどの場面において、彼はこのような姿で現れる。

2つ目のタイプは、知的生命体の外見であり、おそらく「時計屋」の本体と思われる。このタイプのイメージは主に「時計屋」の目撃報告やうわさ話に見られる。彼は豪華な礼服を着用し、ピノコニーの賑やかな場所に現れ、成功した夢追い人たちと宴会を共にすることが多いと言われている。

目撃者に対してハウンド家が行った記憶検索によると、目撃報告の約6%で実際に彼の存在が確認されている。しかし奇妙なことに、すべての目撃記憶において、時計屋はぼやけた姿や奇妙な声で現れており、解読後の体型、外見、性別などの情報も統一されていない。

私たちは、「時計屋」が記憶レベルで自身の姿を隠す能力の持ち主であるかもしれないと推測しており、この能力は「神秘」と関連している可能性が高い。「時計屋」の背後には関連する勢力の支援があるのかもしれない。

「時計屋」が出資ならびに創設したクラークフィルム、クロックピザ、指針基金などの産業が、ピノコニーの発展に一定程度寄与していることは認めなければならない。しかし、ファミリーに与えた数々の損害も見過ごすことはできない。中でも最も深刻なものは「クロックマネー危機」である。これは「時計屋」が煽った仮想通貨によって夢境の経済が大混乱に陥り、ルーサン家が何年もかけてようやく沈静化させたものである。これによって引き起こされた市場破壊は数琥珀紀に一度のレベルだ。

ルーサン家の報告によると、「時計屋」は金融、マーケティング、投資、さらには詐欺の手段を何度も使って新興市場に先駆けて進出し、本来ファミリーのものであった利益を奪ってきた。彼は「ブルースの刻」で舞踏会を開催し、自らの名声を高めた。社会では「時計屋」という概念の影響力が拡大し続け、大勢の夢追い人が彼を崇拝し、ファミリーのビジネスにおける潜在的提携相手も多くが彼の産業に注目している。

以上のことから、オーク家は以下の提案を行う。ファミリーは本システム年内に「時計屋」およびその関連勢力を調査し、彼らにファミリーの発展がこれ以上妨げられることのないように努め、「調和セレモニー」の開催に影響を与えないようにする必要がある。

『衆弦万相歌』

ファミリーが書きつづった詩。千の顔を持つ神シぺが多様な姿で降臨する様子を記している。

『衆弦万相歌』

楽園の神よ、
幾千の民の祈りを吸い上げ、幾万の心の琴線を動かし、
星は指先で描かれ、衆生を導く法と権力を振るう。
ドミニクスよ、聞こえるか。
目の前の未知は暗く見通せない。
だから権力は右に向き、無知は銀河に凝集し、
法は左に向き、邪魔するものは雲煙となり消える。
今日、美しい夢がかない、無数の古い法はすべて姿を消す。

楽園の神よ、
泉にてあなたの降臨を讃え、果てしない真空に憐みをもたらさんと呼びかける。
劇場で世界を救う悲しみを慰める。
コンスタンティナよ、聞こえるか。
聴衆は涙で顔を洗い、
そなたが歌えば、太陽はそなたのために輝く。
そなたが奏でれば、汚れも永遠の眠りにつく。
千の顔を持つ演目は永遠に続き、永遠の劇場は互いにつながっていく。

楽園の神よ、
この戦場の血に染まった教典をなで、我が骨と魂の剣に口づけを。
生命は泣き叫び、彩り豊かな剣が高く掲げられる。
アイリネフよ、聞こえるか。
将兵は天辺に骨を埋め、
同胞は互いにささやき、千里先でも福音を聞く。
そこから甘雨が湧き、一人が万人となる。
無敵の奔馬も死も、心の中は故郷を思う。

楽園の神よ、
輝かしい向こうの世界を見下ろし、天国の宴に共に赴かん。
世界は舞踏会、笑い声は終焉まで響く。
ビヤトリスよ、聞こえるか。
鳥の歌と踊りが軽やかに始まる。
悲しみは隠れ場所を失い、欲望もつま先を上げる。
宴よ、宴!喜びは限りない!喜びは果てしない!
赤子も笑顔を見せ、踊り出す!踊り出す!蜜のような楽園へと向かう。

……

『調和の歌』

ファミリーが記した古い賛歌。「調和」の星神シぺを賛美し、宇宙で歌われ続けている。

第一楽章

普遍的な調和、群星は輝き、無上の功徳を以てデウムを讃えよう!
世の万人が同胞、万物が同根、祝福の風が大地を撫でる!

万家、万国、万界の母!
強き腕で恨みを解き放ち、不義を悔い改めさせ、
善人を家に迎え入れる。家族は平和で、悲しみ、恨み、悩み、苦しみから無縁でいられる。

神の恩寵を受けた弦楽器たちは、神に敬意を表して曲を奏でる。
調和の恩典で災いを消し去り、万世にわたり讃えられん!
無数の化身による救い、壮大な恩寵が黎明をもたらさん!

天と地は共に祝い、宇宙は共に輝き、神聖な光が宇宙に満ちる!
衆生が心を一つにし、幸福を共有し、慈愛が甘露となって降り注ぐ!

万心、万霊、万象の主!
聖音の号令により、狭き者のさすらい、豊かな者の悲憤を呼び起こし、
荒野を故郷となさしむ。家は広大で際限なく、果てしない。

神の恩寵を受けた弦楽器たちは、神に敬意を表して曲を奏でる。
調和の恩典で人々の心を溶かし合わせ、諸方で共に歌わん!
暗闇の中で光を照らし、天のどの星よりも遠く輝かん!

『クロックボーイ:熱砂の大冒険』に関する審査意見

クロックボーイが審査申請した映画『熱砂の大冒険』に対するアイリス家の審査意見

『クロックボーイ:熱砂の大冒険』に関する審査意見

以下は、夢境開拓時代をテーマにした映画『クロックボーイ:熱砂の大冒険』の初稿脚本審査意見です。

当該脚本では、ドリームタウンの「熱砂の楽園」を開拓するため、クロックボーイと住人たちが困難に立ち向かい、怪物「恐怖の大王」から楽園を取り戻す物語を描き出している。作品は夢境開拓時代の歴史とクロックボーイシリーズのストーリーを組み合わせている。内容は生き生きとしており、芸術的なレベルが非常に高い。特に、最後にクロックボーイと「夢拓きカウボーイ」が同時に恐怖の大王を撃つシーンの設計は非常に素晴らしいので、公開版でも残してもらいたい。

しかしながら、当局としてはクラークフィルムに対して以下の忠告をしなくてはならない。夢境開拓者の中には正義の仲間もいれば、狡猾な悪党も少なくない。夢境開拓時代には、夢追い人同士の争いが住民の生活の安全を脅かすことも多く、ハウンド家は各地をパトロールし、治安の維持に努めなければならなかった。ところが、この作品では、夢追い人に対するイメージが過度に美化されているだけでなく、一部のファミリーの功績を夢追い人に帰しており、観客に誤解を与える可能性がある。

また、「レディドッグポリス」のキャラクターはハウンド家を想起させるもので、理不尽な保安官として描かれていることは、明らかに偏見に満ちたステレオタイプ的なイメージである。「太陽の刻」で検索可能な記録によれば、夢境の荒野を開拓する過程で、ハウンド家が払った犠牲は夢追い人に劣らないものだったとある。ハウンド家が頻繁に悪役を演じることで、観客はハウンドに反感を抱くことになり、ハウンド家に対する観客のイメージを損なうことにつながる。これはファミリーの「調和」の精神と相容れないため、修正を提案する。

当局の提案:脚本にレディドッグポリスと夢拓きカウボーイのロマンスを追加し、立場の対立を愛情的要素に置き換えることを検討していただきたい。最近の市場調査によると、観客は登場人物間の感情的なストーリーに強い関心を抱いており、このようなストーリー設計は作品がより高い商業的価値を得るのに役立ち、観客にピノコニーの包容力と友好的な調和の精神を伝えられる。

最後に、近頃の『クロックボーイ』の映画は主役であるクロックボーイの出番が減り、夢拓きカウボーイの方が目立っている。新IPを確立しようとするクラークフィルムの戦略は理解できるが、クロックボーイは常に貴社さらにはピノコニーの代表的なイメージであり、今後の制作においては各キャラクターの比重バランスを取ることを推奨する。

引き続き、貴社の創作に期待している。

――アイリス家 夢境映画規範管理局

苦情申し立ての手紙

あるドリームサポーターの苦情申し立ての手紙。ムリスという客が自分の精神状態にどれほど深刻な影響を及ぼしているかについてファミリーに報告している。

苦情申し立ての手紙

尊敬する「ハウンド」様

申し訳なさと不安を抱えてこの手紙をしたためています。迷える要支援者たちを助けることがドリームサポーターの役目だと理解していますが、現在…少し心配で、やや怖いことが起きています。

話は2カ月前にさかのぼり、ムリスという人が私に助けを求めてきたところから始まります。最初、この優雅で言葉遣いの適切な紳士が私のところへ来て、話をしてもいいかと尋ねたとき、私は少し驚きました。その日、私は勤務しておらず、たまたま職場の近くを通りがかっただけなのです。しかし、その紳士はすぐに、前に私が仕事をしているところを見たのだと説明しましたので、私も深く考えませんでした。その後の会話は気楽で楽しかったです。彼が礼儀正しく別れを告げ、次回の面会の予約をしたとき、私は自分が「残業」していたことに気付きました。

2回目のカウンセリングでは、彼の「病状」について話し始めました。しかし、病状というよりも、この紳士は自分が現実世界で治療不可能な重病にかかっており、それが理由で家族に嫌われ、夢の中へ心を癒やそうとしていると、ほのめかすように漏らしました。私は、若く優秀な紳士がこのような苦しみに耐えなければならないことに同情し、できる限り導き、慰めてあげました。このカウンセリングにはその日の午後をまるまる費やしました。そして、彼はついに自分の病状を明らかにしたのです。それは重度の偏執型統合失調症、いわゆる妄想性障害です。

3回目のカウンセリングから状況は徐々におかしくなっていきました。このとき、私たちは「友人」について話しました。それまでの会話から彼が裕福な生まれで、病気になる前は仕事もプライベートも順調だったことが分かっていましたが、彼は「友人」がいたことがないと話したのです。私は思わず興味を抱き、役立つ手がかりを見つけるための突破口としてこれを利用しようとし、できるだけ遠回しにいくつかの質問をしました。しかし、ムリス氏の反応は予想外でした。彼はこの話を私にすることをとても喜んでいるようでした。彼は自分の不幸な子ども時代について語り始めたのです。冷淡で厳格な父親、まったく自分の意見がない母親、偽りのお世辞ばかり述べる客たち…そして自分がいかに孤独で、いかに無力で、いかにしてもう一人の自分を分裂させて自らのパートナーとしたかについて。

彼がこの話をした時点で、何らかの重度の妄想行動が存在していると確信できましたが、彼が前に話していた統合失調症ではないことも分かりました。彼は意図的に「統合失調症」と「多重人格障害」の2つの概念を混同しているようで、自分の話をよりリアルで合理的にするためにそうしているようでした。私がこの仮説に沿って話を続けたところ、彼は明らかに喜んでおり、いわゆる「もう一人の自分」――ここでは一時的にWと呼びますが――その強さと勇敢さ、いかにして彼が唯一の案内人にしてパートナーとなったかについて語り始めました。その日のカウンセリングが終わったとき、彼は明らかに私を信頼し、親しみを持っているようでした。そして、Wも彼と同じように私のことを気に入るだろうと繰り返し強調していました。

その後も、私たちは何度かカウンセリングを行いました。だいたい週に1回の頻度でした。しかし、この紳士が私に対して、「母親」のイメージを投影しようとしているのだと徐々に気付きました。それはまったく意見がなく、子どもに愛情を注がなかった実の母親ではなく、彼を気遣い、愛し、寄り添う「アニマ」です。これは明らかに要支援者とドリームサポーターの間にあるべき境界を超えていました。

そこで、私は以下の措置を取りました。まず、暗に示唆し、導くことで、彼にこの依存関係の危険性を自覚させようとしましたが、彼はこれに関するあらゆる話題を巧妙に避けました。次に、彼との面会回数を私の方から減らし始めましたが、彼は私がいるかどうかにかかわらず、前に約束した時間に私の職場に現れ続けました。最後に、私は彼ともう一度短いカウンセリングを行い、明確な拒絶の態度を示すしかありませんでした。

