アイランド調査書

Last-modified: 2024-01-18 (木) 22:19:32

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アイランドの調査書

メインマップとなるARKアイランドの記録。
探索者はすべて、ここに来たばかりの時から記録をつけている。
テイム、トライブ、PVPや洞窟、ボスといった基本のシステムを世界観に沿って記している。
また、ARKがただの古代世界ではないことについての謎にも踏み込んでいる。
※このページには全文を記載しています。また、バージョンや訳法等により、現行の分と違う部分がある場合があります。

 

登場人物、記録の内容

長いので折りたたんであります。

 
ヘレナ・ウォーカーの記録
番号内容
ヘレナ
#1この島についてから何日が経った?多分数百日は経過した。この島は美しく、時折夜明け前にアテナ(※ヘレナがつけたアルゲンタヴィスの名前)を外に出し、暁天を滑空させる。私はその姿を見るのが好きだ。何気ないその瞬間に、自分がどれほど恵まれているか実感できるからだ。岩礁や熱帯雨林を探検していた頃も別に不幸ではなかったが、あのままではブロントサウルスには出会えなかっただろう。ここにきて私は、どの生物学者も目にしたことのない生物を研究する機会に恵まれたのだ。私はそのことをいつまでも感謝し続けるだろう。
#2暖かくなったら、ツンドラ地帯に住む生物の研究をしようと考えていたがどうやら無理そうだ。この星には自転軸の傾きがないため、季節というものが存在しないようだ。あの氷と雪が溶けることはないだろう。正直私は寒いのが嫌いだ。だが我慢しなければならない。この島の生物の多くが元々住んでいたジュラ紀及び白亜紀の気候は変化が乏しく、極寒地帯の存在は極めて異例だ。なのでたとえ寒くても、この素晴らしい研究機会を逃すわけにはいかない。
#3ハウリングウルフというトライブのおかげで北部の冒険が楽になった。もちろんアテナのおかげもある。ロックウェルにアルゲンダヴィスを貰った恩はどうやって返せばいいだろう?彼は私と会話できるだけで十分だと言うがやはり何かしないと罪悪感が残る。せめてここにいる間は、彼の研究のために花のサンプルをなるべく集めておこう。ハウリングウルフと生活を共にすることでこの地域のことが良く分かってきたし、そろそろ独立すべきだろう。真の科学的結論を導くためには、動物たちを長時間自然な状態で観察する必要があるからだ。
#4何て日!マンモスの調査書を仕上げていたら突然ティラノサウルスが群れに襲い掛かってきた。恐ろしい光景だった!ティラノは血の雨の中を暴れまわっていたわ。近くにいたハウリングウルフにこれはよくあることか聞いてみたら、よくあることらしい。でもそうすると、どうしてもわからないことがある。この気候でどうやってティラノサウルスが生き延びているのかだ。そして生態ピラミッドの頂点に君臨する彼らは、何故ここの生態系に影響を及ぼしていないの?この件に関して、なるべく早く調査しなければならない。
#5肉食動物の排泄物を調べてみたが結局わからなかった。この地域の捕食者の食習慣は似ている。たがあらゆる捕食者が同種の餌を求めているから、生物数は減り彼らの持続も不可能なはずだ。しかし生態系が変移している証拠はいまだに見つけられない。どういうこと?調べれば調べるほど答えが分からなくなる。ここの気候は島の他の場所とは異なっているし、多くの生物が恐竜よりも何百万年前もあとのもの。そして生態系はほぼ停止している。何かを見落としているに違いない。もう一度調査しなければ。
#6私の大バカ者!自分の手記を読み返していたら、この島には捕食される生物の倍近い捕食者が存在していることがわかった。これは正常な生態系ではない。むしろ正反対だ!ティラノサウルスが雪の中を元気に歩き回る姿を見るまでこの事実に気づかなかったなんて、なんて愚か者なんだ!つまりどういうことかというと、自然の摂理という意味ではこの島が持続することは不可能なのだ。つまり、この島は何者かに監視・管理されているのではないか?ロックウェルに相談しよう。きっと同じ結論になるはずだ。
#7一度もこの島が普通だと感じた事はない。理由はあの宙に浮かぶ巨大なオベリスクだ!そして私が発見した洞窟内に、オベリスクの土台にあるプラットフォームとほとんど同じものを発見した。唯一の違いは台に奇妙な形の穴が掘られているという点か。今までそれに関心を払わなかった。私はこの島独自の生態系を研究できればそれだけでよかった。しかしそれだけでは……いや、まだ結論に達するのは早い。まずはロックウェルを訪ねよう。私の調査が間違っているか、何か見落としている可能性がある。ここでこの島を諦めるわけにはいかない。
#8私はもっとロックウェルに会うべきだ。あれほどの経験を持つ人間は、傍にいるだけでとても刺激的だし話す度に新たな視点を得られる。島の生物学的な異常について、結論を急ぎすぎていた事を彼は再確認させてくれた。この地が良く知る科学的法則に従っていないからと言って、全く従っていないとは限らない。という重要な指摘をもらった。科学とは発見する事であり、新たな発見はそれまでの法則を無効にすることもあるからだ。自分の理論に縛られる前にもっと証拠を集めたい。そうでなければ科学者とは呼べないだろう。
#9ロックウェルに勧められ、海洋生物の調査をしに南へ向かうことにした。そこではペイントシャークスというトライブの手を借りる予定だ。島を囲んでいる海の生態系は陸地とは異なっている。両者の相関を知ることでこの場所の科学的異常性について理解できるかもしれない。それに毎日寒い思いをしていたし、南の島で温まるのも悪くない。海洋生物学は私の専門ではないが、海は好きだ。きっと美しい場所に違いない。
#10ロックウェルの紹介状を見せて以来、ペイントシャークスの面々は私を女王のように扱う。島でこんなご馳走を食べたことはなかった。まあこれは環境のせいではなく私の料理の腕が悪いからなのだが…。さらにシャークスの面々は研究にもとても協力的だ。現時点では捕食者と捕食される側のバランスは本土の生態系と一致している。海はメガロドンが多く泳いでおり攻撃的だ。限られた餌しかないから?サメに縄張り意識はないはずだが…さらに研究を続ける必要がある。
#11メガロドンの縄張り意識の強さに驚いたが、さらに驚く発見があった。それは繁殖行動だ。帰巣本能も気になるが、もっと興味深い事実が判明した。それはメスだ。私はとあるメスの妊娠期間を観察することができた。妊娠期間は驚くことに1週間だった。サメの44倍の周期で子供が生まれているのだ。あれだけの数がいるのもうなずける。次は囲われた状況でどんな変化があるか調べてみようと思う。
#12メガロドンに関することで一番驚いたのは、彼らを簡単に手懐ける事が出来た点だ。少し訓練しただけで飼い犬よりも従順になる。サメには1年近くも初歩的な訓練が必要と聞いた。所詮サメは哺乳類でも鳥類でもなく魚だ。本能で生きている。つまりそれほど賢くない。ジェットスキーのように乗れるわけないのだ。だがメガロドンに関しては、そんな苦労をする必要はない。ロックウェルが言ったように頭を柔らかくしようとしているが、これだけはどうにも納得ができない。
#13ペイントシャークスの所で得た情報が妥当だと思い始めていた頃、あり得ないものをみてしまった。カンガルーだ!巨大なカンガルーの群れが飛び回っていたのだ。カンガルーは好きだがここにいるべき生物ではない。彼らは恐竜が絶滅した6000万年後に誕生したからだ。…生態系なんてないのだ。ここはただの動物園だ!
