//コピペするのはここから
|CENTER:218|CENTER:80|CENTER:80|CENTER:80|CENTER:80|c
|>|>|>|>|~No.355|
|&attachref(装備カード一覧/weapon355.png,nolink,67%);|>|M4A1 DD|>|上陸用舟艇|
|~|>|>|>|~装備ステータス|
|~|~火力|+2|~雷装||
|~|~爆装||~対空||
|~|~対潜||~索敵||
|~|~命中||~回避|-1|
|~|~射程||>|BGCOLOR(#ccc):|
|~|>|>|>|~装備可能艦種|
|~|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):駆逐艦|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):軽巡洋艦|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):重巡洋艦|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):戦艦|
|~|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):軽空母|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):正規空母|水上機母艦|BGCOLOR(#ccc):COLOR(#ddd):航空戦艦|
|~|>|>|>|~備考|
|~|>|>|>|開発不可、改修不可、[[入手方法>#HowtoGet]]&br;一部艦船((水上機母艦及び一部の駆逐、軽巡、特殊艦艇のみ搭載可能。))のみ装備可能|
|>|>|>|>|LEFT:米国で開発され、数多くのバリエーションと共に量産された代表的中戦車「M4」シリーズ。&br;その初期改良型をベースに紅茶の国が防水スクリーンと推進プロペラを装備した水陸両用戦車が、&br;シャーマンDDと呼ばれたM4A1 Duplex Driveです。&br;海上からの上陸反攻作戦に投入されました。|
*ゲームにおいて [#about]
-2019/08/31実装。
-装備の分類としては[[大発動艇]]や[[大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)]]と同じ上陸用舟艇。装備可能艦もこれらに準ずる。
--[[特大発動艇+戦車第11連隊]]同様、遠征での獲得資源増加、資源マスでの資源増加の補正はない。
---大発系装備は遠征画面において装備状況が表示されるが、この装備のみ表示されない模様。
&br;
-見た目からか、この装備のことをダンボール戦車と言うことも。
**入手方法について [#HowtoGet]
#fold(過去の入手方法){{
過去の入手方法
-2019年 夏イベント『[[欧州方面反撃作戦 発動!「シングル作戦」]]』[[E-2>欧州方面反撃作戦 発動!「シングル作戦」/E2]] 甲作戦 突破報酬
-2019年 12月[[作戦報酬>情報倉庫#PastRewards]] (1位~5位)
-2020年 8月[[作戦報酬>情報倉庫#PastRewards]] (1位~5位)
-2023年 5月[[作戦報酬>情報倉庫#Rewards]] (1位~5位)&color(Teal){★+1};
}}
**対地特効補正について [#AntiGround]
||>|>|>|>|CENTER:50||c
|~ |>|>|>|~&color(#e63900){乗算補正a};|~&nobr{キャップ後};&br;補正|~補足|h
|~|~&nobr{ソフト};&br;スキン|~&nobr{砲台小鬼};|~&nobr{離島棲姫};|~&nobr{港湾夏姫};|~&nobr{集積地};&br;追加|~|h