そのとき、彼は無表情で私をじっと見つめ、黙って立ち去りました。しかし、私はこの問題がこれで終わるとは思いませんでした。案の定、数日後、以前の要支援者たちが来て、誰かに尾行され、ほどなくして赤い字で書かれた脅迫状を受け取ったと話しました。

「然に近寄るな。彼女はお前を必要としていない。
――W」

以上が事件の経緯です。現在、次回の面談を私から提案することで、このかわいそうな紳士を一時的になだめていますが、私にできるのはこれだけです。彼は悪人ではありませんが、私たちができるだけ早くこの悪夢から抜け出せることを願ってやみません。

出会いのノート

あるマダムのナンパノート。

出会いのノート

ダニはとてもかわいらしい紳士。これを彼が聞いたら、あの「大人っぽくて落ち着いた」ピピシ人は、また真面目な顔で小さな八字ひげを整えることでしょうね。でも本当に、子どもと大人の特質を併せ持つギャップが何よりも「かわいらしい」のかも。誠実で率直、心が清らかで楽観的、賢くて勤勉、仕事に集中しているときは寡黙で頼りになる。簡単に人の心を惹きつけるでしょう。

でも、それは私たちの関係を前に進めるべきだという意味ではないわ。私は彼のことを尊敬しているけど、あくまでもそれだけ。だから、彼が冗談で私に財産の共有を望むかと尋ねたとき、この友情が終わるかもしれないと思った。ピピシ人にとってそれが一体どのような意味を持つのか、私はよく知っているから。

私はこのことを残念に思う――うそっぽく聞こえるかもしれないけど――でも、私たちはふさわしくない。彼は優秀な実業家で、若くしてすでにルーサン家で地位を確立している。しかし、彼の成功を促した優れた資質は…私たちの関係にはふさわしくない。

私にとって、最も親密なパートナーであっても、十分な距離とプライベート空間が必要なの。私は自分が他の誰かと絶えず一緒にいることを想像するのは難しいけど、ピピシ人は誰かに心を寄せると、他の人や物が目に入らなくなる。これは私にとって…少し重い。

彼はいずれすべてを捧げるに値する相手を見つけるでしょう。でも、それは私ではない。

6月10日

今日は記念すべき日かもしれない――なんと天環族と大いに語り合った。客観的に言って、この種族はやはり恵まれている。彼らを神の眷属または天使と呼ぶ人がいるのも無理はないでしょう。その優雅で神秘的なほほ笑み、心を揺さぶる声、魅力的で美しい容姿…彼らは生まれながらにして注目を浴びるべき存在ね。

レスリーさんは私が想像していたよりもずっと親しみやすい人だった。私たちは一緒に映画を見て、その後夕食を共にした。その間、私たちはたくさん話した。彼はピノコニーが危機に瀕したときに「ファミリー」の使者が現れ、いかにして状況をひっくり返したか、天環族が信仰する「調和」の神のためにいかに世界中を駆け巡り、この美しい夢の街を築き上げたかについて話してくれた。

彼の話は素晴らしく、私たちの雰囲気もとてもリラックスして楽しいものだった。最後に彼は礼儀正しく私をホテルまで送ってくれた。私はこの友情と優しさに感謝し、彼の魅力的な「美しさ」に魅了されてしまった。でも、彼には何か越えることのできないような…距離感が終始感じられた――私が敏感すぎるだけなのかもしれない。ただ、冷静になって考えてみると、この出会いには特に続けていく価値はなさそうね。

なにしろ、天環族の心の声は同族間にしか伝わらないと言われているから。

6月30日

スクリューブルさんはとても上品で礼儀正しい紳士だった。あるいは風流人とも言えるでしょう。恥ずかしながら、ピノコニーに来る前、私はさまざまなうわさから、オムニックという種族に対して少し偏見を抱いていた――皇帝「ルパート」の輝かしい功績は宇宙で知らない人はいないから。でも、ここのオムニックは…彼らはおしゃれで礼儀正しい。そして、スクリューブルさんとの会話の中で、彼が有機生命体に対して好奇心と尊敬のまなざしを抱いているのだと明確に感じられた。

彼の話し方はいつも賢くユーモアがあり、質問の観点が不思議というか、狡猾だと思うことはあるけど、失礼には感じない。そして、彼の口から、「無機生命地帯」の不思議なエピソードや彼らの風習、文化、信仰、価値観について多くのことを聞けた。私はこの理性的なコミュニケーションを楽しみ、知識のぶつかり合いから彼の魂の輝きを垣間見ることができた。

私はこの不思議な種族に魅了されている。彼らの理性と純粋さは、私にとって無視できない魅力になっている。だから、私はこの種族についてもっと理解するために、さらなる努力を惜しまないつもり――おそらく彼らの中で、私の魂に見合う伴侶を見つけられるでしょう。

7月1日

私は――恋に落ちた!

人混みの中でその女の子を見た瞬間、ビビッときた!

彼女が私にほほ笑んだとき、思考は意味をなさなくなり、彼女が私に話しかけてきたとき、理性は無価値になった。その宝石のように輝く目は、私の欲望の火であり、私の命の光に違いないわ!

残念ながら、数言交わした後、彼女は私に興味を持たなくなってしまった。でも大丈夫、彼女はいつか私に振り向いてくれるはず。いつか私を見つめ続けてくれるはず。

『ドリームサポーターへの手紙』

公式に発行されたマニュアル。ドリームサポーターになるための基本的素質、業界規範、潜在的なリスク、対処方法について紹介している。

『ドリームサポーターへの手紙』

皆様へ

ホテル・レバリーのスタッフの一員となられたことを、心より歓迎します。

ドリームサポーターになるということは、夢境世界を安定させる要となり、永遠の美しい夢の忠実な守護者となることを意味しています。あなたの存在は迷える人々に光を灯し、あなたの言葉は失意の人々に慰めを与えます。あなたはピノコニーにとって欠かせない重要な人材となるのです。

あなたのすぐれた専門能力と崇高な道徳心については、すでに十分に理解しています。ここでは、あなたが早くピノコニーの調和のとれた大家族に溶け込めるよう、夢境での暮らしにおける注意事項をいくつか簡潔に紹介します。

1. できるだけ感情を安定させること

夢境世界では、人の感情は覚醒時よりも強い波動を起こしやすいです。過度の共感を避け、自身に悪影響を及ぼさないようにするため、共感能力の使用には慎重になってください。

2. 突発的な状況に冷静に対処すること

夢境では、強い感情の波動が周囲の環境に一定の影響を及ぼすことがあります。勤務中に異常が発生した場合は、冷静さを保つようにしてください。

a. 要支援者が突然消えたり、他の生物や非生物に変わったりすることがあります。これは感情の暴走によるものがほとんどであり、一般的な現象です。

b. 過剰な負の感情は「記憶域ミーム」という夢境生物を引き寄せることがあります。この生物は通常、都市部には現れず、肉体的なダメージを及ぼすこともありません。この生物に遭遇した場合は、慌てずにその場から離れ、近くを巡回する「ハウンド」のメンバーに通報してください。

c. 治療を受けた一部の要支援者は、ドリームサポーターに対して一定程度の感情的依存を示すことがあります。あなたの身の安全と法的権利を十分に確保するため、事態が制御不能になる前に、関連当局に助けを求めてください。

3. 守秘義務に理性的に対応すること

率直に胸の内を打ち明けた客の秘密を守ることは、ドリームサポーターとして守るべき職業規範です。しかし、要支援者が自分自身または他者に危害を加える可能性を明確に示している場合は、速やかに報告してください。直ちに専門スタッフを派遣して対処します。

4. 定期的にカウンセリングを受けること

長時間にわたって話を聞き、サポートすることは、ドリームサポーター自身にも大きな負担をもたらします。そのため、ファミリーは無料でレベルの高いカウンセリングサービスを提供しています。定期的に受けるようにしてください。あなたの身心の健康は非常に重要です。

ドリームサポーターはピノコニーの貴重な財産です。ファミリーはあなたに良好な労働環境と安全を提供します。覚えておいてください――

どこでも、最高の効率であなたのトラブルを解消します。
いつでも、最適なソリューションであなたをサポートします。

いつまでもファミリーを信じてください。

『スカラベシール計画』

ボッチが「自慢に思っている」企画書。しかし、その内容は……

『スカラベシール計画』

1. ミッションの主旨

ピノコニー――すべてを包容するユートピア、燦然と輝く美しい夢の都。長きにわたり、ファミリーの指導の下、この華やかな都市は常に活気に満ちてきた。しかし近年、重要な収入源の1つである観光業の成長が徐々に鈍化していることは、ほとんど知られていない!
【コメント:関連する年の具体的なデータを示すこと。】

私の見解では、これは都市の発展にとって大きな潜在的リスクであり、誰も重視せず早期に対策を講じなければ、経済システム全体に極めて深刻な影響を及ぼす可能性がある!そして、まさにこの中で、大きなビジネスチャンスを見出し、ここに本プロジェクトを正式に提案する次第である!
【コメント:対応する論拠を示すこと。また、「!」の多用を避けること。】

2. 活動形式

誰も時計屋を理解していないが、誰もが時計屋になりたいと思っている。その名前は神秘のベールに包まれ、一夜にして全宇宙に広まった。無数の観光客が押し寄せ、ここで宝探しのカーニバルが繰り広げられた。しかし、こうした外部から来た者たちは、往々にして連日の宴に溺れ、放蕩の限りを尽くし、贅沢三昧の生活を送っている。
【コメント:簡潔で的確な言葉を使用すること。】

宝探しに来た客たちがもたらす経済効果は、衆目の一致するところだろう。そのため、我々はチャンスを十分に活用し、時計屋の伝説を模倣し、適切な宣伝手法を通じて、夢境で我々カンパニーの宝探しブームを新たに巻き起こすべきだと私は考える。

基本構想としては、精巧な装飾品(たとえば、黄金と宝石で作られたコガネムシ)を作り、それに伝説的色彩や感動的な物語(ある惑星における、このような動物の神話を参考または改変するとよい)を付け加え、大量の宣伝を通じて人々にアプローチする。これによって、観光客たちがピノコニーの物質的な華やかさや大衆的な娯楽に飽きた後、必ずやこのユニークな内在的価値を持つ物語に引き寄せられるはずである。そして、我々が機を逃さずに十分に魅力的なイベントを打ち出すことで、相当の売上を得られると信じている!
【コメント:企画書の中に「考える」、「信じている」、「必ず」といった主観性の強い表現を多用しないこと。】

そして、このブームが起きた後、我々はその蓄積された知名度を十二分に活用し、段階的にイベントを復刻するべきである。また、彼らに最大の楽しみと喜びをもたらすために、折を見て客たちに予想を超える「サプライズ」を提供する。
【コメント:信頼できる根拠にもとづいて、上記の手法が有効であり得る可能性を客観的に論証し、復刻イベントの内容およびサプライズの内容を詳細に説明すること。】

3. 市場分析

周知の通り、人は偉大なものや未知のものに対して畏敬の念と好奇心を抱いている。
【コメント:同じく「周知の通り」、このセクションの内容は個人的な感情を表現するのではなく、市場調査報告書および関連するデータモデルを提示して分析ならびに論証を行うこと。】

私はかつて、ある人が狂人に頼まれ、ロウソクを持って深い池を渡ったと聞いたことがある。その狂人は、そうすれば世界を変えられると信じていたためだ。そのため、無意味に見える行為にもかかわらず、多くの人々が熱中し、さらには夢中になることが多々ある。探索の過程で得られる満足感は、人生のすべてに意味を与えられるからだ。
【コメント:ユーザーのニーズからかけ離れた前提で憶測的な分析は行わないこと。】

好奇心と探求心に駆り立てられ、「宝探し」の過程に投下する価値は往々にして宝物自体の価値をはるかに超えるが、それでも没頭し続けている。これがいわゆる「宝探し事情」であり、本『スカラベシール計画』の本質である!
【コメント:企画書の中で「コンセプトのインスピレーション」、引用典拠、造語の概念について紙幅を割いて説明するのは避けること。】

4. 結論

『スカラベシール計画』の主旨は、ピノコニーの観光経済の発展を促すと同時に、その名を聞いて訪れた観光客たちに都市の価値観とファミリーの調和のとれた友情を十分に示すことで、物質的利益と精神的利益の両方を追求する大きな目標を実現することにある。

そのため、私は熱意を込めて本企画書を作成し、ファミリーとピノコニーにのために微力を尽くしたいと願っている。

【審査フィードバック】

1. 本企画書は内容が乏しく、言葉足らずで意味がつかめず、客観的な論述が不足しており、企画書としての体を成していない。

2. 文章の論理が乱れており、ケーススタディの分析、市場調査、計画案、具体的な戦略設計が欠如しており、実現可能性がない。

3. 問題点を発見し、論理的に分析する能力に欠け、市場と顧客の実際のニーズに対する理解が不足しているため、提案された計画に参考価値がない。

以上の理由から、本企画書は却下する。

市場開拓部 観光事業リーダー:ファインマン

汚い字で書かれたメモ

夢境ホテルの片隅で見つかったメモ。読めないがとても恐ろしい内容が記されている。

汚い字で書かれたメモ

すべての建物から離れろ 人を食べ 動くカスを吐き出す!

