本棚/ヤリーロ-Ⅵ(3)

第一章
昔々、寒波がベロブルグに訪れてまだ間もない頃。
大地はまだ白い雪に覆われておらず、動物たちがまだベロブルグ城外で愉快に生活できる時代。
ベロブルグから遠く離れた場所に音楽家になりたい一匹のロバがいました。
ある日、ロバの主人が彼に言いました。
「ふふふ、年を取ったロバよ、君は長い間私のために働いてくれた、何か願い事はあるかい？」
ロバはそれを聞いて、夢を叶える時が来たと思い喜ぶ。
「ヒーホー、優しいご主人様、儂はベロブルグのシアターに旅立ち、音楽家になりたい！」
ご主人様は首を縦に振る。
「いい夢だ！こうしよう、私が君をベロブルグ大市場に連れて行ってあげよう！」
「ヒーホー！ベロブルグ大市場？あそこも音楽家が必要なのか？」
彼のご主人は笑った。
「ははは、もちろんだ！明日の朝、裏庭で集合で、寝坊するなよ！」
けどロバは思い出す、多くの動物の友達がご主人にあの場所に連れていかれ、帰ってこなかった。
年老いたロバはようやく気付く、これはやばい！
ロバは食料を背負い袋に詰め込み、夜に紛れて吹雪の中に消えた……

第二章
顔に当たる雪が増えてきた、背中の背負い袋も重くなってきた、年老いたロバは寒さで蹄が痛む。
「ヒーホー、この吹雪はいつ止むんだ？」
聡明な猟犬はロバの愚痴を聞いて、枯れた木の根の後ろであくびをする。
「ワンワンワン、吹雪は止まらない！道を急ぐと転ぶぞ！」
ロバは吹雪で前が見えない、それに力も入らない、だからしょうがなく猟犬と一緒に木の根の後ろに隠れる事にした。
でもどうして吹雪が吹き荒れる野外に猟犬がいるんだ？ロバは興味津々に聞く。
「ヒーホー、ありがとうよ！それより、あんたはどうして外にいるんだ？」
それを聞いた猟犬は頭を横に振る。
「ワンワン！どういたしまして。吹雪は止まらないし、獲物も見当たらない。用がなくなったから、ご主人はオイラを挽き肉にしようとしたんだ！だから仕方なく逃げ出したんだ」
ロバはそれを聞いてため息をつく、吹雪の中、どこに逃げられる？でもロバは直ぐに思いついた。
「ヒーホー、聞いてくれ！ベロブルグという都市があるんだ、あそこは暖かい！儂が琴を弾き、あんたが鼓を打つ、儂らならきっと舞台の人気者になれる！」
猟犬はいい提案だと思い、嬉しく舌を出して跳ね回った。
「ワンワンワン、じゃあ君と一緒に行くよ！」

第三章
二匹の動物は雪の中を進む。突然、猟犬が道端でモフモフしたものを発見した。
猟犬は目が眩んだと思い頭を振った。
「ワンワンワン、友よ！あそこを見てみろ、毛玉が転がってないか？」
そうすると、毛玉が猟犬の言葉に反応して、尖った耳が伸び出した。
「ニャニャニャ、吾輩は毛玉じゃない！」
よく見ると、それは沈んだ顔をした年老いた黒猫だった。
「吾輩はネズミ捕りの達人じゃった、じゃが年を取ったら直ぐご主人に捨てられた——」
「ニャニャニャ、吹雪で寒いし、どこで食べ物を探す？」
ロバはそれを聞いて頭を振る、面倒を見てあげる人がいないと、老猫は死んでしまう！そこで猫は夜に歌うのが好きだと思い出し、ロバは猫に言う。
「ヒーホーヒーホー、髭猫よ、心配するな！儂らはベロブルグに向かっている、あそこは暖かいぞ！あんたは夜に歌うのが好きなんだろう？だったら一緒に黄金シアターで奏楽しよう！」
黒猫は目を回して考えた、この提案は悪くない。そして、黒猫は耳を元気に立て、ロバと猟犬と共に旅に出た。

第四章
仲間がいると旅も賑やかになる！三匹の動物はかつてのご主人に不満を言いながら、軽快な足取りで道を進む。
その時、彼らの言葉に合わせるような声が風に乗って伝わってきた。
「コケコッコー、よく言った！」
黒猫は声のする方向へ向い、ボロボロな柵の上で号泣しているニワトリを見つけた。
三匹が口を開けようとする前に、ニワトリは喋り始めた。
「コケコッコー、大雪が空から降ってきて、ワレの農場を圧し潰した！皆さんは大きな荷物を背負って散歩しているのか？」
黒猫は手を振る。
「ニャニャニャ、散歩する気分などあるか！この先にベロブルグがある、あそこはいつも暖かい、それにシアターもある！お主は声がよく出る、吾輩たちと共に行かないか？」
ニワトリは続けざまに首を縦に振る、羽を羽ばたいてロバの背中に飛び上がり、出発を催促した。
ここで、お喋りなニワトリはもう一言聞いた。
「コケコッコー、それより皆さん、普段喋る時は先に鳴き声するルールなのかい？」
「ワンワンワン、お前さんだってそうじゃないか？」
猟犬は頭を傾けてニワトリを見る。
「コケコッコー、皆さんがそんな風に喋っているから合わせたのだ」
他の三匹は考え事をするように黙って歩き出した。

第五章
四名の天才音楽者が集った、彼らは約束した、ベロブルグに着いたら、有名な音楽家になると！
でも彼らは道に迷ってベロブルグの下層部に入ってしまった。
「コケコッコー、ベロブルグは本当に暖かい！熱いとも言える」
ロバも同感のようだ。
「ヒーホー、熱いだけではなく、お腹もすいてきた」
ロバがそう言った傍から美味い匂いが漂ってきた。
猟犬は匂いに最も敏感だ、彼は匂いを辿って皆を匂いのする方へ連れていく。
少し歩いたら、四名の音楽家は立派な建物の前で止まった。猟犬はドアにしがみつき尻尾を回す。
「ワンワンワン！この中からいい匂いがする！」
「ニャニャニャ、中にいい物があるに違いない！ロバさん、あんたが一番大きいから中を覗いてみてくれ！」
それを聞いて、ロバは窓に足を上げて立ち上がろうとしたが、突然建物のドアが開いた！
「弊レストランへようこそ！お客さん、中へどうぞ！」
ドアを開けたのは優しい顔つきのお爺さんだった。
「コケコッコー！これはいい、丁度腹が減っていた！どうだ、中で一食しないか？」
ロバは賛同する。
「ヒーホー、それはいい！あんたらは金を持っているか？」
「ワンワンワン、持ってない！」
「ニャニャニャ、持ってない！」
「コケコッコー、持ってない！」
四匹は呆然と互いを見合わすだけ。

※最後の第六巻は青秀な字で書かれている、どうやら後からこの本に加えられたようだ。※

第六章
レストランのオーナーは音楽家たちの困りごとを察した。彼は髭を撫で、いい解決法を考えついた。
「お金がなくても結構です。あなた方が素晴らしい演奏を披露してくれるのなら、ご馳走を用意いたしましょう！」
音楽家たちはそれを聞いて、これは名を上げるチャンスだと気付く。
音楽家たちはオーナーの提案を受け入れた。
客たちは食事を一旦止め、レストラン中央の四匹に視線を集めた。
そして、四匹は「ステージ」に上がった。
しかしここには琴もなければ鼓もない、どうやって演奏するのだ？
暫くして、一番頭が回る黒猫が思いついた。彼は咳払いをして、歌い出す。
「ニャニャニャ！チェケラッチョ！寒波が来ちゃって逃げ場がない！」
「お腹空いてご馳走食べたい！お金ないから一曲捧げる！」
他の三匹はすぐに黒猫の意図を理解した——ロバは蹄で地面を叩き、猟犬とニワトリもドラムとシンバルの音をまねし、リズムをとった。
その場にいた人たちは皆驚いた、このような音楽は聞いたことがない、お客さんたちはそのリズミカルな音楽に心を惹かれた。
レストランのオーナーも感動して、才能あふれる音楽家たちに豪華な食事を用意した。
その後、四名の仲間の名声はベロブルグで広まった。
さらに、彼らは大守護者の招待を得て、黄金シアターで「ラップ」を披露したのだ。
こうして、四名の音楽家はベロブルグで夢を叶えて、幸せな生活を送り始めたのです。そして「ラップ」という芸術は今でも広く伝わっており、下層部では誰もが「ラップ」を愛し、歌うのです。

※誰かが非凡なる力でこのページを破ったようだ。※

第六章
四匹の動物はお腹が空いて「グゥーグゥー」鳴り、考える力もなくなってきた。
「音楽を一曲捧げますので、一食の粗餐と交換できないでしょうか？」
レストランのオーナーはびっくりした、そしてすぐに友好的な笑顔を浮かべた。
「皆さんが大芸術家だったとは、いえいえ、皆さんのお金を取るだなんて、そんな無礼な事できませんよ」
その言葉を聞いて、四名の音楽家は喜んだ、なんて心優しい人なんだろう！
レストランのオーナーは四名を個室に案内した。
「皆さんはどの料理をご所望でしょうか？良かったら、私と共に厨房を見ていきませんか？」
みんなお腹が空いて動けない、まだまだ元気なニワトリが言う。
「コケコッコー、それはいい！皆さんは座っていてくれ、夜ご飯はワレが選ぼう！」
ニワトリはオーナーについて厨房に行った、残りの仲間たちは部屋で待つことに。
少し経つと、鼻が利く猟犬はいい匂いを嗅ぎ取った。
「ワンワンワン、なんていい香りなんだ！」
ロバもその匂いを嗅ぎつけた。
「ヒーホー、確かに！これはどんな料理だろう？」
見識の多い黒猫は過去に食べた美食を回想する。
「ニャニャニャ、いい腕をしている！脂の香ばしい香りが伝わってくる、これは期待できるぞ！」
レストランのオーナーはいい匂いがぷんぷんするスープを運んできた。
「皆さん！体が暖まるスープですよ、どうぞ！」
こうして、ベロブルグの四名の音楽家の物語は幕を閉じるのである。

※「なんなんだこれは？…やはり自分で書くべきだったよ」※

【朝食・昼食 クラシックセット】
バタートースト、ポーチドエッグ、シロップマフィン（旬ジャム付き）、紅茶一杯
（ささげの漬物は原材料の不足のため、代わりに紅茶を提供しています）

【ガーデンスイーツ】
コーヒーゼリー（提供中止）
絢蝶のフルーツタルト
ミックスベリーヨーグルト
カルテットスフレ
ピーチフラワーのハチミツムース

【活力スナック】
燻製霜紋サーモンロール
サーモンのチーズタルト
風味ソーセージのオードブル

【アフタヌーンティー】
モウモウホットミルク
クリスタルソーダ
暖心フルーツティー
菌茸煎茶
黒パンソーダかき氷
ゲーテ厳選ハンド ドリップ コーヒー（提供中止）

コーヒーの原材料が不足しているため、ホテルでのコーヒーの提供を一時中止させていただきます。供給が正常になり次第再度提供させていただきます。
皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

「炉心」基地全員への手紙

「炉心」観測基地全メンバーへ

皆さんごきげんよう。私は地髄開拓団4代目団長クレノワです。

寒波が襲来した時、地表にある地髄の備蓄は短時間で底をつきました。
偉大なる守護者アリサ・ランドの導きの下、人類は未知なる地下へ進み出しました——
偉大なる使命を担う地髄開拓団が創立されました。

——もし、ベロブルグの歴史学者に「地髄開拓史」を編纂させるのなら、必ずその時から叙し始めるでしょう。
しかし、長い歴史の中、私たちより先に地下深く潜った先駆の探検家たちがいたのです。
「寒波の到来」より遥か遠い過去の事です。
大守護者様の了承を得て、地髄開拓団は正式に建創者の重要な下部組織となりました。
私たちの任務は地下へ潜り続け、地髄を絶え間なく地表へ運ぶ事です。
それを以てベロブルグの正常作動が保障されるのです。
しかし地髄の採掘よりも重要なのは、地下生態系を築く事です。

私がまだ幼かった頃、地下を知るルートは父親からの手紙だけでした。
彼の情熱的で誇張に満ちた言葉からは虚実を分別できませんでした。
しかし、私が開拓団に加入し、自分の足で地下を探索し始めると、それらが幻想ではないと言うことが分かったのです。

私と開拓団の同僚が父の遺物を整理していた時、最後の、送り出せなかった手紙を見つけました。
父は手紙の中でこう言っていました。
「…ノワ、私は君に教えてなかったね。私はベロブルグから遠く離れた山の中で子供時代を過ごした。あの頃は、天地全てが自分の物だと思っていた、行きたければ、どこへでも行ける。だが寒波が到来した後の時代、君みたいな子供はベロブルグを離れた事がない」

「そうだな、もしかすると、私たちは地下で海を発見し、山を発見し…いつかは、地下で生活できる日が来るかもしれない……」

「本当にその時が来たら、お前と一緒に見届けたい」

父が私にくれた手紙は全部大事に保管しています。
この一封も。私は父の願いを覚えています。
そして、私はその願いを実現させねばならない——
私たちはこの「炉心」観測基地を原点として、各地髄鉱区を見つけました。
今年の年末に、地下初めての鉱山町ができるでしょう。
鉱夫たちがそこに家を建て、新たな生活を始めるでしょう。
しかし、それは第一歩に過ぎません。私は思います。
遠くない未来により多くの鉱山町がベロブルグの地下に出現するでしょう。
もしかすると、上層部のような壮観で美しい都市まで作れるでしょう。
さらには、レールを通して地上と地下を一つにし、新世界と旧世界の隔たりを消すことも……