|~&nobr{1積み};|×2.156|×5.04|×4.536|×4.76|×2.04|上陸用舟艇カテゴリの装備を''本装備のみ''積んだ場合の倍率。&br;他の上陸用舟艇を同時に搭載した場合の計算式は[[こちら>対地攻撃#AllBonusTable]]を参照。|
||CENTER:||c
|~ |~&color(#229){加算補正b};&br;&nobr{全陸上型共通};|~補足|h
|~&nobr{1積み};|+35|[[特大発動艇+一式砲戦車]]、上陸支援舟艇([[武装大発]],[[装甲艇(AB艇)]])と同時に搭載した場合、特殊倍率により乗算される。&br;計算式の詳細は[[こちら>対地攻撃#AGBonus]]|
集積地追加のみキャップ後補正、他は火力値にかかる補正。
補正のかかる正確な位置・計算式については[[対地攻撃>対地攻撃#AGCalc]]を参照。
&br;
-搭載可能な艦は限られるが、''非常に優秀な補正を持つ陸上特効装備''。
--特筆するべきは''対[[砲台小鬼]]・[[離島棲姫]]・[[港湾夏姫]]時の補正。''4.5倍を超える強力な乗算がかかる。
--集積地追加補正は二つ目の[[大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)]]にも劣るやや低めの倍率。
[[6-4>中部海域#area4]]や[[7-5-2>南西海域#area5]]のような他陸上型のついでで相手できる個体ならまだしも、近年よく見るHP4桁の個体に対しては力不足。
-特に優秀な陸上特効装備4種(本装備、[[大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)]]、[[特大発動艇+戦車第11連隊]]、[[特二式内火艇]])の性能比較については、[[こちら>大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)#f8d9ab6c]]の折り畳みも参照。
-単体で極めて強力な補正を活かした、夜戦連撃運用を検討したい。
--火力70の駆逐艦の場合、本装備を乗せた夜戦連撃火力は対ソフトスキン:約223、対集積地:約455、対砲台小鬼:約634、対離島棲姫:約423。
---対砲台小鬼は中破かつ連撃不発でも火力約370で夜戦キャップを超過する。対離島棲姫は中破でも約296。
//使用駆逐艦によっては中破夜戦キャップ到達も十分可能。
//--火力約100で対ソフトスキン時の夜戦連撃キャップに到達可能。''火力約48で対離島棲姫時の夜戦連撃キャップに到達可能。''
-対集積地セットの一角としての使用には向かない。
優秀なキャップ前補正が効果を発揮しきれない上、対集積地キャップ後補正もやや薄め。
キャップ前補正が欲しい&tooltip(超低火力艦){[[火力28>秋津洲改]]でもキャップ到達が現実的なのでこれ未満};でもなければ、素直に[[陸戦隊>大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)]]を積み増そう。
-分類は上陸用舟艇なので、[[大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)]]、[[特大発動艇+戦車第11連隊]]などと同時に装備すると互いに最大効果が出なくなる。
**性能比較表([[装備最大値/大発系装備早見表/テーブル]]より転送) [#iec3ffa2]
#table_edit(装備最大値/大発系装備早見表/テーブル)
*小ネタ [#trivia]
-元ネタはM4シャーマンDDという水陸両用戦車。アサルトライフルではない。イラストではハリボテのようなことになっているが実際も水上航行時はこんなのだった。''[[実車の写真(スクリーンを降ろした状態)>https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6e/DD-Tank.jpg]]''。
