アーカイブ/キャラクター/桂乃芬

Last-modified: 2024-02-24 (土) 01:29:35

縁あって仙舟に留まっている殊俗の民。今は情熱的な大道芸人である。
本名は「グィネヴィア」。「桂乃芬」は友人の素裳がつけた仙舟の名前だ。
「羅浮」での新しい人生を前に、桂乃芬は仙舟文化に対する情熱によって、瞬く間に生計を立てるための得意技——逆立ち麺食い、胸元で岩砕き、素手で銃弾つかみなどを身に付けた。

  • ストーリー詳細1

はいは~い、聞こえる?リスナーのみんな、こんばんは!けいちゃんの配信へようこそ~

「ビッグフラワー_49886」さん、コメントありがとう!「けいちゃん、どうして半月も配信しなかったの?もしかしてサボってる?」まさか!実は最近リアルで色々なことがあってさ~…でも確かに配信は久しぶりだよね。ごめんね~リアルで面白いことにあってさ、また今度シェアするね。

さて!今日はタイトルにもある通り——「演芸の夜!けいちゃんが仙舟の演芸を披露!」

最近、雑技はオフラインのほうが向いてる気がして、演芸のライブ配信をやってみようと思ったんだ。今日はそのテスト配信って感じかな。もし気に入ってくれたらフォローとリポストよろしくね。投げ銭やプレゼントをくれた人は、配信中の抽選に参加できるよ!

「ミルミルク」さん、コメントありがとう!ミルミル久しぶり~なになに、「大丈夫、けいちゃんの配信なら何でも見るから」?ミルミル最高!今日は最後まで配信を見ていってね!チュッチュ~

コホン…声の調子を整えて…なまむぎなまごめなまたまご…よし、それじゃあ歌っていこうかな!今回の数来宝は、けいちゃんが自分で書いたんだよ~

……

金人巷に来るのは久しぶり、ここは復興ですっかり様変わり。
あるものは姿が変わり、でも景色は昔と変わらない。
近所の人は皆元気、お年寄りも皆生き生き。
今日は珍しく板の音が鳴り、観客たちにも楽しんでもらいたい。
拍手と歓声で盛り上げて、観客が巡鏑を投げたら開演させて。
神君が賊や災いを追い払った話、帝弓の神矢が穹桑を折った話、今日はどれも語らない。
じゃあ語るのは何の話?金人巷の素敵な少女、けいちゃんがどこから来てどこへ行くのかという話。

……


  • ストーリー詳細2

幼いグィネヴィアにとって、護国公の邸宅と、その前に広がる栄えた街が世界のすべてだった。

先生たちが言うには、彼女の家系の歴史は古く、その邸宅も数琥珀紀の歴史があるという。しかし、邸宅には歳月の痕跡などまったく残っていないように見える。その邸宅は時間の法則から独立して、この家族を永遠の平穏と美の中で守っているかのようだった。

父親は長兄、次兄、長姉に政治教育を受けさせた。この星の未来を彼らの中の誰かに託したいと考えていたからだ。一方、グィネヴィアと他の弟妹たちに対しては…この平和な楽園の中で、穏やかで幸せな人生を送ってほしいとしか望んでいなかった。

グィネヴィアは父親を愛していた。政敵を前にした父は、尾に針を持つヘビのように恐ろしい。それでも、娘の前では大きくて暖かい山ウサギのようだった。

彼女の記憶の中にいる父親は、彼女のためにどんなことでもしてくれた。彼女の盛大な誕生日パーティーでは、ヒロインのグィネヴィアに斬られる地霊を演じたことさえある。このような権臣の子供の誕生日パーティーには政敵も参加するものだが——父親は彼女を喜ばせるためなら、他人の評判など一切気にしていなかった。

その後、グィネヴィアは成長した。そして彼女の耳に風の噂が届くようになった——父親が王権を有名無実化している、忠臣を陥れている、欲深くて満足することを知らない…彼女はそれが政敵の流した嘘であると信じたかったが、すべてが嘘ではないことを知っていた。

しかし、その程度のことはすぐにどうでもよくなった。

反物質レギオンが大挙して押し寄せてきたのだ。父親は王都を守るため、軍を率いて一歩も譲らなかった。父親の訃報が届いた時、グィネヴィアは気を失ってしまった。そして再び目を覚ました時、彼女は飛行艇の中に押し込められていた。弟妹たちは横で咽び泣き、長兄と長姉は縄できつく縛られている。次兄は仕方なさそうに、「まだ縄をほどいてはダメだ。2人とも意地でも逃げようとしないから」と言った。