#14最近までこの島は、世界の失われた謎を解き明かすことができる理想郷だと思っていた。だが今となっては、この場所は不自然すぎて私が持っていた希望は失われてしまった。人類による干渉とも思えない。多くのトライブが島で共生することを選んだが、満足していない者もいる。全てを征服しようとしている者もいる。戦争がこの土地の生態系を改善するとも思えない。それでも日の出は美しい。何があってもこれだけは不変だろう。
#15数々の異常の中でも、飼い慣らされたメガロドンほど異様な光景はない。まるで人間に服従する遺伝子が組み込まれている野良犬のようなのだ。ここで様々な光景を見てきたが、家畜化された生物を身近で見ることで学べることもありそうだ。食習慣や交配パターン、他の種との社会性など色々ある。ある女性が大量のメガロドンを1人でテイムしたという噂がある。「ジャングルのビーストクイーン」と呼ばれているらしい。その人なら有益な情報を持っているに違いない。
#16ビーストクイーンが他人を丁寧に迎えるわけないことくらい考えるべきだった。ロックウェルの仲間として友好的な対応に慣れすぎていた。しかし私の滞在を認め、恐竜たちに私を殺すよう言っていないだけでもよしとしよう。もっとも恐竜が居なくても彼女は簡単に私を殺せるだろうが。そうならないことを祈っている。監視されながらラプトルと向き合うのは想像以上に大変そうだから。
#17テイムされた生物の食習慣は野生の時とそう変わらなかった。これはビーストクイーンの飼い方にもよるのだろう。彼女は訓練として彼らを連れて狩りに出かけている。付近には十分な獲物がいる為彼らは遠くまで足を延ばす必要もない。この事実が、彼女の生物の並外れた出生率と成長率とは直接関係していないのも珍しい。そうだ、ついに彼女の名前を教えてもらった!メイ・イン・リーという。心なしか最近彼女の当たりも柔らくなってきた。思えば彼女の動物たちの排せつ物を調査していた私の第一印象が悪かったのだろう…。
#18驚くべきことに彼女の動物たちは絶対に喧嘩をしない。動物園で動物を分けて飼っているのには理由がある。ずっと飼い慣らされてきた犬猫であれば珍しくないが、本能を抑える事ができる動物は稀で、何らかの争いが起きるものだ。さらに彼女は草食動物さえ自分の軍隊に加えている。彼らの分厚い皮膚は火や爆弾にも優れた耐性がある。しかし肉食動物に囲まれても彼らが攻撃されることはない。どういうこと!?メイ・インは素晴らしい人物で、動物たちをしっかり訓練し面倒もよく見ている。黙っていたり、私が小難しい話をしない限り、彼女は楽しい人間だ。話が通じていないと感じるときもあるが...とにかくいい息抜きになる。
#19メイ・インの野営地でのメモを読み返してみた。結果、この島の動物は人に慣れているだけでなく、捕まることにまるで抵抗がないことがわかった。彼らの習性を見る限り、少なくとも何十年も定期的に訓練を受け飼い慣らされてきたようだ。そうでなければこれほど従順なはずがない。そう考えれば、この島が誰かの監督下にあるという私の仮説に真実味が帯びてくる。野生動物の管理だけでなく、遺伝子を操作して作り出している可能性もある。この説をロックウェルの話す前に、例の噂話の真偽を検証しておく必要がある。
#20これは決定的証拠に違いない!この島が肉食動物だけで構成されているなんて不自然だ。草食動物と比較して肉食動物の肉には、有害な寄生虫が存在する可能性がはるかに高い。そのことを考えれば肉食同士で食い合ったとしても、生息密度からして彼らが生存できる環境ではない。だがそれでも彼らはいる。誰かが何らかの目的で管理してるとしか思えない。この理論はロックウェルのも納得するしかないだろう。
#21やはりロックウェルは私の仮説を否定できなかった。しかし認めたわけでもない。率直に言うと彼はこの件に無関心にしか見えない。この件以上に最近は島のオベリスクに関心があるようだ。彼は探索中に、あのそびえ立つ遺跡と交流する方法を偶然見付けたようだ。かつての冒険家魂が再び燃え始めたのだろうか。彼の年齢を考えれば驚くべきことだ。よく考えてみたら、オベリスクは私の発見と何か関係があるかもしれない。その特性はずっと謎のままだったが、ロックウェルの頭の中には既にいくつかの考察があるようだ。私も研究を続けよう。
#22アイアンブラザーフッドのトライブに受け入れてもらえたが、歓迎はされてなさそう。ロックウェルの話をすると尚更そう感じる。加えて彼らの荒んだ住処を見ると不安になる。彼らのリーダーが遠征から戻る見込みもしばらくない。私が確認できたのは、ロックウェルが欲しがってるアーティファクトを彼らが全て回収したことと、アーティファクトによってオベリスクが起動できたことだ。ただ偉業を成し遂げたにも関わらず彼らはちっとも嬉しそうではない。彼らはただ殺したいだけなんだ。私には理解できない…。
#23アーティファクトに心を奪われそうだ。アイアンブラザーフッドのリーダーがこれを欲しがらなかった理由が分かった。使用用途が分からない上に、あの巨大蜘蛛(※ブルードマザー)からこれを奪う際に死んでいった仲間の事を思い出してしまうのだろう。でも本当に使い道はないの?オベリスクを反応させたアーティファクトと類似していることを彼らは匂わせたので、最寄のオベリスクで反応を試してみたが何も起きなかった。何か別の用途がある?そうか!洞窟の中にあるプラットフォームか!可能性は低いが、オベリスクに似ているものはそれしか思いつかない。試してみる価値はあるだろう。
#24信じられない!アーティファクトがプラットフォームの台座のスロットに完璧にはまった!もっと早く試すべきだった。今まで何をしていたんだ!この鍵がオベリスクを起動させることで手に入るのなら、残りの鍵も他の2つのオベリスクを起動させれば手に入るだろう。3つの鍵がそろった時、生態系をコントロールしている何かに導いてくれるかもしれない。他のオベリスクも同じように動くのなら、まずはアーティファクトを集める必要がある。しかしこの仕事を一人で達成できるはずがない…。
#25ハウリングウルフは一生懸命にアーティファクトを探してくれていたが、アイアンブラザーフッドの顛末を聞いた後は行きたがらなくなった。仕方ないことだが受け入れるわけにはいかない。私があの巨大蜘蛛と戦っても勝ち目はない。アテナが味方をしてくれたとしても、危険な選択はできない。私には信念も戦闘力もない。オベリスク起動時に何か起きても私一人では無力だ。交渉メモ:彼女に糞の話はしない。彼女に睨まれてもにらみ返さない。彼女にチリ(生)を持っていく。
#26屈強な女性でなければビーストクイーンなんてあだ名はつけられないだろう。だがあの巨大な猿(※メガピテクス)を見た時は流石に終わりだと思った。メイ・インは私よりもはるかに肝が据わっており、何とか勝利をつかみ取ることができた。彼女が味方でよかった!2つ目の鍵は既に見つけているが、ポータルに戻る前にもう少し探索をしようと思った。あの猿がここに住んでたわけじゃないなら、オベリスク起動時に解放されたのかも知れない。この孤立した環境でどう生存していたのか、どうたどり着いたのかわかれば有益な情報だろう。
#27噂に聞いていた征服者達と最悪の形で出会ってしまった。メイ・インとはそれほど仲良くなかったが、彼女のペットが無残に殺される様を見るのは気分が悪かった。そして囚人生活は私の性にあわない。「ガイウス・マルケルス・ネルヴァ」と名乗る彼らのリーダーはただの馬鹿ではなさそうだ。私が私物を持つことを許可してくれたし礼儀正しい会話もできる。ただ協力を拒めばきっと態度を一変させるだろう。私に残された選択肢は少ない。鍵も奪われてしまった。生き延びるにはニューレギオンの「客人」になるしかない。
#28ネルヴァは自信過剰だ。自分が神からの贈り物だと本気で思っているようだ。そのうぬぼれも、レギオンが第3の鍵とドラゴンの頭をもってオベリスクから帰還したあたりまでは理解できる範囲だった。残念ながら、いつか彼が大恥をかくのを期待しているのと同時に、私には彼とニューレギオンが必要だ。だから私に洞窟へのガイドを「お願い」してきた時も喜んで引き受けた。洞窟から戻ったら、私はもう用済みだろうか?
