ステイシスに関して

Last-modified: 2021-09-10 (金) 00:02:40


ステイシスに関して


イコラ・レイへ

イコラ、

最初に潜みし者のネットワークに誘われた時、私は乗り気ではなかった。それ以前の私には他に信じていたことがあった。そしてそれが原因で私は人生で最も大きな困難に直面することになった。私が表舞台に姿を現した時、大半の者が私を信用せず、私の価値を認めるものなどほとんどいなかった。だがお前は違った。私が何も言わなくても、お前は常に私の味方でいてくれた。

私は今、問いかけている。暗黒の到来は新たな時代の幕開けであり、それはステイシスという新たな発見でもある。この機会を逃してはならない。大崩壊は悪化の一途を辿っている――敵の動きは速い。このままでは我々に勝ち目はない。

バンガードは我々をこの舞台に導くためにその役割を果たしてきた。だがザヴァラは頑固者で、自らの考えに固執している。光に仕える者が暗黒を用いることを決して認めはしないだろう。暗黒へと続く旅路は危険で前例のないものだ。お前も知っているように、これまでに数少ない者たちが挑戦し、その中でもごくわずかな者しか生き残らなかった。我々はその例外となるだろう。

容易く堕落した愚か者たちには、間違いなく無謀だと言われるだろう。だが私は最後までやり遂げるつもりだ。彼らが何を言っているのかは知っている。彼らは私がどんな存在へと変わるのか恐れているのだ。その恐怖を和らげるために力を貸してほしい。自分のことはきちんと制御できている。

私は暗黒に触れ、その計画を目にしてきた。暗黒を信用するな。平和と救済のメッセージはまやかしだ。ステイシスは贈り物ではない。あれは道具だ。我々の求めに応じて形を変えることができる。それをどう扱えば我々の利益となるのか、私は知っている。その力のうねりは圧倒的で、思わず屈したくなるほどの大きさになることもある。だが私の意思は固く、夜の暗闇に負けぬほど光り輝いている。私は深くまで潜り、新たな道を作り、大昔に失ったと思い込んでいた秘められた力を自分の中に見つけた。

勝利するのは我々だ、イコラ。この道具を正しく使えば、どんな攻撃も耐え抜くことができる。この世界からサバスンとハイヴの汚染を排除できるのだ。よく考えてみてくれ。我々が暗黒と光を駆使すれば、我々に立ち向かう敵など存在しなくなるだろう。かつてお前はオシリスの均衡の教えを信じていた。今さら怖じ気づいても手遅れだ。お前が迷っていることは知っている。これは、バンガードが与えてくれなかった意味と目的を見つける絶好の機会だ。お前が協力して作り上げてきた基盤は安定をもたらす。だが重要なのは、基盤の上に何を築くかだ。

我々が必死に守ってきたこの理念を維持するためには、これまで以上にお前の助けが必要だ。お前なら反対する者たちを説得し、我々の意図を理解させることができるはずだ。道を誤った者たちを導く橋となってくれ。私と共に戦おう。私たちなら調和をもたらすことができるはずだ。

ザヴァラへ

ザヴァラ、

我々の世界は変わってしまった。シティの住民は、お前が――バンガードが――自分たちを導いてくれると信じている。我々は長い間恐れ、糾弾してきたものと向き合っている。新たな知識が発見され、かつては入手不可能だと思われていた情報にも手が届くようになった。ステイシスには、我々全員の潜在能力を越えるほどの未知の可能性が秘められている。だがバンガードは今もなお、頑なに暗黒を排除しようとしている。

お前は暗黒を破壊すべきだと考えている。不可能だし、破壊すべきではない。我々は暗黒を利用し、その力を知る必要がある。大きな災いが訪れた時は、我々が自らの力を証明するチャンスでもある。間違いなく、次なる大崩壊は目の前に迫っている。ステイシスはそれを乗り越えるための鍵だ。我々の敵は四方から現れるだろう。だが均衡がその先へと我々を導いてくれるはずだ。純粋な火力だけではこの戦いに勝利することはできない。骨組みを失い瓦礫の山としたウォーマインドが何よりの証拠だ。