——その時、人々は吹雪を逃れるため、仕方なく窮屈な避難所にうずくまるのではなく、新天地で自分がいるべき場所を探し出せるのです。

それと同時に、開拓団の歴史的使命も終結します。
私たちが記録した地質、鉱石の情報、私たちが採集した動植物及び菌類の資料。
それらは全て未来を切り開くためにあるのです。
現在、私たちの多くは一時各自の研究院に戻り研究を続けるでしょう。
しかし私個人としては、退職の後に、またこの地下に来たいです。

ですから、私たちの別れに悲しむ必要はありません。
大守護者様がここを改造し、地上と地下を繋ぐ初めての運送通路にした時、この「炉心」基地はもう一度地下の開拓事業のため活躍するでしょう。
それまでに、私たちの友達「巨漢」スヴァローグがここを守り、私たちがここに遺した痕跡が消されないようにしてくれるでしょう。
彼は口下手だけれど、いつも忠誠に私たちの傍で守ってくれる。私は信じます。
彼は今回も約束を守ってくれると。彼は私たちの一番の同志です。

「この世に終わらない宴席はない」——もうお別れの時が来てしまいました。

地髄開拓団と「炉心」観測基地全メンバーに敬意を表する！

地髄開拓団団長 クレノワ

作者：エミー

【序文】
ゲーテホテルのゲーテさんが提供してくれた物語のモデルに感謝いたします。そして、あなたの淹れてくれた熱い紅茶が、閃きの起こらない夜を付き添ってくれました。
この本を以てゲーテさん、トニーとケリーに捧げます。

「私はホテルの全ての暖炉に火を入れた、次の日、都市が霧に包まれた」

【一】
ゲーテが去ったあの日は夏の夜だった、星は水のように澄んでいたのに、空からは雪が降ってきた。彼には叶えられなかった願いがあると、誰かがライスリーに伝えた。彼女はその願いを知っている、けど彼女は何もできない。

ライスリーとゲーテの初対面は、ゲーテホテルだった。身だしなみが整った紳士は微笑みながら自分を見ていた、彼女は彼の褐色の瞳に自分が映っているのがはっきりと見えた。でも逃亡の旅で埃まみれな自分の姿は、人に見せたものじゃない。ライスリーは慌てて視線を逸らす、しかしカウンターの後ろに佇むくっきりした顔立ちの紳士は気落ちせず、彼女に紅茶を淹れる。

「美しいお嬢さん、どうなさいましたか？」それはゲーテがライスリーへの初めての言葉だった。

【二】
ゲーテホテルは噂通り、この混乱とした世界の避難所と言える場所だ。鉱区から逃げてくる道程で、とある足が不自由なお爺さんがライスリーに教えた事だ、「ゲーテホテルはこの世で唯一の避難所だ、何故ならあそこのルールは他の所とは随分と違うのだから」

その話は間違っていない、ホテルの付近に住む人たちは皆知っている、ゲーテホテルのオーナーは和やかな人柄だが、若き頃は名立たる豪傑だった。ホテルの敷地内では身分の貴賤を問わず、誰もがオーナーの顔を立てなければならない、ホテルで諍い事を起こすなどもっての外。このルールは明記されていないが、ここ十数年、この辺境の町では誰もが従う不文律となっている。

「ゲーテさんは義理堅いお人だ」有識者は皆ホテルのオーナーを絶賛する。いつも温和な振る舞いをするゲーテさんはこの豪華ホテルを経営している、彼の資金はどこから来たのかは誰も知らない。だけど皆は知っている、訳ありで一晩の安らぎを必要としている客には、彼はいつも非常に低廉な値段で住まわせている。彼はこうやって黙々と居場所を失った人々を長年助けてきたのだ。
例えば、ライスリーのような人を。

【三】
ライスリーは鉱業が盛んな都市で仕事していた、そこは鉱山に囲まれ、無数の鉱脈が地下に眠るところ。そこではいつもどこかの誰かが鉱脈を掘り当て、一夜で大金持ちになったと言う話が伝わっている、ライスリーも同僚から彼女らの雇い主がそんな運のいい人だと聞く。多くの鉱場が経済を支えてくれるおかげで、その都市には仕事のチャンスが多かった、ライスリーは数年間勤勉に働き、ある程度の貯金をした。彼女は貯めたお金を家に送ったが、数日後、届いたのは母親の訃報だった。

ライスリーは理解できない、何故母親は突然病気で倒れたのか。それより不可解なのは、自分は家に帰りたいだけなのに、何故道中で怖い人達に追われるばかりなのか。どうしても変だ、生まれ育った家、いつも守ってくれた家、温もりを与えてくれる家が、一瞬で禁断の地に変貌したようだ。ライスリーは母親の墓に花を供えたいけど、今は家に帰る事すら叶わない。

風と雪を除いて、彼女の帰宅を迎える者はいない。

※続きのページは誰かに力一杯で破られたようだ、残った部分にはその者の怒りに満ちた書評がある。
「才能がないのなら猿真似はやめろ！」
「なんだこのあざとい文面は、見たい人などいるのか？」

開幕日：1月11日
黄金シアター
行政区アリサ大通り 西22番

黄金シアター オペラ部 新年巨作
雪国の過去
雪が降る深夜、新たに即位した大守護者はクリフォト城で歴史の典籍を閲覧していた、
建創者たちがベロブルグを建設した物語は代々語り継がれてきた、
だがこの夜、彼らは古い書物の中から現れ、大守護者の前で昔の物語を叙説する。
始まりの決意、予期せぬ戦乱、史書に記録されなかった迷いとプレッシャー、
彼らの喜怒哀楽は、全てこの雪の夜に！

ゴーリエ賞オペラ芸術監督賞受賞者 フィガロ
三年ぶりの巨作
ゴーリエ賞オペラ指揮賞 カローラ
キャリア最後の作品
ゴーリエ賞オペラ楽団賞 ベロブルグ・フィルハーモニック
傾情演奏

ゴーリエ賞オペラ女優賞 サラ
主演

【プロデューサー】ミシェル、【キャスティング】レベッカ；【作曲】アンドリュー
【音響監督】サビンナ、【スタイリスト】ジェネット、【ダンス指導】ゼーヴィル、【コーラス】スマイルコーラス
【服装デザイン】ブランドン、【舞台美術】ウェルディー、【照明デザイン】マリエナ、【マネージャー】バーバラ

出演者
アリサ・ランド——サラ
スベトラーナ——フィオナ
アレキサンドラ——アニー
ファインカ——トリス
ミハイ——ニコラス
カトリーナ——カトール
新任の大守護者——アイビー
建創者ドーリン——クリスティーナ
ホルス・ゲーテ——ウェイバー
ラースロー・ランドゥー——ライミング

演出曲目
序曲
『ページの後ろに隠されし物語』——新任の大守護者

第一幕
『守護者たち』——アリサ・ランド、スベトラーナ、アレキサンドラ、ファインカ、ミハイ、カトリーナ
『ベロブルグの城壁の傍で』——アリサ・ランド、建創者ドーリン
『勇気の歌』——ホルス・ゲーテ、ラースロー・ランドゥー

第二幕
『大守護者のアリア』——スベトラーナ
『知識を求める歓声』——アレキサンドラ
『美食、美酒と稲』——ファインカ

第三幕
『静かなベロブルグ』——ミハイ
『建創者進行曲組曲』——建創者ドーリン、コーラス
『建て直す者たちのデュエット』——カトリーナ、建創者ドーリン

第四幕
『存護の力が私の心に芽生える』——アリサ・ランド、新任の大守護者
『これは守護者が歩むべき道』——アレキサンドラ、ファインカ、ミハイ、カトリーナ、新任の大守護者
《一つの忠告》——アリサ・ランド、スベトラーナ、アレキサンドラ、ファインカ、ミハイ、カトリーナ

独占インタビュー：ソプラノ歌手サラと共に、『雪国の過去』の夢と涙を知ろう
作者：オルセン『ベロブルグ週刊』記者

体調が原因でステージを離れて半年のソプラノ歌手サラ、そんな彼女が近日『雪国の過去』と共に戻ってきました。昨夜のオーディションでは、このオペラ界のスターが集った『雪国の過去』が精彩なパフォーマンスでベロブルグ中の話題となりました。

サラ、今までオペラ女優賞に6回ノミネートされたゴーリエ賞受賞者、オペラ界の「大先輩」、業界の大場面をいくつも見てきた彼女だが、『雪国の過去』を言及すると涙が止まりませんでした。

「最初はアリサ・ランドの役を演じたくなかったです。体が回復しきってなかったので、高音域を歌う時の共鳴に力が入りませんでした。ですがカローラから、これが彼女のキャリア最後の作品になると聞いたので、無理をしてでも承諾しました」と、サラは私たちに『雪国の過去』の大守護者アリサ・ランドの役を了承した経緯を語ります。

十数年前から、オペラ界の伝説 指揮者カローラはステージに上がったばかりのサラと共演していました。その時のサラは音楽の夢を追い、ベロブルグ大学文学系での学業を中断しました。しかし、カローラは既にベロブルグに名立たる指揮者、彼女とサラの間には年齢だけでなく、名声とキャリアの巨大な差がありました、二人はそれらをどう乗り越え、知己になったのでしょう？

「私はまだ若かったわ、大多数の若者と同じく、いつも食欲旺盛なのに財布は空っぽ。そうね、私とカローラの友情は、食べることから始まったの」新たな伝説となったソプラノ歌手は、彼女とカローラの出会いの物語を語り始めました。二人はシアターの慈善晩餐会で出会いました、ただひたすらに食べるサラとカローラは一つの料理の前に留まり、そこで知り合いました。十数年過ぎましたが、同じ料理を愛する二人のレディは隔たりなく交わる親友となりました。

残念ながら、カローラは高齢のため引退を決意、そして彼女は『雪国の過去』を最後の作品として選びました。執着を持って『雪国の過去』の製作に携わった人はカローラだけではない、とサラは語りました。芸術監督のフィガロに対しては、群像オペラに挑戦したい、事業の方向転換に完璧な始まりを彩りたい。しかしサラとカローラ、そして作曲家アンドリューのように、すでに功名を成したオペラ界の巨魁たちに対して、求めるのは新天地、彼女らはオペラ界のために新しい道を切り開きたいのだ。

「演目リストやパンフレットを見た人には分かるでしょう、主役は私ですが、これは実は群像劇なんですよ」サラはこう言う、『雪国の過去』はベロブルグの歴史に名を遺す6人の大守護者を選び、物語の中の後継者に彼女らの輝く一生を語るのです。サラが演じるアリサ・ランド以外、半数の役は新人を登用しています。サラたちのような生きる「オペラの伝説」が若者たちに経験を伝え、オペラ界に新しい風を吹き込むのです。そしてこれは、サラとカローラが出会った時のような物語なのです。カローラはじきステージを離れます。サラは自身と友人の物語を別の方式で続けたいのです。

「見返りを求めぬ熱愛に敬意を、退路のない理想に敬意を、そして、オペラの未来に敬意を」サラは笑いながら一本の水を持ち上げました、ワインの代わりに水を用いて、彼女はオペラの未来に真摯な祝福を捧げました。

伝説のソプラノ歌手サラ主演の新作品『雪国の過去』、
1月11日、黄金シアターにて公演開始。
チケット及びグッズもシアターカウンターで限定発売。

『雪国の過去』ポスターフォルダー
表紙には『雪国の過去』のポスターが印刷されている、
実際のパンフレットのサイズに基づいてデザインした、中には30ページの超大容量。
実用的で記念価値もある、山のように積もったパンフレットを収納するのに最適。
価格：1,500シールド

『雪国の過去』雪の中の城壁をテーマにした記念フォトフレーム
劇中に登場した大迫力の美術装置「ベロブルグの城壁」をモチーフとして印刷、
予約した顧客にはパンフレットとチケット展示カードをプレゼント、舞台劇を愛するあなたへ、
『雪国の過去』のパンフレットとチケットを一緒に壁に飾りましょう！
価格：6,000シールド

『雪国の過去』演出曲目の楽譜
『雪国の過去』の正式公演で歌われたすべての曲歌詞を含んでいます。
美しい花模様の紙、最高級インク、時が経ても色褪せない。
価格：2,000シールド

開幕日：4月8日
黄金シアター
行政区アリサ大通り 西22番

ベロブルグ過去30年で最も人気の童話
レイシャとトゥルーおばさん
美しい少女レイシャが気高き魔女トゥルーおばさんから火種を借り、困窮した家族に暖かさをとどけます。
魔女の家に行く途中、レイシャは3人の騎士に出会います。
魔女は騎士たちをそれぞれ「私の黎明」、「私の太陽」、「私の暗夜」と称する。
トゥルーおばさんは、常人には到底成しえぬ三つの試練をレイシャに与えた、
3人の騎士の手助けで、レイシャはどのように魔女の試練を切り抜ける？

