セキュリティログE-222
実験番号: 312 - エクソアーム取り付け -試験4
ステータス: 機密
個人情報: H・ラスムッセン、C・ブレイ I、患者32
場所: エウロパ – イーブンタイドコロニー
[H.R.] //人差し指はどう?//
[P32] いや… 駄目です。
[H.R.] 四肢は無反応のままです。//感覚のようなものはある?//
[P32] 幻肢痛だけです。かきむしりたいほどのかゆみを感じます。胸が重いです。まるで誰かに乗られているかのような感覚です。
[H.R.] 神経はアームの機構にしっかりと接続されていますが、活動電位が発生しません。
[C.B.] 失敗だな、ヘルガ。
[H.R.] まだ試験段階です。今はこの結果で満足すべきです。
[C.B.] 基本的に私が満足することはありえない。
[P32] ちょっといいですか? 息が… 苦しくなってきました。
[H.R.] 重度の心筋梗塞です。//医療班を呼んで。//どうやら当初の私の仮説が正しかったようです。現時点で人類の肉体は、この機械部品に求められる身体的条件を満たしていない。
[C.B.] それなら進化するしかないな。
[H.R.] では、そうましょう。即座に私を1億年後までジャンプさせてください。
[C.B.] 霊長類や魚、そして一部の鳥など、転写後変異――遺伝子スプライシング――についてはかなり研究が進んでいる。我々がより強い人類を作り出せるとしたら? この工程にも耐えられると思うか?
[H.R.] 私はエンジニアです。遺伝子学者ではありません。その猿人が金属の腕を扱えるかは分かりません。
[C.B.] 私の提案を随分と無味乾燥にまとめ上げてくれたな。
[H.R.] 彼は死にました。我々は彼を失ってしまった。
[C.B.] 昔からこういう諺がある。もし1回目で成功しなかったら…