お前が我々のことをどう思っているのかは知っている。放浪者は迷惑者。謎のエクソは未知の存在だ。お前の信用を完全に勝ち取ることができないことも理解している。お前の信用は簡単に得られるものではない。だは、私はお前が司令官の任についている間、バンガードに協力するために常に準備をしてきた。お前を誤った道に導いたことなど一度としてない。私がそれ以外に道はないと言った時は、その言葉を信じてくれ。

我々は戦いに勝つために必要なことをしている。先入観にとらわれている場合ではない。今こそ殻を破る時だ。お前が受け入れようと受け入れまいと、時代の波は迫っている。必ずしもそれに従う必要はない。だが我々の邪魔だけはするな。お前がいてもいなくても、我々は前に進む。

古い理念に固執することで何かを得られたとしても、暗黒の勢力に対して全力を尽さなかったことで失われるものに比べれば、それは些細なものでしかない。

戦わなければ我々は間違いなく滅亡の道を辿る。

我が女王へ

我が女王よ、

今この時にあなたがいないことを残念に思う。あなたの前線での働きは間違いなく意味のあることだ。だが我々の状況は急激に変わりつつある。我々はあなたの導きと助けを何よりも必要としている。

暗黒に対する我々の知識は確実に深まっている。暗黒の望み、野望、欲望は、日を追うごとに明確になっていく。話したいことがたくさんある。だがその情報の入手手段を知ったら、あなたを失望させてしまうかもしれない。

エリス・モーンが精神を侵されたという情報がそちらに届く前に、直接伝えておきたいことがある。私は… 暗黒と戦うために暗黒を利用している。

とにかく、今でも私の精神と肉体は健全であるということだけは伝えておきたい。つまり我々の協定は今も有効だということだ。確かに私は暗黒を用いて暗黒と戦っている。それでも、私自身の意思は揺らいでいない。あらゆる戦場に脅威が迫ってきていることは理解している。我々には相応の反撃が必要だ。そしてこの戦場で、私はその役目を全うする必要がある。このまま放置しておけば、サバスンはこれまでにない最大の脅威となるだろう。
最後に会った時、彼女は私を侮辱した。私の友を利用して私から力を奪おうとしたのだ。彼女は今の私の力を知らない。私はこの目で直接彼女の終わりを目にすることになるだろう。

私の中には大きな怒りが存在している。いずれ暗黒はその怒りを利用しようとするだろう。我々の友情を嘘で汚したくはない。今、私は必死に自分の感情を押し殺している。今にも飲みこまれてしまいそうだ。どうか私を責めないでほしい。私が何を見てきて、何を乗り越えてきたかは知っているはずだ。私は後先を考えずに行動するタイプではない。恐らくこれが最後の手段になるだろう。私は、私たちに秘められた大きな可能性を見つけ出したのだ。

バンガードの妨害を受けたが、それ以上の者が我々の考えに賛同してくれている。間もなく我々は、不愉快な暗黒の僕を永遠に消し去る力を行使することになるだろう。間もなくウィッチ・クイーンは私の怒りを知ることになるだろう。そして間もなく、安らぎの時が訪れるだろう。

あなたが戻ってきた時、世界から争いが消えていることを願っている。今は、とにかく私を信じてほしい。どれだけ厳しい状況にあっても、あなたは道標として常に私を導いてくれた。それがなくなってしまったら、私は道を見失ってしまうだろう。

この新たな局面を迎え、あなたは間違いなく驚愕していることだろう。ただ信じてほしい。これはより大きな正義のためなのだ。あなたが私のやり方に反対したとしても、結果が手段の正当性を示すことだろう。