ゴーリエ賞ミュージカル賞ノミネート
《ベロブルグ週刊》年度 青年賞
ベロブルグ大学心理学者 サーラ
推薦

一家団らんで楽しむ佳作

【プロデューサー】ジェシカ、【芸術監督】ケール、【技術ディレクター】ベラ
【音響ディレクター】クライド、【スタイリスト】ディック、【ダンス指導】ゼーヴィル、【オーケストラ協奏】サラ
【音響】バンルイド、【舞台美術】ピーター、【照明デザイン】フェイン、【マネージャー】チャーリー

キャスト
レイシャ——ウェンニー
トゥルーおばさん——ビチェス
黎明の騎士——ゴードン
太陽の騎士——アイザック
暗夜の騎士——ジェイソン
農婦、レイシャの伯母——コンスティンス
農夫、レイシャの伯父——マッシュ
ダイナ、呪われたリス——クリスティーナ
ドーエン、貪欲な狩人——レイモンド
トーレス、愉快な狐——エルザ

公演スケジュール
『農場の声』——レイシャ、農婦、農夫
『一つ目の火』—レイシャ、トゥルーおばさん
『声なき黎明』——レイシャ、黎明の騎士
『私の太陽』——レイシャ、太陽の騎士
『危険な夜』——トゥルーおばさん、暗夜の騎士
『危険な化け物たち』——トゥルーおばさん、ダイナ、トーレス
『教えて、誰が獲物なのか』——トゥルーおばさん、ドーエン
『三つの謎』——レイシャ、トゥルーおばさん
『愛について、あなたが知らないこと』——レイシャ、太陽の騎士
『暗夜を呼び覚ます』——レイシャ、暗夜の騎士、黎明の騎士
『あなたが幸せでいますように』——レイシャ、ダイナ、トーレス
『物語の最後』——レイシャ、農婦、農夫
《過去を風に乗せて》——レイシャ、トゥルーおばさん

物語が現実になると：『レイシャとトゥルーおばさん』の中で子供時代を探そう
作者：オルセン『ベロブルグ週刊』記者

ベロブルグ人はみな童話を聞いて育ちました、普通の人は成長につれて子供時代を捨て行く、しかしミュージカルのファンたちに、今一度子供時代に戻るチャンスが来たのです。4月8日、童話『レイシャとトゥルーおばさん』より改作したミュージカルが黄金シアターで再上演されます。

『レイシャとトゥルーおばさん』の上演期間中、ミュージカルの独特な魅力がシアターの隅々を包み込みました。2時間にわたる音楽の盛宴で、キャストが竹馬の上で操り人形を操作したりと、伝統的なミュージカルのモデルを突き破った演出が若者たちに大人気でした。ミュージカルの調整がもたらした成果も大きいものです——今年の『ベロブルグ週刊』が選び出した年度ミュージカルでは、『レイシャとトゥルーおばさん』が投票ランキングを独走し、青年賞を獲得しました。

「これは童話と現実を融合した独特な体験です。うちには子供が3人いるんですが、年の差が大きくて、一番上の子が14歳で、末つ子が6歳なんです。でも彼らはみんなこの演出は凄いと言っていました、ようやく共同の話題ができたのです」折りたたみいすを持つてシアターのチケット窓口で並んでいた母親が嬉しく言います。

ベロブルグ市庁教育部が去年発表した教育報告によると、『レイシャとトゥルーおばさん』は過去30年、ベロブルグで最も人気の童話でした。この劇の芸術監督を務めたケールは、童話からアイデアを得て、斬新な舞台装置をたくさん作り出したと言っています。それだけではなく、普通のミュージカルより歌が長いのも、「歌う間に、童話の世界をより丁寧に、登場する人や動物の表現をより豊かにしたいからです」と語りました。

『レイシャとトゥルーおばさん』で体験する二時間の童話の旅で、観客はキャスターと一緒に舞台の上で歌ったり、森の奇妙な動物たちとふれあう事ができます。レイシャの純真、トウルーおばさんの偏屈と奇妙な魔力、3人の騎士の個性、全てが監督のケールと劇団スタッフがデザインした終了後のイースターエッグで独特な表現を見せてます。童話が好きな観客は絶対に最後まで見てください。

ベロブルグで誰もが知る童話より改作、
黄金シアターミュージカル部『レイシャとトウルーおばさん』、
4月8日、黄金シアターにて公演開始。
周辺グッズはベロブルグ各専門ショップで販売しています。

『レイシャとトウルーおばさん』ポスターフォルダー
表紙には『レイシャとトゥルーおばさん』のポスターが印刷されている、
実際のパンフレットのサイズに基づいてデザインした、中には30ページの超大容量。実用的で記念価値もある、山のように積もったパンフレットを収納するのに最適。
価格：1,500シールド

『レイシャとトゥルーおばさん』奇妙な森をテーマにした記念フォトフレーム
劇中に登場した童話の大森林をモチーフとして印刷、
予約した顧客にはパンフレットとチケット展示カードをプレゼント、舞台劇を愛するあなたへ、
『レイシャとトウルーおばさん』のパンフレットとチケットを一緒に壁に飾りましょう!
価格：3,000シールド

『レイシャとトウルーおばさん』レイシャのいばらの冠
劇団授権、人気キャラクターレイシャが被っていた冠、優雅で美しく、純真爛漫なレイシャの魅力をあなたにも！
サイズは各ショップの店員までお尋ねください。
価格：7,000シールド

『レイシャとトウルーおばさん』レイシャのエプロン
劇団授権、人気キャラクターレイシャが付けていた田園的なエプロン、
簡単に着替えられるファスナーデザイン、ゴム紐入り、これでみんなも童話の主人公！
サイズは各ショップの店員までお尋ねください。
価格：1,200シールド

開幕日：11月5日
黄金シアター
行政区アリサ大通り 西22番

今年度ベロブルグで最も話題を呼んだ現代劇
道端のピクニック
アントン一家は郊外の道端で自由気ままにピクニックしていたが、モグラの王国に奇怪な宝物をもたらした。
部族一つのメシを賄える大きな鍋、全てを食らいつくす赤い花、そして変な神託を発する黒い石碑！
これらの宝物をめぐって、モグラの王国は見どころある争いを引き起こした。
そしてアントン一家が帰ってしまうと、宝物の争奪をしていたモグラの王国はまた平和を取り戻した。

ゴーリエ賞年度演劇賞 受賞作品

想像を超える豪華キャスト
ベロブルグの伝説的文学者 マーキュリー、演劇界での初作品
ゴーリエ賞演劇部門監督賞5回受賞者 マーティン
ゴーリエ賞演劇部門最優秀主演俳優 アレン
ゴーリエ賞演劇部門最優秀新人賞 ルビー

【プロデューサー】ルイス、【キャスティング】ミランダ、
【アクション監督】ステイン、【スタイリスト】アリック、【ダンス指導】フランク、【メディア担当】マッシュ
【音響】ボネス、【舞台美術】アンヤ、【照明デザイン】カロール、【マネージャー】ガーリー

キャスト
パーキントン、モグラの国王——アレン
フローラ、モグラの女王——ルビー
テッド、モグラの王子——マックス
マルドリーネ、モグラの姫——ロスリン
トッド、モグラの陰謀家——マット
エリザベス、モグラの陰謀家の妻——マヤ
ウェイン、モグラの豪商——ブルース
パック、モグラの発明家——ピーター
アントン、一家の主——ウィリアム
アレクセイ、アントンの息子——ルドルフ
リョーシャ、アントンの妻——マーシャ

知能指数の高いストーリーが話題を起こす、監督マーティンが新作『道端のピクニック』を携えシアターのメディアナイトに登場
作者：オルセン『ベロブルグ週刊』記者

黄金シアター現代劇部の新作『道端のピクニック』は公演三日でベロブルグ中を席巻した。この現代劇の監督はマーティン、そう、『ベロブルグ式結婚式』、『消えた客人』などで有名な「銀髪のマーティン」だ。ゴーリエ賞現代劇部門最優秀監督賞を5回も受賞した監督、今回は新しい題材——幻想劇に挑戦しました。

マーティン監督は『道端のピクニック』公演当日のメディアナイトで、多忙の身でありながら私たちのインタビューに答えてくれました。「前までは恋愛ものやミステリーを主に手掛けていました、しかしこれらはもう私の野心を満たせません」マーティン監督には明白なキャリアプランがあります。彼の新作、幻想劇『道端のピクニック』の上演時間は過去作の2倍、これだけあれば自在に才能を振るえるという事です。

マーティン監督はシナリオの選択に対し独特なセンスを持っています。彼が手掛けた受賞作品は全て現実社会で起きた事件を改作したものです。しかし、今回の新作『道端のピクニック』は全くのフィクション、そしてメディア出身の脚本家も選んでいません。意外にも、『道端のピクニック』の脚本家は、演劇界は初めての「新人」——ベロブルグの名立たる文学者マーキュリーだったのです。

この文学を大成した人を演劇界に招いたのは偶然ではありません——マーキュリーさんは批判的で怪奇な物語の創作に長ける事で有名です。そしてマーティン監督は常にマーキュリーさんの物語はステージに挙げるに適していると考えていたのです。ですが、マーキュリーさんは新しい本を書くための素材探しでマーティン監督の招待を数回拒んだのです。プロデューサーのルイスさんの助力もあって、監督はようやく丹念に準備してきた概念設計図でマーキュリーさんを説得したのです。その後、マーキュリーさんは新書の計画をいったん中止し、この劇のために時間を割いてくださったのです。

一見ゆるい幻想劇のようですが、二人の巨匠のコンビネーションで、この劇は想像を絶する情報量を有し、非常に難解なものとなってています。表面上、これはモグラの王国と人類の家族の間に起こった物語ですが、テンポが速く、伏線がたくさんあります。観賞する時、一度でもリズムを外すと、舞台デザイン、セリフ、照明の変化から導き出される伏線を見つけ出すことは二度と叶わないでしょう。

『道端のピクニック』のストーリーは成人観客だけではなく、子供たちにも難しい問題を投げつけたのです。この知能指数が高すぎる現代劇から、知恵ある者はストーリーに隠された意味を味わえるし、無邪気な人には面白おかしい創造力が楽しめます。「この劇は真新しい視野を提供してくれた、私たちはこれを通して今までになかった角度から自分の生活を覗き込める」外界の称賛と評論に対して、マーティン監督はこう語りました。

ベロブルグ中から押し寄せた熱情的な記者たちに対し、「銀髪のマーティン」はメディアナイトで曖昧な言葉を残した、恐らく『道端のピクニック』を見終えなければその言葉の意味は分からないだろう。そしてそれこそが、マーティン監督とマーキュリーさんが用意してくれた最大のサプライズでしょう。

ベロブルグの名立たる文学者マーキュリー初の演劇作品、
黄金シアター現代劇部の真新しい幻想劇『道端のピクニック』、
11月5日、黄金シアターにて公演開始。
チケット及びグッズもシアターカウンターで限定発売。

『道端のピクニック』ポスターフォルダー
表紙には『道端のピクニック』のポスターが印刷されている、
実際のパンフレットのサイズに基づいてデザインした、中には30ページの超大容量。
実用的で記念価値もある、山のように積もったパンフレットを収納するのに最適。
価格：1,500シールド

『道端のピクニック』モグラの王国の円卓会議をテーマにした記念フォトフレーム
劇中に登場したモグラ王国の宮廷議政庁をモチーフとして印刷、
予約した顧客にはパンフレットとチケット展示カードをプレゼント、舞台劇を愛するあなたへ。
『道端のピクニック』のパンフレットとチケットを一緒に壁に飾りましょう！
価格：3.000シールド

『道端のピクニック』脚本集
劇団授権、全セリフを収録
文学の壁を突き破つた創作、ベロブルグの伝説的文学者マーキュリーが手掛けた脚本
素晴らしいストーリーをもう一度、『道端のピクニック』ファン必須。
価格：5,000シールド

開幕日：2月21日
黄金シアター
行政区アリサ大通り 西22番

30年歌われてきた伝説のミュージカル
白衣の後
常識破りな噂が流れ、貴族の宴席に招かれざる客人が来る。
彼女は氷でできた仮面を被り、霜色のローブを纏う、彼女が歩んだ後は死だけが残る。
着任したばかりのシアターのマネージャーは一心に貴族を奉仕する。しかしある日、開演する時に、
5番ボックス席に白衣を纏った招かれざる客人が来る、百年前の伝説が盛宴の中静かに甦る……

黄金シアター史上公演期間が最も長い作品
三十周年特別記念演出、未だかつてない豪華キャスト陣

累計でゴーリエ賞を三十七回獲得
ゴーリエ賞ミュージカル部門監督賞 ハードロイ
ゴーリエ賞ミュージカル部門作曲賞及び終身賞 アンドリュー
ゴーリエ賞ミュージカル部門主演女優賞 シーヤ、サラ
ゴーリエ賞ミュージカル部門主演男優賞 ラミン、スティーブン
他にも多くのゲストが出演
黄金シアターミュージカル部門献上

【総監督】ハードロイ、【作曲】アンドリュー、【プロデューサー】チャーリー、【マネージャー】ラリー
【服装ディレクター】マーティン、【スタイリスト】ジュディス、【音響ディレクター】クリス、【オーケストラ指揮】ライヤ
【キャスト協力】バニー、【舞台美術】テイラー、【照明デザイン】ジェニー、【メディア担当】ジョージ

キャスト
ラレーナ——シーヤ
レベッカ、白衣夫人——サラ
ダビッド伯爵——ラミン
バードン子爵——スティーブン
マイケル、マネージャー——ニコラス
ジョナ、バードン子爵の妻——マヤ
クリスティン、シアターの花形——ヒーラ
ラウル、バードン子爵の息子——ウィリアム
マリア夫人——エリザ
サーカスのオーナー——バリー
フランク王子——ピーター