-DDとは英軍が上陸作戦用に用意した、水陸両用化した戦車。のちに米軍もノルマンディー上陸作戦で海岸の要塞を攻略するために投入した。
-珍兵器的な扱いの本装備だが、銀幕では雄姿も披露している。かの『史上最大の作戦』である。
(上陸さえすれば)活躍したかも・・・と思わせてくれるので、愛のある方はご覧いただきたい。
#fold(詳しい説明 長いよ){{{
詳しい説明 長いよ
-「DD戦車」(Duplex Drive tanks)とも。図鑑説明にあるDuplex Driveとは「複合駆動」を意味するが、
現場のアメリカ兵達はしばしばドナルド・ダック(Donald Duck tanks)とも呼んだ。
#fold(何、ドナルド・ダックだと? (完全に余談)){{
何、ドナルド・ダックだと? (完全に余談)
こう呼ばれたのにはただ水陸両用というだけではない理由がある。
-元々、''ドナルド・フォントルロイ・ダック''の本業は職業軍人(合衆国海軍)に設定されていたのだ((アメリカ・カートゥーンって子供向け……と思われるかもしれないが、元々カートゥーンそのものをひとつのジャンルとして作っていたのはディズニーだけで、他社のものは主に長編映画で手掛けでフィルムを交換していた時代、その待ち時間用に制作されたものだった。だから見ていたのは大半が大人である。純粋に子供向け作品となるのは戦後、テレビが登場してからである。))。
--旧版『Duck Tales』(邦題『わんぱくダック夢冒険』)では、甥の三つ子(ヒューイ、デューイ、ルーイ)の面倒を彼が見ていたが、空母乗組の辞令が出たため、今度は自分の伯父(三つ子から見て大伯父)であるスクルージ・マクダックに預けるということになっているのである((更に蛇足だがこの1987年版『Duck Tales』のシーズン1は、ディズニー本体ではなく外注であり、なんと制作会社は日本の東京ムービー新社(現 トムス・エンタテイメント)である。))。
--このため大戦中はプロパガンダ映画にも出演し、ヒトラーをぶん殴ったり、日本の潜水艦と一戦交えたりする作品が、フィルムとして現存している。
--ちなみに、親友のはずのあのネズミは、生来のぼんぼんであり、この大戦では兵役拒否しやがったとか。
この為、当時から存在しているアメリカ・カートゥーンやアメリカンコミックの主役達がたいていこういう過去がある((後にアメリカ3大カートゥーンとなり日本のアニメに多大な影響を与えた3作品の内、ワーナー・ブラザーズの『ルーニー・トゥーン』(日本では“バッグス・バニーと仲間たち”として有名)や、メトロ・ゴールデン・メイヤーのカートゥーンシリーズ(後の『トムとジェリー』)にもプロパガンダ作品はある。))のに対し、やつはきれいな身である。
-最もこの設定、後々いろいろ問題になったのか、2017年のリメイク版『Duck Tales』(日本では地上波未放映)の製作に際してこの設定はごっそり削られてしまい、ドナルドが三つ子を預ける理由が「職探しのため」という、なんとも冴えないものになってしまっている((ついでにこのシリーズではスクルージが「金離れもいい半隠居の元冒険家」にされており、元々『クリスマス・キャロル』の主人公に由来してつけられた名前の通りのケチな因業老人という一面は跡形もなくなってしまっている……こういうのって日本だけじゃないんだな。))。&color(Silver){どこの国にも余計なことを言う人間はいるようで……};
}}
-開発経緯としては、上陸作戦において敵前上陸を行う歩兵は攻撃に脆弱であり、それを支援する為に戦車を用いるのが基本だった。
しかし戦車の揚陸手段は揚陸艦などで直接戦車を海岸に揚陸するのでは恰好の標的になる恐れがあった為((実際にノルマンディー上陸作戦はもちろん、サイパンやペリリュー、硫黄島等の太平洋においても集中砲火を喰らい多くの損害を出している。))、自力で海岸から発進して上陸する戦車の開発が進んでいた。