何も食べたり飲んだりしてはいけない 餓死しない 少しずつ怪物になる――

「公演」を見に行ってはいけない 空のボトルがお前の■■を引き出す 怪鳥がお前の■■を引き裂く さびた機械が■■■■■を切り刻む

あの処刑人たちに近寄るな あの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(大きなインクの広がり)に近寄るな

スウィート・ドリーム劇団を根絶やしにしろ あいつらは怪物だ ファミリーの邪悪な手先だ!!!

家族に宛てた手書きの手紙

ルイスが兄に宛てた手紙。スターの追っかけに失敗したことを不満に思っている。

家族に宛てた手書きの手紙

親愛なる兄さんへ

元気にしているか?

兄さんがどうであれ、こっちは最悪だ。

はぁ、1カ月以上経ってからようやく連絡したことを許してほしい。
母さんのように心配する兄さんは、夏の夜の池の周りにある蚊柱のようなものだからな。
今この筆先には怒りがこもっているのも許してほしい。
だが、兄さんは、「たまには自分の兄に頼ってもいい」と言ったよな?
だから、まずは文句を言わずに俺の不満を聞いてもらいたい。

先日、俺はある画家の作品に惚れ込んでしまった――
兄さんがそのことを知っているのも分かっているけど、今は俺の話を聞いてほしい。そこで俺は評論エッセイを書いた。
いつもの俺の分析技法――
そう、よく業界の愚か者たちから「徹底的に解剖し、プライバシーを暴いてそれを公にしている」と評されている「マインドマッピング」でな。

正直に言って、あの頑固者たちは、故人である彼らの師から静かさと平常心を保つ方法を学ぶべきだ。
彼らは「自分を隠さずにさらけ出すのは狂人だけだ」とか抜かしている。
しかし、今に見ているがいい。
彼ら自身の棺が朽ち果てたとき、連中の骨だって野ざらしになっているだろう。

はぁ、また話がそれてしまった。
その画家の話に戻ろう。
俺の2本目のエッセイが公開された後、ウェブサイトのコメント欄は相変わらず賑やかで、俺を称賛する人、非難する人、
俺を称賛する人を非難する人、私を非難する人を非難する人、火に油を注ぐ人、野次馬だけの人などがいた……

しかし、どうなったと思う?兄さんも知らないだろうけど、その画家は…俺のことを賞賛したんだ。

この数年、俺がこの業界で築いた「名声」を考えると、皮肉でもお世辞でもない賞賛は、スノーランドの春の日差しよりも貴重だ。
それに何より、彼女の言葉はシンプルだったが、誠実な包容力を持っていた。

それで、俺はたしかに有頂天になっていた…
実を言うと、俺にとって好みや志が同じ友人がいるという魅力は、兄さんの前に大きな箱に入ったアイシングクッキーが無限に置かれているようなものなんだ!
(ところで、執事から聞いたんだけど、最近、兄さんはまた糖分を摂り過ぎているらしいね。俺が帰るまでに後始末しておいてくれよ)
だから、ピノコニーへの旅はたしかに衝動的な決断だったけど、芸術によって生まれた真心と情熱は俺の人生で唯一の光になっているんだ。
それに、クラウディアが同行してくれるから安心してくれ。

あまり笑わないでくれ!そうさ、たしかに遠路はるばるやって来たのに、すぐに打ちひしがれて出ていくとは思いもしなかった。
そして、その素晴らしいと大画家だと思っていた人が、現実世界では頭が空っぽで志も何もない主婦で、さらに彼女の優雅な優しさはただの遠慮と表面的なものでしかなかったとは想像もしていなかったよ!

俺はその偉大な画家をとても尊敬していたけど、今、彼女の名前を再び見ると、何年も使ってきた絵筆が目に浮かぶよ。
インスピレーションという絵具に浸かっているときだけは柔らかく動くけど、絵具を洗い流すと、その白くて硬い、価値のない本質が露わになるんだ!

分かっていると思うけど、もちろんそれでも、俺は「才能のある」女性に失礼なことはしなかったし、何も辛辣なことも言っていない!
そうして俺たちは礼儀正しく楽しく会話をし、礼儀正しく別れた。
それどころか、別れ際、彼女はまた俺に新作の評論を書いてほしいと礼儀正しく依頼してきた。

ハ、ハ、ハ!最初から最後まで「礼儀」に満ちた完璧な出会いだった!!!

だから、レスター兄さん、俺は今月も、来月も、再来月も家に帰るつもりはない。不愉快な筆のことを完全に忘れるまで、クラウディアを連れて隣の星系へ旅行するんだ!

ルイより

折り紙大学怪奇現象募集スレ

折り紙大学学内ネット掲示板怪奇現象スレの議論

折り紙大学怪奇現象募集スレ

1. 折り紙大学の図書館の地下には、危機の時代の記憶域ミームが隠されている。

通常のミームとは異なり、このミームは人間と長く接したことで、人間の外見と知恵を手に入れ、非常に厄介な存在となりました。最終的にはハウンド家、ガーデン オブ リコレクション、スターピースカンパニーによって包囲され、図書館の地下に閉じ込められました。「太陽の刻」に折り紙大学が建設されたのは、大勢の学生の潜在意識を利用してこのミームを押さえこむためだったのです。

数々のドリームメイク技術は、ファミリーがミームの口から引き出したものです。夜が更けて静まり返ると、図書館の地下から泣き声が聞こえてきます。これはファミリーがミームを再び拷問しているからです。

絶対的美人の天環少女:「太陽の刻」で夜が更けて静まり返るなんてことある?
超知能モーターボール:1琥珀紀にわたって教壇に立ってきたが、こんな話は聞いたことがない。君の学籍番号は?

2. グラークス棟の非常口と「子夜の刻」が接続する部分には幽霊が出没する。

これは折り紙大学で数百年語り継がれてきた怪談です。幽霊は紫色のスカートをはき、鏡を手に持ち、長い髪は蛇の群れのように床まで伸びています。幽霊に遭遇したとき、学生は突然、周りの人がすべていなくなっていることに気が付くのです。幽霊に近づこうとした者もいましたが、どれだけ走っても二人の間の距離は変わりませんでした。やがて、幽霊はため息をつき、不運な学生は夢から覚めたのでした。

他の刻の境界エリアでも同様の目撃記録があります。この幽霊は、夢境開拓時代に多くの悪事を働いた夢追い人で、砂漠の中でミームに食べられ、ずっと「子夜の刻」をさまよっていると言われています。他の刻との境界エリアに隙間があれば、そこから入り込めるのです。

授業サボりマン:うちの学部の話では、幽霊は留年したドリームメーカーってことになってる。
ポンポンに触るな:怖いなぁ、「子夜の刻」か。今夜は夢を見たくないよ。
赤いバケツのヒーロー:お母さんからもこの話を聞いたことがあるよ。でも、幽霊は夢追い人を守るために食べられたって言ってたよ。

3. 「時計屋」の遺産は、実は折り紙大学に隠されている。

「時計屋」は何度も折り紙大学のドリームメイクプロジェクトを支援し、ピノコニーで最も優れた実業家でありながら報酬を求めませんでした。なぜでしょうか?最も可能性が高い説明は、彼が私たちの校友だというものです!すべては元の場所に戻るように、母校に遺産を寄付するのはとても理にかなっています。また「時計屋」と言えば、皆さんはどこを思い浮かべますか?「ブルースの刻」のダンスパーティ?「星々時刻」の遊園地?それともクラークフィルムランド?逆に考えれば、誰もが最も考えそうにない隠し場所、それが折り紙大学なのです!

知っての通り、秘宝とは常に思いもよらない場所にあります。何を待っているのです?現在、宝探しチームのメンバーを募集中です。一緒に学内で遺産を探し、成功した暁には山分けしましょう。

ロビンさん、あなたのファンです099:ここって怪奇現象スレじゃなかった?管理人は?仕事してよ。
彼女のことは忘れよう:スレ主はまず自分の論理を整理しよう。知らない人はミームが打っていると思うよ。
世間が驚く天才(スレ主):@彼女のことは忘れよう お前本当に忘れたのか?
彼女のことは忘れよう:@世間が驚く天才 この〇〇〇!

送られなかった手紙

送ることができなかった返事の手紙。生と死の前では、いかなる意見の違いや争いもとても無力に見える。

送られなかった手紙

かつての親友へ

君からの手紙を受け取って、僕たちの7年間に及ぶ「友情」について長く深い反省をしたよ。

前回のけんかからずいぶんと時間がたってしまったけど、今はお互いに理性を取り戻し、冷静に話し合えるはずだ。この機会に、僕の率直な意見を述べさせてほしい。

僕たちの意見の相違は、友人になったときから存在していた。最初、僕は君に対する熱烈な崇拝と尊敬によって盲目的になり、君を権威として敬い、精神的な父と見なしていた。しかし、だからといって、自分の追従者を実験対象のように扱うべきだということにはならない。

君はいつも周りの人に圧力をかけようとしていた――意図的かどうかにかかわらず――皆は無意識のうちに自分を君よりも劣っていると感じるようになったんだ。君は「父親」の席に座り、皆から無条件の崇拝、お世辞、賞賛を受け、それによって「揺るぎない権威」を確立した。

しかし、誰かが批判や疑問を提起すると、君の優しい友情、寛大さは一瞬にして消え去り、厳格さ、あらさがし、独裁がそれに取って代わった。君にとって、どんな異論も「父親への反逆」でしかない。僕は君の発見した宝石をさらに加工しようとしただけなのに、君は僕が「父親殺しの動機」を秘めていると言い、君の学説を広めようとする僕の行動については、「君の揺るぎない要塞を破壊」しようとする試みだと見なした。

でも、権威に対する君の執着もまた、外に向けられた病的な依存ではないだろうか?はっきりと言わせてもらうけど、君は他人からの愛と賞賛によって安心感を手に入れ、それに依存して生きているにすぎない。

理念が合わずに君とけんか別れした「友人」が僕だけでないことは明らかだね。認めるんだ。君が必要としているのは友人ではなく、従順で盲目的な息子、自分の考えを持たないバカ者でしかないよ。

でも、今の僕にとって、君の「権威」と執着はとても滑稽に映るね。

正直者のカールより

クラウディアの素材帳

クラウディアがピノコニーの怪奇事件を記録するために使っている素材帳。

(1)

スラーダ爆弾
情報源:オルシロット-ハウンド-黄金の刻
分類:「幻想的色彩」を帯びたテロ攻撃
内容概略
ある夢追い人が夢の中で全財産を使い果たしたが、それでも立ち去ろうとしなかった。そこで、ピカ白ぶどうソーダとサワードリームキャンディを原料として、非常に強力なはじけるキャンディを開発した。その後、特殊な方法ではじけるキャンディをスラーダのボトルに保管し、大量のスラーダ爆弾を製造した。
この人物は、バブルリチウムドッグが運搬中に引き起こす揺れによって両者を混合させ、爆発を引き起こし、都市を大規模な混乱に陥れようと企んだ。
しかし、その人物がバブルリチウムドッグたちとあまりにも親しかったため、この計画は失敗した。数十本のスラーダ爆弾による爆発で、その夢追い人は重度の脳震盪を起こし、現在もまだ目を覚ましていない。

夢境のミーム
情報源:コリン-ドリームメーカー-ドリームボーダー
分類:夢境のミームモンスター
情報概略
最近、ピノコニーで多数の失踪事件が発生した。調査の結果、失踪者の体はすべてホテルのドリームプール内で無事に保管されていたが、意識の行方が分からず、外部からの人為的な方法では目覚めさせられなかった。
情報提供者によると、この人々は突然現れた「ミーム」と呼ばれるモンスターに連れ去られたそうだ。被害者が消える前にいた夢境の刻、種族や行動パターンはそれぞれ異なっており、このミームの狩猟原理はまだ特定できていない。
また、目撃者の関連記憶はすべてファミリーによって消去されており、このルートからのさらなる調査は現在のところ不可能。