#29彼らが洞窟から帰還したら、彼らに私の運命を委ねよう。きっとこれが自分と向き合う最後の機会だ。私は神の啓示を無視しこの楽園を受け入れた。それでも私は幸福で自由だ。他に選択肢はなかった。考え抜いた結果、幻想の中で生きるよりは真実を求めて死ぬことを私は選んだ。ロックウェルに言わせればそれこそが真の科学者の生き様だろう。教会と戦うガレリオじゃないが、私にもどうしても譲れないものはある。
#30私はまだ生きている。それだけでなくメイ・インもだ。私を開放してくれたのは彼女だった。私たちは洞窟のポータルを使ってネルヴァ達を追跡した。そこで待ち受けていたのは恐ろしい光景だった。ネルヴァの仲間は全員死んでおり、1匹の奇妙な巨大生物と共に死体の山を築いていたのだ。だがネルヴァの死体はない。彼を発見した時、私はメイ・インの事も考えず、彼に平和的な方法を取ろうと提案した。その結果、強烈な一撃を食らうことになってしまった。ステーション全体を調べたが、メイ・インとネルヴァの血痕が少し見つかった。ただそれだけで、死体はない。勝者もいない。そして驚くべきものを目にすることになった。一瞬の出来事だった。私は宇宙ステーションのようなところにいたのだが、窓から外を見た時更に驚くことに気づいた。――今まで私はずっとその宇宙ステーションの中にいたのである。窓の外に浮いている機会に囲まれたその場所こそが、私の住んでいた島だった。未知の惑星の遥か上空の軌道上にあった。島の生態系は管理されているだけでなく、完全にゼロから作られたものだったのだ!だれが何のためにこんなものを作ったの?今のところ手掛かりはみつかっていない。だが必ず見つけて見せる。真実を見つけて見せる。
エドモンド・ロックウェルの記録
番号内容
ロックウェル
#1あなたがこれを読んでいるということは、サー・エドモンド・ロックウェルの日記を見つける幸運に恵まれたということだな!偉大なる学者にして気高き紳士、そして非凡なる冒険家であるこの私の日記を!同時に、この日記を読んでいるということは、この魅力的で危険極まりない島で、私が無残な最期を遂げてしまった可能性もあるだろう。または日記を盗んだ、もしくは私が日記を紛失したかもしれない。前者なら罪を恥じて首を吊りたまえ!後者なら今すぐ私に日記を返したまえ。よろしく。サー・エドモンド・ロックウェル
#2この島の植物相の素晴らしい特性に私はこれからも魅了され続けるだろう。ロンドンにいる同僚に、「記憶を消去する薬を調合できる」なんてい言ったら、私を笑い飛ばして二度とお茶の席に招待しなくなるはずだ。しかし今私の手元にはそれらがある。「マインドワイプトニック」いつものように、ロックウェル邸の門前に族長達は列をなし、この薬を欲しがり私にひれ伏す。もし調合方法を知ることができたら、きっと彼らは豪華な贈り物を差し出すだろう!しかし私は富に興味がない。彼らの保護と、研究用の資源と、有り余るほどの時間さえあれば十分だ。
#3部族との交渉に毎回頭を抱えている。ブラックサムズはペイントシャークスに船を二艇沈められたことに腹を立てている。ペイントシャークスは、ブラックサムズの船は南港に近づきすぎており、南島協定に基づけば、沈められて当然と主張する。そしてどちらも一歩も譲ろうとしない。面倒な連中だ。可能なら彼らの記憶を消して研究に専念したい。しかしこれも、この島で最も尊敬されている中立的な立場にいる私の運命なのだろう。少なくともペイントシャークスは新鮮な魚をくれた。彼らに味方をしたほうがよさそうだ。
#4優れた科学者ならだれでも実験の重要性を理解している。厳しい実験を経なければ薬には何の価値もない。だがこの島の知的でない連中にどうやってそのことを教えればいい?実験の初期段階でメソピテクスは被験者として重宝するが、ある程度の安全性が確認できれば、やはり人間で試したいものだ。ここでいう「被験者」とは、もちろん自ら志願したも者達であり、科学の発展のために多少の頭痛や強い吐き気を厭わない連中だ。ラッフィングスカルが「志願」していない者を差し出してきたことがあったが、さすがに断った。しかし最近志願者数が激減したことを鑑みると、時折その判断を後悔する。
#5ミス・ウォーカーの突然の訪問は、非常に嬉しい驚きだった。シャークスとブラックサムズに頭を悩まされた後、彼女とお茶を飲みながらARKの不可思議な生態系について語り合ったことは何よりの息抜きになった。科学への愛を共有できる知的な仲間が見つかったことを神に感謝しよう!しかし彼女の植民地訛りは、私には魅力的に感じるが、母国の上流社会の一員になる際には障害になるだろう。そのことを考えると心が痛む。ARKにまつわるもう1つの事実は、近代社会には全く見られないエリート集団の存在だ。ミス・ウォーカーと私で協力しあい、我々によく似た人材を発見し、育成することができれば、ここは科学者の理想郷となるだろう。
#6ホワイトスカイ・ピークでの調査は素晴らしい体験だった。気候も良く、良質な花のサンプルも見つかった。何より地元のハンターたちがたくさんのケブカサイの角を持っていた。それに実験の被験者も集まった!結局は「言い方」次第なのさ。「実験薬」に懐疑的な人ほど、「実験的食料」は受け入れてくれる。ある時持っていた吸熱性分泌物をフリアカレーと称したら、人々はこぞってそれを試したがった。もちろん栄養価は悪くないから騙してはいない。物は言いようなんだ。至って道徳的だ。
#7残念ながらフレアカレーの実験は延期になった。協力者たちがロックウェル邸まで足を運ぶことは難しいらしい。だからといってアルキメデス(※多分ロックウェルのアルゲンの名前)には頼めない。確かにアルゲンダヴィスには1人くらいなら掴んで運ぶ力はあるが、私はその行為が野蛮に思えてならない。残されたARKの状況は一刻を争うものだが、紳士はどんな時も品格と威厳を貫き通すものだ!ともあれ、助手たちには新たな協力者を見つけてもらう必要がある。当然見知らぬ人間を邸宅に招くことはしないが、私の洗練された民度に影響される人々もいるだろう。
#8時間の経過と共に数は減少しているが、協力的な人々によって私の実験は成り立っている。フレアカレーの吸熱特性の副作用の抑制に成功しただけでなく、付加価値を発見した。被験者の代謝が抑えられることが明らかになり、食事をしなくても生きられる時間が延ばせるようだ。素晴らしい!そんな効果があるなんて考えてもみなかった。一連の実験で得た知見から、このカレーとは真逆の効果を持つ食品も作れるだろう。つまり強烈な熱にも耐えらえるということだ!急いで被験者を募ろう。