謎のエクソへ

謎多きエクソよ、

お前のやり方が大きな波紋を呼んでいる。お前の言葉からは何かを目撃した者としての責任が感じられる。暗黒の先にある虚無を覗き込んできた者として、私も耐え難い真実を隠す方法は心得ている。

よく覚えておけ。真実は永遠だ。どれだけ逃げ続けても、いずれは追いつかれる。

お前が確実にこれから起こると語る未来に私は不安を感じている。だがここでのお前の目的がいまひとつ分からない。秘密主義は我々の大義のためにはならない。それは我々の核を腐らせ、いずれは宿主を失って腐りきったその外殻を敵に引き裂かれることになるだろう。

判然としないが、お前は恐れているのかもしれない。未来が怖いのか? 過去か? それとも私か? お前の秘密を打ち明けろ。そうすれば何も恐れる必要はなくなり、暗黒に対する我々の弱点もひとつ減る。
放浪者は我々の関係について多くの懸念を抱いている。私は自分たちの忠誠心が不安定なものだと感じている。我々はそれぞれの本領外の行動を強いられている。だが裏切れば、利益よりも損失のほうが遙かに大きくなるだろう。大義に忠実であり続ければ、この大崩壊の異なる側面を見ることができるはずだ。

同盟関係の外で結んだ約束は絶対に反故にしてはならない。これからも反対する者たちを説得して仲間に引き入れる必要がある。それはいずれ我々が生き残るための礎となるだろう。希望を叶えるには一致団結することが重要だ。ただそれと同時に、どんなものが目の前に立ちはだかろうとも、我々の成長と前進を妨げられないようにする必要がある。そうなればどんな影響があるか懸念を抱いている。我々が歩む道に関しても不安を感じている。大きな力を得たと感じる今でも、ステイシスの破壊的な力の誘惑は消えていない。我々にはまだ隠された力があるということなのだろうか…

このような異常な状況下で、私は暗黒と敵の力を当てにしている。暗黒が我々を弄ぶ一方で、どうやって彼らに力を与えているか分かるか? その導きがなければオリックスが宿られた兵を率いることも永遠になかっただろう。エラミスの軍隊はその影響力ゆえに、不快で危険な存在であり続けた。我々はその経験から学ぶべきだ。抵抗しなければ我々はその支配を受けることになる。だからこそ暗黒を通して均衡のメッセージを拡散する必要があるのだ。我々に求められているのは自制心だ――さもなければ、それが投げかける影の中に飲み込まれてしまうだろう。今こそ立ち上がり、采配を振る時だ。その力を活用し、暗黒が操る人形たちを排除しなくては。鍛錬を通して正しい知識を身につけることができれば、ガーディアンは穢れを恐れることなく、長い間眠り続けていた力を手にすることができるだろう。そうすればまた以前と同じように、彼らはお前の言葉に耳を貸すようになるだろう。彼らの希望の道標となれ。

暗黒を悪用する者たちを排除するのが我々の役目だ。揺るぎない集中力と無類の力によって、敵は我々の前に屈することになるだろう。そして黄金時代以来続く終わりのない夜に夜明けが訪れることになる。

そのために我々は戦っているのではないのか?

放浪者へ

放浪者、

お前の存在を疎ましく思ったり、その匂いに嫌悪感を覚えたりすることも少なくない。だが、お前は敵に関する知識の豊富さを証明してきた。暗黒が現れてもお前は怯まなかった。暗黒が到来した中でのお前の活躍は、何にも代えがたいものだった。

通常の状況下であれば、私はお前のことをけなし、お前がいかに今の立場に相応しくないかを説明していただろう。だが今は何もかもが異常だ。我々が長い間、固執し続けてきた時代遅れの哲学に囚われない広い視野を持つ者であれば、誰でも仲間として迎え入れるつもりだ。お前もこの状況下での均衡の重要性は理解しているはずだ。絶対に忘れるな、我々にはそれに応じた行動が求められている。お前の予測不能な行動はここでは必要ない。バンガードやガーディアンが何と言おうとも、我々の信念が揺らぐようなことがあってはならない。常に耳を澄ませておけ。敵の軍勢が結託して立ち向かってくるようなことがあれば、策を講じる相手の裏をかくことが何よりも重要だ。