汚染されたミーム
情報源:ウールシ-ハウンド-夢境のホテル
分類:夢境の汚染された創造物
情報概略
最近、ピノコニーで「スウィート・ドリーム劇団」のメンバーを狙った襲撃事件が多発している。襲撃された夢境の創造物は外殻が著しく損傷し、意識も重度の汚染を受けた。
それぞれの現場には奇妙なテープが残されており、これが汚染源とされている。そのテープは生物を怒りやすく、不安にさせ、さらには幻覚を引き起こすと言われている。長時間接触していると完全な精神崩壊に至る可能性がある。それだけでなく、夢境そのものを歪められるとされている。

悪魔の門
情報源:W-ハウンド-夢境のホテル
分類:未知の不思議な力
情報概略
情報提供者によると、崩壊した夢境のホテルには通り抜けできない通路があるらしい。
そこでは時空が奇妙な状態を呈しており、言葉では表現できないが、感じることはできるとのこと。
「通路の奥を見たが…先はなかった…見えない存在だけが見えた……」
「…絶対的な静寂の中で、聞こえない詩が聞こえた……」

(2)

幽霊回廊
情報源:アンダーソン-バーテンダー-ホテル・現実
分類:古い幽霊が出没する回廊
内容概略
これは、アンダーソンという名前のバーテンダーから特製ドリンクと引き換えに聞いた物語だ。
ピノコニー歴史の中に「ブラックブリン」という家が存在していたようだ。その家は後にルーサンとの対立によって滅亡した。信頼できる資料によると、当時両者は環状監獄区の連結回廊で激戦を繰り広げていた。戦場が狭く、死傷者が非常に多かったため、その場所は「安息回廊」と呼ばれるようになった。
アンダーソンによると、監獄がホテルに改造される際、その回廊もドリームメイクの過程で多くの欠片に分割され、夢境の各地に散らばっているらしい。しかし、今日に至るまで、特定の条件下でそれらの欠片のありかに近づくと、当時の戦場における激戦の惨状を「感じ取る」ことができると言われている。
※注:似たような怪談を仙舟出身の友人から聞いたことがある。彼らの文化では、こうした現象に「陰兵借道」という独自の名前があるそうだ。

ミームハンター
情報源:アデリン-記者-熱砂の刻
分類:怪物になった夢追い人
情報概略
歴史資料によると、最初の夢境開拓期には、原始の夢境は危険に満ちていたようだ。魂を呑み込む夢境の裂け目に加え、無数のミームモンスターがいた。
当時、遠方から来た多くの夢追い人が荒廃した夢の原野を駆け回り、恐ろしい怪物を狩っていた。しかし、「調和」の力によるサポートや保護があったとしても、大勢の夢追い人がミームの汚染によって同化させられ、徐々に恐ろしい怪物に変わり、永遠に夢境から出られなくなった。
ハウンド家はかつて、珍しいミーム生物を捕獲した。その怪物は人間に対する攻撃性がないどころか、友好的な態度を示すほどだった。捕獲後、その怪物は時間の経過と共に弱っていき、最終的には自我が枯渇した。この事件は、ある程度、そのうわさの根拠となるかもしれない。

調和の怒り
情報源:ブリンナ-受付係-朝露の館
分類:エターナリオンの降臨
情報概略
伝えられるところによると、ファミリーが初めてやって来た頃、悪名高い反物質レギオンがピノコニーの領土を狙っていたそうだ。
当時、ファミリーは特別な「調和セレモニー」を開き、「ハルモニア聖歌隊」ではなく、怒りに満ちた「エターナリオン」を召喚した。
「同一運命」の剣は463万匹のハウンドで鞘を作り、果てしない虹のようなものだった。避難していた人々が顔をあげたとき、彼らは無数のヴォイドレンジャーが七色の光に呑み込まれる光景だけが見えた。
それ以来、「壊滅」の鉄蹄はもう二度と宴の星に足を踏み入れることはなかった。

美しい夢の境界
情報源:ジョージ-ドリームメーカー-ピノコニー大劇場
分類:夢境の構成
情報概略
情報提供者によると、美しい夢「十二の刻」はピノコニーの夢境のごく一部にすぎず、「…氷山の一角でしかなく、夢境の奥にはまだ開発されていない広大な荒野が広がっている…そこは粗野で質素で、夢の本質により近い…」とのことだ。
さらに、そうした「人工の美しい夢」を構築する過程で、「高濃度の小型悪夢」が生じることがあり、これらはしばしば美しい夢の境界に付着し、ファミリーによって負の感情を集中的に集め、破棄される「ごみ捨て場」として使われる。
このような悪夢は人の精神に不可逆的なダメージを負わせることがあるが、これまでファミリーは万全の措置を講じており、それらを人々の活動範囲の外に隔離している。

絶交の手紙

かつての親友から送られてきた絶交の手紙。友情の完全な破綻を宣言している。

絶交の手紙

学派の裏切り者へ

まず、この手紙の冒頭で、私に人を見る目がなかったことに深く恥じることを許してもらいたい。

私は君を親友と見なし、実の息子のように扱い、自分の学界での地位を君に委ねたこともあった。それは私が君に対して愛情と信頼を抱き、君の未来に自信を持っていたからに他ならない。

しかし見てもらいたい。君がどのように私に報いたのかを――

恥知らずな裏切り!卑劣な中傷!恩を仇で返すような扇動!

聞くところでは、君は私が常に学生たちを子どものように依存させていると断言し、私の権威が君の学術的成長の障害になっていると主張しているそうだな。君がそのような結論を出した以上、私はもういかなる弁解や反論もしない。

これまで、私と相対する者たちからの非難や詰問はよくあったので慣れている。しかし今回、君の恥ずべき独断に直面して、私はただ喜んでいるのだよ。私たちの愚かな関係がここで終わり、ついに別々の道を歩むことができ、卑劣で偽りまみれの虫けらがついに自分の信者を連れて私の学派から去ってくれることをな!

私がこの人生で最も後悔しているのは、君と友人になったことだ。その次に後悔しているのは、その安っぽい友情を取り戻そうとして妥協し、頭を下げたことだ。

最後の最後で君に忠告しておこう――

明らかに真理を見られないにもかかわらず、自分は真理を実践していると高らかに主張する。

このようなことは、自らの浅はかさと愚かさに対する自覚の欠如を疑わせる。

機密事項:夢境の大規模異常記録

最近ピノコニーで発生した会期事件に対するファミリーの観測記録。現在、いずれの問題も適切に処理されている。

機密事項:夢境の大規模異常記録

1:虚構歴史学者が「太陽の刻」博物館を突然襲撃した。クラークフィルムの展示室では、記録が改ざんされ、有名な初代クロックボーイの彫像が未知のミームと混ざっているものと思われる。ドリームメイクと折り紙の発展史の展示室では、展示品が増加し、ドリームメイクプロジェクトに関連する道具や技術が大量に出現し、関連文献の検索が可能になった。ファミリーの展示室では、いくつかの家の人物に増減が生じ、重要な出来事や人物の歴史解説が加えられた。その他の展示室もすべて未知の被害を受けている。

現在、カタルス家はガーデン オブ リコレクションのピノコニー駐在員と共に博物館の展示内容を修正しており、10システム時間以内には修復作業が完了し、再開館する見込みである。

2:仮面の愚者の影響により、「黄金の刻」でソーダの洪水が発生した。仮面の愚者がオーバーヒートした飲料工場に謎の変更を加えた結果、制御不能となった。洪水はスラーダ工場から始まり、1システム時間以内にゴールドセンター駅まで急速に広がり、数万人が溺れて強制的に夢境から離脱した。スラーダが蒸発した後に起きた大規模な夢境内睡眠が、現場処理の難易度を大幅に高めた。

ハウンド家は事故発生後、直ちにスラーダ洪水を突破して工場に到着。緊急停止バルブを起動させ、洪水のさらなる拡大を防いだ。また、被災者のためにアイリス家が主催した無料の災害救援公演は好評を博し、この洪水によるネガティブな世論はほぼ収束した。

3:カンパニーの戦略的投資による干渉が原因で、「金箔の刻」に金融危機が発生した。カンパニーが仕掛けたぜいたく品などの高級サービスにおける大規模な価格競争は、「金箔の刻」のインフレを直接引き起こし、内部の従業員の取り付け騒ぎが深刻になった。金融危機の後、ピピシ人の飛び降り事件が数件発生した。また、情報漏洩により、一部の地元住民の間で、ピノコニーの金融に対する信頼が急激に低下した。

重大な経済事件が起こる前に、ルーサン家は緊急管理対応計画第6条の規定にしたがい、通貨政策と財政政策を変更した。また、カンパニーと積極的にコミュニケーションを図り、対立解消と相互協力を目指した。現在、大きな進展があり、市民の投資とローン残高も安定した成長軌道に戻っている。

4:調和セレモニーの直前、アナイアレイトギャングが「黄昏の刻」に対する秘密の包囲攻撃を計画していた。調査によると、このアナイアレイトギャングはもともと冥火大公の手下の傍系で、秘密裏に夢境に潜入した後、地元のギャングなどの無法者と共謀していた。さらに仮面の愚者が間に入って妨害を加え、調和セレモニーが宇宙各地の大商人を引き寄せることを利用して、オークション会場でその中心人物を誘拐し、身代金を要求して今後の資金を確保しようとした。

この集団の行動はあまりにも目立ち、レストラン内で新メンバーを募集していたところをハウンドに取り押さえらた。その後、残りのメンバーも一人ずつ自白した。現在、メンバーは全員逮捕されている。

『夢境犯罪アーカイブ』抜粋

ハウンド家で保管されている犯罪アーカイブ。一部の極めて大きな悪影響のある夢追い人の犯罪行為を記録している。

『夢境犯罪アーカイブ』抜粋

このアーカイブに記録されている人物は社会にとって極めて有害であり、夢境の安全に深刻な影響を与える。
決定により、記録はハウンド家で保管することになった。

氏名:ドマンダ
違法な武器所持、誣告、テロ攻撃の3つの罪に問われている。

2155琥珀紀の初めに夢追い人としてピノコニーに入り、ルーサン家に雇われ、カタルス家のドリームメイク基礎作業に協力。あるとき、ドリームメイクプロジェクト中にミームの攻撃を受け、体内のパーツが著しく損傷し、仕事に適応できなくなった。ルーサン家職員の説得により、2155琥珀紀中頃に自ら退職。

後にオムニックの機能が老朽化し、思考関連のパーツに故障が発生。ドマンダはルーサン家に何度も公然と妨害を行い、虚偽の事実を捏造して恐喝しようと試みるが、失敗。その後、「黄金の刻」、「ブルースの刻」など複数の場所で、ドリームメイク時代の知識を利用し、複数の建物の崩壊やミーム生成事件を人為的に引き起こし、合計1958人に計り知れない精神的ダメージを与えた。そのうち35人の夢追い人は、特殊な憶質薬品に生涯頼らなければならなくなった。

逮捕された後、即座に自己破壊プロセスに入った。

氏名:バノー
違法な武器の所持、夢境への密航補助、ハウンドの法執行官に対する襲撃など、7つの罪に問われている。

2155琥珀紀末に夢追い人としてピノコニーに入り、定住。その後、妻が重病にかかり、「黄昏の刻」へ行き、自分の100年の使用権を高価でオークションにかけるも、成功せず。「寿命」を競り落としたピピシ人の商人とのオークション品争奪戦に敗れて追放され、徐々に反社会的な心を持つようになる。

2155琥珀紀末から2156琥珀紀初頭にかけて、幾度となく密航者に手を貸して高額な報酬を搾取し、2000人を超える密航者がピノコニーに入り込んだ。ハウンド家が捜索をするも、依然として200人以上の行方がつかめていない。犯罪活動の後半では、一部の密航者を自身のチームに取り込んだ。部下の証言によると、バノーは密航者が合法的な身分を有していないことを逆手に取り、部下に対する態度や待遇が極めて悪かった模様。最終的には利益配分の不平等を理由に大勢から恨みを買い、ハウンドに通報されて逮捕に至る。

氏名:ラムイン
違法薬物の密輸、市場秩序のかく乱、危険物質の投入など、7つの罪に問われている。

2156琥珀紀中期に宇宙の行商人としてピノコニーに入る。後にカンパニーとの共同検証の結果、その行商人資格は賄賂によって得たものであることが判明、関連する人物は法に則って処罰された。ピノコニーに来たばかりのラムインは、違法な精神薬の販売と詐欺で生計を立て、その後、地元の犯罪者と結託し、行商人の資格を利用して大量の憶質系製品をピノコニーに密輸入し、不当廉売によって市場シェアを奪った。その販売する製品はガーデン オブ リコレクションとピノコニーの品質検査を受けておらず、重大な安全上のリスクがあった。

ハウンドがその違法な産業チェーンを封鎖した後、姿を消す。半年後、現実世界のホテル・レバリーで毒物を投入してファミリーに復讐し、合計130人が病院に運ばれ、3人が死亡。その後、ハウンドに追跡され、ホテルのトイレで毒物を服用し、罪を恐れて自殺。

クインの日記

古い日記。黄ばんだ紙に2種類の筆跡で、クインの当時の死の真相を描いている。

クインの日記

■年■月■日

私には、賢くて努力家で、誰からも好かれているとても素晴らしい姉さんがいるの!

