エリアナの誓い
暗黒の中の光。
オマール: ここは死臭がする。
トーランド: それより酷い。再生の臭いだ。
サイ: 一度死んだものは、死んだままであるべきだ。
エリアナ3: それには同意できない。
サイ: 敗北を受け入れられない者は、永遠に安らぎを得ることはできない。
エリアナ3: あの怪物から脈打つ心臓を抜き取ることができれば、私は安らぎを得られる。
エリス: 復讐が安らぎをもたらすなんて聞いたこともない。
エリアナ3: それなら何を望めと? 私に残されているのは復讐心と銃だけだ。
エリス: 照準付きのハンドキャノンを持とうとも、お前には怒りしか見えていないようだ。怒りで判断力を曇らせるな。ウェイがその武器を渡したのには理由がある。
エリアナ3: そう、私をハイヴから遠ざけるためだ。そして私は今、奴らのところに一直線に向かっている。今もどこかで、彼女は私に腹を立てているだろうな。
エリス: とにかく、この世界からクロタという疫病を排除すれば、彼女の名誉も保たれる。
エリアナ3: クロタさえ倒せれば、世界なんてどうでもいい。
エリス: その気持ちは… 否定しない。いずれ、新たな世界を作ろう。一緒にな。
エリアナ3: そうできると信じたい。
ヴェル: 感動的なシーンを邪魔したくはないが、誰か今の音に気づいたか?
サイ: あのガタガタ鳴ってた音のことか?
トーランド: スロール… どうやら我々を歓迎してくれるようだ。
エリアナ3: 出迎えてやろう。私が奴らの見る最後の光となる。
モンテカルロ
進むべき道と試すべき方法は常に存在する。それを忘れるな。
「数学自体はどうということはない。数学はただの内輪ネタだ。大昔に割り出した数値こそ黄金時代前の思考やシステムの叡智を意味してると、一部の連中が騒いでいるだけだ。相棒もその1人だった。解決不可能な問題を、可能性とランダムなパターンが解決するのだと。俺は気にも留めなかった。古臭い科学など追求しても金にはならない。とにかく、俺たちはよく東の海岸沿いで資源集めをしていた。廃墟と化した賭博場でライフルを拾った。10フィートの分厚さの保管庫だった。まるでお偉いさんの特別な何かみたいに、ガラスの向こう側に飾られていたんだ。掘り出し物を見つけたって喜んだよ。面白いのがさ、どこで見つけたと思う…? 数学にちなんで名付けられた場所だったんだよ。少なくとも、相棒はそう言っていた。個人的には違うと思ったが、俺が知ってる科学や歴史は金になるものに限定されてるから何とも言えない」
「そんな感じで、小金持ちになれる程度のお宝を探すために廃墟を探し回っていたんだ。そしたら漁り屋に出くわした。少人数だったが、かなりの腕だった。相棒は攻撃を受けて倒れた。何とか奴を守ろうとしたが、賊はこちらより上手だった。最後に見たのは、奴のゴーストがライフルで撃ち抜かれる姿だった。何もしてやれなかった。彼女と一緒に逃げ出せたのは、彼女が逃げ道を探してくれたからで、俺… いや、フォールンが相棒に気を取られていたからだ。でも本当に… 手も足も出なかったよ」
「戻って来れて運が良かった… 命も“お宝”も失わずにすんだ」
「確かにそう言えるかもしれない」
「フォールンの縄張りとされる場所で生き残った。封じられた場所で黄金時代の最先端の機能的技術が搭載された銃を見つけた。武器の技術を名前を明かせない銃器技師に“わずかな”グリマーと引き換えに売った。そして相棒はフォールンの手によって死に、もうこの世にはいない。だから“お宝”は全て自分のものだ。分ける必要はない」
「確かにそんな風に物事を見れば、数学も悪いもんじゃない」
――バンガードの尋問を受ける品位に欠けるハンター、イーゴン・バッシュ