--その「シャーマン」に底面のシーリング、推進プロペラ2軸、浮航用の布製スクリーン取り付け等を行った車両である。既存車両を改造したものだが、外付けキットを装着しただけではない。
---本来の名称はどのタイプのシャーマンでもシャーマンDDである。
-そもそもDD戦車は英国の発祥である。シャーマンDDは米国産戦車を英国が改造したのを米国が興味を持ち、ノルマンディー上陸作戦で米国も運用したという%%わけのわからない%%複雑な経緯を持つ。
ちなみにM4A1DDは米軍では使っておらず、代わりにM4A2を改造したM4A2DDを使っていた。
--シャーマンDDは水上ではスクリューで前進する。速度は水上でおよそ7.4km/h、操舵は操縦兵と戦車長の両方が行えた。特に上陸後にすぐさま射撃体勢に移れる点が評価された。ちなみにLVT(A)1や特二式内火艇と違い、構造上水上航行中に撃つとスクリーンに空いた穴から浸水するため水上航行中の射撃は禁止されていた。
---ノルマンディー上陸作戦時は各上陸地点によって結果は様々であったものの、激戦で知られるオマハ・ビーチ((ブラッディ・オマハ、つまり『血塗られたオマハ』であり、プライベートライアンなどでも映画化されている。))へ上陸した第741戦車大隊と第743戦車大隊のシャーマンDDは設計(60cm)を超える波(1m)により殆どが水没し、上陸に成功した車両は29両中わずか2両。このため後続は海岸へ直接揚陸されることになった。
ただ乗員には呼吸装置や救命筏を持たせていたので大半の戦車兵は味方の上陸用舟艇に救助され、沈没による死者は5名となっている。
---失敗の原因は発進地点が遠すぎたこともある。沖合5kmなので計算上では上陸するまでに最大速度の7.4km/hでも40分前後掛かる。第741戦車大隊は第二派の発進に際して上陸部隊にもっと沖合から近い場所から発進するよう警告している。&color(Silver){そしたらLCTを直接海岸に座礁させてシャーマンDDを上陸させることになりました。};
-問題点としてはそもそも30tを超える戦車を改造した程度なので、操舵性能が非常に悪かったのと波に弱い点。&color(Silver){戦闘力では劣るが安定して水上航行・上陸できるLVT(A)1や日本海軍陸戦隊の特二式内火艇の方がマトモな水陸両用戦車に思えてくる。};
--上陸さえできれば強力な火力支援を行えるが、そもそもたどり着けなければ意味がない。その為ノルマンディー上陸作戦後は米軍内部ではこれらDD戦車への興味を失い、代替手段を探した。
その結果は潜水渡渉装置を付けてLCTで浅瀬まで運んだあと発進、そのまま上陸するタイプが投入された。特に上陸作戦が多かった太平洋戦争では一度もシャーマンDDは使われておらず、代わりにこれら潜水渡渉装置装備のシャーマンが投入された。
---ちなみに米海兵隊では上陸作戦時の兵員輸送に適した海兵隊のアムトラック(LVT)を改造したLVT(A)1、LVT(A)4などのいわゆるアムタンクの方が配備・運用されていたのでシャーマンDDを装備することは一度も無かった。アムトラックは元が災害レスキュー用の水陸両用車両の為、同じ装軌車両でも元が陸戦専門の戦車よりも水上運用適性が高かった。
---ただしアムタンクは見た目に反して防御がかなり脆弱((砲塔正面は38mmだが、車体は12mm~6mm程度。))であり、敵防御火砲が健在な状況での強襲となったサイパン島や硫黄島と沖縄では多くの損失を出すことになってしまった。
---サイパン島で第2海兵師団の戦車の揚陸が遅れており、海岸橋頭堡を第2水陸両用車大隊のLVT(A)1と第6海兵連隊が守備していたが、そこに戦車第9連隊第4中隊(吉村成夫大尉)の九七式中戦車改(新砲塔チハ)数両が歩兵第40連隊第3大隊基幹編成の河村大隊を含めた約1000人で反撃に出た。防御の脆弱なLVT(A)1は対戦車戦闘を行うが多数が撃破され、機甲戦力を失い矢面に立たされた第6海兵連隊は35%の死傷者((WW2当時の米軍では攻勢時に歩兵連隊が30%を超える損害を受けた場合、限界損耗率を迎える…つまり戦力的に限界であると基準がある。))を記録して水際まで追い込まれるものの、揚陸された後続の対戦車砲や無反動砲の支援でなんとか押し戻した。戦車第9連隊第4中隊と河村大隊はこの戦いで壊滅し残存兵力は後退、吉村中隊長も戦死している。