でも、いつも楽しくなさそうにしている……

楽しませてあげたいのに、なんで私と一緒に遊ぼうとしてくれないのかしら?

(数ページ中略)

■年■月■日

今日は私たちの誕生日だけど、全然うれしくない。

みんなが私たちにプレゼントを用意してくれた。そして、私は半月分のお小遣いを使って、姉さんに大きな人形をプレゼントしたの!

だけど、姉さんは私へのプレゼントを忘れていた…もしかして、私のことが嫌いなの?

(数ページ中略)

■年■月■日

ムカつく、ムカつく、ムカつく!朝から晩までお説教ばかり。私より30秒早く生まれただけで、何を偉そうに!

これもダメ、あれもダメ…私のために言っているっていうけど…本当は私が努力をしなくてもみんなから好かれていることに、嫉妬しているんでしょ?

気取っちゃってさ、フンッ――超キモイ!

だけど構わないわ。姉さんがダメだって言ったことをわざとやって、イライラさせてやるんだから——アッカンベーだ!

(数ページ中略)

■年■月■日

ああ、どうしよ!うっかり姉さんのバイオリンを壊しちゃった……

きっとまた、お説教してくるでしょうね。姉さんが何て言ってくるか想像がつくわ——

「そんな歳になっても、まだ物分かりが悪いの」とか、「あなたみたいな妹がいて本当に恥ずかしい」とか、「もう二度とあなたの顔を見たくない」とか…何年も同じセリフを聞かされて、耳にタコができちゃうわ。

もううんざり、たかがバイオリンじゃない。弁償すればいいんでしょ。

はぁ…お小遣いがまたなくなっちゃう……

(数ページ中略)

■年■月■日

私が殺した私が殺した私が殺した私が殺した私が殺した私が殺した!!!

わざとじゃないの階段のそばで立っていたから気づいたらごめんなさい私を見ないでごめんなさいごめんなさいごめんなさい――

きっと許してくれるわよね、そうでしょ?

(数ページ中略)

■年■月■日

姉さんの推薦で、「レバリー」ホテルのフロント見習いになった。

さすがは夢の街ピノコニー、すごく華やか!もちろん、フロントの仕事は楽ではないし、姉さんは夢の外で、私は夢の中にいるから会う時間すらない。

だけど大丈夫。それでも私たちは決して離れ離れにはならないから。

(数ページ中略)

■年■月■日

おかしいわね…私の頭…どこか変みたい。

『ルーサン銀行保険パッケージ紹介チラシ』

ルーサン銀行保険パッケージの紹介用チラシ。書かれている補償額はとても魅力的に見える。

『ルーサン銀行保険パッケージ紹介チラシ』

急な事故に耐えられるか心配ですか?
事故が起きたときに家族に補償を残してあげたいですか?
少額の投資で、あなたに安定した大きな幸せを。
ルーサン銀行――あなたの未来を守ります。

【私の安心保障プラン】

重大な病気 ―― 支払い済み保険料の400%
一般的な事故による後遺障害 ―― 支払い済み保険料の666%
自家用車または公共交通機関の事故による後遺障害 ―― 支払い済み保険料の888%
事故または重大な自然災害による後遺障害 ―― 支払い済み保険料の888%
重度障害または労働能力の完全喪失 ―― 支払い済み保険料の998%
事故以外の死亡 ―― 1カ月分のホテル宿泊費用定額給付
事故死 ―― 支払い済み保険料の50000%
(なぜかこの行の文字は黒いペンで線が引かれている)

※安心のための重要事項
1. 上記保険金は重複して給付されず、1項目のみの給付となります。
2. 記憶域ミームによる負傷や死亡はいかなる場合も補償の対象外です。
3. ドリームマシンによる事故はいかなる場合も補償の対象外です。詳しくはホテルのフロントでお問い合わせください。
4. 保険加入者はルーサン銀行指定の医療機関で健康診断を受け、一覧に記載されている疾患がないことを確認してから保険に加入できます。
5. 当行は、保険金をだまし取るあらゆる形式の行為に対して厳正に対処します。発覚した場合、支払い済みの保険金は全額回収し、保険料の返金はいたしません。また、ピノコニーからの最高レベルの告訴をされる可能性があります。これには、契約違反による賠償請求、永久追放、拘禁など、多くの措置が含まれますが、これらに限りません。ハウンド家は当行の資金の安全を保証しています。

ご安心ください。ルーサン銀行はいつでもあなたの最も忠実なパートナーです。

(後ろの部分は破られている)

『ドリームメーカーアーカイブ』

過去のドリームメーカーたちの情報を記録したファイル。真の歴史は忘れ去られてはならない。

『ドリームメーカーアーカイブ』

検索キーワード:「夢追い時代」「カタルス」「ドリームメーカー」

数琥珀期の混乱と戦争を経て、ピノコニーは夢境開拓の第一歩を踏み出すことを選んだ。偉大なる建築家グラークスがピノコニーに招かれ、他の建築士とともに夢領域を安定させる方法を探した。
こうしてピノコニーは目まぐるしい発展の時代へと突入した——歴史上の「夢追い時代」である。

銀河各地の優秀な人材が「ドリームメイクプロジェクト」に魅了され、初期のドリームメーカーたちは様々な業界から集まった。彼らはカタルス家で団結し、夢境の建設のために数々の奇妙な構想を提案した。そのうちカタルス家当主グラークスは最も優秀なドリームメーカーたちを率いて現在のような12の夢境の雛形を建造した——この数名のドリームメーカーたちは敬意を込めて「折り紙のドリームメーカー」と呼ばれる。彼らの作品は現在までピノコニーの夢境に残されている。

ジョーイ
デザイン作品:「ホテル・レバリー」、「オアシスの刻」
もともとは著名な星間建築デザイナーで、イプシロン星系出身の芸術家系出身。作品は見た目の曲線と美しさ、そこにある芸術的な表現を強調している。
代表作であるホテル・レバリーの設計は盗作の疑いがある。原告側は証拠不足で敗訴した。だが、ジョーイの名声もガタ落ちした。
ホテル・レバリーの真の設計者であり、カタルス家のためにドリームメイクのための人材を探している優しいドリームメイク学者でもある。
夢境を開拓していた時に記憶域ミームと遭遇し、亡くなった。
フォーン
デザイン作品:「黄金の刻」、「金箔の刻」
「スターピースカンパニー」の技術開発部のチームリーダーだったが、爆破実験のせいでクビになった後にカタルス家に加わった。
狂った発明家。代表的な発明は、破壊性夢境開拓装置「フォーン三世」である。重大な安全上のリスクがあったため、使用が廃止された。
傲慢な天才発明家で、グラークス教授の熱狂的なファン。彼の作品は実用的ではないが、目立つことに間違いはない。
ドリームメイク関連の研究開発実験中に失踪し、行方不明。
バロー
デザイン作品:「星辰の刻」、「静謐の刻」
元は民間の建築デザイナーだったが、グラークス教授に誘われてカタルスのドリームメーカーになった。その作品は型にはまらず、巧みなオリジナリティと高い安全性を同時に実現する。
後に建築事故の疑いのある辺境の監獄の囚人であることが明らかになり、ハウンド家により「静謐の刻」に投獄された。
オーク家による公正な裁判の末、過去の罪に相応の罰が与えられた。
刑期が終わる前にこの世を去った。
フィッシャー
デザイン作品:「黎明の刻」「太陽の刻」
元博識学会メンバー。グラークス教授と共にピノコニーにやってきて、後にカタルス家当主、折り紙大学ドリームメイク学部学部長を引き継いだ。
在任中は十二の刻の夢境建設に尽力し、ドリームメーカーの労働における権益保護のための様々な法整備を進めた。
折り紙大学のオフィスで突然発病しこの世を去った。

密航者調査レポート

現地取材に基づいて整理された調査レポート。ピノコニーの辺境に暮らす密航者たちの知られざる一面が記録されている。

その1
――宇宙調査にもとづく密航者の「日常」生活に関する研究
本書は、一般大衆が密航者を新しい視点から見てもらえるようにすることを目的としている。法律違反者に対するただの非難から、彼らの生活に一時的に焦点を当てることで、異なる集団間の対話を促進し、数琥珀紀にわたって続く密航問題に新たな解決策を見出すことを目指している。

おことわり:本報告書の調査対象は、「ホテル・レバリー」の夢入り資格を申請せず、周辺の宇宙船を通じて「共感覚夢境」に入った有機生命体、およびオムニックに限られる。

第1章 密航者にも仕事が必要

貧困星系出身の密航者は、跳躍が可能な船に乗るために貯金を使い果たすことが多い。彼らは簡素な船倉で眠り、ファミリーの目を逃れて夢境に潜入する。

一般の認識とは異なり、仕事をしていない密航者は宇宙船の中では少数派だ。生活の苦しさから、多くの密航者はピノコニーで仕事を探そうと試みる。彼らが仕事を見つけることは容易ではないが、高度に繁栄する夢境では、単純な労働に従事するだけで日常生活を維持できる。

他の失業者も生計を立てる手段を持っている。彼らは少人数のグループ間で物乞いのような手法を教え合い、ピノコニーの夢境でさまざまな方法でルーサン幣をねだり、現実世界に還元する。
かつて「大賢者」と呼ばれる密航者が物乞いをして「時計屋」と友人になり、一気に成功を収めたと言われている。しかし、筆者はそれが密航ビジネスに人を集めるための口実にすぎないと考えている。

また一部の密航者は夢境の社会に馴染めず、なおも現実世界のさまざまな仕事に従事している。たとえば、星間宅配便や通りかかった宇宙船の修理業務などだ。しかし、現実世界の底辺の収入では、ピノコニーでの楽しい生活や消費を支えることはできず、こうした密航者たちは犯罪の道を歩むことが多くなり、立ち寄った客に対して恐喝をしたり、詐欺を働いたりするようになる。

オーク家の定めた法によると、ピノコニーでの密航行為は厳しく禁じられており、彼らがハウンドに見つかった場合、その末路は悲惨なものとなる。
しかし、ファミリーの追跡よりも、模造ドリームプールが脳と精神に与える影響のほうが恐ろしい。処理されていない高濃度憶質に長期間さらされると、身心に深刻なダメージを受ける可能性が高く、多くの密航者が晩年に重度の精神錯乱状態に陥る。

筆者は密航客の船に潜入し調査を行ったが、残念ながら乗船する前に、ある有名な特別客がすでに船を離れていた。こういった謎めいた密航客たちは、非常に豊富な資金を持っており、使用するドリームプールはプラチナルームにも劣らないものだそうだ。彼が密航を選んだのは、ファミリーから身元を隠したいがためだったのだろう――何しろピノコニーの夢の中では、宇宙で最も悪名高い犯罪者であっても顔を変え、居場所を見つけられるのだ。

他にも、ピノコニーの夢の中を一目見るためだけにわざわざ密航し、その後、小型宇宙船で脱出する客もいる。ある密航宇宙船の船長がこっそり教えてくれたのだが、そのような人々が最も多い客層らしい――「ホテル・レバリー」の高額な宿泊費に比べれば、こうした方法で夢境旅行をしたほうがはるかに安上がりだからだ。