公演スケジュール
『白衣の後メインテーマ、序曲変奏』——オーケストラ独奏
『シアターの開幕式』——マイケル、クリスティン、ラウル、ラレーナ
『シアターストーリー』——クリスティン、ラレーナ
『5番ボックスの警告書』——マイケル、レベッカ、ラレーナ、バードン
『夜の口づけ』——ラレーナ、バードン
『氷雪の仮面と白のドレス』——ラレーナ、レベッカ
『彼女は夢の中から来る』——ラレーナ、レベッカ
『私の名を呼べ』——ラレーナ、レベッカ
『豪奢な盛宴』——ダビッド、バードン、ジョナ、ラウル、マリア夫人
『開演』——ラレーナ、レベッカ、クリスティン、ラウル
『招かれざる客人』——サーカスのオーナー、フランク王子、クリスティン
『仮面舞踏会の復讐』——レベッカ、ダビッド、バードン、フランク王子、サーカスのオーナー
『生き残りと求婚』——ラレーナ、ラミン
『招かれざる彼女』——レベッカ、ラレーナ
『求める物はない』——レベッカ、ラレーナ
『眠れぬ夜』——合唱

『白衣の後』三十周年記念公演、見逃せない三大名場面
作者：オルセン『ベロブルグ週刊』記者

近日、黄金シアターは未曽有の豪華キャスト陣で『白衣の後』三十周年記念公演の序幕を開いた。チケットを購入するための市民が行政区の主要道路を埋め尽くし、シルバーメインが秩序保持のため出動しました。

このベロブルグで最も有名なサスペンスミュージカル『白衣の後』は黄金シアター史上最も公演期間が長い作品です。三十年来、数々の名場面を残してくれました。三十周年記念公演の前に、『白衣の後』では絶対に見逃せない三つの名場面を一度振り返えましょう。

1. 5番ボックスシートから落ちてくる神秘なベールと氷晶の花びら
「白衣夫人」初登場の場面で、5番ボックスシートから神秘で精緻なベールが氷晶の花びらを纏って観客席に落ちて行きます。過去のバージョンでは、ベールは普通2.5m/sの速度で降下します。手作りの氷晶の花びらは特殊染色でスポットライトの照射で煌びやかな光を放ちます。何より、この氷晶の花びらは『白衣の後』周辺グッズよりも人気があるのです——そして劇団も観客が花びらを持ち帰る行為を禁止していません。三十年以来、これは既に劇団と観客の間で暗黙の了解となっているのです。今回の三十周年記念公演では、劇団は一回の上演に6000枚の氷晶の花びらを用意したと公表しています。

2.ダビッド伯爵の求婚場面：どこにでも出現する「白衣夫人」
ダビッド伯爵が大衆の前でラレーナに求婚する場面で最も魅力的なのは男女主人公のロマンストーリーではなく、変幻極まりない「白衣夫人」の再登場です。最初のバージョンでは、「白衣夫人」は突然人混みの中から出現した。しかし黄金シアターの技術力の向上により、「白衣夫人」の再登場はさらに神秘的な登場を実現しています。彼女は舞台にある無数の鏡の中から歩み出るだけではなく、観客席の中央シャンデリアが轟音と霧を発した後に、床の下から徐々に上昇してくるのです。シアターの技術部門はこいった「白衣夫人」のミステリアスな雰囲気を醸し出すため、20人ほどでやっと持ち上げられる巨大な舞台装置を設計したのです。そのおかげで、ここ十年の観客たちは大いに眼福を享受できたのです。同時に、観客の間ではこのようなミニゲームが流行っております——「白衣夫人」が再登場する方向は毎回違います。君にはそれを当てられるかな？

3.スター勢ぞろい、代替えを意識させる最後の大合唱
最後の大合唱はシアターの全俳優が登場するカーテンコールです。そして主役のラレーナは舞台に上がってまだ日が浅い女優で、レベッカは観客席で彼女と向かい合います。劇中では、主役たちはシアターの花形たちに囲まれて合唱の中静かに退場します。過去三十年で、『白衣の後』は何代ものミュージカル従業者を影響してきました。物語の最後でカーテンコールとして歌われる曲『眠れぬ夜』、制作当時は全俳優で歌う普通の合唱でした。しかし幅広い観客層が『白衣の後』を何代にもわたるベロブルグ人共通の記憶としました。その成果としては、最後の大合唱で舞台中央に登場する「一時俳優」たちの多くが歴代の『白衣の後』主演者たちなのです。ミュージカル界隈ではよく大物俳優が特別出演としてカーテンコールに参加しています。観客たちにとって、それは絶対に見逃せない輝かしい場面です——上演の最後で舞台上に有名俳優が何人いるか数える楽しみなんて誰にも拒めないでしょう。

30年歌われてきた伝説のミュージカル『白衣の後』、
2月21日、黄金シアターにて公演開始。
チケット及びグッズもシアターカウンターで限定発売。

『白衣の後』ポスターフォルダー
表紙には『白衣の後』のポスターが印刷されている、
実際のパンフレットのサイズに基づいてデザインした、中には30ページの超大容量。
実用的で記念価値もある、山のように積もったパンフレットを収納するのに最適。
価格：1,500シールド

『白衣の後』三十周年記念画集
この三十年、『白衣の後』の歴代キャストと舞台デザインを収めた記念画集。
『白衣の後』ファン必須、バックストーリーもあります！
三十年の愛、汗と夢、全てはこの画集に。
価格：6,000シールド

『白衣の後』演出曲目の楽譜
『白衣の後』の三十周年記念公演で歌われたすべての曲歌詞を含んでいます。
美しい花模様の紙、最高級インク、時が経ても色褪せない。
価格：2,000シールド

『白衣の後』「白衣夫人」の氷雪の仮面、公式ショップにて発売開始
人気キャラクター「白衣夫人」レベッカが被っていた仮面。
アジャスター構造により長さ調節可能。
サイズは各ショップの店員までお尋ねください。
価格：20,000シールド

『白衣の後』「白衣夫人」のベール、公式ショップにて発売開始
人気キャラクター「白衣夫人」レベッカが5番ボックスで初登場する時につけていた純白のベール。
特殊染色で光を当てると氷晶の柄が表れます。これをつければあなたも「白衣夫人」のようにミステリアスで上品になれます。
注意：本製品は調節を施しており、劇中とはサイズが異なり、より着心地がよくなっています。詳細は各ショップの店員までお尋ねください。
価格：30,000シールド

『白衣の後』仮面舞踏会の仮面、公式ショップにて発売開始
人気キャラクターダビッド、ラレーナ、バードン、フランク王子が被っていた仮面。
アジャスター構造により長さ調節可能。
サイズは各ショップの店員までお尋ねください。
価格：10,000シールド

開幕時間：3月7日
黄金シアター
行政区アリサ大通り 西22番

黄金シアターオペラ部門が準備に3年を費やした傑作
スターダストローズ

業績が芳しくない会社の営業マンが、本社から人里離れた小さな町へ飛ばされる
偶然にも絶滅種のバラを発見し、それを目当てにやってきた植物学者と恋に落ちる
この貴重なバラで、会社の高い地位に復帰できると知った時、彼は何を選択するのだろうか？

ゴーリエ賞演劇部門最優秀監督賞 ジェフリーとエリック
共同監督

ゴーリエ賞演劇部門最優秀主演男優賞 イアン
ゴーリエ賞演劇部門最優秀主演女優賞 ジュリ
主演

【脚本】エミー
【プロデューサー】 トム
【衣裳】マリー 【舞台美術】ポール 【照明デザイン】ハドソン 【音響】コラライン
【アクション監督】ダビデ 【スタイリスト】ジャネット 【キャスティング】トーマス 【マーケティング担当】ホリー

キャスト
ハワード——イアン
アイリス——ジュリ
ジョアン——テイラー
マーク——アントニー
アンダーソン社長——レイヤード
コリンズ教授——ジェシー
アイリヤー、ハワードの母親——クリスティーン
アルフレード、会社役員——バイロン
フレディ、街のガイド——フィリップ
会社株主——ジョージ、ジェシカ、サーシャ
町の住民——オースティン、ジョン、エマ、ペギー

舞台裏話：ジュリとイアンが語る「スターダストローズ」のリハーサル風景

作者：オルセン『ベロブルグ週刊』記者

「イアンとは何度も共演していますが、やはり相手役の時は緊張しますね…彼の目にはある種の光が宿っていて、いつも無意識に目の端で見てしまうんです」
『スターダストローズ』のプレスリリースで、ジュリは『スターダストローズ』のリハーサルにまつわる興味深いエピソードをマスコミの前で明かした。

ジュリとイアンは、昨年『シアターストーリー』でゴーリエ賞の演劇部門最優秀主演男優・女優賞を受賞している。
受賞から1カ月後、2人のもとに『スターダストローズ』の脚本家エミーからオファーがあった。
劇場の舞台で何度も共演している2人だが、ジュリはこの長い付き合いの相棒であるイアンの独特な魅力にはいまだに抵抗できないという。

『スターダストローズ』は、ゴーリエ賞の演劇部門監督賞を受賞した2人の監督が共同監督を務め、ラブストーリーで知られる小説家のエミーが脚本家としてデビューした作品である。
イアンは、有名監督2人の共同監督ということだけでなく、「リハーサルでジュリと僕は素晴らしい化学反応を感じました」と、通常の恋愛の演劇とは少し違う作品だと感じたようである。

リハーサル中、ジュリの衣装のスカートが近くの小道具に絡まってしまったことがあったが、二人の間には暗黙の了解があったとイアンは語った——
これまでの共演があったからこそ、咄嗟にイアンはジュリを抱き上げ、小道具に絡まったスカートを、背景切り替えの短い間に戻すのを手伝った。

ジュリは、今回の事件でイアンが彼女を抱き上げた行為が、ジュリの演じる植物学者が囚われるシーンと完璧に一致したため、監督のジェフリーから「神がかり」と称賛されたと明かしている。
「アイリスは研究に専念する植物学者で、人との付き合いが苦手であるがゆえに、囚われても他人に助けを求める方法を知らないんです」とも話してくれた。
それに続けて、イアンが「しかし、ハワードは行動で自分の気持ちを伝えた」と明かしてくれた。
だからこそ、このパフォーマンスは後続のリハーサルに加えられ、劇本の一部となったとも教えてくれた。

「『スターダストローズ』のリハーサル中は、みんな熱に浮かされたような状態になっていました。
大勢の前で演じる立場だというのに、ストーリーが展開されるにつれ、私たちは無我の境地に至ったのだと思います」。
ジュリは、『スターダストローズ』には不思議なロマンチックな雰囲気があって、以前の劇と違うものであると話してくれた。
「ああ、まるで愛に感染したかのようだった」と、パートナーのイアンが決め言葉を言った。

ジュリとイアンが主役で出演する恋愛劇『スターダストローズ』は、
3月7日、黄金シアターで公演開始。
チケットおよびグッズもシアターカウンターで限定発売。

『スターダストローズ』テーマルームのチケット
2階のテーマルームで、ロマンティックで美しい旅に出ましょう。
『スターダストローズ』の舞台美術のデザイン、ルーム内には制作グループと同じロマンチックなお花の飾りが置かれている。
ルームは最大8名の観客を収容でき、公演期間限定で毎日10枚のチケットを販売。
価格：23,000 シールド

『スターダストローズ』テーマ柄の記念フォトフレーム
バラの模様は二人の主人公が使っていたバラの道具をプリントしたもの。
予約した顧客にはパンフレットとチケット展示カードをプレゼント、舞台劇を愛するあなたへ、
『スターダストローズ』のパンフレットとチケットを一緒に壁に飾りましょう！
価格：1,000 シールド

『スターダストローズ』ポスターフォルダー
『スターダストローズ』の公演ポスターを表紙、
実際のパンフレットのサイズに基づいてデザインした、中には30ページの超大容量。
実用的で記念価値もある、山のように積もったパンフレットを収納するのに最適。
価格：1,500 シールド

『スターダストローズ』主役のサインカード
16名の主役のメイクアップ姿をプリントしたカード、主役たちのサインが付いている。
ツアー期間1人で1セットのみ、1日限定20セットを発売、お見逃しなく！
価格：30,000 シールド

！ ！「クラーラ守護会」のメンバー絶賛募集中 ！ ！

～ 守って、守って、守って守りまくれ ～

【「クラーラ守護会」とは何なのか？】

守護会の全称は「クラーラさんが流浪者キャンプの全住民を助けてくれたからクラーラさんの笑顔はオレ達が守るの会」、略称は「クラーラ守護会」。

【なぜ守護会を立ち上げたのか？】

守護会は、全流浪者に食料を与え、日常生活を助け、オレたちの疲れた体と心を癒してくれた天使のようなクラーラさんに恩返しするためにある。
だからオレたちは大人として、クラーラさんに迷惑をかけないように、クラーラさんの力になれるように、クラーラさんが楽しく成長できるように、クラーラさんの真の家族になれるように、クラーラさんの純真な笑顔を守るために、クラーラさんの天使のような声を守るために、クラーラさんの無垢な心を守るために、立ち上がるべきだ！クラーラさんは過激な感激には慣れないからいつも恥ずかしがって頭を下げているけど、オレたちは止まらないぞ！

