皇帝の大使

Last-modified: 2021-05-13 (木) 21:51:44

1.
お前は鏡に映ったただの幻影か?

ワシは時々、おぞましい恐怖に悩まされている宇宙の奈落を見入る。起きているのに見るこの悪夢で、お前がワシに言ったこと、ワシに対して感じたものは全て嘘だった。

だが、これらはどういった嘘だ? 野望による誤魔化しなのか? 憎しみに満ちた復讐の陰謀なのか? まさか、自己欺瞞ではなかろうな? ワシは単にお前の言葉と感情のせいに... ワシ自身の言葉と感情のせいにしているだけなのか?
2.
ワシが許せぬものはない。

ようやく、お前を許すことができる気がする。この憎しみを永遠に持ち続けても仕方がない。昔のお前、昔のワシについて考える。終わりは着実に近づいている。副総督がお前に吹き込んだ有毒な野望について、どうしてお前を責められるだろうか? お前は単に使われていたに過ぎないのだ。

最後には、全て丸く収まった。そう思わないか? お前の裏切りは、ワシの権力上昇の第1章となる。
3.
後悔した甲斐があることもある。

お前には警告してやろう。ワシはレッドリージョンを取り込もうと考えている。ワシこそが彼らの皇帝となるに相応しい。彼らにはワシの許しを与えてやるのだ。後悔し、「再教育」を受けることに同意すればいいだけだ。

お前にも同じ申し出をしてやる。「レッドリージョンのプライマス」。いい響きだと思わないか?
4.
全てはその高貴な姿のために。

お前が再び帝国の一員となることで、懸念が起こるだろう。前提条件をいくつか出させてもらうが、理解してくれるな? えこひいきをしていると思われては困るからな。だが、心配しなくていい。お前の再教育は単なる形式だ。

ワシがお前を許しても、帝国がすぐにお前を許すとは限らない。もっと時間をやる必要がある。お前がどのように変わったのかを示す必要がある。永遠の課題ではない。再び、ワシの傍で仕えられるようになるまでだ。