ここまで書いたところで、筆者はピノコニーの魅力に感嘆せざるを得ない。数琥珀紀にわたり、この「調和」の夢境を訪れるために、人々はあらゆるものを捨ててきたのだ。

……

その2

第2章 2立方メートルのキャビンでの飲食と生活

一部の密航客は、夢の中での生活時間を延ばすために、現実世界の消耗品の購入を諦めている。しかし、調査対象者の85%は、船内の清掃ロボットに代金を支払い、部屋の清潔さを保っていると回答した――さもないと部屋の悪臭が夢での体験の質を大きく損なうためだ。
筆者が目にした清掃ロボットは、2152琥珀紀に製造され、スターピースカンパニーが廃棄した旧型モデルで、密航船よりも寿命が長い。その清掃ロボットは船の半分、つまり107のキャビンの清掃作業を担当し、移動中は常にクリフォトを称える歌を口ずさんでいた。その価格の低さから、一部の密航客の間で「存護」信仰が芽生えるほどだった。

もちろん、その清掃ロボットは支払い能力や生命徴候を失った宿泊客も「清掃」することがある。ただし、密航客たちはそのようなことにも慣れていた。

密航船で最も一般的な食料供給源は、カンパニーの貨物輸送ルートを利用して輸送される「高速生命維持栄養液」だ。これは資源の乏しい「辺境星系貿易戦争時代」に、「植物学者」によって製造された(彼女はクシカール星系の知的植物)。その後、カンパニーが特許を買い取った。この栄養液は「安価」かつ「とにかく食べても死なない。たぶん」といった素晴らしい特徴を持ち、何度も戦争中の救済活動に使用された。その後、体に有害である恐れがあることから禁止され、工場も閉鎖された。

戦争中に大量の栄養液を蓄えた商人たちは、惨めに立ち去るしかなく、2つの星が3琥珀紀食べていけるくらいの栄養液を持ち去った。それ以来、銀河には低価格の栄養製品が増えた。一部の星域では、1瓶の栄養液の価値が、その地域の生物の排泄物よりも低い場合もある。
経験豊富な宿泊客たちは空き缶を拾い集め、船長に合金安売りの報酬を求める。新入りについては、先輩たちは察したかのように黙り、船長が彼らに口止め料を支払うのだ。

「そう言えば、こいつの消費期限は?」
「とにかく食べても死なない。たぶん」

低重力環境で長期間過ごすため、有機生命体である密航客は無機生命体よりも多くのリスクに直面する。たとえば、骨粗しょう症、自律神経失調症などの疾患は珍しくない。毎日10000信用ポイントのキャビン環境調整費は、ほとんどの密航者にとって受け入れられない費用なのだ。
上記の数々の問題を前に、高濃度の憶質によって崩壊させられない限り、密航者たちは最終的に自分の大部分の肉体を改造する道を選ぶ。自分が毎日少しでも長く眠れるようにするためだけに。

「今の状態を見てください。夢に入る以外何も気にする必要がない。長い夢から覚めてほしくないということです」

ベータと名乗るその密航客は、インタビュー時、脳の10%と約29キロの無機外殻しか残っていなかった。私の素性を知った彼は、船長が彼の有機体の肉体を売り払って着服したキックバックに対して憤慨し、大事にしていた最後の1瓶の栄養液を私に贈ろうとした。今の彼は質の悪い電池だけで生きられるからだ。

「とにかく食べても死なない。たぶん」

筆者が「ホテル・レバリー」で執筆していると、ある無機生命体の客がその栄養液を求めてきた。その後、その客は私を自分のミニチュアガーデンに招待した。その栄養液で水やりすると、ある小さな花が筆者にあいさつした。

ピノコニー飛行ガイド

教材。ピノコニーの夢の中で飛ぶ方法を学べる。

ピノコニー飛行ガイド

(警告:このコンテンツは苦情を受け、虚構歴史学者によって作られた疑いがあり、アカウントは凍結中です。リンクをクリックしないでください。文中の内容を信用しないでください。)

ピノコニーの憶質は極めて高い柔軟性を持ち、「夢」と「記憶」の特性を利用し、ファミリーは草木も育たない監獄を現在の宇宙で有名な「十二の刻」に改造しました。ドリームメイクの技術は、これまで五大クランから高度な秘密と見なされています。

皆さんも初めて夢の中に入るとき、「ガーデン・オブ・リコレクションのメモキーパーを除き、一般の夢追い人が夢の中で憶質を自由に操ることは難しい」というような話をスタッフや地元の人から聞いたことがあるかもしれません。

実際には、そのような言説こそが夢に入る者にとっての「枷」となってしまうのです。誰でも自由に操れるはずの憶質が、「夢境の基本的な法則は現実と同じである」という暗示によって、潜在意識の中で本当に現実と同じようになってしまいます。この方法により、ファミリーはドリームメイクの独占権を握り、多くの特殊体験に追加料金を請求しています。

本日私が教えるのは、精神の枷を解く最初の鍵――飛行の習得です。

まず、私たちがいる世界は夢境であり、現実ではなく、物理法則も死も存在していないということを明確にしておきます。そのため、「落下も存在しない」という小さな呪文を心の中で繰り返し、それを完全に信じるまで続けるのです。もちろん、経験と知識によっては、重力という根深い認識を打ち消すのは難しいでしょう。ましてや、ファミリーによって強化された枷が影響を及ぼしています。そのため、百面相質店(このリンクをクリックすると詳細が表示される)へ行って関連する記憶を封じ、ピノコニーを離れる前に再取得することをおすすめします。

現在、私たちは落下を忘れ、落下に「抵抗」する場所を探さなければなりません。
これまでの経験にもとづき、自由落下時間が8秒以上の離陸台を選ぶことをおすすめします(ピノコニー公式が定める星系内の標準重力加速度を基準とする)。快適性を保つため、状況に応じて傘を開くか、マントを追加して飛行精度をコントロールすることもできます。その中でも寒色系の傘と暖色系のマントが最も効果的です(3色型色覚でない読者は、購入時に店員に色が基準を満たすか否かを確認するといいでしょう)。

最後に、そして最も簡単なステップとして、離陸台で目的地を選び、最高速度で飛び出します。
離陸前に空中のルートを計算しておきましょう。飛行中にスフェロイド、空中軌道、車両、建物などが現れた場合に回避できずに衝突し、飛行体験に影響を及ぼすようなことがないようにしてください。そのため、編集チームは1琥珀紀の時間を費やし、8つの刻を網羅するリアルタイム分析マップを制作しました(このリンクをクリックすると無料で取得できる)。これによって、ピノコニーの素晴らしい夢境を楽しむと同時に、他の人よりも豊かで自由なオープン型体験を楽しめるようになるでしょう。

このブログをフォローし、ピノコニーの隠された秘密やうわさをもっと多く知っていただきたいです。次回の更新では、「枷」を解くための2つ目の鍵、洞察力を紹介します。ピノコニーが建設されて以来、五大クランの幹部の間で隠されているバタフライマンとは一体何者なのでしょうか?彼らはどのようにして一歩ずつ夢境全体を操っているのでしょうか?自分の洞察力でそれを確かめましょう。

誰かの落とし物

誰かの落とし物。ノートの端が黄ばんでおり、大部分が赤錆のようなシミで汚れていて、文字がはっきり読めない。
その中でも経文と思しき箇所を書き写して、列車のアーカイブに収めた。

誰かの落とし物

※誰かの落とし物。ノートの端が黄ばんでおり、大部分が赤錆のようなシミで汚れていて、文字がはっきり読めない。※

……

1:1 黄昏戦争以降、天穹は空虚となり、大地は混沌となった。
1:2 ██が虚空を引き裂き、思考の光が物質世界を照らした。
1:3 しかし、人々には実体化した幻覚を知覚することはできなかった。
1:4 天地万物を知ることができるように、「秩序」のエナが誕生した。
1:5 其は万物に調律を施し、時空を楽譜とし、十二平均律を定めた。
1:6 現実と想像が区別されるようになった。
1:7 万物は虚と実を持つようになった。これが第1の日である。

1:8 其は世の人々に「真実」を与え、人々は其に祈りを捧げた。偉大なる星神、盛んなるかな。
1:9 我々は星神の恩寵を受け、人間として生まれたこと、人間には生と死があり、始まりと終わりがあることを知ったが、人間界がどのように動いているかは知らなかった。
1:10 それゆえ、其は星雲から羽の弦を作り、太い白鍵と細い黒鍵のある大きなピアノを作った。
1:11 其が白鍵を打つと太陽が昇り、黒鍵を打つと月が昇った。
1:12 そうして、30日と1日にわたって回転させ、3回転したところで休み、法則に従って4つの平均律を叩いた。
1:13 宇宙はこうして昼夜、四季、年という概念を知るようになった。
1:14 これが第2の日である。

1:15 其は世の人々に「暦」を与え、人々は再び其に祈りを捧げた。偉大なる星神、盛んなるかな。
1:16 我々は星神の恩恵を受け、万物が動く理を知り、天に昼と夜があり、四季があることを知ったが、互いをどのように識別すべきかは知らなかった。
1:17 それゆえ、其は星の流れからペン先を作り、発音と数を数える記号を定めた。
1:18 其がペンを取ると、人々は現実の輪郭を見ることができ、其がペンを置くと、人々は思想の虚像を感じられた。
1:19 表と裏は相互に結びつき、無限の意味が有限の要素から生まれた。
1:20 万物はこうして各々の印を受けた。
1:21 これが第3の日である。

1:22 其は世の人々に「言語」を与え、人々は再び其に祈りを捧げた。偉大なる星神、盛んなるかな。
1:23 我々は星神の恩恵を受け、舌を使って思考を表現する方法を知り、言語に形と意味があることを知ったが、その利益と損失を区別する方法を知らなかった。
1:24 それゆえ、其は星くずで川を作り、上流に善と正義があり、下流に悪と不義があることを示した。
1:25 其はさらに中央に堤を築き、汚物や泥の逆流を防いだ。
1:26 人々はこれにより善悪と利害を知るようになった。
1:27 これが第4の日である。

1:28 其は世の人々に「価値」を与え、人々は再び其に祈りを捧げた。偉大なる星神、盛んなるかな。
1:29 我々は星神の恩恵を受け、目で善悪を識別し、物事に是非があること、清濁があることを知ったが、それにどう対処すべきかは知らなかった。
1:30 それゆえ、其は星の輪を使って法を定め、人々の前で行動規範も定めた。
1:31 人々の命と自由は、すべての価値の中で最も重要であり、これを侵害する者は法にもとづいて罰を受けるべきだ。人々の尊厳と私有財産はそれに最も適しており、これを広げる者は法にもとづいて報酬を受けるべきである。
1:32 この法は、人々が議論することを許さず、肉体を持つ者が忘れることは永遠になくなった。
1:33 これが第5の日である。

1:34 其は世の人々に「規則」を与え、人々は再び其に祈りを捧げた。偉大なる星神、盛んなるかな。
1:35 我々は星神の恩恵を受け、心で公正を計り、正しい行いに報い、損害を補うことを知ったが、この人生の意味がどこにあるかは知らなかった。
1:36 それゆえ、其は星々を使って楽章を記し、太い白鍵と細い黒鍵のある大きなピアノをその楽器とした。発声と数を数える記号を音符にし、上流から下流へと流れる川を旋律にした。そして、明確な法令で曲を定めた。
1:37 こうして、万物の調和が時空の中で表現され、人々は世界の中でそれぞれ自分だけの唯一の居場所を見つけた。
1:38 これが第6の日である。

2:1 其は世の人々に「意義」を与え、天地の万物を整然と生み出した。その後、其はあらゆる創造の手を止めた。
2:2 しかし生命は其に祈りを捧げた。偉大なる星神、悲しきかな。
2:3 あなたは「秩序」をもって天地万物や民を定義したが、我らは自分たちがあなたの操り人形にすぎないことを知った。
2:4 ゆえにその日、人々は心をひとつにし、神を破滅の穴へと投げ入れた。
2:5 それは果たされた。これが第7の日である。
2:6 人々は大声で歓声を上げ、その声は大地を揺らした。その時、暁の星も共に歌った。

……

ドリームリーフ旅行ガイド19.0

何度も修正された旅行ガイド。ドリームリーフを訪れた旅行客に最も快適な旅を提供する。

ドリームリーフ旅行ガイド19.0

ご存知の通り、偽りと金の匂いにまみれたファミリーの領地とは異なり、この原始の夢境から築かれた街では、厳しい法の制約もハウンドによる追跡もありません。すべての訪問者を受け入れ、自由を無制限に提供します。しかし、夢境は広大です。主要なランドマーク以外に、訪れるべきスポットとしてどのような場所があるのでしょうか?編集部では、皆さんのために本旅行ガイドを用意しました。この場所を気に入ってもらえると幸いです。