私たちは2人とも独りで動くことに慣れている。だが、今やっていることを成功させるためには、利己的な事情は脇に置き、互いの共通点を探さなくてはならない。1人では、この役目の重さに潰れてしまうだろう。暗黒は人の弱さにつけ入る。お前も感じとっているのだろう――ステイシスがもたらす力をな。怖いか? より深く暗黒を理解しているのは私だろうが、私はいかなる幻想も抱いてはいない。お前が大義を捨てるよりも先に、暗黒は確信を欠いたお前をズタズタに引き裂くだろう。

だが、お前が謎のエクソに抱いている感情には興味がある。お前は本能で動くタイプのようだが、私の直感は全く鈍っていない。彼女は何かを隠している気がしてならない。それに、彼女が話した内容の多くは、思索的な謎に満ちている。目的については嘘はついていないようだが、それでも私は不安が捨てきれない。お前が信じるものは何だ? お前は誰も信用していないのだろう、私を含めてな。ひょっとするとその特性は見習うべきなのかもしれない。

我々は、未だ備えのできていない部分を試されることになるだろう。お前は軽口と皮肉が絶えないが、我々の担う責任の重さを理解していることを願う。今はふざけている場合ではない。そうしないと感情のおさまりがつかないのかもしれないがな。思ったことは胸にしまっておくといい。状況が良くなった時に振り返られるように、日記でもつけておけ。

最後に言っておくが、私を「ムーンダスト」と呼ぶことは控えてもらいたい。そうすれば、私もお前のことを「ネズミ」と呼ぶのをやめてやってもいい。

オシリスへ

オシリス、

友よ、この手紙はお前のもとに届かないかもしれない。お前の失踪は、惑星の消滅と同様に謎に包まれ、説明がつかない。この手紙を書いているのは、今我々が新たな時代のただ中にいるからだ。お前はその兆しが現れるよりはるか前に、この岐路を予測していた。今こそ、我々にはお前の叡智が必要だ。

自分が正しかったことを知ったら、お前は喜ぶか立腹するかのどちらかだろう。均衡こそが唯一の真実の道だ。お前は天秤が傾く様をその目で見た。どちらに傾いても、我々の目指す調和は決して得られない。

バンガードは我々の意図や能力に疑いを抱き、堕落や鞍替えを恐れている。彼らは私を信用していない。本音を語り、自由な考えを擁護するお前もまた、似たような軽蔑を受けていた。非難され、背信者呼ばわりされることがどんなものか、お前も知っているだろう。我々の組織が瓦解する日は遠くない。にもかかわらず、彼らは目前に迫る崩壊に気づいていない。

我々はあらゆる方面から操られてきた。サバスンは暗黒を、人を欺く道具として利用したが、バンガードは光によって我々を盲目にした。その中間の、手の届かない場所には力が隠されていた。だがそれも以前の話だ。イコラは迷っている。断崖を見つめながら、奈落の底へ落ちていくことをためらっている。もう彼女が決断を下すまで待ってはいられない。心は痛むが、今は個人的な感情を行動に交えるべきではない。私は腐敗の烙印を押された者たちと手を組み、暗黒に立ち向かうために暗黒が持つ力を手に入れた。暗黒は、制御不可能なものを押さえ込むことはできない。

我々はあまりに長い間光に縋りつき、暗黒のもたらす力を否定してきた。ステイシスを使えば、この戦いを終わらせることができる。この争いの正体は分かっている。我々の敵が興じているゲームだ。そして私たちはそのゲームの駒に過ぎなかった。