}}}
-M4A1 DDは、現存車両がイタリアのラティナにあるPiana delle Orme博物館に展示されている。この車両は南フランス進軍に向けサレルノで訓練中に事故で沈み、2002年に引き揚げられた。
*M4シャーマンについて。 [#a3adf365]
#fold(M4シャーマンの概要 長いよ (手っ取り早く把握したい方は簡潔にまとまっている''[[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/M4%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A]]''の一読を推奨。)){{{
M4シャーマンの概要 長いよ (手っ取り早く把握したい方は簡潔にまとまっている''[[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/M4%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A]]''の一読を推奨。)
-M4中戦車はアメリカが1942年2月より量産が始まった。それまでのアメリカでは1940年に生産が始まったM2中戦車が1939年に勃発した第二次世界大戦の戦訓からM2中戦車の能力不足は明らかだった。
その為大口径砲と全周旋回砲塔を装備した戦車を計画した。&color(Silver){しかし当時のアメリカでもそんな技術は無く、代わりに砲塔にM2中戦車と同じ37mm砲を、75mm砲を車体にケースメート方式で搭載したM3中戦車を先に開発した。};
--完成したM4中戦車は攻守走バランスの取れており、&color(Silver){M4A4やM4A6を除いて};整備も簡単で信頼性は高い、そして誰でも操縦できる簡単な操作性…と陸軍では高評価だった。どれくらい高評価と言うと陸軍地上部隊のトップであるAGF(陸軍地上軍)がM26重戦車の配備を渋るほど。((最もこれは単にAGFが無能だったのではなく、運用コンセプトの問題。要するにM4中戦車は数が揃えやすく、ドイツ軍が多数配備するIII号やIV号中戦車に対し優れており、どうせVI号重戦車タイガー1も一部の精鋭部隊に配備されていないのだからそいつらの対処は高機動高火力の駆逐戦車に任せれば解決する、という考え。また、V号中戦車パンターがIV号中戦車の後継として配備される頃にもAGFはこのパンター中戦車をタイガー1重戦車と同じく少数配備と勘違いしており、駆逐戦車で対処する構想だった。ただし実際にはパンター中戦車は各師団に配備されており、しょっちゅう出会う相手となった。))
---ドイツ軍ではパンターやティーガーを東部戦線に優先して配備しており、西部戦線に対する数的主力はほぼ最後までIV号だった。そもそもIV号自体がシャシーとしてM4並に優れており((元々IV号戦車はIII号戦車部隊の指揮用として開発された。その為T-34ショックの後直ちに対応できる車両としてシャシーに冗長性があった。))、北アフリカ戦線で登場した長砲身7.5cm砲搭載のIV号F2型は装甲は50mmの垂直装甲だが、強力な主砲故に長距離からM4中戦車を撃破できるので、前線部隊ではIV号F2を''「マークIV・スペシャル」''と呼んで恐れた。しかしAGFでは1000ヤード以内ならM4の75mmでも撃破できるとしてこれといって対抗兵器の開発を指示しなかった。