本棚/宇宙ステーション「ヘルタ」/ウーウーボの行動考察

Last-modified: 2023-11-19 (日) 19:51:36

界種課の科学収集品、霊質生物「ウーウーボ」の行動習性に関する研究報告。

※紙がくしゃくしゃで、力いっぱい丸められて捨てられたようだ。※

ファイルナンバー:510523455323647432
所属課:星域界種課
著作権帰属先:栄倉終
累計課題提出数:第7回
推定入庫日:琥珀2157紀32月11日

本文

ウーウーボは単体でも、集団でも、寄生してもこの世に存在することが可能である。寄生していないウーウーボの生態は謎に包まれている。宿主に寄生した後のウーウーボの破壊性は、宿主の行動力と正の相関がある①②。

少数のテストによれば③、ウーウーボ単体の知性は人間の6歳児に匹敵する。集団で移動すると、個々の知能は著しく低下する。これは、霊質生物の思考波動には干渉作用があり、周波数共鳴がそれぞれの判断に影響を与えるからだと思われる。

寄生しているかどうかにかかわらず、ウーウーボ(とその宿主)の行動は、次の4つの論理にしたがっている。
1.楽しい気分のウーウーボはすぐに角が5つ以上ある部屋を含む部屋に逃げ込む。
2.悲しい気分のウーウーボは、寒々とした無人の部屋に集まり、互いの哀悼の意を表し合う。
3.怒っているウーウーボは、たっぷりと光を浴びれる場所に行く。中には感情の激しさに耐えられず、宇宙の塵となる個体もいる。
4.平常心のウーウーボは、最も秘密めいた行動をする。目的も意味もなく、純粋にいたずらに周りの生き物をからかって、行く先々で大混乱を起こすのである。そのため「劇命鬼」や「いたずら星霊」と呼ばれている。

注釈

①参考文献:『ウーウーボが寄生した宇宙ステーションの荒くれ者、1ヶ月で113足の放射線防護靴を盗み、臭いがきつくてついに捕まる』、『ヘルタ新聞』琥珀2156紀第25月号
②参考文献:『電撃戦!ステーション建設以来、最速の収容作業。5分で逮捕されたウーウーボは70歳の女性に寄生していた』、『ヘルタ新聞』琥珀2157紀第07月号
③1回目のテストのサンプルはスタッフのアドラーで、アドラーは年齢以上の知的能力を示したので、結果は無効であった。2回目のテストのサンプルはスタッフの温世玲で、このテストの結果は本報告で採用した。

審査者のフィードバック

1.逸話を参考文献にしない、常識である。
2.サンプル数は十分か?パターンは十分か?単一のサンプルだけで粗雑な結論を出すのは、ヘルタの研究価値と一致するか?
※見つけるのが面倒だからではありません。ステーションに子供は3人もいません。僕のせいでしょうか?※
3.なぜ「角が5つ以上ある部屋を含む部屋」なのか?
※5つの角がある部屋というのは、4つの角だけではない、他にどう説明するんですか?※
4.「中には感情の激しさに耐えられず、宇宙の塵となる個体もいる」この結果はどうやって得たのか。研究規約を守っているか、コレクションの資産を破損するなどの不正行為がないか、このスタッフを徹底的に調査することを求む。

審査結果

研究過程が厳密さと科学性を欠くため、研究の結論が正しいかは、証明を待つ必要がある。

研究審査結果:不合格、入庫予定無し
一審評価者:カポーティ・デュオ・ランキ※この野郎!※
二審評価者:無し