1. ボルトグランドホテル
商業地区の中心に位置し、適度な高さで、滞在中には立ち並ぶ高層ビル群の壮観な景色を仰ぎ見ることも、地上の街並みの賑わいを見下ろすこともできます。ホテル屋上の看板にある展望台は、地元カップルの人気スポットとして一時期評価されました。
注1:ホテルは最近、憶質が不安定になったことで、臨時休業しています。
注2:「時計屋」がボルトグランドホテルを買収し、1階ロビーで人気の「クロックボーイ」の特別展示が無料で開催されています。
注3:「時計屋」の新しいルールにより、ファミリーに追い出されてこの地に流れ着いた者たちに対して、コミュニティの秩序維持活動に参加する意思があれば、ホテルに1年間無料で宿泊できます。いかなる人であろうとも根なし草にはしません。
注4:ドリームリーフの住民流出が深刻化し、「時計屋」が去ったため、ホテルの経営が困難となりました。長年のご支援に感謝いたします。

2. カーターのパン屋
小さなパンだからといって、大きな成果をあげられないと思ってはいけません。ベテラン職人カーターの技術は、パンがあまり好きではないギャラガーですらも絶賛するほどなのです。「夢の中におけるパン作りの秘訣は、職人の喜び、お客様への感情、そしてわずかな家族の温もりです」。初めて訪れるなら、早めに出発することをおすすめします。さもなければ、長い行列が本当の悪夢になるでしょう。
注1:30周年感謝祭を開催中です。超絶おいしい特製パンが全員に配られます。
注2:居住者の流出が深刻であるため、カーターのパン屋は経営難に陥っていますが、「時計屋」の資金援助のもと、カーターの娘が父の跡を継いでおり、味も以前と変わりません。
注3:パン屋は半永久的に休業しています。

3. 憶質ブラックホール
夢境自体の空間的ひずみで、世にも珍しい憶質の奇景を見られます。無機生命体の方は、この感動的な秘密をぜひお見逃しなく。有機生命体の方も、この壮大な光景に衝撃を受けることでしょう。自然で純粋なこの景色は、夢の真理をあなたに解き明かします。
注1:ブラックホールの周辺には複数の飲食店があり、おいしい料理と美しい景色が最高の組み合わせです。
注2:ブラックホールの周辺にとある飲食店があります。美しい景色を楽しむと同時にお腹を満たしてください。
注3:ブラックホールの周辺にとある飲食店があります。営業開始時間にご注意ください。

4. クロートイモール
ここではクロックボーイ、ブラザーハヌ、折り紙の小鳥など、好きなキャラを見つけられます。「時計屋」の公式ライセンス店であり、内に秘めた子どもの心を呼び覚ませるでしょう。また、クロックボーイの謎解きイベントもあり、すべての手がかりを集めると、最新の大冒険シリーズの映画チケットと交換できます。
注1:最近、夢境の動揺が頻繁に発生しており、「時計屋」が被災住民のために大量の救援物資を購入しています。モール1階で順番にお受け取りください。
注2:「クロックボーイの大冒険:スターシップタウン」が間もなく公開されます。それに合わせて新しい映画のイベントがモールで開催されます。
注3:特別な事情により、モールの運営が困難になり、今月末で完全に閉店することになりました。モール内のおもちゃはすべて各地区に寄付され、自由に受け取れるようになります。

……

資金不足や購読者数の減少など、さまざまな問題により、これがガイドの最後の更新となります。しかし、いつの日かドリームリーフが昔以上の繁栄を取り戻せると信じています。その日が来たら、またテキストでお会いいたしましょう。

『クロックボーイとキャプテン・リボルバー』

クロックボーイの名作映画の1つ。町の再建のため、キャプテン・リボルバーがクロックボーイと共に森深くにあるトンネルを探検する物語。

1
空がまだ薄明るい中、クロックボーイはガチャガチャという騒音で目を覚まし、眠たい目でカーテンを開けた。忙しく働く折り紙の小鳥たちが町の中を飛び回り、空から石を落とし、雨のように降り注いでいる。

「チュン、クロックボーイ、クロックボーイ。やっと起きたね。早く出てきて、大事なことを手伝ってもらいたいんだから!」
「チクタク。でも外に出たら、空から降ってくる石が頭にぶつかっちゃうよ」
「チュン!バカ時計、それは私たちが町の家を修理しているからだよ。クロックボーイとは仲良しだし、ボス・ストーンにしか石をぶつけないよ」

ボス・ストーンの名前を聞き、クロックボーイは一気に目が覚めた。
町を作るための石は世界で最も貴重な宝石で、折り紙の小鳥たちは砂漠や森からそれらを集め、少しずつ仲間たちの家を建てていた。そのため、ボス・ストーンはいつもたくさんの悪者たちを連れてきて、小鳥たちの石を奪い、町を荒らしていた。

クロックボーイがドアの外に出ると、折り紙の小鳥が言った通り、石はちゃんと家の上に落ちており、彼の文字盤には当たらなかった。

「チク~タク。みんな、賢くて勇敢なクロックボーイが出てきたよ。どんな困難でもみんなのために解決するよ」
「賢いクロックボーイ、町を修理する石がもうすぐ底をつくよ」
「石がもっと見つからないと、私たちはボロボロの家に住むしかなくなっちゃう」

それにはクロックボーイも困ってしまった。もし家がボロボロだと、雨が降ったときに文字盤に水が入り込み、さびてしまう!しかし、小鳥たちがあれほど高く飛んでも石をたくさん見つけることはできなかったのに、どこへ行けば見つけられるのだろうか?

「クロックボーイ、いい場所を知ってるよ」

そう言ったのはキャプテン・リボルバーだった。クロックボーイの良き友であり、コンパス号のベテラン船員だ。強くて勇敢な彼は、何度もクロックボーイを危険から救ってくれた。キャプテン・リボルバーの頭は大きなリボルバー拳銃で、古いカウボーイハットをかぶっており、悪者たちは彼を見ると震え上がる。

「森の中の洞窟を覚えてるかい?長くて数え切れないほどの森と町をつなぐトンネルだよ」
「チク~タク、隊長、何を言いたいかは分かったよ」

その洞窟にはさまざまな宝物が隠されており、たくさんの怪物もいる。しかし、キャプテン・リボルバーが道案内してくれるなら、クロックボーイは何も恐れることはない。隊長は「バーン」と一発で悪者を倒せる。そして、新しい森を見つけて石を持ち帰り、ドリームタウンをもっときれいな町にできるはずだ。

しかし、新たな問題が彼の時計の針を再び落胆させて震わせた。

「チクタク、洞窟の中は真っ暗で何も見えないけど、どうやって出口を見つけるの?」
「心配いらないよ、クロックボーイ。トンネルには光る蝶がたくさん住んでいて、みんな僕の友達なんだよ。善は急げだ。今すぐ出発しよう。前みたいにね」
「冒険に出発だ!」

隊長は気性の激しいリボルバーで、歩くのが早いのでいつもチームの先頭に立っている。折り紙の小鳥が数羽彼の後ろについていき、彼らは頭が良く、どの石が町に使えるかを知っている。クロックボーイはまだ少し眠たそうに、ゆっくりと一番後ろを歩いている。

我々の冒険チームは、こうして旅立った。

2
「久しぶりだね、キャプテン・リボルバー!また大海原の話を聞かせてよ!」
「フフ、君がクロックボーイだね。会えてうれしいよ!」
「フルーツガールの果物が全部食べられたって聞いたけど、折り紙の小鳥たちは僕らを食べたりしないよね?」

トンネルに入ると、蝶たちは次々に話し始めた。彼らの羽ばたきでトンネルはキラキラと光り、トンネルの道も全体が明るく照らされた。クロックボーイは、彼らのことを本当にかわいらしい友人だと思った。

曲がりくねったトンネルは巨大な迷宮のようで、蝶たちであっても入口の近くにしか住んでいない。しかし、隊長が先導してくれるので、皆は勇気を出し、次々に奥へと飛んでいった。

「チク~タク、ここは本当に広いね。ドリームタウンもこんなに大きければいいのにな」
「新しい森を見つければ、こんなトンネルが100本あっても、僕たちの町にはかなわないよ」

トンネル100本分もある町など、本当に大きすぎて、クロックボーイには想像もつかなかった。

「チクタク、隊長はよくこんなトンネルを探検していて、怖くないの?」
「ハハ、この程度の危険、紫水晶の森での冒険に比べれば何でもないよ。あのとき、君はピアノクモの巣に飛び込んで、プリンセスミラーを驚かせていたよね」
「チクタク、ピアノクモは本当にお人好しだったよね。あのとき、別れ際にケーキをくれたこと、今でも覚えてるよ」

クロックボーイがまた新しい話のネタを持っているのを聞き、小鳥たちは話を聞かせてほしいと騒ぎだした。しかし、クロックボーイの話題はあまりにも多く、話し終わらないので、ドリームタウンに戻ったらゆっくり話すと約束するしかなかった。

蝶たちの助けがあっても、これほど恐ろしいトンネルを通り抜けられるのは、本当に勇気のある者だけだろう。しかし、皆はキャプテン・リボルバーとクロックボーイが笑いながら話している姿を見て、恐怖心がかなり薄れた。

それこそがキャプテン・リボルバーの狙いだった。彼は気性の激しい拳銃だが、頭はとてもクレバーだ。仲間が困っているとき、不安を感じているときはいつも、彼は自分なりのやり方で雰囲気を和ませるのだ。

彼の導きにより、静かだったトンネルは、一時的に楽しい笑い声で満ちあふれ、恐ろしいトンネルが楽しいトンネルに変わった。もちろん、トンネル内の危険は冒険チームの勇気で消えることはなく、しばらくすると蝶たちは不気味さを感じ始めた。

「隊長、何かブーンブーンという音が聞こえるけど、蝶でも小鳥でもないみたい」

トンネルにはさまざまなヤツが住んでいる。中には友人もいるが、ほとんどは悪者だ。友人は「フーフー」、「チュンチュン」、「チクタク」といった声を出すので、隊長はトンネルに現れたヤツが非常に恐ろしい悪者たちに違いないと判断した。

「みんな、静かに。急いで進もう」

キャプテン・リボルバーの声はとても毅然としており、いたずら好きのクロックボーイでさえ、悪者に聞かれないように鼻の上の時計の針を押さえた。

冒険チームはますます奥へ進み、トンネルもますます静かになり、皆は息を潜めて集中していた。聞こえるのは蝶の羽ばたきだけだった。キャプテン・リボルバーは仲間たちを守りながら、一歩一歩慎重に歩いた。しかし、見えない暗闇の中で、恐ろしいものたちが音もたてずに冒険チームに近づいてきた。

静かに、貪欲に、素早く。

3
皆が慎重に進む中、漆黒の姿をしたヤツがこっそりとトンネルの奥深くに隠れていた。自分を土の中に埋め、クロックボーイが通り過ぎるときに地中に引きずり込んで食べようとしていた。

しかし、先にそれに気付いた隊長はもっとすごかった。口を開く間もなく、銃弾がすでにその鼻の中に突き刺さっていた。

「気をつけて、ハエじいだ!」

ハエじいが反応するより早く、隊長の頭上から突然火花が飛び出し、短い悲鳴が前方から聞こえた。そしてすぐにまた静寂がトンネル全体を包み込んだ。

「チクタク、隊長がいてくれてよかった。さもなければ、あいつのご馳走になってたよ」
「喜ぶのはまだ早いよ。ハエじいは決して単独で狩りをしない。トンネルの中まだ仲間がいるはずだ」

隊長の言う通り、まばたきをする暇もなく、トンネルの奥から「ブーンブーンブーン」という音でいっぱいになった。

ハエたちは言葉を話せない怪物たちだが、普通の悪者よりもずっと恐ろしい。彼らが通った場所はすべて食べ尽くされてしまう。その場にいる皆はすぐにある事実に気付いた――前方の森が食べ尽くされていたのだ!ヤツらはドリームタウンを目指して来たのだ!

