アーカイブ/キャラクター/Dr.レイシオ

Last-modified: 2024-04-07 (日) 17:03:58

率直的で自意識が高い博識学会の学者。いつも奇妙な石膏の頭部像で顔を隠している。
幼い頃から人並み外れた才知を発揮しているが、今は「凡人」を自称している。
知恵と創造力は天才だけのものではないと信じており、「愚鈍」という名の病を治すため、全宇宙に知識を広めることに尽力している。

  • ストーリー詳細1

「真理の医者」を自称するベリタス・レイシオという人物については、彼の研究と同じように議論が絶えない。レイシオの故郷では、少なくとも彼の伝説的な逸話を描いたドキュメンタリーが8本、彼に関する回顧録が10部発表されており、彼に対する評論は多く存在するのだが、十分な説得力を持つ見解が示されたことはなかった。その穴を埋めるため、筆者は自らDr.レイシオの成長に影響を与えたというロンド教授を訪ねることにした。教授は高齢で言葉を発するのは難しかったが、筆者がDr.レイシオの名前を出した時は興奮を抑えられないようだった。筆者は教授の家族と学生の協力を得て、黄ばんではいるが非常に保存状態のいい推薦状を手に入れることができた。


第一真理大学採用委員会 御中
私は銀河自由大学数学科の名誉教授、ロンドと申します。才能と教育を重んじるという貴校の評判を聞き、レイシオという学生に貴校への進学を推薦したいと思っております。 レイシオは現在高校生ですが、数学、物理、さらには哲学に至るまで、その習得度は多くの一般大学の学位取得条件を遥かに凌駕しています。

私が指導していた時、彼は予想を遥かに上回るスピードで数式の方程式を解いてみせました。 私が受け持っていたクラスの大学生は、それらの概念を理解することすらできなかったというのに。 好奇心から、私は彼に「ロンドの予想」の手稿を渡しました。 この方程式の提起者である私ですら証明できなかったものです。 そして日夜討論を重ね彼は、見事かつ驚くべき発想で、一気に最後の論証まで終わらせました。 これに関する論文は近いうちに発表されるので、私の言葉は嘘ではないとわかっていただけるでしょう。

日々交流する中で、レイシオは非凡な感受性、好奇心、創造力を見せてくれました。 彼は毎朝早く起きてトレーニングをした後、知識の海に飛び込むことを日課としています。 もしかすると、レイシオは世間一般が想像する天才のイメージに誰よりも合っているかもしれません。 彼には激情があり、深みがあり、情熱があり…天性の資質があるのですから。

地元の学校では、これ以上レベルの高い課程は受けられないため、 貴校がレイシオを受け入れてくださることを切に願っております。 私は私の名誉を以って、彼ならこの時代の限界を超えるような成果を収め、銀河で名高い貴校にさらなる栄光をもたらすことができると保証しましょう。

ロンド
哲人暦■■年■■月■■日

——『知識は特権である:Dr.レイシオを解き明かす』p.9


  • ストーリー詳細2

8つ目の博士号を取得した後、Dr.レイシオは第一真理大学で2琥珀紀にわたり空席となっていた第一級名誉学位までもを取得した——何年経っても、これは大学の歴史の中で比類のない偉業であり、今後達成できる者は現れないだろう。この頃、Dr.レイシオはすでに社会の風雲児となっていたが、彼の周りにいた学友や師には違った見解があるようだ。筆者は以下の貴重な電子資料を入手することに成功した。


キャンパスハイライト:
1. 第一級名誉学位授与 ベリタス・レイシオ
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詳細:
本校で2琥珀紀にわたり空席となっていた第一級名誉学位がベリタス・レイシオに授与される。これは生物学、医学、自然神学、哲学、数学、物理学、工学などの分野における彼の卓越した貢献が認められたためである。また、惑星エネルギー問題においても優れた功績を収めたため、ベリタス・レイシオには直接教授の資格を与えるものとする。

ヴェリッタ-数学系教授:
おめでとう、レイシオ!彼の努力と知恵はすべての栄誉に相応しい!彼が考え事に集中するために、被り物をして外界から自分を遮断していたことを覚えている。そんなことができる人間、この世に何人いるだろうか?私は短い間レイシオに勉学を教えていたことがあるが、実際には私が教えたことよりも、私がレイシオから得た学びのほうが多い。レイシオはその誠実さと率直さで第一真理大学に新たな息吹をもたらしてくれた。私たちは彼に感謝すべきだ!
グッド(1000+)バッド(2)
哲学系ならず者:
これで天才クラブに入れないのか?
グッド(850)バッド(5)
物理は優雅なり:
どっかの議員の息子が、レイシオが教授助手してた授業を受けてた時、レイシオに賄賂渡してテストパスさせてもらおうと思ったら、クソほど罵倒されて教室から放り出されたんだって。そう、本当に物理的に「放り出し」たんだ…まさに神みたいな男だよ……
グッド(550)バッド(112)
基金を買った養分:
あの人の授業受けたことあるけど全然わからんかった。最後まで頑張って0点だったンゴwwwマイナスじゃなくてよかったンゴ……
グッド(448)バッド(37)
天国の観光者:
あいつに泣かされた奴はグッドボタンを押せええ!
グッド(330)バッド(110)
猫には耐えられぬ:
お風呂入る時も被り物を取らないって聞いたんだけど
グッド(220)バッド(10)
ついて来い!:
こいつ別に大したことないだろ。俺だって頑張れば……
グッド(1)バッド(1000)
……
おすすめスレッド:
2. #ベリタス・レイシオが8つの博士号を取得
3. #ベリタス・レイシオ、大学の教科書に掲載される
4. #ベリタス・レイシオは狂人か?