【守護会に入って、何を得るのか？】

守護会に入れば、このような事ができるぞ。

1.流浪者キャンプに入り、数百万の会員（数えてないけど、クラーラさんを守る人は、絶対にこれくらいはいる）と一緒にクラーラさんの雪を溶かす優しい笑顔を見られる。
2.クラーラさんに挨拶された後、すみっこに隠れてクラーラさんを邪魔しない音量で「おっふ」と感動できる。
3.コミュニティ内の割引価格で守護会グッズ部のクラーラさんグッズ：クラーラさんの微笑みの肖像画、ウサギのぬいぐるみ、クラーラさんの足跡の拓本など、色々買えるんだぞ！（イラストレーターの独眼のルオーは有名な芸術家だったんだぞ！あいつの描いた指名手配シリーズの肖像画はかなり有名なんだぞ！）
4.最後に、最も光栄なのは——守護会に入れば、「クラーラの守護者」バッジ（ステンレス製、オレたちのクラーラさんに対する永遠にさび付かない「守護」の心を象徴している）がもらえる。

上層部の奴らは「大守護者」を拝めていればいいんだ！下層部には新たな太陽が昇り上がった、そして彼女に忠誠を誓い、彼女を愛する「守護者」たちがいる！

※ポスターの一番下に小さな字で何か書いてある※

守護会会員としての権利を行使すると同時に、以下の行為はつつしむべし。
1.勝手にクラーラさんに対して便宜を図る（クラーラさんの好意を裏切るから）。
2.クラーラさんに流浪者キャンプでの生活以外の事に関して質問をする（他人のプライベートを詮索しないのは人としての基本）。
3.クラーラさんとこれまで以上に仲良くなるため、スヴァローグさんと親族関係になる（養子引き取り、義兄弟の契り、婚姻関係などに限らず）。
4.ここに記した項目はこれからも更新される、最終的な解釈権は守護会にある。

坑道の仕事に従事する保護者の皆様へ

こんにちは、医師のナターシャです。日中は仕事で大変なので、診療所に子供を預けていることは承知しております。新年が近付き、ご家庭での苦労はお察ししますが、お子さんに会いに来ない方もいらっしゃるので、裏があるのではないかと疑わざるを得ない状況です。ですのでここに、百日以上親に会っていない子供の名前をリストアップいたしました、親のみなさんが今月の最後の日までに来ることを願います。これでも来なかった場合は、お名前を私の名簿に加えます。名前を記録された方は、病気や怪我をしないようにお気を付けください。でなければ、私が先祖代々受け継いできた「慈悲」のレシピのお世話になることでしょう。

イザベラ：11歳、133日間訪問者無し

ベラは児童公社で一番穏やかでお利口な子です。また、彼女は常に自分からお手伝いを申し出て、私が外出している時は他の子の世話をするお姉ちゃん的存在になってくれます。もし、あなたがベラの両親でしたら、彼女に小さい子の世話を学んだほうが良いと思います。何故なら、あなたたちはきっと何でも食べるマッドモグラすら、まともに世話できないでしょうから。

ビッグ・チャーリー：9歳、164日間訪問者無し

ビッグ・チャーリーは非常に気性が荒い子です。きっと両親から引き継いだ性格なのだと思います。彼はよく他の子と喧嘩をしますが、手加減を知らないため、既に何度も彼を叱っています。しかし、彼は医学に興味を示し、基本的な薬を調合して、喧嘩や擦り傷を負った時に自分に使うようになりました。もしあながビックチャーリーの両親でしたら早めに彼に会いに来るよう勧めます。でなければ、彼に「特殊」な薬の配合を教え、それを使ってあなたたちに親孝行をさせるでしょう。

リトル・チャーリー：7歳、115日間訪問者無し

リトル・チャーリーが児童公社に預けられてからもうすぐ一年が経ちますが、いまだに喋る気配がありません。幸運なことに、リトル・チャーリーはいつも家族の写真をポケットに入れていたので、両親の顔は私もよく知っています。もし期間中に子供たちに会いに来ないのであれば、私があなたたちを絶対に探し出します。どうやらあなたたちは健忘症のようなので、よく効く薬を用意します。

ティミー：8歳、153日間訪問者無し

ティミー、ティミー…彼は本当に私を悩ませています。彼がどの古代の絵本から「ハト」の存在を知ったのかはわかりませんが、それ以来、彼は「鳥」に夢中になってしまいました。私が地下に鳥はいないと言っても、彼は聞く耳を持たず、一日中空想にふけっています。ティミーのご両親、この子に会いに来ないのなら、彼を楽しませるために何羽か「鳥」を捕まえてきてください。

親愛なる執事セバスへ

既にブローニャ様の一週間の仕事のスケジュールを組みました。毎晩、翌日のスケジュールを送るので、スケジュールに合わせてブローニャ様が行動するよう監督をお願いします。

ブローニャ様が未だに私に対してお怒りで、会いたくないのは重々承知しています。でも彼女がすぐに気づいてくれると信じています。ブローニャ様が執政官を継承する日が近づき、彼女にカカリア様のような賢明な支配者になっていただくためには、そろそろ毎日細かく予定がある生活に慣れていかなければなりません。私は彼女の家庭教師として、必要に応じて悪役を演じる必要があります。そうすることで、お嬢様の気を紛らわし、彼女にことの重大さに気づいてもらえるのです。

家でも仕事は出来ますし、何日か休みがあるのはいいことですから、私のことは気にしないで、ブローニャ様のお世話をしっかりお願いします。彼女はちょっと頑固なところがありますが、心が優しくて、とても才能があることはあなたもよく知っているはずです。いつか、彼女は私たちがしたことに感謝すると保証します。

それと、ブローニャ様の社交には注意を払ってください——特にお嬢様がペラ情報官と一緒にいる時。ペラ様にはとても優雅とは言えない趣味があると聞き及んでいます。そのため、お嬢様が冒涜的な知識に汚されないよう、彼女とブローニャ様の不正当なお付き合いはなるべく避けるように計らってください。

真摯な友、
ソーニャより

添付：ブローニャ様の日程表

06:00 起床
06:10-06:20 簡単な入浴
06:20-06:45 朝食、執事による日程読み上げ
06:45-07:45 早朝戦闘訓練（詳細はブローニャ様の早朝訓練表と教官スケジュールを参考に）
07:45-08:30 入浴、スタイル管理、ヘアメイク、着替え
08:30-09:00 ベロブルグ軍官学校へ向かう
09:00-10:00 一時間目：軍事理論と統治学
10:00-11:00 二時間目：政治理論
11:00-12:00 三時間目：総合科学
12:00-12:30 昼食、その日のベロブルグ朝刊の主面を読む
12:30-14:00 兵士を率いた実地巡回（当日の巡回ルートはブローニャ様の巡回スケジュールを参考に）
14:00-15:00 四時間目：ライティングとスピーキング
15:00-16:00 五時間目：芸術鑑賞
16:00-17:00 六時間目：ベロブルグの歴史
17:00-18:00 この時間は『歴史大博物館読書会及びベロブルグ創立700年記念大会』での演説原稿執筆に変更（ライティング教師と政治理論教師が監督）
18:00-18:30 夕食、ベロブルグ放送局『ベロブルグ30』を聞く
18:30-18:45 ベロブルグ戍衛官所に行く
18:45-19:30 戍衛所で実地巡回
19:30-19:45 守護者邸に帰宅
19:45-20:00 当日の学習報告準備
20:00-20:30 カカリア様と面会し、当日の学習成果と巡査進度を報告
20:30-21:00 身だしなみチェック、官邸で開催されるシルバーメインの親交舞踏会の準備
21:00-21:45 シルバーメイン親交舞踏会に参加（お嬢様が舞踏会終了まで会場にいるように監督、途中で抜け出さないよう注意）
21:45-22:10 化粧落とし、入浴
22:10-23:00 読書時間（課題書目はブローニャ様の必読リストを参考、ブローニャ様が閲読する書目を必ずリストの範囲内に制限するように）
23:00-23:30 邸宅内自由時間
23:30 就寝（お嬢様が布団の中で何かしていないよう、24:00に彼女が寝付けたか確認してください）

※この手紙の日付は摩耗していてもう見えない。※

戍衛官へ

わたくし、シルバーメイン情報官——ペラゲヤ・セルゲーヴナは、ここにて過去30日間のシルバーメイン禁区の状況及び関連意見をまとめました、ご確認ください。

過去30日間、禁区前線に配備された我が軍の損失状況。戦死35人、戦闘中行方不明14人。負傷し後方予備隊に転属178人、これらの負傷者は既に禁区の野戦病院に送り治療を施した、しばらくは前線に投入できない。

そのため、琥珀戦闘群に属する氷原オオカミ大隊及び雪モグラ大隊は現在の編成を維持できない状態。関連する作戦単位は再編成の途中、変動は以下のように。雪モグラ大隊を解散；元雪モグラ大隊の作戦人員を氷原オオカミ大隊に編入；元雪モグラ大隊の指揮官は本人の意向により指揮官を辞任、現在は氷原オオカミ大隊の補給官を担当；氷原オオカミ大隊の編成番号は変わらず、依然琥珀戦闘群の所属とする。

同じく、上記の原因で、我が軍の北東方面の戦線に空白が生じ、急遽補填が必要。我が軍の人的戦力が付属している現状を鑑み、自動機兵戦闘群所属の各大隊を戦線の空白箇所に配属する事を勧めます。

それ以外にも、我が軍は連日の作戦失敗と度重なる甚大な死傷により、士気が著しく低下しています。現在、各大隊から不満の声が上がっています——しかし、それらは戍衛官に向いたものではなく、我らの大守護者カカリアに対する不満であります。

最近の戦闘を振り返れば分かります。重大な損害は、いつも大守護者の越権指揮によるものです。大守護者が性急に勝利を望むお心は理解していますが、我が軍は決して陣地を出て裂界生物と正面から戦闘すべきではありません——それはオツェルボロフ戦闘動態方程式の演算結果に当てはまらない上、我が軍が長きにわたり積み上げた戦闘経験を否定するものでもあります。

軍で蔓延る不満を収め、死傷者の数を下げ、最大限に我が軍の人的戦力を保存するため、シルバーメインが指揮権を完全に回収するよう、大守護者と協議してください。少なくとも、「射撃小隊を前に20メートル移動」などという荒唐無稽な命令は止めていただきたい

ペラゲヤ・セルゲーヴナ

勝利の朗報は太陽の日の朝日と共に届く
雪原の前線で我が軍圧勝

太陽の日の暁、先鋒要塞を出た雪原の前線から吉報が届き、ベロブルグの新年に喜びを増しました。ベロブルグの住民たちは皆奮い立ち、勝利の知らせを広めました。残酷で狡猾な異星人が襲来して20年、士気を保つため、戦時でも太陽の日の祝典は中断したことはありません、そして今年の祝典はここ20年で最も熱烈なものとなるでしょう。

太陽の日前夜、大守護者アリサ・ランドは命令を下しました、「シルバーメイン全軍に命ずる、雪原で陣を敷き、異星の敵の主力と決戦せよ」。我が軍の将軍 ランダル・ランドゥーは「琥珀」、「炬火」二旅団を率い関所を死守、吹雪の中で四昼夜の血戦を繰り広げ、一歩も後退せず生命線を守り切りました。

戦闘を始めてから4日、前線は激烈な戦いが続いています。我が軍はまだ主力部隊を投入していないため、常に劣勢に立たされています。だが敵の攻撃は我が軍の戦線を揺るがせません、要害の地はまだ我が軍が堅守しています。その夜、イェーガーは大守護者の戦術を勇敢に実行し、野戦部隊の兵士をまとめ散兵戦線を築き、敵右翼に奇襲を仕掛けました。奇襲は成功し、戦況を打開しました。それを機に、大守護者アリサ・ランドは軍を率い敵を包囲しました。太陽の日の未明、我が軍は敵の一方面軍の包囲を完成し、全面的な反撃が始まったのです。

大守護者アリサ・ランドは槍を携え前線に立ち、兵士を率いて敵陣に突撃しました。彼女が通った道は天に届く炎が燃え盛り、琥珀色の火炎を纏う槍は吹雪を吹き払いました。戦場から帰還できた兵士の話によると、大守護者の巨大な騎槍は一撃でそれを裂き、久しぶりの青空が見えたそうです。そして他の兵士は、アリサ・ランドの隣で敵と白兵戦をしていた時、常に制御できない程の力を感じていたと言っていました、その偉大なる力の加護は、無傷で敵の刃を受け止める程の力を彼に与えたのです。

我らがシルバーメインは全力で攻撃をしかけ、太陽が昇り上がった時に憎き敵を殲滅したのです。生き残った敵の残党は雪原より北へ逃げましたが、大守護者は部隊を派遣し追撃に当たりました。

此度の戦役は空前絶後の激しい戦いでした、そして痛快な勝利でした！この一戦を経て、異星の敵は全滅寸前——ベロブルグは吹雪の中で屹然と立ち、彼女の子供たちと共に防衛戦の完全勝利に向かって歩み行くでしょう！

「シルバーメイン審査意見」
問題はなし、念のため、編成番号は伏せた方が穏便だ。

「大守護者審査意見」
刊行を許可する。

私はかつて雪峰の後ろ姿を見つめた

氷の泉は序文に流れ込まず
夜空には他者の目が映る
雲と霧が荒野の石工を覆い
旅する者は琥珀の過去を覗き見る

私の心の旅は
私の敬虔なる心が捧げる礼賛でもある

私はかつて雪峰の後ろ姿を見つめた

北風が私から歌声を借り出した年月の中で
大地も鳥も静かになる
君たちは鉱脈に横たわる世界の脊梁を見る
群星の上と薪の下を目撃する
鋳る者の名を以て記憶を鍛造し
燃え上がる炎より寓意を与えられる

