内なる調和、外なる嵐。
嵐はこれまで出会ってきたどんな敵よりも私を激しく打ちのめした。精神をかき乱す混沌に駆り立てられて、あるものを求めて星系の果てまで来たが、この嵐を目の前に己の無力さを思い知った。
「落ち着け」とボイドウォーカーは言った。「燃えろ!」とドーンブレードは叫んだ。私の耳に聞こえたのは、我が師達の感情を持たない声だ。その声が、私に早く道を見つけるよう鼓舞(命令?)している。どんな危険があろうとも。いつまた全てを奪われるか、いつ嵐に圧倒されるか、分からないからだ。うなる風の中を進む私の顔を殴りつける雹のように、言葉が私を殴打し、嵐の目へと導いた。
いわば平穏の目だ。
嵐の目の静寂が肌に突き刺さり、私は気付いた。静寂と嵐のどちらかを選ぶ必要はない。どちらかを手に入れるには、どちらも手に入れなければならない。
あの日、私は初めて嵐を呼んだ。