アーカイブ/キャラクター/フォフォ

Last-modified: 2024-02-24 (土) 01:36:23

不憫で弱い狐族の少女。怪異を恐れているのに、それを捕らえる羅浮十王司の見習い判官である。
十王司の判官によって「シッポ」と呼ばれる歳陽を尻尾に封印され、そのせいで邪を引き寄せる「貞凶の命」になってしまった。
妖魔や邪悪なものを怖がっているが、邪祟を捕らえるよう命じられ、困難な魔を払う任務を遂行している。
自分は能力不足だと思いながらも、辞める勇気もなく、怖がりながら任務を続けるしかない状況になっている。

  • ストーリー詳細1

意識を取り戻したフォフォが初めて十王司に連れてこられた時、司内のあらゆるものは彼女にとって珍しいというよりも、不気味で恐ろしいものに見えた。

少女の不安を察知した白髪の判官は、できるだけ優しい口調で彼女に尋ねる。

「少し聞きたいんだけど、どうやって『あの火』に遭遇したの?」
「…あ、あれがポツンと道端に落ちてて、消えそうになってて、だ、だから…た…助けたいと思ったんです」
「それで『あの火』を自分の尻尾の上に置いたの?どうして?」
「ア、アタシにもわかりません。気づいた時には、もうそうしてました…ごめんなさい」
「本当に優しいんだね。謝る必要はないけど…今日から私たちの保護を受けてもらうことになる」
「はい…ありがとうございます」
「私は寒鴉、よろしく」
「あっ、寒鴉様、アタシは…フォフォです」

寒鴉という名前の判官は数日前のことを思い出した——

十王司に救援要請が入り、命令を受け巡回に出た寒鴉は、歳陽に呑み込まれそうになっている狐族の少女を見つけた。寒鴉は少女が幼く、弱く、その歳陽もただの雑魚ではないことに気がついた。強引に取り除けば少女の命に関わる。事態は急を要したため、寒鴉は護符を書き、歳陽を狐族の少女の尻尾に鎮伏することしかできなかった。歳陽が少女を尻尾から吞み込もうとしていたことは不幸中の幸いだ。

「…これは正しいことなのかな、それとも間違っているのかな」
判官は独り言を呟いた。


  • ストーリー詳細2

歳陽は気性が荒く、孤高で傲慢だが、まったく交流できないわけではない。その歳陽はフォフォがめそめそしている様子に耐えられなかった。そして、狐族の社交も理解できなかった——なんと、少女は「尻尾が燃えている」という理由で同級生から仲間外れにされているのだ。

「その護符を剥がせ!」
「ダメ、寒鴉様が護符を剥がしちゃいけないって言ってたもん……」
「聞いただろ、アイツらは俺様のことをからかったんだぞ!こんな屈辱を受けるのは初めてだ!」
「…あの人たちは…アタシのことをからかったんだよ……」
「じゃあ自分でどうにかしやがれ。お前が俺様の代わりにこの怒りを晴らせないなら、もう俺様を呼ぼうとすんじゃねぇ」
「で、でも…そんなことできない……」
「ったく…んじゃ、深呼吸して頭を空っぽにしろ。お前は何も考えなくていい、俺様がなんとかしてやる」
「…か、寒鴉様は、護符を剥がしちゃいけないって……」
「心配すんな、お前は言う通りにするだけでいい」

…少女が我に返った時には、すでに「邪鬼に取り憑かれた魔女」の噂が広まっていた。

その後、フォフォは歳陽の過去に関する話をたくさん調べた。どれほど前のことかはわからないが、「燎原」という名の歳陽が羅浮の将軍に敗れ、いくつかの分霊に分けられ、造化洪炉の中に封印されたらしい。難を逃れた歳陽は「燎原の孤高」だったもので、誰かに憑依することもなく、放浪しながら長い間隠棲していた…死にかけているところをフォフォに拾われるまで。

「目立たないように、アナタのことは『シッポ』って呼ぶね……」
歳陽はそれに対して何も言わず、ただ黙認した。


  • ストーリー詳細3

フォフォはすぐさま十王司に送られた。これはシッポが封印から抜け出して悪事を働かないよう、安全を考えてのことだ。

彼女は少しずつ冥差の仕事に慣れていき、十王司が記録している様々な「邪祟」をことごとく覚えていった。

「雪衣様、こ、この前用意した護符は役に立ちましたか?」
「はい、星霊を相手にするには十分でした」
「えへへ…それならよかったです。正直、アタシもどんな効果かよくわかってなくて……」
「自分で試してみたらどうですか?」
「いえ、それは怖いので……」
「フォフォ、『邪祟』というのはそのほとんどが宇宙の生物、あるいは何らかの形で存在する有害な知的生命体です」
「雪衣様、『邪祟』が何かはわかってるんですが、それでも怖くてダメなんです。アタシ、この仕事に向いてないのかもしれません……」
「…それは自分自身に聞いてみるしかありませんね」

フォフォは自分の臆病さに無関心なわけではない。事実、「邪祟」に打ち勝つための勇気を養おうとしたことがある。

彼女は夜更かしして、低予算のB級ホラーコメディを見ることで度胸を付けようとした。しかし、結果は目の下にクマができただけ。また、新しい科学的な伏魔道具を買い込み、戦力を上げようともしてみたが、懐が寒くなるだけで終わってしまった。シッポは彼女の挑戦が徒労に終わるたびに嘲笑い、大袈裟にあげつらって事態を悪化させようとした。

「やっぱりシッポが一番怖い……」
しかし雪衣からしてみれば、今のフォフォはシッポに「恐怖」を抱いていないように見えた。


  • ストーリー詳細4

当初、シッポは他の歳陽と同じようにフォフォを「食べる」つもりだった。彼女の名前、身分を奪い、彼女の感情や感覚を貪ろうとしていたのだ。

しかし、ある時シッポはフォフォが困っている様子を見るだけでも楽しめることに気がついた。いずれは食べるつもりなのだから、別に急ぐ必要もない。

「シッポ、シッポ!助けて!」
「俺様には関係ねぇだろ。お前、なんて言ってたっけか…『一人前になる』?これはそのチャンスなんじゃねぇのか?」
「次は一人前になるから、今は助けてぇ!」
「先に言っておくが、お前が死ねば俺様は自由になれる。だが…何事も最後までやり遂げる主義だからな。お前っていう獲物を食わずに、途中で離れられるかってんだ」
「十王司の判官のくせに、死後妖魔が仙舟を荒らし回るのを放っておくなんざ、無責任にもほどがあるぞ…おい!何してやがる。雑魚ども、こいつを虐めていいのは俺様だけだ」
「あああううう!」
「めちゃくちゃにしてやれ!」

シッポに取り憑かれたことで、フォフォは蝶にとっての蜜、ホタルにとっての火のように、しばしば妖魔たちの注目を浴びるようになった。

この「貞凶の命」とシッポの繋がりを断てないことに、フォフォはいつも不満を言っていた。シッポも自分がフォフォと遭遇してしまったことは運が悪かったと思っている。しかし、長い時間を共に過ごすうちに、シッポもフォフォが困っている時には助けてくれるようになったのだが…それが友情だとは決して認めようとしない。

「十王が勅を奉ずる:冥差フォフォは、芸に精通しており誠に勤勉である。資質具足のため、要務に当たるに相応しい。従って即日判官に抜擢する」
十王司が彼女の昇進を伝え、ここからフォフォの見習い判官としてのキャリアがスタートした。