#9次の実験ではもっと大規模な部族から被験者を募ることにした。彼らのつまらない揉め事を辛抱強くなだめた私の頼みとあれば、喜んで協力してくれるはずだ。…そう思った私が浅はかだった!頼みを聞くどころか、逆に頼みごとをしてきたのだ。攻撃的な新興部族が存在すると彼らは言っている。この部族のリーダーとの交渉には誰も成功していないそうだ。そこで当然のごとく彼らは私に白羽の矢を立てた。面倒事は避けたいが、彼らの願いを無下にもできない。ネルヴァというその部族長と対等に話し合えるのは、このサー・エドモンド・ロックウェルしかいないだろう。
#10ミスター・ネルヴァに関する報告は誇張されているように思う。イギリス人としては、少しの軽蔑をもってローマ帝国が思い起こされる。私の知る限りミスター・ネルヴァは文明的だし、誠実かつ知的だ。それどころか、長時間の会話をしてみて感じたが、この島の政治を担うのは彼以外にいないと思う。ローマ人がバクス・ロマーナを創出したように、ニューレギオンもバクス・アーカムを作るだろう。そうならなければ、私の研究にも悪影響を及ぼしたこの小競り合いに、私が干渉しない理由は存在しない。
#11トライブのリーダーたちは信じられないほど短絡的だ。彼らにはバトル・タルタルとシャドー・ステーキ・ソテーの実験に協力してもらっており、それが長引いていることには申し訳なく思っているが、結果的には長所のほうが多いのだ。超人的な力やスピード、配位を付与できる食品を作り上げたにもかかわらず、負の側面ばかりに注目するのはなぜだ。単細胞の集まりめ!今は私の実験への参加を禁じているようだ。馬鹿げている!奴らに人類の進歩を邪魔する権利はない。彼らは私の助手たちと違ってこの仕事の重要性を理解していない。
#12研究所を離れ短期休暇を取ることにした。これは助手イザベルの提案だ。彼女は最近の私の苛立ちを察知し、次の実験に進む前に少し自分の時間を作ってはどうかと言ってくれた。若いのによく気が利く女性だ。科学者としては物足りない部分もあるが、私の事をよく理解してくれている。休みの間に冒険をしてみようと思う。過酷な娯楽ほど心をリフレッシュできるものだ。洞窟探検なんてどうだろう。よし、そうしよう!ちょうどいい場所を知っている。
#13素晴らしい!実に素晴らしい!遠い北部の洞窟を私の探検目的地に決めた時、これほど素晴らしい発見があるとは予想もしていなかった。この発見が具体的に何を意味するかは不明だが、その分研究のしがいがあるというものだ。今までみたことのないものだ!構成材料の見当もつかないし、何らかの潜在エネルギーによって動脈している。これは一体なんだ?固有の物なのか、アーティファクトの一種なのかもわからない。何ていい気分なんだ!イザベルは正しかった。これこそ私が求めていたものだ!
#14大発見だ!私の仮説は正しかった。オベリスクの麓にある小さな祭壇とアーティファクトは、間違いなく近い関係にある。もっと早く気付くべきだった!アーティファクトとあの浮遊しているオベリスクの様式が酷似しているのは明らかだ。間違いなく同じ文化によって同時代に作られたものだ。アーティファクトとオベリスクは両方素晴らしい状態で保たれているのに、奇妙なことに文明の痕跡は皆無だ。あり得ないだろ?適当に島にやってきては構造物を建て、洞窟に骨董品も詰め込んでるのに、何の痕跡もなく消えるような文明があるか?理解できない。しかし私の好奇心が刺激されたことだけは確かだ。
#15私の考古学知識を用いてオベリスクについて研究できることはもう何もないようだ。不甲斐ない。熱中した研究だったのに。老いぼれロックウェルよ。洞窟探検という遠征であることを忘れたか?この島のどこかに更なるアーティファクトが眠っている可能性は考えないのか?それを確かめる前に匙を投げるなんて許されない。とは言え、大洞窟を1人で探すのは難しい。代わりに探検してくれる人はいないだろうか?既に探検済みなら尚更ありがたいのだが。
#16アルキメデスに乗って島を何日も探索した。そしてこの島の大部分を占める愚かで野蛮な連中と、無益な対話を気が遠くなるほど繰り返した結果、私はようやく理想とする冒険家と巡り合えた!アイアンブラザーフッドと呼ばれる部族は、自分たちの手でアーティファクトを3つ集めていた。それは私のと明らかに同一の起源を持つものだった。彼等は私のアーティファクトと交換に、何か新しい発見があればすぐ知らせると約束してくれた。なんという幸運!これで心機一転、錬金術の研究に戻れる。洞窟を這い蹲るのは彼らに任せておけばいい。素晴らしい!
#17ラザルスチャウダーの新たな実験は大成功だったが、自分の情熱を維持できなくなっている。被験者がメソピテクスだけでは、確固たる結果は得られないのだ。残念極まりない話だ。それでも今はイザベルが正しかったと言える。助手たちに実験の協力を仰ぐのは酷だし、わざわざリスクを冒す必要もない。近隣のトライブから協力者が見つからなかったら、猿で実験を続けるしかない。むしろそろそろギガントピテクスを捕獲する時期なのかもしれない…
#18時に「単細胞」をそばに置いておくことは有効的だ。例えば先日、ラザルスチャウダーと引き換えにハンターの集団から、飼い慣らされたギガントピテクスの一団を交換してもらった。彼らはチャウダーの安全性すら確認しなかった!次に彼らが猿の集団を連れてやってきたら、チャウダーは無害だったことが証明される。科学的には完全な証明とは言えないが、そう思って問題はないだろう。残念なことに、この原始人たちは恐ろしい刺激臭がする。イザベルは何らかの空気清浄法を考えているらしい。一刻も早い解決を願う。
#19なんてことだ…被験者数は増えたものの、私の研究に対する情熱が消えてしまった。先日の冒険で燃え上がったはずの探求心はどこへ行ってしまったのか。気が付くと上の空になる自分がいる。忌々しい!あの冒険は恵みではなく災いだったのだ。考えてみると、見つけたオベリスクやアーティファクトについてなら、いくらでも助手たちと語り合える。自分でも説明できない何かに私はひきつけられている。まるで強い引き潮のように、私の思考をさまよわせているのだ。しかしこれも一時の気まぐれかもしれない。時間をかけて検討してみよう。
#20またミス・ウォーカーに会えてよかった。助手たちも優秀だが、ヘレナは私の持論を深くまで理解してくれる唯一の存在だ。彼女の意見にもう少し聞く耳を持つべきだったと反省している。オベリスクのことになると、どうも周りが見えなくなってしまうらしい!この件には本当に夢中になっている。そうだ!今やっている実験が終わったら、アイアンブラザーフッドの進捗を確認しに行こう。ミス・ウォーカーにもお願いして参加してもらおう。2人が力を合わせれば素晴らしい科学発見が可能になるはずだ!