グィネヴィアが舷窓の外を見ると、母親が甲冑を身に着け、上昇していく飛行艇に背を向けながら、座して死を待つことを拒んだ家臣たちを指揮していた。少し離れたところでは、ヴォイドレンジャーたちが護国公の邸宅を破壊している。さらに遠くでは、街全体が燃え、黒く焼け焦げた死体が泥のように散らばっていた。

幼いグィネヴィアにとっての世界、そのすべてが銀河から抹消されたのだった。

……

あたしは遠くの朝廷キャメロットの出身、兄弟姉妹は12人。
日々の暮らしは楽しく平安、なのに燼滅禍祖が開いた戦端。
父さん母さん武器を持って戦った、でもレギオン強くて家も国も失った。
長兄、弟妹連れて各地を漂泊、やがてカンパニーの鉱星に漂着。
生き残るために屈辱に耐え、厳しい環境で病に倒れ。
苦労人の長兄、見た目は怖いが心は綺麗。最後は盗賊になるしかない、銀河の中で暴れ回る兄。
彼は商人だけを剥ぎ、民家を襲うことはない。人々は称える、彼は貧者や弱者を救う在野の英雄。
彼は数百人の貧者を率い、山を占領して王を名乗り、あたしたち弟妹を養った。

……


  • ストーリー詳細3

子供の頃、父親はよくグィネヴィアに「人は名誉を守りながら生きるべきだ」と言っていた。しかし、「ホンボルト-σ」で名誉を守りながら生きられる者などいるのだろうか?

それは荒れ果てた惑星。原始的な藻類、菌類、地衣類によって、かろうじて動物が生存できる大気環境が維持されているが、その劣悪な環境を生き延びてきた原始生命体の中で、人間の脅威とならないものはほとんどなかった。

スターピースカンパニーがこの惑星の隠された鉱物資源を発見していなければ、誰もここに移住しようとはしなかっただろう。

グィネヴィアはこの不毛の星で少女時代を過ごした。

彼女は友達付き合いが上手く、他の子供たちとの関係も良好だった。貧しい家の息子、亡命者の娘、博徒の弟、殺人犯の妹…グィネヴィアは出自を気にしない。どんな家庭の出身であろうと、この星では誰もが明日まで生き延びられる保証がないからだ。

この地に対するカンパニーの管理は厳しいものではなかった。負債や罪を抱えた者でない限り、税金さえ払っていれば、カンパニーも労働者の自由を制限することはない。ただし税金を払った後の彼らは、街の酒場で1杯の酒を買う余裕すらないこともあった。

故郷にいた頃、父親は家族の中で最も頼りになる存在だった。しかし、父親も故郷も存在しない今、家族の面倒を見る役目は唯一の年配者である「石壁騎士」に回ってきていた。故郷から逃げる時、母親はこの忠実な老騎士を子供たちと一緒に脱出させ、自分は故郷に残って荒野の最後の塵埃と運命を共にしたのだ。

老騎士は父親の最も親しい遊び仲間であり、最も勇敢な戦友であり、最も忠実な家臣でもあった。そして今は…子供たちにとって、もう1人の「父親」となったのである。グィネヴィアは最後まで彼の本名を覚えられなかった。彼女は「石壁おじさん」という、老騎士のもう1つの名前のほうに馴染みがあったからだ。

十数人の飢えた子供たちによって、ただでさえ困窮していた懐事情はさらに悪化した。ある晩、口論の末、石壁は3人の兄と姉が自分と一緒に鉱山へ行くことを渋々承諾した。しかし、グィネヴィアがいくら懇願しても、彼女が同行することは認めなかった。

夜が明けるたびに、彼は老い、やつれ、憔悴していった。肺は治らない傷で埋め尽くされ、かつてのように背筋を伸ばすこともできなくなった。力強くハンマーを振り回していた両手は、今やスプーンを持つこともできないほど曲がっている。

ほどなくして、彼は死んだ。

石壁が崩れた。夜明けが来る前に、音もなく崩れてしまった。砂浜の砂の城が打ち寄せる波によって消えていくように、冬の枯れ枝が風で静かに落ちるように、それが定められた結末であったかのように。