私は穴を掘り 君は城壁を築く
私は穴を掘り 君は城壁を築く
城壁はいつか崩れる
涙はいつか流れる
終局は遥か遠くの平原に刻まれ
この詩が色褪せるのを静かに待つ
雪峰が目を閉じるまでか
花びらが落ち尽くすまでか

私は妬みに駆られ黄昏の歯車を捨てる
回り続ける日々はいつも次が分からない
1瓶3シールド
バラ積みで販売される魂
ご飯のおかずは一口で呑み込む

琥珀 琥珀 もう一つの琥珀で潤う
故郷の星々はいつもずれている
風の声 風の声 鷹の鳴き声のような風がまた一陣
夜の光が逆巻く
リベットタウンにも居場所がない石の椅子を巻き上げる

鎖を縛った 湿っぽい心臓
どうやって重量を計るのだろうか
坑道の入り口にはまた石の偶像が立ち上がり
採掘機は自分のズボンを彫刻する
通りすがりの人々はいつもこう言う
馬鹿らしい

3秒に1歩の肥満なラリー
彼の茶色の国を越えよ
40センチの鉱車を
越えよ
冬と夏を横断する祝日を
越えよ

クリフォトは言った
愛で彼の神殿を築くべし
だが人々はいつも石と言葉を捧げる

クリフォトは来た
彼に魅惑的なツルハシを与えた
彼はそれを秘密だと思った
彼はいつも坑道深くにある暗夜に向かい 手を振る
デブのラリー！
彼は年を取ったと自覚しているのだろう
五十年の歌声は
崩落のように彼の両腕を差し押さえた

断臂のラリー！
彼はイワグラシガニのように冬と抱き合い咆哮する
彼は手稿を携え緘黙の磯を歩く
彼の上司はいつも叱咤する
光輪を持っていけ！
雲を持っていけ！

怠惰なラリー！
彼は隅に潜む葬礼虫を見つめる
一人の人間が彼らの前で泣き出した
泣き虫ラリー！
人々はもう彼の物語を必要としない
貧乏な通牒を 銀の糸にして彼の口を縫った

悲しむラリー！
でも彼はまだ聞こえる
鉱石が流れる呼吸と言葉が奔る足音が
悲しむラリーは携帯式の棺桶に住み込むしかない
彼の真摯なツルハシを持ち出し
見た事もない鳥の形に折り曲げ
前後に二回宙返りして角度を探す

口がきけないラリー！
一人で洞窟の歌詞を編む
彼は安神ダケを17本食べた
彼は叫ぶ 私を覚ませ！
そして17名の詩人の平手打ちをもらった

彼らは言う ラリーなんてもういない！
何もないラリーは大坑道を飛び越える
彼はツルハシみたいに大地を埋葬する

通りすがりの人たちにはそれらが見えなかった
彼らはただ言う
ただのデブが 眠った

クラス_二_学年_六_氏名_リュクセン_得点_35_

一 穴埋め問題
1.都市の地髄ランプを壊さないため、使う時には_頭_がショートしないように気を付ける。
2.人々は岩塩やイエローキャンディーみたいな幾何学的な形をした固体を_食べ物_と呼ぶ。
カーチャ：穴埋め問題はなぞなぞクイズではありません！
3._大きさ_と距離から、都市内のベロブルグ学院の校舎の位置を特定できる。
4.錆は金属が空気中の酸素と_愛の_反応が発生して生成される。
5.霜降り鮭は水温が低下すると暖かい場所へ移動して冬を越えます。このような越冬法は_旅行_と言う。

二 選択問題
6.アロマエーテルグラスを観察する時の順序は（ C ）。
A. 外から中へ B. 中から外へ C. 上から下へ D. 下から上へ
7．黄昏の実が生る過程は（ C ）。
A. 花が咲く→受粉→実が生る B. 花が咲く→実が生る→受粉 C. 受粉→花が咲く→実が生る
8.洞窟イモリの足指には吸着機能が備わっています。洞窟内で移動する際に使う部分の名前は（ C ）。
A. 吸盤 B. かぎ爪 C. 肉球 D. ヒダ
カーチャ：猫ではありません！
9.葬礼虫の成虫の口器は（ C ）、葬礼虫の幼虫の口器は（ C ）。
A. 刺し型 B. 舐型 C. 咀嚼型 D. 吸い型
カーチャ：リュクセン君！どうしても分からない時はCを選べ、という教えをちゃんと守っているようで、先生も感心です。
でも問題をしっかり確かめてください！
10.次の物体の中で、水に溶けられるのは（ C ）。
A. 地髄 B. 岩塩 C. ジャム D. ハチミツ

三 判断問題
11.壁と木に触ると、壁の方が冷たいのは、壁の温度は木の温度より低いから。 （はい）
12.中世代のトリティロドンは、気温の低下と食物の減少などの環境変化に適応できず、絶滅してしまった。 （はい）
13.地髄は遥か昔の生物の死体が地層の中で数億年の変化を経て形成した鉱物。 （はい）
14.地髄の隣で暖を取ると暖かく感じるのは、熱伝導が原因。 （はい）
15.マッドモグラが食事をする時、切歯で切り、犬歯で引き裂き、臼歯で食物をかみ砕く。 （はい）
16.蜜茸と安神ダケを上下に切断する解剖方法は縦割り。 （はい）
17.七彩虹の葉の蒸散作用は、葉の表面温度を下げ、植物を高温から守る。 （はい）
18.切り株の年輪で、幅が大きい方向が北。 （はい）
19.鉱蝕コケは化学反応で起きる微弱な光で、光のない洞窟の中を生存できる。 （はい）
20.見る、触る、刀で刻む、水滴などの手段で鉱物の種類を見分けられる。 （はい）
21.てこの原理は省力できる上に、力の方向を変えられる。 （はい）
22.水の中でも、陸地でも生存できる動物は両生類と呼ばれる。 （はい）
カーチャ：本心じゃなくても、いいえの答えを書いて、君がちゃんと頭を動かしているって先生を慰めてくれないかな？

近頃、「ネイビーブルー詐欺」にあい、財産と精神的な損失を受けた人が多くなってきました、シルバーメインの力だけでは詐欺師を捕らえるのは無理でしょう。そのため、「ネイビーブルー詐欺」の諸被害者はネイビーブルー詐欺被害者の会を立ち上げ、本手引き書を編纂し、よくある話術や典型的な詐欺のケースを収録しました。私たちの神聖な個人財産を守るため、住民の皆様はよく読んで、注意してください！

「パラレルワールド」

詐欺師がよく口にする概念です。今まで、市街地区で報告された下位分類に当たる詐欺事件は既に73項目もあります。以下が含みますが、これらに限りません。「パラレルコピー機」、「パラレル収納ボックス」、「パラレル料理パック」、「パラレルリモコン」など衣食住に関わる様々のものを持ち出し、被害者の需要をピンポイントに当ててくるのです。防ぎようがありません！

二次流通市場でパラレルワールドに関する商品を見かけた際も購入せず、直ちにシルバーメインに通報してください、購入してしまった場合も、決して単独で詐欺師と対峙してはいけません、損失が拡大するだけです。本手引き書はここで全てのベロブルグ市民に教訓を一つ差し上げましょう、雪の中からシールドは生えてきません、富は自分の勤労な両手で勝ち取るものです！

「永久機関」

被害者であるモリーが提供したケースです。詐欺師は予め用意したからくりで、永遠に止まらないように見えるクラスターギアを組み立てました。しかし被害者が家に帰って確認すると、それはゼンマイ駆動の偽物でした。最近の被害報告をまとめると、既に「水車型永久機関」、「振り子型永久機関」、「螺旋型永久機関」などの下位分類が出現しています。本手引き書はここでエンジニアと技術者に忠告申し上げます。世界の客観的な基本法則を脳裏に刻み込み、空想の産物に迷信しないでください、功を焦ると詐欺師の罠に落ちてしましまいます。

「万能カギ」

被害者 ニックが提供したケースです。詐欺師は「活性粘土」と「精密転写金型」を使い、彼に各種機械式錠のカギのコピーを見せました、そして被害者にベロブルグの経済安全を脅かす活動をするよう唆したのです。ニック本人はベロブルグ商会の南門でカギをコピーしていた時にシルバーメインに犯行現場を押さえられ、現在はベロブルグ三号監獄に収監されています。本手引き書はここで市民の皆さんに警告します。一時の貪欲で輝かしい未来を捨てないように、常に自分自身を戒めましょう。

「バイオニクス人形」

被害者 マンヤが提供したケースです。詐欺師は木製の人形と「バイオニクス フェイスパック」を使い、被害者の望み通りに彼女の身代わり人形を制作しました。しかし、その人形が有するエネルギーが膨大すぎたため、人形は被害者のイメージにそぐわない挙動をたくさん実行してしまいました、例えば市庁で夜明けまで残業、など。被害者は本人の人格が侮辱されたと表し、生活の原動力が打ち砕かれたとも訴えておりました。本手引き書はここで市民の皆さんに勧告します。仕事と生活のリズムをバランス良く調整し、詐欺師に利用されないよう、健康で文化的な人生を送りましょう。

「脳内劇場」

被害者 ヴェスカが提供したケースです。詐欺師は彼女の好みに合わせ、2枚の小型「インイヤーオルゴール」に『雪国冒険奇譚』のオーディオブックをインプットしました。しかし被害者によると、後半部分のシナリオは全部詐欺師が改ざんし、朗読していたのです。詐欺師ver.では全ての登場人物が非業の最後を迎え、被害者のメンタルに消える事のない影響を与えました。本手引き書はここで市民の皆さんに勧告します。バーチャル世界の白昼夢に溺れてはいけません、現実の生活を受け入れましょう。

他のケースは全て『ネイビーブルー詐欺ケースブック』に収録しています。今『ネイビーブルー詐欺防備大全』と同梱でたった1250シールドです。さらにネイビーブルー詐欺被害者の会が入念に編纂した『ネイビーブルー詐欺全面解析修訂版』の三割引きクーポンを1枚贈呈します。詐欺対策を推し進めるには皆さんの協力が必要不可欠です！

ベロブルグの全市民へ

御機嫌よう！

俺は上層部行政区レムスティーン家3代目当主候補ウォレス・ケトルバリー・レムスティーンだ。俺はずっとベロブルグ最古の行政区で生活し、教育を受けてきた。物心がついた頃から、七番街の全てはレムスティーン家の所有物だった、だから俺は幼い頃から孤独という最も恐ろしい猛獣と光栄な戦いをしていたのだ。俺は深く理解している、大いなる力には、大いなる責任が伴う、と。そしてこれも我がレムスティーン家の者が背負うべき悲壮な宿命なのだろう。

しかし俺は限界を感じた、山のように積み上がった邪悪な富が、俺の脊梁に這い上がる重たい空虚感と手を取り合い、俺を圧し潰そうとしている！今こそ、ベロブルグの全市民にこの罪な都市の影の守護者を公開する時だ——この俺、レムスティーン家3代目当主候補ウォレス・ケトルバリー・レムスティーン、孤独という巨獣に立ち向かう永遠の闘士、ベロブルグの影の守護者は、ここで全市民に呼び掛ける、俺と共にベロブルグの正義のために戦おうじゃないか！

光と正義への道には困難が続くであろう、だから俺は俺の仲間に下記の品性を求める——

1.友好的でポジティブな性格
2.大自然を愛し、芸術を愛でる
3.金銭という邪悪な悪魔に惑わされず、束縛されない確固たる信念
4.常人をはるかに超える強靭な意志
5.俺のように世界の平和を己が責任とする
6.俺のことを気軽にウォレスと呼べる

ベロブルグの子として、大守護者の意志の代行者として、私はベロブルグ シルバーメインへの加入を志願する。
シルバーメインの栄光の名の下、私はこの城壁の前で宣誓する。

私は常に準備をしている、人類最後の都市——ベロブルグを守るために
私はベロブルグに忠誠を誓う、私は建創者に忠誠を誓う、私は全市民に忠誠を誓う
私は勇敢、誠実、無私、忠誠を以て己を戒める

シルバーメインの軍紀を遵守する
シルバーメインの誓いを銘記する
守護者の命令に服従する
建創者の栄誉を守り抜く
前に進めばそこは明日
立ち留まればそこは戦線
後退したらそこは故郷

城壁が倒れぬ限り誓いは破れぬ
荘厳なる宣誓に背いた時
ベロブルグの法律、大守護者、そして全市民の断罪と懲罰を受け入れよう

このメモは裂界にかかってきた不思議な電話を記録するためのものである。

電話をかけてきた人物の名前は不明。
女性。声から40歳前後と推定される。やや年老いて疲れた声をしていた。

電話をかけてきた人物は「スコ」の2文字を持つ人物と口論しているらしい。
2人は夫婦と思われる。また、「スコ」の仕事が原因となり、家族関係は円満ではないようだ。

電話をかけてきた人物にはベアトリスという名前の娘がおり、誕生日は2月13日である。

以上がその時の通話で残された手がかりのすべてである。備忘録としてここにメモしておく。

• シルバーメインがまとめた事故報告書

【日時】

建創紀元685年2月15日

【報告書種別】

交通事故死傷報告書

【担当部署】

ベロブルグ交通管理部

【追跡調査責任者】

シルバーメイン都市巡回隊隊長――パティンソン・クーパー
ベロブルグ交通管理部職員――マリー・ブラッドリー

【事故の詳細】

建創紀元685年2月14日夜19時33分、ベロブルグ行政区繁華街で交通事故が発生した。
675年製造の「ブロンドウォール」ブランドの乗用車が走行中、道路を横断していた母娘に衝突した。