#21啓発の煮汁の実験が終了した。予想通りの結果に失望している。被検体の学習能力がわずかに向上したように思えたが、高度な知能を獲得したかは疑わしい。まあ、あまり気にしないことだ!助手たちによる次の遠征準備ももうすぐ終わりそうだ。出発前に送ろうと思っているアイアンブラザーフッドへの手紙も書き終えた。時が経てば、忘れて…おや?申し訳ないが、来客のようだ。こんなところにミスター・ネルヴァが何の用だ?
#22部族間での問題が生じた場合、私は常に中立であるよう厳格に努める。しかしミスター・ネルヴァほど尊敬すべき相手から魅力的な申し出を受けたとなれば話は別だ。彼は被験者の提供を約束してくれただけでなく、オベリスク調査についても興味を示してくれた。そして彼が私に求めるのは「信頼性のある助言」の提供だけだ。このような取引ができるトライブはいくつか存在するが、ミスター・ネルヴァのニューレギオンはこの島で最強だ。現状のままだと島で唯一の強力なトライブになるだろう。彼の申し出は検討する価値があるだろう。
#23熟慮した末、ミスター・ネルヴァの申し出を受けることにした。ニューレギオンが多くの部族から嫌われているのは確かだが、カール大帝は敵から好かれていたか?研究を続けるためには、勝利者を味方につけなければならない。新しい友好関係の一環として、私はしばらくミスター・ネルヴァと一緒に旅をする必要がある。ニューレギオンが外交政策の問題を解決するまで、オベリスクの研究はお預けだ。私が不在の間、ロックウェル邸はイザベルに任せることにした。彼女なら何も心配ないだろう。それでは新たな世界へ!新たな高みへ!
#24オベリスクの本質について、ミスター・ネルヴァに秘密にしていたのは認めよう。もしオベリスクが何らかの兵器なら、軍人である彼がそれを利用しないわけがない。実際、その可能性が示唆されることが度々あった。ただ恩人に嘘をつくのは本意ではない。どちらにせよ、兵器となり得る証拠など何もない。現段階では仮設に過ぎず、仮説を捻じ曲げるような行いは、ミスター・ネルヴァを遅かれ早かれオベリスクに向かわせることになるだろう。
#25ニューレギオンが進軍した!ミスター・ネルヴァはトライブを上手くまとめているが、彼らは質実剛健だ。装飾の一つも見た覚えがない。今はビーストクイーンを探しているようだ。彼らによると、彼女は自分の化物軍団と共に敵の肉で祝杯を挙げるらしい。恐ろしい!ミスター・ネルヴァは彼女がオベリスクに向かっているのではないかと考えている。どんな未開人も秘密を隠しておくことはできない。1人ではなおさらだ。
#26なんてことだ!驚きで開いた口が塞がらない!ミス・ウォーカーは、私に無断で野蛮な女と共にオベリスク調査をしていた。秘密裏にオベリスクの謎を解き明かそうとしていたのか?なんて女だ!傲慢にも程がある!あれほど敬意と礼儀をもって接したというのに!しかし私はいつも彼女の一歩先を行っている。私にはミスター・ネルヴァが付いている。私の発見に比べれば、彼女のオベリスクに対する知識など取るに足らない。これからもそれは変わらない。何故なら彼女は檻の中にいて、私の存在に気づいていないのだから!
#27この島に来る前なら、瞬間移動などほら話として笑い飛ばしていただろう。しかしオベリスクの下にある奇妙な台は、それを実現可能にしてくれるようだ!移動した先にはドラゴンがいた。ミスター・ネルヴァとその部下たちは勇敢に戦った。しかしこのよだれを垂らす怪物が1匹いたからといって、大した問題ではない!一瞬で地球の裏側まで行けるとしたら、どれほどすごいことか!考えるがいい。そして賭けてもいいが、オベリスクが秘める可能性の中でそれはほんの1つにすぎないのだ!さらに研究を進めよう!
#28ミスター・ネルヴァの気の短さにはうんざりしてきた。オベリスクを調査する時間がほとんどないまま、我々はミス・ウォーカーが言及していた洞窟へ出発することになった。(※TEK洞窟)オベリスクに関して、私より彼女のほうが詳しいと思っているのか?そんな馬鹿な!私の方が科学者として優れていることは、誰の目にも明らかだ!それに私は彼の正式な顧問であり、ウォーカーはただの囚人にすぎない。そもそも彼女は私がここにいる事すら知らない。とはいったものの、私は自分の能力を証明する必要性を感じている。あの洞窟に何があったとしても、正体を突き止めるのは私だ。オベリスクの謎を解くのは、ミス・ウォーカーでもネルヴァでもなく、私なのだ。
#29これほど素晴らしいもの見たのは人生で初めてだ!ミスター・ネルヴァは仲間の死を嘆き悲しむかもしれないが、これほど荘厳な光景を目にできるなら、私ならいくらでも仲間を生贄にするだろう!これほど美しい夜空は見たことがない。しかも驚いたことに、ここは美しい金属で作られているのだ!オベリスクに使われている金属に似ているが、それよりも…活力がある。個々の壁は力と可能性に満ち溢れているように感じる。タイルをサンプルとして持ち帰れるなら是非ともそうしたいのだが、ここは非常に厳重に管理されている。この金属に関する情報をもっと集める必要がある。ここにあるコンソールを調べれば、有用な情報が見つかるかもしれない。この手のことにはあまり詳しくないが、私の持つ科学的知識程度でも、専門用語を使って上手くごまかせれば、彼らから何か情報を得られるだろう
メイ・インの記録
番号内容
メイ・イン
#1ここはどこ?どうやってここへ?異国の海岸で目を覚まして以来、何度も自分に問いかけた。だけどもうやめにしよう。時間の無駄だ。答えがあったとしても何の役にも立たない。今考えるべきは「どうやって生きていく」かだ。その答えは常に、状況に応じて無数に存在する。そして答えがあると知るだけで、不安や恐れを感じても平静を保っていられる。ほんの数日前、もう何も恐れることはないと思っていた。黄巾の乱(※中国後漢末期の西暦184年に起きた、中国史上初の組織的農民反乱)とともに恐怖心は消滅したと思っていたのだ。しかしここであの巨大なトカゲに見つめられると、恐怖以外の何者でもない感情が私の中に芽生える。
#2粗末ではあるが、衣類や装飾品で身を固めることができた。ここで作った石槍は頼りなく、私の村の武器商人が見れば鼻で笑われるだろうが、これで何とかやっていくしかない。海岸をのろのろさまよう太った鳥たちならこの程度の武器で問題ない。しかしあのような生物が、ここで何故絶滅せずに生き残っているのだろうか。とにかく、彼らが居れば肉が不足することはない。自然の恵みに感謝しよう。弓矢は危険な生物のためにとってある。例えば、扇のような耳と酸性のような唾液を持つあのトカゲだ。(※ディロフォサウルス)しかし危険なのは野生動物だけではない。昨日砂の上に私以外の足跡を見つけた。他にも人間が居るという事か。
#3故郷を反乱から守ったあの数か月間は、長い年月をかけて学んだことよりもさらに多くの教訓を教えてくれた。その中の1つが「戦いにおいて男は女を常に甘く見る。そして人間はどんな動物よりも残虐になりうる」だが、今日この教訓の正しさを再確認した。私が発見した足跡は、1人ではなく3人分だった。私を見つけると、彼らは目の色が変わった。まるで羊を前にした狼のようだった。しかし私は羊ではない。私は狼だ。そして奴らはただの野良犬だ。私の警告を無視した2人は矢の餌食になった。最後の一人は槍で仕留めた。彼らの死体を野ざらしにしたまま、私はその場を去った。ここから移動したほうがよさそうだ。砂浜は開けているため守りには適さない。生き残る為に、勇気を出して森に入ろう。
