アーカイブ/キャラクター/銀狼

Last-modified: 2024-02-11 (日) 17:45:34

宇宙をひとつのゲームと見なしているスーパーハッカー。
どんなに厄介な防御システムでも、銀狼はいとも簡単に解除してしまう。彼女と「天才クラブ」のスクリューガムのデータ攻防戦は、今やハッカー界の伝説となっている。
宇宙には、あといくつのステージがあるのだろう?銀狼はとても楽しみにしている。

  • ストーリー詳細1

彼女は、毎日ジョイスティックを動かして遊ぶ。
店員が1人しかいないファーストフード店。地下室を改装して造られたゲームセンター、数台の古いゲーム機、これが彼女の幼少期のすべてだった。

彼女には、合法な名前も身分を示すIDもない、あるのはただ女主人が彼女につけたあだ名だけ。
彼女には友人のいなかったが、決して孤独ではなかった。
彼女は『ポーン』が好きである。2本の横線、1つの光点、最も簡単な卓球ゲームである。彼女は、これを1日中でも遊べた。
彼女は『チャリオット32』が好きである。格子で描かれた星空の中、異なる8つのカラーブロック、ルールは1つだけ——どんな方法で1位になってもよい。
彼女は『ジオメトリー・ウォーズ』、『オデュッセウス』、『スターチーター』も好きである。これらのゲームのスコア記録には、ユーザーが残した天文学的な数字が多く残っている。

彼女は、毎日ジョイスティックを動かして遊ぶ。
そして、ある日、全ての記録に1人の名前だけが残った。

だから、彼女はジョイスティックから手を放し、ガランとした地下室を振り返った。
ここで休憩する人は多いが、残る人は少ない。
ここを離れる人は多く、戻ってくる人は少ない。
彼女は瞬きをしてから、画面を消した。

その夜、ファーストフード店の唯一の店員は女主人に別れを告げ、離れた人の1人なった。
「地下室」という名前のゲームは、この日終わった。


  • ストーリー詳細2

彼女は西に突き進み、大荒原を突き抜け、スクラップ山にたどり着いた。
仕事を見つけようとしたが、一匹狼だったため様々な困難に遭遇した。
パンクロードでは、人々は仲間を作って仕事をする。1人で何かをする人は、生き残れない。

仕方なく、彼女はバーチャルの仲間を作った。
1人目の名前は、もちろん「トモダチ」だ。
2人目は「魔王」である。街角でポスターを見た時に思いついた名前だ。彼女の想像の中で、「魔王」は言葉を失った軍人である。
突然、彼女はこのパーティは仲が良く、現実味に欠けると思った。だから、3人目には「低所得者」、4人目には「奴隷」という名前を付けた。
最後の1人は「幼稚園児」である——理由はない。創作意欲が尽きたのだ。長い間迷った末に、彼女はリストから最後の1人を消した。
彼女は、残った「仲間」をAI武器に保存した。そうすれば、彼女は仲介人の前で、もっともらしく自分の巨大なパーティを紹介することができた。

彼女は、望み通り最初の仕事を得た——その仕事のリスクは、報酬と同じぐらい想像を超えるものであった。

パンクロードでは、人々は仲間を作って仕事をする。1人で何かをする人は、生き残れない。
だから、1人で生き残った人は、伝説となる。

24システム時間後、彼女はスラグ団の拠点から出てきた——1人で、正面から出てきたのである。
仲介人は、黙って彼女を見てから空を見上げ、最後に振り返り、金塊を1箱地面に投げ捨てた。
「スクラップ山」という名前のゲームは、この日終わった。


  • ストーリー詳細3

彼女は虹の都市で最も高いビルの頂上に立っている。ここから彼女の生まれた場所が見えるのだ。
店員が1人しかいないファーストフード店。地下室を改装して造られたゲームセンター、数台の古いゲーム機。彼女は覚えている、それが彼女の幼少期のすべてだった。

彼女は自分が『ポーン』を好きだったのを覚えている。2本の横線、1つの光点、最も簡単な卓球ゲームである。彼女は、これを1日中でも遊べた。
ちょうどその時、ドローンの群れの赤い光が夜空に一直線に広がった。ドローンの群れは彼女に襲い掛かり、1台また1台と地面に墜落していった。

彼女は自分が『チャリオット32』を好きだったのを覚えている。格子で描かれた星空の中、異なる8つのカラーブロック、ルールは1つだけ——どんな方法で1位になってもよい。
ちょうどその時、カラフルな色によってサイバー空間は8個に分かれ、各組織の人々が広場でいいねを押した。それは、どんな対価を支払ってても成し遂げたい、ただ1つの目標——「銀狼」を捕まえるためである。

彼女は自分が『ジオメトリー・ウォーズ』、『オデュッセウス』、『スターチーター』を好きだったのを覚えている。あれらのゲームのスコア記録には、ユーザーが残した天文学的な数字が多く残っていた。
ちょうどその時——いや、今までとは何かが違う……
追跡不可能。は?「追跡不可能」って?

彼女は虹の都市で最も高いビルの頂上に立っている。ここから彼女の生まれた場所が見えるのだ。
彼女は、傍にもう1人立つことすらできない、高い場所に立っていた。
それでも、彼女は頭を上に向けて、更に高いところを見た。見えた星空は、とても近かったが、触れられないほど遠かった。

「ほんと、つまらない」
「虹の都市」という名前のゲームは、この日終わった。


  • ストーリー詳細4

彼女は椅子の上に立って、アーケードゲーム機の画面を拭いていた。円を描いて、何度も何度も、まるで1回で1粒の埃しか拭けないかのように。
彼女はあのファーストフード店、あの地下室に戻っていた。ドアを開けると何も変わってなかった。女主人が彼女のためにすべてをそのままにしていたのだ。

ピンク色の光が画面の上に広がった。まるで都市の虹のようで、彼女はあの夜にみた星空を思い出した。
彼女は初めてあのビルの頂上に登った人でも、あの星空を眺めた人でもない。
彼女は「ゼロ」の物語を知っていた。ネット戦争時代で最も偉大なハッカー、最も恐ろしいプレイヤー。スターピースカンパニーの護送船を家の前に呼ぶためだけに、第一次世界ネットワークダウンを引き起こした。
彼女は「先哲」のことを考えた。エーテル編集技術の創造者、死者を自分の名にした怪人。星を離れるために彼は喜んで肉体を捨て、黒域に攻め入り、星間ネットワークの中を永遠にさまよう幽霊となった。
彼女は「ロックソード」のことを考えた。スクラップの山の誇り。彼はオアシスゾーンに反抗した物語は大荒原でよく知られている。彼は最後に巡海レンジャーの後を追い、銀河で反逆の火花を散らしているという人もいる。
そして彼女が好きな「ツインスネークス」、オアシスゾーンのインフルエンサーである。彼女の行方に関しては様々な論がある。人々は、身分が彼女とロックソードを別れさせることはできなかったが、銀河が2人を最終的に別れさせたことしか知らない。

パンクロードで「伝説」と称されるハッカーは同じ終点にたどり着く。
そして今の伝説である彼女は、自身もその終点の前にいることをわかっていた。

コツコツ…彼女の頭上から足音が聞こえ、それは徐々に近づいてきた……
1人、2人、3人、4人。
1人は男、1人は女、1人はロボット、最後は……
彼女は座ってから振り返り、ガランとした地下室を見て、ドアの傍にいる人を見た——

「加入するよ」 
「パンクロード」という名前のゲームは、この日終わった。