だがこれからは違う。

この戦いにお前抜きで挑みたくはないが、我々が決められることではないのかもしれない。今どこにいようとも、必ず我々のところに戻ってきてほしい。

アシェル・ミルへ

アシェル、

我がジェンシム書記官。この便りが届けられることはないだろう。決して届けられることのない、他の便りの数々と同じように。

私が抱くのは罪悪感、痛み、そして怒りだ。お前が最期を迎えた時、側にいてやれずすまない。終わりを明確に悟ったとき、お前がどんな気持ちでいたのか… イオの壮大さと揺り篭の聖なる地が、私が与えてやれなかった安らぎをもたらしたことを願う。

病がお前を痛めつけていたことは――分かっている。あれだけの苦痛の後では、ひょっとするとお前は死を歓迎したのかもしれない。ある意味ではお前が羨ましい。平穏を手に入れたことがな。そして苦痛を超えて、戦いの先に待っている世界を見られることが。だが、それは私が傍にいてやれなかったことの言い訳にはならない。私は未だに自分を許すことができない。

ヘルマウスから逃亡した後、お前がどれだけ私に心を砕いてくれたかは、決して忘れられない。全てを失った私にお前は希望を与え、同情など受け取る資格がないと考えていた私に思いやりを持って接してくれた。自分を取り戻させてくれた。

私は暗黒から力を盗んだ。それによって、全てが終わった暁には違う世界が訪れると思っていた。平和がもたらされ、お前の病も癒え、友の皆と温かいジャスミンティーを楽しむことができるのだと。

手段の正当性を示す結果だ。

アシェル、今この場でお前に誓おう。私は復讐を果たす。我々の敵の想像を超える力が、私にはある。忌まわしきハイヴどもを根絶やしにし、サバスンによるまやかしの統治は打ち砕かれるだろう。あの邪悪な一族は、ウィッチ・クイーンと共に終焉を迎える。それでも私は止まらない。ベックスにもその時が訪れるだろう。私は叫ぶ。お前の名が永遠にこだまし続けるように。そして奴らを追放する。腐敗と忘却が待つ時の彼方へと。

我々の敵は、私たちを内側から穢そうとした。奴らは我々が弱り、侵食されたものと思っているが、その病は私の行いにより治癒するだろう。奴らは我々が知識を絞り取っていたことに気づかなかった。今度は我ら自身が病となり、奴らを腐敗させよう。

あまりに多くの友が姿を消した。まだまだ序の口だ、そう妄想が私に囁く。速やかに行動しなければならない。お前の偉業を忘れさせはしない。お前の行いが、ベックス根絶の活力となるだろう。お前のために記念碑を建てよう。我らの光が再び共に輝くその時まで、心安らかにあれ。

ウィッチ・クイーンへ

お前は自らが賢く、何物にも脅かされず、全能であると信じ込んだ。あまりに長い間、それは事実だった。お前は我々を操り、陰で糸を引き、失敗をあげつらった。漆黒の針が我々の至らない点を貫き、信念に恐れと疑いを吹き込んだのだ。

ウィッチよ、お前は貪欲になった。自らの野望に呑まれ、力の及ばない場所にまで手を伸ばした。お前は自ら弱みを明かし、私はステイシスを通じて、お前が我らの生にかけた呪いを解く力を身に付けた。今や我らは、暗黒と光をこの手で支配している。それはお前に終焉をもたらすだろう。お前の手は私の友の血で濡れている。お前の干渉がもたらした苦しみを、私は忘れてはいない。オリックスの企みの陰でお前が糸を引いていたことを我々は見抜いた。クロタが最期を迎えたときのお前の喚き声を我々は聞いた。怯懦の陰に身を隠すことはもうできないぞ。

お前を逃がしはしない。

私がお前を終わらせる。お前の先祖と子孫が倒れ、お前の周りにあるもの全てが瓦解する時、お前の目の前にこのエリス・モーンが立ちはだかるだろう。そして私が、神々のパンテオンからお前の名を消し去ってやる。力は衰え、威光を失ったお前は、辱めに満ちた敗北を喫するのだ。

お前の死を我々はあざ笑う。お前は物語の登場人物として使われるだろう。子どもたちが口ずさむ歌は、欲に溺れ望みを失った老いぼれの魔女の教訓を語るだろう。お前の存在は寓話となり、やがて色褪せる。痛みのない、過ぎ去りし夢と化すだろう。

理解したか、サバスン?