そして——石壁の外に広がっていたのは、雨と風と氷だけの世界だった。

兄たちが星間海賊になったのは、それからまもなくのことだ。グィネヴィアは満腹になるまで食べられるようになったが、薄々感付いていた。今の自分が父親の教えに背き、さらに不名誉な人生に向かっていることを。

そのため、カンパニーの兵士たちがグィネヴィアに手錠をかけ、弟妹たちと一緒に雲騎軍に引き渡した時、彼女は安堵の息をついたのだった。

仙舟人はとても優しいと言われている。彼女は、雲騎軍なら自分たち家族の体面を守りながら死なせてくれるだろうと思った。

……

頭に血が上った長兄が仙舟の商船を襲う、誰が予想できただろう?
仙舟人は剛直に悪を嫌い、それは時に嵐のように激しい。
長兄は賊として討たれ降参、あたしたち弟妹だけは許してほしいと将軍に懇願。
討伐軍の将軍心優しく、一家を仙舟へ連れ帰る。
長兄の命を救い、あたしたち弟妹の生計まで慮り。
弟妹たちは学宮で文字の読み書き学ぶ、ここの悠ねえはあたしに技を仕込む。
技を学んだら高飛びするよう長兄勧める、でも恩を仇で返せば「恥知らず」の誹りは免れず。
この金人巷であたしが才能を開花させ、貧しかった少女が名声と利益を手に入れることになるなんて、誰が想像できただろう?

……


  • ストーリー詳細4

「ごめんごめん。途中で怪我をした人がいて、ちょっと遅れちゃった…あ、けいちゃん、まだ歌ってたんだ。じゃあ静かにしてるね」

「あ、すーちゃん!みんなに紹介するね。今日のサプライズゲスト、雲騎軍の天才新人——素裳さんだよ!さあみんな、『ようこそ素裳さん』って弾幕流して~」

「こ…こんにちは、アタシは素裳…じゃなくて、『天才新人』って何!勝手に変なこと言わないで。上の人に知られたらイジられちゃうじゃない」

「すーちゃん、ちょっと待って。まだ数来宝の最後のところが残ってるの。ふふ、ちょうどいいところに来てくれたね~まさにすーちゃんに関する内容なんだ!」

……

その後あたしに忍び寄る悪党登場、幸い女傑が現れ相手を掃討。
さて、この度胸ある女傑は誰でしょう?それは後のあたしの親友、李素裳、その人である。
それ依頼、羅浮で一匹狼だったあたしに女傑の仲間ができた。
しかも満員の観客たちがいて、あたしの公演を楽しみにしてくれている。
短い公演では帰ろうとせず、熱烈なアンコールが押し寄せる。
でもけいちゃんの話はあまりに退屈で長い、年単位で話さないと終わらない。
今日の話はこれでおしまい。続きを知りたきゃまた今度!

……

「すごいすごい、みんな、早くけいちゃんに拍手して!それと、そんなことあったっけ?」

「シエン先生から、英雄が美女を救うような出会いが好まれるって聞いて、こういうふうに書いてみたの。もし気に入らないなら…あっ!『ネコもふ使令8190』がたくさん諦聴をくれた!太っ腹~!」

「太っ腹!…どんなふうに書いても大丈夫だよ!けいちゃんが書くものは何でも面白いから」

「わかった。さて、すーちゃんもようやく来たわけだし、前から準備してた2人の共演をリスナーたちに見せてあげよう。ほらすーちゃん、墜子琴こっちに。あたしが『騰驍、大蛇を斬る』の一節を歌うよ!」

「その部分は難しいと思うけど……」

「うん、業界に詳しい人なら知ってるかもね。この『騰驍、大蛇を斬る』には演奏と歌と殺陣があるから、1人では演じられないって」

「だからアタシを呼んだんでしょ!それで、どうやって演じるの?」

「それなら簡単~今日あたしが演じるのは、国を守り、武勇無双の先代羅浮将軍――騰驍!」

「じゃあアタシは?」

「すーちゃんは斬られる大蛇を演じて——蛇の妖怪め、どこへ逃げた?この剣を~受けてみるがいい~」

「うわっ、痛い…桂乃芬!よくもやったね!」