また敵対したドイツ軍の陸軍兵器局のレポート((Jentz, Thomas (1997). Germany's Tiger Tanks Tiger I & II: Combat Tactics. Atglen))によれば、M4はを30°旋回させた状態ではタイガー1に搭載されたKWK 36 L / 56 8.8cm戦車砲はほとんどが弾かれるというレポートも存在しており、意外にもM4中戦車の装甲は硬かった。同レポートには上記と同じ条件で四号戦車に搭載された43口径75mm KwK 40やパンターに搭載された70口径75mm KwK 42 L/70を射撃する場合、100mまで接近する必要性があると書かれている。もっとも、実際の戦闘ではそう上手くいかなかったが。((M4は車高が高いので視界は良いが反面敵に発見されやすく、太平洋戦線やヨーロッパ戦線においてジャングルや森など視界の悪い場所で巧妙に擬装された対戦車砲はかなり脅威であり、アメリカ陸軍の調査レポートによれば側面は400mで日本の一式四十七粍速射砲や一式四十七粍戦車砲撃ち抜かれた。))
--最初に実戦投入されたのは北アフリカ戦線。イギリス陸軍にレンドリースされた車輌と米国参戦後のアメリカ陸軍の車輌がドイツ北アフリカ軍と戦った。ドイツ軍のIII号やIV号に対して有利に立ち回った。しかし、IV号F2が登場し始めてから遠距離から撃破されることも増えた。反攻作戦ではタイガー1やパンターが投入されるとM4中戦車は単純な性能では劣勢であり、大きな損害を受けつつも戦車で包囲して側面攻撃を行ったり、駆逐戦車の支援、長砲身76mmを搭載した火力強化型や重装甲型のシャーマンジャンボを投入して対抗した。他にも諸兵科連合による作戦行動という米軍のドクトリンに従い、チームワークでこれらを撃破していき欧州戦線の勝利に貢献した。
--太平洋戦争での配備は遅く、1943年からだった。スティーブン・ザロガの著書、『Sherman Medium Tank 1942–1945.』によると元々太平洋では欧州と違いジャングルが多くて機甲戦が起きるような環境ではなかったのと、地形上日本軍戦車のように重量が軽い方が運用が簡単という結論に至ったとのこと。その為それまではM3軽戦車が多く配備されていた。しかし日本軍との戦闘でM3軽戦車では不十分であると米軍内で結論付けられ、M4中戦車に交代することになった。日本軍はドイツ軍と比べ、中国大陸での戦闘を考慮したドクトリンだったので機甲戦力は劣り、対戦車火器は不足しがちだった。日本陸軍の主力中戦車だった九七式中戦車改や九五式軽戦車と比較し、M4中戦車はほぼ全ての面で凌駕していた。特にサイパン島の戦いでは反撃に出て海兵隊員を蹴散らしていた日本陸軍の九七式中戦車や九五式軽戦車を撃破し、多くの日本軍戦車兵を驚嘆させた。太平洋戦争では歩兵の火力支援に積極的に投入され、日本軍陣地に激しい砲撃を加えて歩兵を支援した。しかし太平洋戦争全体を通して見ればM4中戦車は一方的な戦いができたわけでは無かった。というのも日本軍はサイパン以後は戦闘詳報を基にM4中戦車の弱点を正確に把握しており、待ち伏せ攻撃や側面から攻撃を仕掛けたり、主砲と履帯を破壊して無力化を図る戦術を採用した。性能では勝るはずのM4中戦車は格下であるはずの九七式中戦車改や九五式軽戦車、果ては砲兵の反撃、地雷や歩兵の肉薄や自爆攻撃により多数が撃破されている。だがここでも被害を顧みずにチームワークを駆使しつつ次々と日本軍を撃破し、太平洋戦争を勝利に導いた。
#fold(特に(M4中戦車にとって)激戦となった嘉数の戦い){{
特に(M4中戦車にとって)激戦となった嘉数の戦い