#4今日私は偉大なる勝利を手にした。日が暮れるころ、切り立った崖の上にある小さな村にたどり着いた。しかしその村は、巨大なトカゲを乗り回し、火を放つ杖(※銃のこと)を操る1人の男から攻撃を受けていた。身の安全を考えるなら私は退却すべきだった。しかし無惨に横たわる死体を見て、何もしないわけにはいかなかった。虐殺行為を許してはおけない。不意打ちは戦士にとって最も強力な武器だ。私は迷わずそれを使った。最初の矢がトカゲの喉を貫いた。振り落とされた男の背中に、私は矢の雨を浴びせ続けた。誰に倒されたのか知ることなく、男は息絶えた。しかしトカゲは生かしておくべきだったと今になって後悔している。乗り物にちょうどよかっただろう…
#5生き残った村人達の許しを得て、私は襲撃者の武器と装備品をありがたく頂戴した。さらに彼らは一晩の宿を提供してくれた。驚くべきことに、私は彼らの言葉が理解できた。口の動きは奇妙だったが、それは私の祖国の言葉だった。少なくとも私の耳にはそう聞こえた。彼ら曰く、私の手首に埋め込まれている金属の機会がその原因らしい。なぜそんなことが可能なのかは全く分からないが、村人たちが嘘をつく理由もない。その夜、私は反乱の夢を見た。夢の中で私は関羽になっていた。たった1回の勇猛果敢な攻撃で、村の包囲を解いた。しかし目覚めると、私はやはりメイ・インだった。そして村人たちは姿を消していた。赤の他人とはいえ、彼らが失ったものを思うと心が沈んだ。私は独りで進まなければならない…
#6村人たちの話を聞いていると、獣を大人しくさせる方法は簡単に思えが、危うく命を落とすところだった。私の獲物はあの襲撃者が乗っていた2本足のトカゲと同じ種類で、村人たちが「ユタラプトル」と呼ぶ生き物だった。思った以上に生命力が強く、何とか毒矢で気絶させたが、その前に私の腕めがけて最後の突進を仕掛けてきた。腕をもぎ取られなかったのは幸いだった。私は警戒心を保ったまま、眠っている獣のかたわらにくず肉を置いてやった。目を覚ましたときも、武器の狙いは外せなかった。大人しくなったことを確認してから、初めてその姿をまともに観察できた。私はすぐさま「ウーズイ」という名前をつけた。運命など信じていないが、なぜかこの生き物が私を故郷に帰してくれるような気がした。
#7ユタラプトルたちはかなり成長した。彼らはウーズイに従うべきことを理解しているし、ウーズイは私の話に聞く耳を持ってくれる。騎手のいない獣は対陣を組むことはできないが、少なくともお互いから離れることはない。平地での狩りの間に、彼らは私の合図で攻撃することと退くことを学んだ。ウーズイとその5兄弟が協力すれば、ちょっとした騎馬隊になる。そして私は指揮官になろう。残念なことに私には彼らしかいない。私はモノ作りもできないし、何も持っていない。ただ島には色々な人が暮らしている。モノ作りに秀でてはいるが戦えない者もいる。そのような者と協力すればいいかもしれない。
#8防衛は上手くいった。多くのトライブがそうであるように、レッドホークスも粗野な力のみが頼りだった。獣や銃と共に突っ込むことしか考えておらず、守備は二の次だった。急襲される可能性など微塵も頭にはなく、側面は全くもって疎かだ。私たちが手にした勝利は非の打ちどころがなかった。約束の武器や物資を贈ってくれただけでなく、それらを運ぶための生物も与えてくれた。戦いの度に、私は成長し地位を手にする。全ては獣たちのおかげだが、その事実も気にならない。私が大切に想う人々が安全に家に帰ることができればそれでいい。私が戻るまではウーズイがいれば安心だろう。
#9この護衛任務が危険であることは告げられたが、まさか軍隊を相手にするとは予想していなかった。だが幸いにも、私は縦隊の先頭にいた為、先に敵を発見できた。コンボイに進路を変更するように合図を送った後、注意を引くために脇から奇襲しすぐ別方向に逃げた。それでも犠牲は出た。ウーズイの兄弟たちの多くが負傷し、死んだ者もいる。これまでの敵は攻撃を加えるとバラバラになったが、今日の相手は全然違った。護衛隊のリーダーにはとても感謝された。どうやらニューレギオンと接触して、生き残れたことが珍しいみたい。奴らには今後も注意が必要だ。
#10私は今や傭兵なのか?他の者から実際にそう呼ばれて初めて意識した。だが「傭兵」という呼び名は好きではない。私は富の為ではなく、生きるために戦っている。その二つは全く別物ではないか?祖国にいた頃は、誰のあるいは何のために戦っているのか、そして敵が誰なのか、私は承知していた。しかしここは別物だ。私は高潔でありたい。だから人々を襲うのではなく、守ることに努めているが、どうすればそのことに確信を持てるのだろうか?深く考える余裕はない。祖国に戻るために、そして生き残るために、ただ戦い続けなければならない。
#11より大きな生物をテイムできるようになってきた。私が持つ騎兵隊のスピードは有用だが、同時に不十分であることにも気づいていた。素早い攻撃を100回繰り返しても、そこに力が伴わなければ意味がない。ニューレギオンのような敵に打ち勝つためには、打撃力が必要なのだ。額に角が付いた巨大なユタラプトル(※カルノタウルスのこと)のような奴らを目標にした。力とスピードのバランスが良く、私の軍の核となり得る存在だ。十分な数を捕獲出来たら、より巨大なものも加えていきたい。そうすれば、ようやく家にたどり着くための力が得られるかもしれない
#12私がいる場所は島だ。しかも最悪なことにここは呪われている。背中に見事なトゲをもったトカゲ(※多分スピノのこと)と巨大なユタラプトル(※多分レックスのこと)を1匹ずつ何とかして手なずけた。どこに危険が潜んでいるかわからないこの地から去るために、ジャングルを抜け出した。しかし気づけば元に戻っていた。堂々巡りをしているようだ。そして最近もっと悪い知らせがあった。空と海には魔法の壁が存在しており、鳥も船もこの島の外に出ることができないらしい。私がどれほど強くなろうとも、これは解消できる問題ではない。祖国に戻る道自体がないのだ!ウーズイは私の不安な気持ちを感じ取っているようだ。ここのところ目が覚めると、彼は寄り添うように側にいてくれる。私はこの島に閉じ込められたかもしれないが、少なくとも独りぼっちではない。
#13今日は久しぶりに笑った。小さなトライブからきた漁師が私を雇おうとしたのだが、彼は私をこう呼んだ。「ジャングルのビーストクイーン」と。思わず吹き出してしまった。言いたいことはわかる。遠征が失敗に終わって以来、長い間同じ土地で時を過ごし、地元の人々もここが私たちの狩猟地であることを知っている。それでもクイーンと呼ばれるには恐れ多い。私の「城」はただの掘立小屋だぞ!とは言え、傭兵扱いされるよりはマシだ。この名を受け入れることにしよう。
#14父上は今の私をどう思うだろう。戦いに挑む姿を誇りに思うだろうか?昔から息子を欲しがっていた。こっそり私を鍛えたのもそのせいだ。ビーストクイーンを受け入れてくれるだろうか?母上は怒るだろう。ターバン(※黄巾党のこと)との戦いに参加した時は、村人たちも私の性別に構っている余裕などなかった。だがそんな時でも母上は受け入れてくれなかった。彼女に今の私は見せられない。もう気にしても仕方がない。二人は私の両親だが、かつての人生が実在したのかさえ、今となっては疑わしい。私は生まれながらにして「ビースト」だったのかもしれない
#15ついに飼い慣らすことができない獣と出会った。獣と呼ぶには余りにも恐ろしい。あれは悪魔だ。2頭の巨大ユタラプトルを追っているときだった。捕獲する機会を窺っていたところ、奴(※ギガノトサウルス)が木々の中から現れた。あまりの巨体に、それと張り合える者は存在しないと思えるほどの恐ろしさだった。ユタラプトルに噛まれたその悪魔は、怒りで目を輝かせ、すさまじい反撃を加えた。これほどの恐怖を感じた事はいまだにない。私でもこの化物を相手にしたくない。私がビーストクイーンなら、奴はデーモンキングだ。
