遺物/次元界オーナメント/建創者のベロブルグ

Last-modified: 2023-06-03 (土) 22:14:07

詳細

  • 次元界オーブ
ベロブルグの存護の砦
次元界の中に封装されているのはベロブルグの行政区で最も見慣れた、常冬の碑。
人々がここを通り過ぎる時、遥か彼方にある暖かな眼差しに守られていることを感じる。

数千年前、ヤリーロ-VIは一年中春のような気候で、どの惑星もが羨む美しい海を持っていた。

森の中には果実がぶら下がり、潮汐が潤いと暖かさを送り届ける。
美酒は泉のように湧き続け、人々は思う存分それを堪能できる。
その惑星の住民は向上心と活力に満ち、交通網、都市、そして海辺の別荘や荘厳な宮殿などを建設した。
裕福な生活はいつも朝のコーヒーから始まり、夕暮れの麦酒で終わる。

そして、星軌がヤリーロ-VIの世界を通り、ここに星間貿易と天外の科学技術をもたらした。

最初の頃、異界の来客は地髄鉱石を求めてやって来た。
その透き通った鉱物には工業を駆動する血液が秘められ、琥珀色の反射光は存護の光彩を映し出す。
その後、異界の来客は長閑な生活を求めてやってきた。
ヤリーロ-VIの海、ヤシの木、明快なリズムの音楽。

ここは全ての疲弊した肉体と魂が求める終着点——

ここの人々は信じていた、この潤った惑星は、いずれ他の明星みたいに銀河で輝きを放つと。

約一千年前、一枚の星核がこの世界に墜ちた。

すると、惑星の運命は荒唐無稽な悲劇のように、急激に暗転した。
野蛮な壊滅の軍隊が天から降り注ぎ、空をも焼き尽くす戦火が蔓延する。
建創者たちは城壁と戦線を築き上げ、そびえ立つ巨像は龍の形をした巨獣と激戦を繰り広げる——

突然、予兆のない寒波が到来した。
刃のような寒風は手あたり次第に襲い掛かり、全てを呑み込み、惑星を静寂に陥れた…

冬の夜の灯火を守るように、見えない巨大な空間障壁が城塞都市を覆った、文明は辛うじて存続できたのだ。

それから、この都市はベロブルグと呼ばれた。


  • 連結縄
ベロブルグのシルバーメイン防衛線
ベロブルグのシルバーメインは、吹雪の中で真っすぐと立っている。
彼らは一直線に並び、天外から侵入する者を待ち受けている。
シルバーメインの意志は固く、その防衛戦が退くことは絶対にない。

災いが訪れる前、建創者はヤリーロ-VIの輝かしい未来を期待していた。

建創者はクリフォトの偉力を模倣し、惑星を改造できる機械を創造した。

数百台の「造物エンジン」が炎を吐き、轟音を上げ大地を歩む、それらは巨人の庭師のように疲れを知らずに花園を手入れする。
たった数十年で、谷と丘は平原と森林になり、都市は一つ一つの煌めく星のように海岸に並ぶ。

「壊滅」の兆しが降臨した後、建創者は機械を全部戦場に投入し、最初の「シルバーメイン防衛線」を築いた。

壊滅の兵士は炎に飛び入れる蛍のように星核を追って到来し、地表に生命絶滅の軌跡を刻む。
かつて「造物」に使われた機械も凶器に成り下がり、参戦せざるを得なかった。
やがて、花園を耕す巨人たちは力尽き、倒れた。その骸は文明の墓碑のように、日に日に敗退する戦線を記録した。

退路が尽きたその日、シルバーメインは武器を握りしめた、彼らの後ろにあるのは、最後の故郷だ。

寒波の到来は誰にも予想できなかった。天外のモンスターと前線の兵士が刃を交えたその瞬間、雪線が地平の彼方から押し寄せてきた。
一面の混沌の中、ベロブルグは唯一の灯火としてこの世界に残った。
それを撲滅しようと、それを守り抜こうと、双方は激戦を繰り広げた。シルバーメインはアリサ・ランドの名を叫び、風と雪の奥深くに身を投じた。

やがて吹雪が止み、ベロブルグの住民たちは戦々恐々と城壁に登り、城外を見渡した。

彼らは最後の「シルバーメイン防衛線」をその目に焼き付けた。