-特にM4に対する日本軍の有効な反撃として有名なのは沖縄戦序盤、1945年4月19日のいわゆる「嘉数の対戦車戦」と呼ばれる戦いである。当時嘉数リッジ(嘉数高地/70高地)には日本軍第62師団独立混成旅団(藤岡武雄中将)、独立歩兵第13大隊(原宗辰大佐)基幹の戦力が陣取っており、米軍は4月8日から第24軍団(ジョン・R・ホッジ少将)指揮下の第96歩兵師団歩兵第383連隊(エドウィン・T・メイ大佐)を中核に第27歩兵師団(ジョージ・W・グリナー少将)など2個師団以上の兵力と航空、海上支援で猛攻撃を加えたものの壮絶な消耗戦となり、主攻だった第96歩兵師団は被害甚大で再編のため後退するなど膠着状態に陥っていた。そこで第27歩兵師団第193戦車大隊A中隊のM4シャーマン中戦車20両に第713火炎放射戦車大隊B中隊第1小隊のM4火炎放射戦車4両、M7プリースト自走砲6両を加えた部隊を投入、別方面から進撃している第27師団第105歩兵連隊(ウォルター・S・ウィン大佐)第1大隊と共同で対戦車兵器の乏しい日本軍を一掃し、一気に嘉数を制圧、そのままハクソー・リッジ(前田高地/浦添城跡)へ進出しようと試みた。ところがこの動きは日本軍にほぼ正確に把握されており、まず嘉数陣地に設置された機関銃の猛射で第105歩兵連隊第1大隊の前進を許さず戦車との合流を阻止した。第105歩兵連隊も無策だったわけではなく、第2大隊、第3大隊も投入し嘉数陣地を半方位し突破しようと試みたが失敗に終わった。そして歩兵と合流できず単独で侵攻した戦車隊は巧みに配備された対戦車地雷及び独立速射砲第22大隊(高橋巌大尉)の一式機動四十七粍速射砲により一方的に数両が撃破((随伴歩兵がなく視界が悪いため隠蔽された機動砲の位置を特定できなかった))される損害を受け三方向を日本軍陣地に囲まれている嘉数集落へと誘い込まれた。ここで山砲により先頭と最後尾が撃破され、そして独立歩兵第272大隊(下田直美大尉)による破甲爆雷((九九式破甲爆雷。いわゆる磁気吸着爆雷))や刺突爆雷での肉弾攻撃((爆弾背負った特攻兵による自爆攻撃と解説されることが多いが、人が背負える爆薬を工夫もせず爆発させたところでエネルギーの大半が無駄になり大した損害は与えられない。その程度で撃破できるなら対戦車地雷などわざわざ開発する必要がないのである))が開始された。随伴歩兵がなく視界が悪い上に身動きが取れない戦車隊は次々と撃破された。動けない戦車には日本兵が群がりハッチから手榴弾を投げ込むなど凄惨を極め、中隊から大隊本部へ助けを求める平文が送信された。結局なんとか脱出できたのはM4シャーマン2両と集落には突入せず待機していたM7プリースト6両の合計8両のみ。突入前に機動砲や地雷で破壊された車両を含め22両が撃破され、陣頭指揮を執っていた第193戦車大隊長も行方不明となる大損害となってしまった。しかし同日、第106歩兵連隊が手薄になった北方向から牧港川を渡河して侵攻、こちらを守備していた独立歩兵第21連隊を蹴散らし拠点の確保に成功した
}}
---最終的に決戦となった沖縄戦だけで約400両のM4シャーマンが投入され、その約半数が撃破されている。
-そんなこんなでとうとう1944年12月にはバルジの戦いでようやく戦力的に不利であることに気付いたAGFはM26パーシング重戦車の投入が決定される。だが配備が間に合わずヨーロッパ戦線でも太平洋戦線でも活躍は限定的なものに終わった。
--AGF自身が新型重戦車の導入を拒み続けた…というのが日本ではよくネタにされる。が、実際はAGF内部でも新型重戦車導入を推進する者は居た。しかしAGFのトップが砲兵出身のレスリー・マクネア中将であり、彼は砲兵畑には明るいが戦車についてはあまり先進的とは言えず、駆逐戦車の導入を主張し、重戦車の導入には反対していた。実はこの人も対戦車戦は機動高火力の駆逐戦車が行うという米軍の機甲戦ドクトリンを提唱した1人だったりする。&color(Silver){駆逐戦車の運用についてはそれなりに良かったんだけどね。};そんな彼だがAGFの司令官をベンジャミン・リア中将に交代したあと、ノルマンディーの戦いで前線視察を行う。しかしフランスのサンロー市で味方のB-17の誤爆により戦死してしまった。
---そして戦車運用戦術に良い意味で影響を与えたジョージ・パットン中将はM26重戦車の火力と防御力に満足したけど機動力では不満足したという。もっとも、パットン将軍は騎兵出身故に戦車運用に関しては優秀だが技術面ではあまり明るいとは言えなかった。&color(Silver){ちなみにパットン将軍の最期も自動車事故というあんまりなものである。};