#16昨日ヘレナという女性がやってきた。目的は私を雇うためではなく、私の獣たちを観たいと言ってきた。彼女はこの島の生物を研究している学者らしいが、信頼できないので最初は断っていた。だってそうだろう?こんな場所で学者に構っている余裕はない。しかしそれでも引き下がらない彼女の熱意に結局折れてしまった。正しい判断だったのかは分からない。ヘレナは常に変な質問をしてくる。獣たちの排泄や交配について学んで何になる?本当に変わった人だ。
#17ヘレナが現れてから、私は彼女の視線を追ってばかりいたし、彼女があの分厚い本に何を書き留めていたのかを気にしていた。だが今は会話中を除いて、彼女を特に気にすることはなくなった。彼女の質問は今も尽きないが、動物の糞について話してばかりもいられない。普通の話をするときもある。例えば料理とか。2人とも上手とは言えないが、力を合わせれば肉を単体で食べるよりはマシなものを何品か作れるようになった。しかしやがて2人の間には再び沈黙が訪れるだろう。ヘレナは先に進むと言っているし、南では戦争が活発化している。もうじき私も剣を握ることになるだろう。
#18南方の戦争はただの戦争ではない。私を雇いに来たペイントシャークスのメンバーによると、相手はニューレギオンのようだ。私は思わず固まってしまった。初めから脅威とは思っていたが、最後に会った時よりもさらに強力になっていた。しかしそれは相手だけじゃない。私もシャークスも必死で生きてきた。奴らに背を向けるわけにはいかない。戦争の準備を始める間、数か月前に見た夢が呼び起こされた。今も運命は信じないが、私はこういう星のもとに生まれてきたのだろう。この島でなら、私も関羽のようになれる。
#19私の獣たちこそシャークスに不足していたものだ。彼らの力は海でこそ発揮される。陸上で戦うための攻撃力が足りない。それがなければ包囲攻撃にただ耐えることしかできない。だが私の獣たちがレギオンの後方から突撃したことによってその状況は打破された。レギオンが撤退をしている時の歓喜が今も耳に残っている。胸の中で膨らんだ感情を感じることができる。家に帰還できた時の感情に近いだろうか。忘れないようにしておこう。
#20無意識のうちに自分の中の鬼が大きくなっていることが恐ろしくなる時がある。私を見る他人の目が変わっていることが何よりの証拠だろう。戦いのとき、シャークスは私を励ましてくれるが、その後はほとんど会話もない。私は別のキャンプで過ごし、戦略を練る時にだけ招集される。それはなぜなのか。この島に信頼という言葉は存在しないに等しい。それは理解している。しかし、私は彼らのために血を流し、彼らのために獣たちを失った。これはただ単に戦争の代償なのか?今はレギオンの縄張りにいる。奴らに戦いを仕掛けるために。この戦争に勝てば、シャークスは私を受け入れてくれるだろうか?
#21怒りを感じた時は、それによって生じる結果を考えろ。頭では分かっていても、沸き立つ激情を抑えるのは難しい。そうなるとウーズイでさえ私に近寄らない。昨晩シャークスのキャンプから聞こえる雷鳴の音で目が覚めた。すぐ救援に向かったが、夜の暗闇とパニックで敵襲を許してしまった。事態が落ち着いた頃には大勢の仲間を失っていた。これは明らかに敵の仕業だ。しかしあの愚か者たちは、この混乱を私のせいにした。私がキャンプに火をつけたとさえ言う者もいた。あれだけのことをしてきた私を疑うなんて。臆病者め!お前たちには何かを言う権利はない!
#22。なぜ気づかなかったんだ。私は自信の矜持に飲み込まれることはないが、あの恐れ知らずのシャークスたちにはそれは無理だった。奴らの命令に従い、私は今朝帰還に向けて長い道のりを歩み始めた。奴らは私がいなくても戦争を終わらせられると言ったが、それは間違いだ。私たちなしではニューレギオンに粉砕されて終わりだ。だが私に何ができる?私を必要としない者たちを守ることはできない。その後私はニューレギオンに追われるだろうか?そうなった場合、援軍は訪れない。自分の力以外に頼れるものはない。しかし肝心のその力も今は不十分だ強くならねばらない。デーモンキングが必要だ
#23壮絶な戦いを経て、遂に私のものになった。デーモンキングを手に入れたのだ。その代償は計り知れない。私が使った最速の獣たちも多くやられてしまった。ウーズイがいなければ私までやられていただろう。彼は素早いだけでなく、狡猾でもある。保つべき距離と退くべき時を完全に理解している。彼に勝る物はない。明日からデーモンキングを飼い慣らす必要がある。だが今夜ばかりはお祝いをしよう。
#24飛行生物に乗って、空からデーモンキングの狩猟能力を見極めるという判断は正しかった。彼が小さな岩につまづいた時、その眼には見覚えのある怒りが帯び始め、私の命令にも従わなくなった。その後落ち着きを取り戻し、命令にも従うようになったが、肝を冷やす出来事だった。他の獣たちとは引き離すべきだろう。彼らの安全のためでもあるが、一緒にいては気が休まらない。彼が来てから緊張が続いているが、彼らの責任ではない。デーモンキングが持つ力は偉大だが、同時に私たちをも滅ぼしかねない。扱いには細心の注意が必要だ。
#25これは失敗なのか?そうかもしれない。地平線に見える巨大な光の柱へ近づくにつれて不安がますます大きくなる。これは間違いなく賭けだ。あの光の柱がもう1つの柱と同じものかどうか、ヘレナは知らなかった。もしそうだとしても…別の次元に飛ばされて謎の鍵を手に入れるために1匹の怪物と戦う羽目になっても、これが家路への最初の一歩となる可能性はある。憶測が外れていたとしても、少なくともこの島とニューレギオンから離れるための道程にはなってくれる。厳密に言えば、私はヘレナに雇われている身だ。しかしその最初の一歩だけでも、報酬としての価値はある。危険に値するのだ。果たして私は立ち向かえるのだろうか
#26もし私が恐怖に負けてデーモンキングを犠牲にしていたら、ヘレナと共に今頃死んでいただろう。あの巨大な猿(※メガピテクス)に打ち勝てたのはキングのおかげだ。巨大猿討伐には相応の代償があったが、それは勝利の代償というものだ。希望の代償だ。もらった鍵はヘレナが持っていたものと一致した。第3の鍵を導くということに違いない。それを組み合わせると何が起きるのか?柱は私たちをどこかに導き、その力で私たちはどこにでも行けるようになるのだろうか?もしかしたら故郷に帰れるかもしれない。
#27ニューレギオンめ!なんて卑怯な連中だ!こちらの戦力が整っていれば、あいつらを撃退するなど訳もなかったのに…光の柱に戻ってきた直後に奴らは攻撃を仕掛けてきた。私はかけがえのない獣たちを失った。そして撤退を開始する前に、デーモンキングは怒りのあまり手がつけられなくなった。それは絶望を意味した。最後に覚えていることは、横腹に感じた鋭い痛みだ。目覚めるとそこには私とウーズイしかいなかった。(※ウーズイがメイ・インを連れて逃走に成功)私たちはどちらも血まみれだったが、ウーズイのほうが傷は深かった。そのような瀕死の状態で、彼は私をどうやって安全なところまで運んでくれたのだろうか。隠れる場所を探さなければならない。私の味方はウーズイだけだ。そして生き延びる希望はわずかしかない。
#28親愛なる友を失った。最後まで彼は堂々としていた。敵の生物たちは大きく、彼が負傷していたこともあり、彼よりも素早かった。しかしウーズイの魂に勝る獣などこの世にはいない。彼が眠りについた地に彼を埋葬した。最後の最後まで彼には救われてしまった。そのような立派な友人に私は釣り合っていなかったかもしれないが、敵は必ず討つ。相手は獣ではなく、ニューレギオンだ。奴らの手によって友は死んだ。先祖の魂に誓って、リーダーを探し出し、心臓を抉り出してやる!ウーズイの名の下に首をもらいにいくぞ!