「あいつらがこのトンネルを通り抜けるのを阻止しなければ!」

しかし、前方はとても暗く、ハエじいの影すら見えない。この怪物たちを倒すにはどうすればいいのだろうか?焦りのあまり、クロックボーイの歯車が詰まりそうになったとき、トンネルの奥に急にまぶしい光が現れた。

「隊長、助けに来たよ」

蝶たちは力いっぱい羽ばたき、光る鱗粉が星のようにトンネル内に散らばり、ハエじいの醜い姿を隠す場所がなくなった。その光のおかげで、キャプテン・リボルバーは慣れた動きで引き金を引き、頭上の銃口からは火が噴き出るようだった。鱗粉を失った蝶が一匹また一匹と地面に落ち、新たな蝶が彼らの位置を引き継いだ。

「このままではダメだ。クロックボーイ、君たちは先に逃げるんだ。ハエじいは僕が引き受ける」
「でも……」
「僕はキャプテン・リボルバーだよ。こんな怪物たちには負けないさ」

隊長が油断した隙を突き、一匹のハエじいが突っ込んできて、ここで最も勇敢な相手を倒そうとした。しかし、蝶たちは薄い壁を作り上げた。彼らの羽は衝突で散り、鱗粉がハエじいの目に入って見えなくした。

背後で絶え間ない銃声が響き渡る中、クロックボーイと小鳥たちは必死に逃げ、足にまったく力が入らなくなり、羽が上がらなくなった。そして慣れ親しんだ森と町が再び目の前に現れた。

クロックボーイが皆を連れてトンネルに戻ったとき、戦いはとっくに終わっていた。蝶の鱗粉が隅々にまでまかれ、その光が昼間よりも明るく場所を照らしていた。この光が彼らを導き、ハエじいの死がいを一匹ずつ越え、洞窟から出た。ハエじいはすべてを食べ尽くしたが、ここの石だけは食べていなかった。

「チクタク。隊長、蝶、いる?」

返事はまったくなかった。

石は破壊された町を修復したが、キャプテン・リボルバーと蝶たちは二度と戻らなかった。時々、太陽の光がトンネルの隙間を通り、輝きを失った鱗粉に落ちる。そのきらめきの色を見たクロックボーイは、誰かが自分に話しかけているように感じた。

「ねえ、クロックボーイ、冒険に行こうよ!」

容疑者リスト

容疑者リスト

尊敬するオーク家当主様

「死」の事件に対する全容疑者の調査が完了しました。以下にまとめましたので、ご覧ください。

あなたの忠実な僕
イスマイル・デロート

添付資料:
ライン。オーク家の総合職員。髪の毛は灰色で短い。生活はだらしなく、仕事をサボって現行犯で捕まることもしばしば。

パーシー。オーク家の外交職員。髪の毛は黒色で巻き毛。重度の強迫性障害を患い、ネクタイを締めて5回確認するまで仕事ができない。

レイシー。オーク家の外交員。髪の毛は灰色で長い。クロックボーイの熱烈なファン。生活のあらゆる面で時計の要素を好む。

コナー。折り紙大学教授。髪の毛は赤色で短い。普段から無頓着で乱れた服装でいるため、学生たちの間では隠者として有名。

ドライニー。折り紙大学教授。髪の毛は灰色で短い。学生からの評価:「教材を持たず、タバコだけ持って授業をする」

プルル。カタルス家の研究員。髪の毛は黄色で長い。重度の飲料中毒者。研究室のゴミ箱は空き缶でいっぱいになっている。

バンニ。カタルス家の夢境プロデューサー。髪の毛は茶色の巻き毛。やせ型。ドリームメイクプロジェクトに熱狂的な情熱を持っている。

モリン。カタルス家のドリームメーカー。髪の毛は灰色で短い。ピピシ人の成人標準体型。収集癖があり、特にコップや水筒を好む。

サー・ウィテカー。カタルス家当主。髪は黒色で短い。珍しいオレンジ色の瞳が最大の特徴。

パット。アイリス家の有名な俳優。髪の毛は灰色で短い。数多くの名作に出演しており、ガーターリングが最も目立つ特徴の1つ。

ポリジ。アイリス家の役者。髪の毛は黒色で短い。ギャングものの作品の常連。作中で数多く披露される近接格闘のアクションが広く評価されている。

ナッド。アイリス家のバーテンダー。髪の毛は黄色で短い。話し上手なので、観光客の間で評判が良い。

カーリー。アイリス家の役者。髪の毛は白色で長い。劇団で男装してスーツ姿の男性主人公を演じており、ファンから「灰色の美人」と呼ばれている。

ブレンダン。ハウンド家の警備員。髪の毛は茶色で短い。かつてミーム事件で閉じ込められた10名の観光客を救出し、勲章を授与された。

カーター。ハウンド家の保安官。髪の毛は金色で短い。背が低く、非番のときは「星々の刻」のカジノで無駄な時間を過ごしている。

ウールシ。ハウンド家の親衛隊隊長。髪の毛は黄色で短い。屈強な体つきをしており、かつてミームの攻撃を受けて負った傷痕が多数残っている。

オロム。ハウンド家の探偵。髪の毛は黒色で短い。いつも剃り残したヒゲが地下組織への潜入や調査に役立っている。

コリーナ。ハウンド家のエージェント。髪の毛は灰色で長い。法執行時にいつも赤い服を着ているため、地下組織から「火の流星」と呼ばれている。

メラニー。ルーサン家の記者。髪の毛は黄色で短い。ピピシ人の標準体型。精神年齢は実年齢をはるかに上回っている。

カーボ。ルーサン家のジャンケット。髪の毛は黒色で短い。ピピシ人の標準体型。ギャンブルが始まる前にいつもキャンディーを食べる癖がある。

ロトリック。ルーサン家のホテルのバトラー。髪の毛は黒色で巻き毛。背が高く、ユーモアあふれる口調で多くのVIP客を引き付けている。

レスター。ルーサン家のオークションディーラー。髪の毛は灰色で巻き毛。中肉中背。毎日仕事が終わると特製モクテルを飲みに行く。

グナージ。ルーサン家のプロジェクトマネージャー。髪の毛は黄色で長い。一般的なピピシ人に比べて背が低く、冷静な性格でファミリーに多くの利益をもたらしている。

……

「リストには計52名の容疑者が記載されています。サンデーのメモ:『何か共通点があるかもしれない。結論が出た。』」

「処方箋」

Dr.レイシオからアベンチュリンへ

「処方箋」

夢の中で不可能なのは「死」ぬことではなく、「熟睡」することだ。
生きろ。幸運を祈る。

「時計屋」の忠告

夢の世界にも不可能はある。
それを見つければ、謁見は可能となるだろう。

ロビンからの手紙

ロビンからの手紙

親愛なる兄様へ

最近は元気にしている?
戻ってきたらすぐに会うために朝露の館に行こうと思っていたけど、調和セレモニーを間近に控えた兄さんが忙しそうにしているのを見て、迷惑をかけたくないからやめておいたわ。
でも、急ぎの事情があって、すぐに話さないといけないことがあるのよ。

ピノコニーに戻ってから、私の声に異常が出始めたの。
はじめは、過労か病気のせいかと思っていたけれど、お医者様に診てもらったら、体はとても健康で、何の異常もないそうよ。
私の推測は否定されてしまったの。その上、時間が経つにつれて、声の問題はますます深刻になって、時々声が出なくなるほどだった。

そこで、私は自分でいろいろと調べてみたの(もちろん、リハーサルの時間外でね)。
そしてついに、あることに気づいたのよ。
ピノコニーの「調和」は純粋ではないわ。
中に混ざったわずかなノイズが、私の「調和」の歌声にも影響を与えている――
私が声を出せなくなった根本的な要因はそこにある。

これほどに干渉してくるような異物は、外部から来た極めて強力な何かか、あるいはファミリー内で重要な地位にいるのか、
そのどちらかだとすぐに理解できた。残念ながら、さらに詳しく調べてみた結果、後者であることが判明したの。

これは非常に危険な兆候よ。
ピノコニーの分家に裏切り者が現れた上に、その人物は四大当主の一人である可能性が極めて高いの(私たちの約束があるから、兄さんのことは疑っていないわ)。
そして、調和セレモニーが目前に迫っている中、その人物は調和セレモニーの進行を妨げ、さらにはセレモニー自体を利用して、何かをしようとしている。
とにかく、他の当主の最近の動きに注意した方がいい。でも、兄さんもくれぐれも気を付けて。兄さんは私にとって、唯一の家族だから。

加えてもう一つ、注目すべきことがあるの。調査中に、記憶域ミーム「死」のことを知ったのよ。
その後の調査で、一連の事件を引き起こすよう指示した黒幕が、ファミリーの裏切り者と同一人物である可能性が高いと分かったの。
私はすでにより一歩近づいた手がかりを掴んでいて、確かめに向かう準備をしているところよ。
でも、兄さんは調和セレモニーの準備に専念して、心配しないでね。
「死」のことを徹底的に調査したら会いに行くから。それほど時間はかからないはずよ。

仕事で忙しいと思うけど、暇を見つけて体を労わってね。
ずっと夢の中にいないで、現実の世界も歩いてみて。
それから、他の星系のお土産をいくつか持ってきたわ。
モーリレンスの巨大な恐竜鳥のプリンタルト、アコニア科の野イチゴ(このイチゴは大きくて甘いから、きっと気に入ると思うわ)、メディチのアーモンドプロテインバタークリスプよ。
絶対に食べてね!

シぺが私たちと共にあらんことを!

あなたの妹
ロビンより

ルーサン家からの手紙

サンデーへ

ルーサン家からの手紙

サンデーへ

ロビンのことは聞きました。その件については深くお悔やみを申し上げます。
しかし同時に、あなたは兄であるだけではなく、オーク家の当主でもあることを忘れてはなりません。
あなたの一挙手一投足はピノコニー全体の利益に影響を及ぼします。

今のピノコニーは特別な時期を迎えています。個人的な憎しみに目を曇らせてはなりません。
他人に弱みを握られないように注意してください。
あなたが多くの時間とリソースを「死」の追跡に注ごうとしていると聞いていますが、そのような行動はファミリーの現在の全体的な利益と一致しません。
他の当主から非難される前に、速やかに手を引いた方がいいでしょう。

あなたは「死」が「時計屋」と関連があると確信していますが、夢の主があなたたち兄妹を引き取る前から、私は「時計屋」と何度もやり取りしています。
しかし、彼とその記憶域ミームとの間に繋がりを見つけたことは一切ありません。今のあなたはオーク家の当主に就いています。
時の流れを見極め、細かい兆候を読み取る術を学ばなくてはなりません。
ピノコニーの人的、金銭的なリソースを個人的な復讐に注ぎ込むことは、神を辱める行為に他なりません!

調和セレモニーが迫り、「時計屋」の客たちは皆そわそわしています。
ドミニクスの降臨に不手際があれば、その罪は私たちに負いきれるものではなくなります。
あなたが個人的な感情を抑え、オーク家の当主としての責任を果たし、調和セレモニーに集中し、外部からの干渉を排除することを願っています。
セレモニーの他に、「時計屋」の客の問題もおろそかにはできません。
この件の処理を誤れば、私たちファミリーと他の派閥との外交的衝突はエスカレートし、避けられたはずの争いに巻き込まれてしまうでしょう。
私は年長者として、背後にある利害を忘れず、適切に対処することをあなたに期待しています。

ロビンの件については、セレモニーが終わってから捜査しても間に合うでしょう。
その時には、私はルーサン家の名で、リソースと人手を提供し、あなたが敵を法にて裁けるように助けます。

また、「夢の主」はあなたの最近の行動に不満を抱いているそうです。言動に気をつけ、適切な行いをするようにしてください。

誠実な
オーディより

ギャラガーが残した手紙

ギャラガーが残した手紙

新世代のナナシビトたちへ

この手紙を読む頃には、俺はミハイルに会いに行ってるだろう。

ピノコニーのためにしてくれたこと、そのすべてに感謝する。
そこが生まれ変わる様子を見られず残念だ。
でもお前たちの信念のお陰で、宴の星の未来に対して強い自信が持てた。

それから、俺の代わりにあのやんちゃなペット「ネム」に謝っておいてくれ。あいつはひどい分離不安障害でな。
俺の姿が見えないと、ひどく寂しがるだろう。できれば記憶域に放してやってくれ。ミームの生きる場所はあそこだから。

「神秘」の道のりにおいて、生死とは虚構のサイクルにすぎない。別れと再会もまた然りだ。
この先、お前たちの旅が順調に進むことを願う。俺のほうは先においとまするとしよう。
手紙にプレゼントを添えておく。
――完璧ではない明日に…乾杯。

ギャラガー

編集者向け

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