運転手は事故後、シルバーメインに連絡。
シルバーメインは現場に急行した後、2人の被害者のバイタルチェックを行った。
その結果、年長の女性はその場で死亡が確認された。
幼い少女は頭部に大きな傷を負い、ただちに病院に運ばれた。
本報告書作成時点では、深い昏睡状態に陥っている。
事故を起こした運転手は、捜査のために車とともにシルバーメインに留置されている。

2名の被害者の身元が確認された。
死亡した被害者の名前はアレシア・プリンス（38歳）重傷者はベアトリス・プリンス（5歳）
2月15日22時15分現在、シルバーメインは死亡した被害者の配偶者であるスコット・プリンス（40歳）と連絡を取ることに成功。
プリンス氏は普段は下層部で仕事をしている。
連絡を受けたプリンス氏が極度の動揺を見せたため、交通管理部が心理カウンセラーに連絡し、サポートを行うことにした。

今回の事故に関する問い合わせは、ベロブルグ交通管理部職員マリー・ブラッドリーまでご連絡ください。

今日もステファンさんがお喋りに来てくれた。とても嬉しい。

ステファンさんが初めて私たちの家を訪れたのは、半年くらい前のこと。最初は「建創者」を名乗る大人たちと同じように、お姉ちゃんに会うためだけに来たんだと思ってた。でもステファンさんは他の大人とは違って、私を空気扱いしなかった。それどころかずっと私に微笑みかけ、キャンディをたくさんくれたの。ステファンさんは私にもいくつか質問したけど、とても緊張してしまって、どう答えればいいのか全然分からなかった。それでも怒ったりしないで、「おとなしくていい子だね」って褒めてくれたの。

私が日記を書くようになったのもステファンさんのおかげ。ステファンさんは、「日記は女性にとっていい習慣だ」って言ってた。それから「日記を書くのは孤独なことだ。もし孤独を怖いと感じたら、日記を私に読んで聞かせてほしい」とも言ってくれた。

正直に言うと、日記を書くのはすごく大変なんだ。だって、私の周りにはおもしろいことなんて起きないから――この言葉はステファンさんには聞かせないよ。きっと傷つくからね。ステファンさんには傷ついてもらいたくないの。私がお姉ちゃんだったらよかったのにな。お姉ちゃんは何でもできるし、何でも分かってる。いつもおもしろい話をして、出会ったおもしろい人のことを私に話してくれる。

書いてから気がついたんだけど、私の日記って、ステファンさんに関することばかり書いてるよね。ステファンさんとの会話の内容を思い出してみたり、学んだことを記録してみたり、また来てくれるのを楽しみにしている気持ちを書いてみたり……

今日はステファンさんとたくさんお喋りした。ほとんどはステファンさんが私を慰めてくれていたんだけど。だって、他の子から、あの大人たちがお姉ちゃんを連れていこうとしているって聞いたの。すごく遠い場所に連れていくから、もうお姉ちゃんに会えなくなっちゃうかもしれないんだって。私、すごく怖い。だって、お姉ちゃんはこれまでずっと私の面倒を見て、守ってくれてたんだもの。お姉ちゃんがいなくなったら悲しいだろうし、今よりもっと孤独になっちゃうかもしれない。

ステファンさんは、そんなことにはならないって言ってくれた。それから「セリルもお姉ちゃんに負けていない」、「セリルも完璧な暮らしを送ることができる」って言ってた。私を慰めるためにそう言っているのは分かっていたけど、ステファンさんからその言葉を聞いて、心が温かくなったの。

ステファンさんは帰る時に青い石をくれた。その石はとても小さいけど、明るくてスベスベしているの。今まで見たことがないほどきれいだった。ステファンさんは、このプレゼントは私とステファンさんの約束の証だって言ってた。いつかステファンさんが私をこの小さな家から連れ出し、もっと快適な場所で何の制限もなく、自由気ままに暮らせるようにしてくれるんだって。

私はステファンさんを信じる。ステファンさんは他の大人とは違って約束を守る人だよ。今日の日記は長くなっちゃったな。この1週間で書いた日記をすべて足してもそれより長いから、疲れちゃった。もう遅いし、そろそろ寝なくちゃ。今日もお姉ちゃんは帰って来なかった。家には私しかいない。ステファンさんからもらったプレゼントを握りながら寝るんだ。そうすれば暗闇でも怖くないから。

セリルへ

最近いろいろと忙しく、君のそばにいられず、すまない。君に対する私の誠意は例え空間上の距離があったとしても、まったく揺らぎはしない。それを忘れないでほしい。困難に遭遇した時は、いつでも私に助けを求めてくれ。

セリル、今の君が気を張っているのはわかる。しかし、私が言ったことを思い出してもらいたい。表面的な勢いばかりがあって、中身が空っぽなものにビクつくことはない。君が自分の考えを貫き、私のアドバイスに従ってさえいれば、どんな反対や非難の声も一時的な雑音でしかなくなるだろう――計画のゴールへと近づくにつれ、そのような雑音は徐々に消え、やがては私たちが描いた絵の中に融け込んでいくはずだ。

十数年前、君と初めて出会った時のことをよく思い出すよ。あの時の君はまだ気弱な少女で、口数も少なく、自分に対してまったく自信がなかった。しかし、私は君の中に特別なものを見つけた――シリヤのような天才にもない稀有な素質だ。唯一無二の才能を見込んだからこそ、私はそばに残り、君にふさわしい、素晴らしい未来を築く手助けをすることにしたのだ。

君のお姉さんのシリヤだが、残念ながら行方については何の手がかりも得られていない。君にとって彼女がどれほど大切な存在なのはよく分かっている。だからこそ、今後も全力で捜索を続けるつもりだ。十数年経っても何の進展もないが、それでも私は希望を捨てたくはない――だから君にも軽々しく諦めてもらいたくはないのだ。

最後に、もう一度心から忠告させてもらう。君のそばにいて白黒をひっくり返すような投機家を信用してはならない。私がいない間、彼らは必死になって君に近づき、その思考をコントロールしようとするだろう。強固なバリアを構築し、常軌を逸した雑音はすべて遮断するのだ。セリル、覚えておいてくれ。君は私だけを信じていればいい。私は絶対に君には嘘をつかない。

君の最も誠実な友人、
ステファンより

セリル――後世では「愚者」セリルと呼ばれる――はベロブルグ第八代目の大守護者だ。

セリルはベロブルグ上層部郊外の生まれだ。幼い頃に両親を亡くし、1歳年上の姉シリヤとひとつ屋根の下で助け合いながら暮らしていた。セリルの子ども時代の生活については、あまり記すべきことはない。一方、姉のシリヤは幼いころから非凡な賢さを見せ、早くから語学、数学、論理学など数々の分野で驚くべき才能を発揮していた。

シリヤは11歳の時に集団選抜試験に合格し、正式に「大守護者」の継承者として選ばれた。しかし、建創者がシリヤの住まいをクリフォト城に移そうとした前夜に、彼女は忽然と姿を消した。数日にも及ぶ捜索の甲斐はなく、彼女は見つからなかった。建創者の中にはシリヤの捜索を諦め、改めて継承者の選抜を行うべきだと主張する者もいた。だが、当時の内務大臣ステファン・マルクーゼは再選抜の実施に断固として反対し、シリヤの実の妹セリルを「大守護者」の継承者とすることを強く主張した。

ステファン・マルクーゼは、セリル、シリヤ姉妹と長く触れ合う中で、妹が姉に劣らないほどの才能を持っていることに気づいたと述べた。また、前任の大守護者が死去してから間もないこともあり、継承者選びが遅れれば遅れるほど、ベロブルグの政局の安定に影響を及ぼすことになるとも。内部で激しい議論が行われ、建創者は最終的にステファンの提案を受け入れ、セリルを「大守護者」の継承者とした。

歴史が証明しているように、セリルが後継者になったのは内務大臣ステファン・マルクーゼが入念に用意した政治的な罠だった。建創者たちは、セリルが姉のシリヤと比べて極めて凡庸であり、社交性すらないことをすぐに見抜いた。そして、セリルの在位期間中、内務大臣ステファン・マルクーゼは力を大きくし続け、その派閥はクリフォト城における絶対的な発言権を掌握した。さらには過酷な徴税を実施する法令を数多く公布し、その結果、「愚者」セリルの称号が民の間に広まった。この「傀儡」の大守護者とその側近に対する人々の不満は日増しに高まっていく。

セリルが即位し14年目、建創者内部のレジスタンスはステファンとその一派を打倒する計画を秘密裏に進めていた。レジスタンスはシルバーメインの戍衛官を味方につけ、軍事演習の名目でセリルとステファンをシルバーメイン禁区に誘い込み、その機に乗じて反乱を起こすことを計画した。

軍事演習当日、大守護者セリルは予定通り出席した。しかし、レジスタンスはステファン・マルクーゼの姿を見つけ出すことができなかった。戍衛官はこの状況を利用し、シルバーメインの部隊を派遣して、禁区の軍事施設を視察する大守護者を護衛するかのように装った。そして隙をついて、開いていた武器ケースに彼女を押し込んだ。シルバーメインは夜闇に紛れてベロブルグの北の果てへ向かい、気を失った大守護者の入っている軍需品箱を崖の上から突き落とした。

レジスタンスはベロブルグで三日三晩にわたる捜索を行ったが、内務大臣ステファンの行方は掴めなかった。今日に至るまで、世間一般では、第七代大守護者の死とシリヤの失踪はいずれもステファン・マルクーゼの政治的陰謀によるものだと見られている。この見解について、ベロブルグの歴史家は未だ確たる証拠を掴めていない。

——建創紀元前1000年前後、またはさらに前の時代
・ 建創者、スターピースカンパニーの貿易専門担当者、知識を求め流れる博識学会などの異星文明がヤリーロ-VIに出現し始め、惑星の原住民と交流するようになった。

——建創紀元前30年前後
・ 「星核」と呼ばれる不明の物質が惑星の表面に落下。
・ 「星核は滅亡の兆し」などの終末論がヤリーロ-VIの各文明の間で流れる。この論調に影響され、恐怖故に大量の人が星を離れる。
・ 偉大なる建創者アリサ・ランドの指揮の下、建創者たちは惑星の各所で避難所を建造し始めた。アリサ・ランドが建造を主導した都市は後に「ベロブルグ」と呼ばれ、竣工の都市は建創紀元元年と称される。

——建創紀元前20年前後
・ 反物質レギオンがヤリーロ-VIを侵略し、避難所は次々と落ちる。
・ 戦線はまだ完成していないベロブルグの城下まで押し込まれ、都市は戦争状態を宣言。
・ アリサ・ランドの指揮の下、30年に渡るベロブルグ防衛線が始まる。

——建創紀元元年前後
・ ベロブルグ竣工。
・ アリサ・ランドの先導の下、星核はベロブルグ民衆の集団意識に呼応し不安定状態になる。そして惑星を席巻する猛吹雪がやってくる。ヤリーロ-VIは氷河期に入り、反物質レギオンの侵攻を牽制した。ベロブルグは「存護」の力に守られ、寒波の影響を受けなかった。
・ ベロブルグの民は都市を災害から守ったアリサ・ランドを「奇跡を引き起こす人」と呼び、彼女をベロブルグの「大守護者」に推戴した。

炉灰ポスト：第1号
最近、筆者は『鉱区ウィークリー』にお役所的な説明や、非常識な言い回しなど、心配になる記述が増えていることに気付いた。おそらくクリフォト城からシールドを受け取ったのだろう。全作業員が包括的、客観的で多様な情報を得られるようにするため、筆者はあえて小紙を設立し、最近の大きな出来事に対して論じていくこととする。更新は毎月不定期に行う。

【今号のテーマ：カンパニーの援助に関して】
否定できない事実として、ベロブルグは自力で再建の重責を果たすことはできない。カンパニーの援助が必要だ。この事実を否定する者はいないだろう。しかし、それと同時にカンパニーの重要性も過大評価されている。一部の人々はカンパニーを天から来た救世主と見なし、黒ずくめの人々が善意で私たちを助けているのだと考えている。筆者はここでその誤解を正しておきたい。

現在までのところ、たしかにカンパニーは提供サービスに対する費用を一切請求していない。しかし、これは彼らがそこから何も利益を得られないということを意味しているわけではない。秩序とは最大の資産であり、その所有者は非常に多くのものを容易に手に入れられる。王は働かずして最高の食べ物を享受できるが、農民はその関係を維持するために苦労しなければならない。そのため、彼らの労働は秩序の中でしか見返りを受けられないのだ。

すべての人々を支配しようとする野心は、往々にしてすべての人々を救う善意に偽装される。星間市場とリンクするようになった我々は、会社の秩序によって形作られ、口座の中の信用ポイントを追い求めるようになる。その時、私たちは地下の鉱脈をすべて掘り尽くし、体内の血液を一滴残らず流しきって、そこでようやく一部の地域がスマホに表示される素晴らしい生活を享受できるようになるだろう。私たちは感激や喜びに浸ってはならず、警戒心と冷静さを保ち続けなければならない。

