遺物/次元界オーナメント/生命のウェンワーク

Last-modified: 2024-01-21 (日) 01:38:09

詳細

  • 次元界オーブ
ウェンワーク誕生の島
次元界の中に封装されているのは、ウェンワーク星で最も有名な島——ワーク島である。
島は緑に覆われており。「サイスタン」という名の大きな木には、様々な動物の果実が生っている。

ウェンワークは、小さくて込み合っている星で、雨林と島々が至る所にある。旺盛な生命力がこの星の顕著な特徴である。

旺盛な生命力によって、ウェンワークの赤道付近の雨林は大地を覆い天を遮った。雨林の下部は1年中日光が当たらないため、腐敗菌と耐陰性のある植物が多く生息している。ここで生きている知的生命体は、回帰線の近くに集まっている。ここではあらゆる高さの植物が育ち、毎日新しい果物と野菜が生り、住んでいるほとんどの人は、それらを主食としている。

だが、ここに移り住んだ人類であろうと、原住民族のワークワークであろうと、大樹サイスタンに生る動物果実に対し宗教に似た畏怖を抱いている。

大樹サイスタンには常に果実が生っている——黄色で半透明の球形の果実は、段々と大きく重くなり、枝から垂れ下がる。枝が果実の重さに耐えられなくなると、澄んだ音を立てて地面に落ちる。果実の薄い皮が破れ、中から様々な生物が生まれる。魚類、空を飛ぶ鳥、寒帯の白熊…ウェンワークで、これらの動物は同じ母から生まれている。

「魔王」と呼ばれる生物もサイスタンの果実から生まれた。それは、目覚めた瞬間から理解しているかのように斧のような巨大なペンチを振り回し、ウェンワークの生態系に宣戦布告をした。

しかしながら、60自然年周期で大樹サイスタンは新たな魔王を産み落とす。ウェンワークの住民は絶望的な周期に対する対策をとっくに講じている。魔王の誕生が近づくと、彼らは戦争をやめ、手を取り合って、最強の戦士たちを組織して、ワーク島に派遣する……。60年、また60年、荒唐無稽な討伐戦は小さな土地で何百年と繰り返された。魔王はウェンワークの恒常的な災厄で、文明の積み重ねは周期的にリセットされる。

そのため、ウェンワークの旺盛な生命たちは絶えず戦っており、絶えず変化しているように見えるが、実際は淀んだ死水に過ぎない。


  • 連結縄
ウェンワークの島巡り海岸
ワーク島の海岸線では、波が上がったり下がったり、潮が満ちたり引いたり…
千年変わらぬ風景は、潮汐のような盛衰を見てきた。

サイスタンの果実が地面に落ちると、様々な種類の生物がワーク島で目覚め、泣き、その場を離れた。彼らは海岸線を離れ、ウェンワークで自分の住処を探す。

当初、星の外から来た人は粗忽な盗賊だと思われていたが、部族の「親戚な挨拶」で段々とウェンワークの文明の苦境を理解した。魔王がどのように果実の中から誕生するのかを知りたくて、外から来た人は、すぐさま原住民の木船に乗ってワーク島の海岸線に向かった。部族の戦士たちは恐る恐る浅瀬に隠れ、石器時代の武器を握りしめていた。60自然年の平和のために、彼らはとっくに帰れなくてもいいと覚悟を決めていたのだ。

戦いが進むにつれ、外から来た人は「魔王」の正体を知った——それは、かつて1度絶滅した宇宙昆虫だった。まさか、宇宙の片隅でその姿を見ることになるとは誰も思わなかった。

悲惨な討伐が終わった後、わずかに生き残った先住民は勝利の知らせを持って海岸線を離れたが、お節介な外から来た人はこっそりとその場に残った。大樹から垂れ下がった枝をかき分け、体の半分の深さがある泥沼を進み、雨林のくぼ地の下で、外から来た人は深部にある管理船室を見つけた——これで、ウェンワークの秘密が明らかになった。高度文明による種復元システムが大樹サイスタンの正体だったのだ。それは、無数の生命方程式を解読して放出することで、星の生態系を回復させていたのだ。

周期的に出現する魔王は、膨大な生物庫のデータの中の1つに過ぎない。外から来た人は、魔王のデータを消して、何も言わずにウェンワークを離れた。

ワーク島の海岸線で、静かな波の音が響いていた。ウェンワークの連合軍は陣を組んでいたが、魔王がもう降臨しないことを確信した。彼らは、祝杯をあげ、夜通し歌い、将来を語り合った。そして、2つの部族は別れを告げた後、それぞれウェンワークを独占するための戦争を計画し始めた…魔王のいなくなったウェンワークで、盟約は机上の空論でしかなかった。小さな星は2つの部族の衝突に耐えられず、短くて儚かった平和は消えてしまった。

ワーク島の海岸線は、依然と静かである。人類とワークワークが歴史の舞台から姿を消した後、ウェンワークの生態系は遂に回復を果たした。