明るく元気な女の子。持明族の「啣薬の龍女」であり、腕利きの名医でもある。
「お湯をたくさん飲むように」、「一晩ぐっすり眠れば治る」など、医者らしくない治療法を提案することが多い。
人が苦しむ姿を見ていられずに、治療の時は決まって目を瞑ってしまう。
——とにかく病気が治ればいいじゃろ!
- ストーリー詳細1
「丹鼎司医案治療綱要・四十八巻・例一千二百四十六
主治医:白露
患者:月追(狐族)、女性、62歳
症状:殊俗の民が販売するチョコレートを誤食。
いくら水を飲んでも喉が渇く。
全身、特に腹が痛む。
息切れ。尻尾の毛が抜け落ちる
診断:食中毒
処方:苦参1銭、生甘草1銭1分、五谷玉液1瓶、『飲食禁忌の常識』1冊
用法:苦参と生甘草を五谷玉液で水分が半分になるまで煎じ、濾過したものを吐くまで飲む。
『飲食禁忌の常識』を500回書き写し、その内容を心に刻むように
一言:典型的な食中毒。
臓器の軽度の病変は龍涎により治療済み。
処方通りに薬を飲んで嘔吐を促し、毒物を吐き出せばよい。
強い肉体を持つ長命種ではあるが、狐族がチョコレートを食べられないのは常識じゃ!!!
それから、症状が軽い患者を長く待たせる必要はない。
直接わしを起こして構わん!
あと…もっと重い病に罹った患者を寄こせ。
わしの才能を無駄にするつもりか?」
- ストーリー詳細2
「丹鼎司医案治療綱要・七十三巻・例五百八十二
主治医:白露
患者:錦余(持明族)、女性、13日と2時間
症状:患者は数ヶ月で脱鱗してしまう。
その成長速度は通常の持明族の約100倍
診断:脱鱗異常。
非常に稀で、1万人に1人もいない
処方:薬はない。
お湯をたくさん飲むように
用法:なし
一言:確かに難解な症状じゃ!これはわしには治せん!
持明族の脱鱗転生の仕組みは今なお解明されておらん。
長い生命の中で受けた損傷を修復するために輪廻があると考える医士もおるが、この患者の状況は明らかにそれに反しておる。
彼女の血液と髄液を調べ、透影虫を飲ませて大脳も詳しく検査したが、病変部は見つからなかった。
はあ、生命とは本当に奇妙なものじゃのう。
老化や死を免れても、長命種が病気から完全に解放されることはないのじゃろうな。
わしの体も同じじゃ。
角が生えてから…もう6、7年は経つというのに、一向に背が伸びん!
きっと、あの嫌な龍師長老たちに毎日見張られとるせいじゃ!
子供は外に出て遊ばねば、体も成長せんじゃろ!
この医案を見た医士、いつになったらわしは外に出られるんじゃ!
わしは別に悪党ではない、なぜそんなに警戒する必要がある!
本当に腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ」
ページの下のほうに、あかんべえをする龍の角が生えた顔が描かれている。
- ストーリー詳細3
「丹鼎司医案治療綱要・百二十八巻・例三十九
主治医:白露
患者:景元(仙舟人)、男性、年齢不詳(十王司なら知っておるじゃろ)
症状:息切れ、傾眠、眠すぎて目が開けられない。
今回の問診は定期再診
診断:神策府での座りっぱなしが原因
処方:茎ニンニクの豚バラ炒め1皿、パリパリキュウリの辣子鶏1皿、フナ風味の肉炒め1皿、陳婆豆腐1椀、仔豚の香ばし焼き1頭、狩原毛峰1杯
用法:とにかく食べること。
満腹で苦しくなれば、消化のために外に出て運動したくなり、ちょうどいい気分転換になる
一言:将軍は毎年問診に来るんじゃが、『息切れ』とか『眠すぎて目が開けられない』とか、適当な理由をつけて体を検査したいだけなんじゃ。
将軍の気の流れは健康そのもの。
奇妙な症状も、魔陰の身の兆候も感じられぬ(この件は十王司が管理しておるが、わしが再度確認してやった)。
わしが思うに、ずっと閉じ籠っておることに嫌気が差したんじゃろうな。
そうでなければ、いつも砂糖漬けなどを持参して座って雑談を始める説明がつかん。
わしの最近の調子はどうかとか、夢は見ているかとか、食事は取っているかとか…
わしよりも将軍のほうが医者みたいじゃ。
じゃが、将軍とのおしゃべりも悪いものではない。
あの老いぼれどもと違って威張らぬし、冗談を言うのが好きで、よく出征で赴いた世界の話をしてくれる。
外の世界は素晴らしいのう。
はあ、わしだって医館に閉じ籠るのではなく、剣を携えて天下を旅したい……」
- ストーリー詳細4
「龍師各位
星暦████年█月█日、白露様の定期検診の簡単な記録は以下の通りです——
龍尊様の体は相変わらず成長していません。
発育の遅れは持明族によくあることですので、これは特に不思議ではないでしょう。
私は体の成長の停滞よりも、彼女が夢を見ないことを心配しています。
歴代の龍尊たちは『重淵の珠』と『龍化妙法』を継承した後、夢の中で龍祖の往事を追体験していました。
そして潜淵閣が復唱の書き起こしと注釈の追加を行い、現在までに膨大な量の関連文献が残されています。
それらの夢は断片的で理解や解釈は難しいですが、我々が不老不死に近づく唯一の方法であることは間違いないでしょう。
しかし、白露様はこのような経験をしたことがありません。
このことから、もし『龍心』が損なわれていないのであれば、『龍化妙法』が完全に施されていない可能性が考えられます。
それから、龍尊様はすでに雷を呼び、水を操る力を発現させています。
その力が暴走して『飲月の乱』の惨事を繰り返さないよう、一族の職人に再度『尺木の鎖』を作るよう命じ、龍の尾に装着しました。
また数ヶ月前、曜青の『天風君』から龍尊様の様子を尋ねる手紙が届きましたので、長老たちの方針に従って返事を書きました。
具体的には、まだお若い白露様には龍師の補佐が必要である。
成人の儀が終われば、龍師は『飲月君』の尊号を奉上することになる…といった内容です。
拝具 龍尊近侍 雲悠」