一方で、カンパニーはよそ者である。ヤリーロ-VIはごく普通の小さな惑星に過ぎず、夜空に浮かぶ無数の星々と特に違いはない。しかし、私たちにとって、ヤリーロ-VIは唯一の故郷なのだ。もし、カンパニーに過度に依存してしまうと、ベロブルグは手を引かれて歩く子どものようになってしまう。表向きは元気に動き回れるが、引かれている手が放されると、両足の軟弱さが露わになるだろう。

現在の支援の流れが集まり、私たちの子孫を溺死させるほどの大河となることを絶対に許してはならない！ヤリーロ-VIと外界とのギャップはたしかに存在するが、決してなくせないものではない。本当に銀河の中で尊厳を持った一員になりたいのであれば、他人に従属するのではなく、自分の道を歩み出さなければならない。

作業員諸君、学ぶのだ。真似をするのだ。素晴らしきをもたらすものすべてを探すのだ。それこそが、未来の子供たちが星々と肩を並べて立ち、その輝きの陰でひそかに涙を流さずに生きていく唯一の方法だ。

『鉱区ウィークリー』
第226期 建創700年█月█8日

【吉報――造物エンジンプロジェクトに大きな進展】
大守護者ブローニャ・ランドの優れた指導のもと、造物エンジンの修復作業は大きく進展した。小紙発行日時点で、エンジン部品の採掘作業は75%完了しており、今後の工事の重点は原材料収集と部品製造に移っていく。

人手不足、技術の退化、資金不足の3つの大きな障害に直面しながらも、全作業員は強い意志と不屈の精神によって、品質を保ちながら任務を果たし、ベロブルグの人々の故郷を再建するという信念と覚悟を星の内外に示した。遠くない将来、造物エンジン「建創隊」はヤリーロ-VIの独自の風景となることだろう。

【『エーテル戦線』がスマホ市場を席巻】
統計によれば、スターピースカンパニーが開発したゲーム『エーテル戦線』のダウンロード数はすでに█████に達しており、ベロブルグで最も人気のあるスマホアプリになっていると言える。平均すると█人に1人は『エーテル戦線』のプレイヤーだ。『エーテル戦線』は、各作業チームにとって昼休みの人付き合いの重要な手段となっている。エーテル体収集は、子どもたちが外へ遊びに出かける主な目的にもなっている。

匿名希望の熱心なプレイヤーは「このゲームを始めてまだ3日だけど、合計プレイ時間はもう80時間に達してる。本当にすごく面白い！」と語る。作業員の皆さんには、ゲームの時間を適切に配分し、バーチャルデータが現実の生活に影響を及ぼさないように注意していただきたい。

【エネルギー協力がヤリーロの未来を照らす】
先日、スターピースカンパニー戦略投資部総監トパーズ氏より提起されたエネルギーアップグレード計画が大守護者から正式に承認され、ベロブルグ領内で全面的に実施されることになった。修復作業が順調に進行する中、スターピースカンパニーの出向社員が各作業員と協力して地髄燃焼技術を改善し、その効率性と安全性を高めることになっている。今回の取り組みはベロブルグ市民の生産生活を保障するだけでなく、造物エンジン修復作業にも新たな原動力をもたらしている。

※しわくちゃになった紙。ゆがんだ手書きの文字がびっしりと書かれている。※
これは漆黒のフック様が残した『エーテル戦線』の大いなる被秘けつだ。ここに書かれている通りにすれば、いつの日かお前もエーテル戦線マスターになれる！

• 相手のエーテル体の弱点を見つけて戦うこと。

• エーテル体をよくほめること。

• 実力が互角の相手を見つけること。

• 攻げきに気付いた時は、大声をあげてエーテル体に回ひさせること。

• 端末をきれいにデコる。できれば地随ずい鉱を使うこと。

• モグラ党のフック様に出会った時は、「漆黒のフック様」と叫ぶこと。

• エーテル体を151体集めること。

• ふっ金きん運動を毎日100回すること。

どれも効果がないなら、「漆黒のフック様」の名前を10回心の中で唱えて、毎週水曜日にモグラ党にスノウキャンディーを1袋けん上すること

※ベロブルグで突如流行し始めたファンタジー小説で、未来人が巨大マシンを使って怪獣と戦う物語。ここは第1部最終章からの抜粋である。※

戦闘エンジンパイロット、またの名を「鋼騎」は、等質量の黄金よりも価値ある存在だ。彼らは山のように巨大なマシンを操縦し、恐ろしい敵から銀河を救っている――しかし、そんな英雄になる前に、候補者である少年少女たちは、宇宙の中心にある鋼騎訓練キャンプへ行き、地獄のような厳しい訓練を受けなければならない。そして卒業前の最後の試練は、実戦訓練で勝利することだ。

「できないと言ったらできないよ。僕に頼んでも無駄だって」
少年は黒髪の下のメガネを押し上げ、残念そうにため息をついた。
「塗装が広範囲にわたって剥げ落ちているし、左腕、胸部の装甲、メインカメラもなくなり、さらには動力炉まで激しく損傷している。爆発の一歩手前だよ…よく生き残れたね。それに肩の機関銃の銃身が溶断してしまっているけど、どういうこと？オーバーヒート防止装置を取り付けてあげたよね？」
「えっ…取り外しちゃったの。断続的に撃ってたんじゃつまらなくて。それに、オーバーヒートで機関銃がロックされてる時、目の前に急に敵が現れたらどうするの？」
少女は身振り手振りで示しながら、生き生きと説明した。少年は彼女の揺れるロングヘアーを見つめていた。黒く、躍動し続ける髪の毛は、いつも彼の視線を釘付けにする。
「それなら機関銃にこだわらなくてもいいじゃないか。君は白兵戦に精通したパイロットだろう…とにかく、5日以内に修理するなんて絶対に不可能だよ。僕は君の専属整備士じゃないんだし、他の仕事も抱えているんだから」
少年はそう言うと、背を向けて立ち去るそぶりを見せた。しかし、何歩か歩き出しても引き留める声が聞こえてこなかった。彼が振り返ると、ちょうど狡猾そうに笑う少女と目が合った。
「つまり、相談の余地はあるってことね？」
「いや…そうじゃなくて、僕はただ……」
「お願い！整備班のキミ！」
少女が顔を近づけてきた。琥珀のように輝く瞳が再び彼の視線を奪う。
「…分かったよ。だけど、条件がある」
「何でも言って！」
少年はしばし間を置き、少女のパイロットスーツに記されている個人情報を指さした。
「名前――それってただのコードネームでしょ？僕は君の本当の名前が知りたいんだ…それにもう僕のことを整備班のキミと呼ばないでほしい。初対面の時に自己紹介したはずだよね。君も僕の名前をしっかり覚えて」
「Tan-ny」
「えっ？」
「私の名前だよ。うーん…あなたたち仙舟の言葉ではどう言うの？」
「うーん…タンニー？いや、デニー…もっと違うな」
少年はうつむいて考え込んだ。しばらくすると、彼は生き生きとした様子で整備用スタンドに登った。
「君は自分の残りの人生を黎明星に捧げるつもりでいる。それなのに、彼らが君に用意したのはこんなポンコツだったのか？たしかに正真正銘の現役マシンだけど、あまりにも貧弱だな…パーツも完全には揃っていない」
劉金は顔をあげ、その戦闘用エンジンを見つめながら顎に手を当てた。
「どうせ帰るつもりだったし、タダでもらったと思えばいいよ…あっ、そうだ。君も仙舟人だったよね？その模様が文字なのか見てくれないかな？どう言う意味なのかな？気になっていて」
「うん……」
劉金はその肩のプレートの模様を見つめ、何と書かれているのか見極めようとした。
「たぶん…『タニー』と読めるよ」

乗客安全注意事項

乗客の皆さま、スターピースツアーをお選びいただき、ありがとうございます。皆さまの安全のため、旅行中は以下の事柄について了解ならびに順守していただきますようお願い申し上げます。

1
本装置はスターピースカンパニーが開発ならびにメンテナンスを行っているシャトル装置です。技術的な原理は機密事項ですので、外部の方に旅行の具体的なプロセスを漏らさないようにご注意ください。技術開発部は本条項の最終的な解釈権を有しています。

2
本シャトル装置は安全性が高く、正式に運用を開始してから現在に至るまで重大な事故は起きていません。星間ネットワーク上で中傷目的で意図的に流されている不正確な情報を信用しないようお願いいたします。故意に流言を拡散した場合、スターピースカンパニーは『星間名誉保護法』に基づいて責任を追求する権利を有します。

3
シャトル装置には座席を設けておりません。旅行の途中で揺れや、目まいを感じた場合は手すりにつかまり、重心を低くしてください。わずかな体の不調でクルーを混乱させないようご配慮ください。ご質問がある場合はご署名いただいた『免責に関する声明』をご確認ください。

4
技術的な特性により、シャトル装置にはトイレ、喫煙室を設けておらず、食事も提供いたしません。旅行開始までに個人的なニーズを適切に処理し、旅行中は水分の摂取、または食事をしないようにご注意ください。

5
必要な場合を除き、キャビン後方の非常口を開かないようご注意ください。緊急時には、操作員が非常口を開放します。その際はクルーの指示に従い、脱出手順を順守してください。脱出時は個人の財物に執着しないようお気を付けください。

スターピースカンパニーの従業員は統一された制服を着用しています。他の服装を着用した不審者がスタッフになりすまして話しかけてきた場合は、彼らの指示に従わず、ただちにクルーにご連絡ください。

6
皆さまの旅行体験のために、目的地となる惑星の環境、文化などの関連情報を事前に確認し、現地の人々との衝突や環境への不適応が起こらないようにしてください。スターピースツアーは、旅行の過程に関係ないトラブルについては一切責任を負いません。

安全注意事項に関する内容は以上です。ご旅行をお楽しみください。

※印刷された借用書。例として掲示されている。※

借用書
私、█████は、ヤリーロの記念品を購入するため、現地人であるラウドから50シールドをお借りしました。
カンパニーの信頼に関わるため、本借用書を作成し、信用ポイントが発行され次第ただちに返済します。
█月█日

その下にはスターピースカンパニーの電子印鑑、および借金が返済されたことを示す赤いチェックマークが記されている。

【部品の位置】足
【バージョン】第7次改訂版
【変更内容】
1. 強固な構造にするため、巨大ドライブギヤをさらに追加する。型番は███と████。詳細は右下にある。
2. 本来は冷却に用いていた水道管を蒸気吸収方式による散熱に変更。部品上端に排気ダクトを追加。接続方法は検討の余地あり。
3. 動力を確保するため、部品の下部に地髄エンジンを2つ追加する。
【今後の改善方針】
1. 本部品が動作している時に動力コアを傷つけないようにするため、地髄エンジンに防護板を追加する予定。これは後方支援部が調達する必要がある。
2. 防護板に追加の自重が生じるため、さらなる地髄エンジンを追加する予定。

フレームの周りには、さまざまな人からの改善提案の意見が貼られている。

意見：ギヤが大きすぎるのでは？
回答：大きい方がいい。
意見（追加）：ギヤが多すぎるのでは？
回答：多い方が美しい。

意見：排気ダクトは動きを阻害するのでは？
回答：そうは思わない。

意見：これは足に見えない。むしろ煙突か何かのように見える。この「膝」は曲がるのか？
回答：今後追加する。

意見：鉱山への転職を考えたことはあるか？
回答：今のところ考えていない。
意見（追加）：考える必要もない。君のプロジェクトは明日、他の者が引き継ぐ。採掘機に慣れておいてくれ。

ヤリーロ-VIのスヴァローグ殿へ

私の名前はスクリューガムと申します。貴方がいらっしゃる星から遠く離れたスクリュー星の出身です。この遠隔メッセージは私の思いつきで送らせていただいております。不躾かもしれませんが、どうかご容赦ください。

私はスターピースネットワークのライブ配信サービスを通じて、今回の「星間決勝フェスティバル」を観戦しました。誤解しないでいただきたいのですが、エーテル戦線というゲーム自体はあまり面白いと思いません。星核ハンターの旧友にしつこく誘われなければ、貴重な時間を観戦に使うこともなかったことでしょう。しかし、今回の観戦は私に想定外の喜びをもたらしてくれました――ヤリーロ-VIという惑星に関心を抱かせてくれたのです。正確に言えば、その観戦によって私は、貴方の星の「ケイ素生命体」の萌芽とも言える兆しに注目したのです。

ほとんどの文明において、ケイ素構造は工具としてのみ存在しています。貴方のいらっしゃる世界でも、現地住民はその考えに同意してくれることでしょう。しかしながら、銀河には「生体」と定義できるケイ素構造も確かに存在しているのです。そして少数の文明は、そうした「ケイ素生命体」によって構築され、支配されています。私の故郷であるスクリュー星もその1つです。

はたしてどのような奇跡の洗礼を受ければ、ケイ素構造体が「生命」としての進化の火を燃やせるのか――これは私が長年に渡って研究してきた課題の1つです。そして今、ヤリーロ-VIという星では、何らかの変化が起きています。その変化はゆっくりでありつつも、美しいものです。私は楽しみにしております。いつの日か、小さな進化の火が燎原の勢いで集結し、私と貴方が「兄弟」と呼び合えるその時を。

謙虚な「天才」の友人、
スクリューガム