統計によると、Dr.レイシオは合計で52の科目で教鞭を執っており、その教え方は厳しく、複雑で難しいことで知られ、単位を取得できた学生は全体の3%ほどしかいないらしい。しかし最後まで耐え抜いた学生は、そのほとんどが何らかの分野の専門家になっている。
……
——『知識は特権である:Dr.レイシオを解き明かす』p.82


  • ストーリー詳細3

世間はDr.レイシオが何も言っていなくても、彼は天才クラブに入りたがっているものだと考えていた。しかし、レイシオが世間から見たら驚くべき成果を挙げても、ヌースが反応することはなかった。この話は長い間、学術界隈でよく討論される謎となっている。筆者はDr.レイシオの学術補佐であるマルガリータ氏から貴重な証言を得ることができた。

「レイシオ先生が天才クラブのことを話題に出したことはありません。でも、1つだけ今でも覚えていることがあります…あれは私がレイシオ先生の学術補佐を担当していた時のこと。私の主な仕事は銀河各地から届く手紙を処理したり、彼と外部との間に立って仲介役をしたりすることでした」 

「その日、私はスターピースカンパニーからの手紙を受け取りました。たしか…レイシオ先生が長年研究していた対天体兵器の試射に成功した時だったかと。カンパニーの招待は私から見ても丁重なものでした。なので、興奮しながら先生に手紙を渡したのですが…先生は何も言ってくれなくて。それは石膏頭越しでもわかるほどの重い沈黙でした。そして、彼は礼儀正しく私に外に出るよう言いつけたんです。私が言われた通りに部屋の外に出てドアを閉めると、その瞬間、彼の重々しい溜め息と自嘲するような笑い声が聞こえてきました。これは推測ですが、先生は…もう自分は天才クラブには入れないと判断したのかもしれません……」 

「その後のことは、あなたも知っているでしょう。でも私からすれば、先生は本物の天才で…彼の創造は多くの世界を前進させました。医者として宇宙を癒やそうとする学者は、あのお高くとまった天才たちよりも価値がないというのでしょうか?……すみません、少し感情的になってしまいました。今の部分は削除してください。」 

Dr.レイシオの支持者の中には、マルガリータ氏のように悔しい思いをしている人が少なくない。そういった人々は、天才クラブがDr.レイシオのような人物を迎え入れなかったのは、一種の「天才」の奇行と偏執の表れだと考えているようだ。

——『知識は特権である:Dr.レイシオを解き明かす』p.150


  • ストーリー詳細4

多くの人はDr.レイシオが博識学会に入った後、学会の掲げる現実的で、平和で、素朴な学術環境に馴染むために、以前のような鋭さは抑えるものだと思っていた。しかし筆者としては、Dr.レイシオはやはりあのDr.レイシオだったと書かずにはいられない。以下は内部記録の原文を抜粋したものである。

 「
答弁者:ベリタス・レイシオ
テーマ:認識論理
委員会主席:ロッセーゼ
記録者:マリーヴェ
答弁記録:
ロッセーゼ:『レイシオ先生、ご説明ありがとうございました。あなたの論文は素晴らしいものでした。では皆さん、質問を始めてください』
会場は静まり返っている。
ロッセーゼ:『では…私から始めましょう』
ロッセーゼ:『先生の主要な観点には賛成なのですが、詳細の一部については、まだあまり理解できていません』
ベリタス・レイシオ:『誰かに賛同されるたびに、自分は間違いを犯したのだと思ってしまうな……』
ロッセーゼ:『私の質問は、なぜ先生は知識を特権だと考えているのか?ということです』
ベリタス・レイシオ:『ロッセーゼ教授、その質問をするということは、君が僕の論文をまったく理解していないだけでなく、僕が運用している導出方法についても理解できていないということを意味する』
ベリタス・レイシオ:『だが、君は簡単に答えるための例を提供してくれた。君が僕の考えを理解できないのは、知識が誰にでも享受できるものではないということを証明している』
ベリタス・レイシオ:『愚鈍は難病だ。ならば、それを根絶して宇宙を治療することが学者の責務だ』
ベリタス・レイシオは演壇に上がり、人々に向かって言い放った。『だから諸君、アホを見て見ぬふりするのはマナーではなく、道徳性に欠ける世間の習慣に過ぎない。知識を伝播するためには、まず人に自分はアホだとわからせる必要がある。もちろん、学会の学者も自身を平等に扱うべきだ』
ロッセーゼは肩をすくめて苦笑する。
……
ベリタス・レイシオは騒然とした空気の中で退場した。
答弁評価:情熱的な手が冷たい剣を握っている。これこそベリタス・レイシオに最も相応しい評価といえるだろう。ベリタス・レイシオは論理、情熱、そして批評芸術を結び付け、我々に無知に立ち向かう思想家の卓越した思考と行動を見せてくれた。レイシオ先生の加入は博識学会に莫大な利益をもたらしてくれるだろう。
答弁委員会の意見:全員一致で通過

博識学会の中には「凡人院」なる組織が存在するという噂がある。そして、その謎の組織には学会で最も優れた頭脳が集まっていると言われている。Dr.レイシオが「凡人」を自称することは、この噂を裏付けるようなものだった。彼と天才クラブの関係を考えると、この名前からは色々なことを想像してしまう。凡人は天才の対義語であり、多くの努力と対価を支払うことで、ようやく後者の後塵を拝することができる。Dr.レイシオは凡人を自称しているが、それは一種の委縮なのだろうか?それとも嘲笑、もしくは宣戦布告なのだろうか?いずれにしても、彼は知識を以って思想の病を治療することに固執している。それは「真理の医者」という称号に恥じないものである。
……

——『知識は特権である:Dr.レイシオを解き明かす』p.230