-「M4A1」はアメリカ陸軍のM4中戦車「シャーマン」のサブタイプのうち、コンチネンタルR975空冷星形エンジンを戦車用にデチューンして搭載、車体上部を全鋳造としたもの。丸みを帯びたスタイルで最も見分けがつきやすいタイプであろう。生産開始も実戦投入も全タイプ中一番乗りとなっている。英軍にも供与されたが、こちらでは「シャーマンII」が制式名となる。76mm搭載型や後期型では湿式弾薬庫((簡潔に述べると被弾による衝撃でグリセリン不凍液が弾薬庫内にぶちまけられ、この不凍液が火災から弾薬を護り、誘爆リスクを下げたもの。))を装備した。
--ちなみに他にも溶接式を採用したでM4A1と同じ空冷星型エンジンを積んだM4中戦車がある。こちらは生産途中からM4A1の鋳造式車体の正面部分を合体させたハイブリット型なるものもある。
---しかし搭載したエンジンが練習機に使うことになり、供給不足を危惧した米軍では代わりのエンジンを使ったM4シャーマンを作るよう指示、トラック用のゼネラルモーターズ GM 6046直列6気筒2ストローク液冷ディーゼルエンジンを二基搭載したM4A2やフォード製の戦車用エンジン、GAA液冷V型8気筒エンジンを搭載したM4A3、バス用エンジンを5基搭載したクライスラーA-57マルチバンクエンジンを搭載したM4A4、M4A4をコンポジット型にし、エンジンもライトR1820エンジンを基にディーゼルに改造したキャタピラーD200Aラジアルディーゼルエンジンを搭載したM4A6がある。((M4A5はカナダのラム巡航戦車に割り当てられたので直接的な繋がりは無い。))
--M4A2はディーゼル故に補給の観点から米陸軍では使用を拒まれ、代わりに元々船舶などで軽油を使っていた米海兵隊に配備された他はソ連軍、イギリス軍、自由フランス軍にレンドリースされた。76mm砲搭載型はソ連軍にのみレンドリースされ、ソ連軍内での評価は高かった。米海兵隊では75mm砲搭載型のみだが、こちらは76mm砲搭載型と違い後期型でも湿式弾薬庫は装備されなかったので被弾により弾薬が誘爆した。また、日本兵による肉薄攻撃対策にハッチに網を張ったり剣山や木製の増加装甲、鉄製サイドスカートなど欧州と違う改造が見られる。トラック用のディーゼルエンジンはM4やM4A1と違いトルクが太く、低速でもよく動いたので好評だった。後期型ではM4A3と同じく車体正面装甲を一枚板にした。
--M4A3はM4シャーマンの完成形で最も生産数が多い。戦車用のエンジンなので低速でもよく動き、整備も簡単だった。前期型はそれまでのシャーマンと同じく操縦席と無線手席にスポンソン(要するに人が座る為の出っ張り。)が設けられていたが、後期型では一枚板に変更し防御力を高めた。こちらの型式では前期型は実戦投入されず、後期型が送られた。M4A3はレンドリースには回されず、米陸軍、米海兵隊でのみ使われた。サブタイプも多く、75mmの他に対戦車用に76mm砲が搭載されたE8や、最大177mmという重装甲のE2型も生産された。後期型には湿式弾薬庫も備えられた。
--M4A4は30気筒というゲテモノエンジンなので整備性が悪く、主に中華民国や英国にレンドリースされた。英国では自軍の戦車より整備が簡単なので評価は高く、後に17ポンド砲を無理やり搭載したシャーマンファイアフライという重戦車キラーも生み出す。((17ポンド砲はティーガーやパンターの正面装甲をも貫徹出来る程の威力を持ち、ドイツ最強の戦車エースであるミヒャエル・ヴィットマンを戦死させたのもファイアフライであった。))中華民国軍では精鋭部隊に配備され、ビルマ戦線に投入されたがどこまで活躍したかは不明。
--M4A6は実戦投入されず、訓練用に使われた。
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