お前の拷問を耐え抜く時間は終わった。お前を覆い隠すベールはもうない。我々にはお前の姿がはっきりと見えている。お前の指揮により、あまりに多くの悍ましい調べが奏でられた。この力を統べようというお前の企みは、全て無駄に終わったのだ。

お前は疫病で、我々はその薬だ。お前の軍勢は全滅し、ハイヴは我々の足元に積もる灰と化す。さぞや嘆くことだろうな。

こうしたことに思いを巡らせると、目が眩む。復讐は私の性に合うらしい。もはや私は恐れを知らない。確信がこの身に溢れている。次に我々が顔を合わせる時は、この身体を覆う包帯を外して、お前のありのままの姿を見てやる。お前は私をその目に映し、そして知る。私の瞳の奥に燃える炎が、お前という存在を忘却の彼方に追いやり、呼吸を奪い、灰となるまで燃やし尽くすのだと。

覚悟しろ。お前は私が必ず滅ぼす。

全てのガーディアンへ

ガーディアン、

我らの友の心に不満と懐疑心が充満し、我々の絆を蝕んでいる。タワーで広まっている噂は、お前の耳にも届いているだろう。エリス・モーンは暗黒に侵され、穢されたのだと。お前と私は、それが全くの偽りであることを知っている。お前は私と共に戦い、我らは力とひらめき、そして活力を得た。我々は均衡に達したのだ。

お前は既に多くの知識を得ている。光がそうであるように、暗黒もまたこちらを操ろうとはしないことをお前は知った。あれらは道具であり、選択肢なのだ。操り、支配されるために在るのだ。それはもうはっきりとしている。

これまでの道のりを通して、信頼できる味方はお前だけだった。謎のエクソについてはまだ疑念がある。放浪者についても同じだ。彼らが我々を失望させた場合――あるいは、我々を欺こうとした場合は――彼らの助力なしに、この道を歩まなくてはならない。そこに恐れはない。我々が共にある限り、誰も私たちを止めることはできないだろう。盗まれたものを取り戻し、取り返しのつかないものの復讐を遂げる。

ようやく暗黒を制御し、我々を滅ぼそうとする者たちに対して行使することが可能となった。我々全員がこの戦いを耐え抜き、そして勝つための手段を手に入れたのだ。カバルの反乱は脅威となる前に全て阻止する。ベックスは忘却の彼方へと追放する。フォールンに残された道は降伏、あるいは滅亡だけだ。サバスンと彼女の軍勢は屈服させられるだろう、腐敗する塵芥と化すまでな。ステイシスが、これまでの我々に不足していたものを教えてくれる。私と共にこの力を使え。我らの敵を滅ぼし、先人が阻止できなかった惨事を防ぐのだ。次の大崩壊はそこまで来ている。これまでの誤った善悪の概念は捨て去らねばならない。

事の重大さをお前は既に理解している。だから一言だけ警告を残しておこう。

新たな大崩壊は、暗黒のみによってもたらされたのではない。全てに原因がある。それは内側からやって来る… そして攻撃は既に始まっている。

この戦いはまだ終わらない。備えるべきものは多い。再び自らの運命の支配者となるのだ。私ひとりではこの戦いに挑むことはできない。お前たちが必要だ。お前たち全員の力が。お前たちに何を求めているのかは承知している。未知に立ち向かうこと。我々の理解の及ばぬ力を使うこと。この不確かな世界で、確かなことがひとつだけある――正しき意志を持って暗黒を行使することが、我らの真の救いとなる。共に手を取るか?