#29予想通り、ニューレギオンは最後の光の柱を狙っていた。彼らが出発するのを確認して以来ずっと後をつけている。直接対決するには敵の数が多すぎる。もし見つかれば命はない。しかし私は隠れ方を知っている。奴らが飼っている獣たちから自分の匂いを消すこともできる。彼らのリーダーを特定するのに時間はかからなかった。あの誇らしげな歩き方と、威厳のある振る舞いを見れば明らかだ。あの男を矢で撃てば済む話かもしれないが、死ぬ前にこちらの顔を見せたい。ビーストクイーンに倒されたことを知らしめたい。
#30レギオンがポータルに入る前に(※TEK洞窟のこと)、ヘレナを檻から解放すべきではなかった。彼女はこの世界の謎に関心がありすぎた。レギオンのほとんどの兵士が死んだことを知ると、リーダーを殺そうとする私を止めてきた。ひとまず気絶してもらったが…。彼女に危害を加えるのは不本意だが、邪魔者は排除する。だが彼女からネルヴァという名前は得られた。この絶好の舞台で私が殺す男の名だ。それにしてもなんと美しい場所だ。見事な星空も見える。これほど復讐に適した場所はない。さあ、天と地の境界で、この戦いに終止符を打とうではないか!
#31もしかしたらネルヴァは、自分が戦いでは死なないことを知っていたのではないだろうか。彼は私に何度か切り付けられた後、暗闇の中に逃げ込んだ。しかし彼が深手を負っていることは間違いない。血は嘘をつかない。この司令部は常識を遥かに逸脱した技術を用いて作られたようだ。遠くにはいくつかの世界が見える。1つは間違いなく今まで私がいた場所だ。世界がこれ以上にたくさん存在しているのは最早疑いようがない。卑劣なネルヴァは死から逃げきることに成功したようだ。彼は知らないだろうが私は諦めが悪い。どこにいたとしても必ず見つけ出して見せる。司令部の奥のほうにあるプラットフォームにターミナルがある。どうやら決められたコードを入力すれば、他の世界に移動することができるようだ。だがやめておく。そんなことをすれば、ビーストクイーンの餌食になる敵が増えるだけだ。
ガイウス・ネルヴァの記録
番号内容
ネルヴァ
#1私の心を本当にかき乱しているのは、巨大かつ凶暴なここの生物達ではなく、この地における混沌そのものだ。動物とは本来野生的なものであり、完全に飼い慣らすことはできない。しかし人間はどうだ?人間は動物より上位に存在すべきなのに、ここの連中は野良犬のようにゴミを奪い合い、みじめな生活を送っている。そのような者達の一部を説き伏せ、私の指揮のもとに結束させた。そして彼らと力を合わせて、平和と秩序を築いた。残念ながら彼らは行儀が悪く、強調精神も欠けている。今後はその点を修正していかなければならない。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#2ダキア(現在のルーマニア当たり)にて初めて指揮した日を思い出した。彼らの多くは私の地位に疑問を呈した。百人隊長としてはあまりにも若すぎたのだ。彼らの信頼を得るまでしばらくかかったが、それは必要不可欠な時間だった。軍の規律を守るためには、戦闘時に私の指揮を疑う兵士が1人でもいては困る。規律がなければ百人隊の隊形は崩れ去り、部隊は危険にさらされる。この地でもそれは同じだ。ここに来て集めたみすぼらしい男女を、一晩で立派な兵士に育て上げるのは不可能だ。しかし私は辛抱強く、ダキアにいた頃よりも経験を積んでいる。この島にローマの強さを思い知らせてやる。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#3私の指揮が成果を見せ始めると、訓練は一層楽になった。兵士達の中にあふれんばかりの熱意が生まれ、訓練や単純作業だけでは彼らは満足できなくなった。今朝目覚めると、武器庫の上に軍旗がはためいていた。それはかの帝国軍の旗だったが、鷲の代わりにこの島に住む空飛ぶトカゲが、そして「元老院並びにローマ市民へ」の代わりに、とある異国の言葉が描かれていた。その意味はニューレギオンだと私は教えられた。その時私の顔には笑みが浮かんでいた。ならば彼らの意志を汲もう。私の兵士達が本物かどうか試す時だ。我々は夜明けに進軍を開始する。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#4もう少し骨があると期待していたのだが、兵士の力を試すには、相手が弱すぎた。我々が襲撃した部族は、できたばかりではあるものの、他の部族に攻撃を仕掛けて何度か成功していたらしい。しかし、あれほどすぐに混乱状態に陥る連中が、なぜ勝利できたのか不明だ。戦いを捨てて逃げ出す者もいた。もちろん容赦はしなかった。敵の砦から物資を奪い、その後徹底的に燃やし尽くした。そして灰の中に我々の旗を立てた。戦いの真似事をしている全ての野蛮人に教えてやろう。我々がニューレギオンだ。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#5飛行生物に対してようやく防御態勢が整った。彼らのことを特殊な存在だと思っていたが、その考えを捨て去れば、何をすべきかは自明だった。敵が誰であっても、その行動を制御すれば防御は成立する。そこで彼らの侵入を完全に防ぐことはあきらめ、我々の対空防御網にあえて穴を作り、こちらが戦いやすい環境に誘い込むようにした。砦全体に屋根を築くのは無理だと言っていた我が軍の建築家は、この作業が成功してとても喜んでいた。屋根を作るには砦の規模が大きすぎる。しかも今後ますます大きくなることが予想される。我々にとって最初の本当の戦いが、間もなく始まる。そして戦いが終わる前に、ブラックサムズの兵士の大部分は戦場を放棄するだろう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#6この世界の武器に慣れるのに、それほど時間はかからなかった。部下の1人いわく、ここの武器の多くは「銃」と呼ばれているが、弓と比べて正確性と殺傷能力が格段に優れている。しかし武器の威力は使用者の能力に左右される。ブラックサムズが銃を構えたところで、恐れる必要は皆無だ。我々はブラックサムズを誘導して、耐久能力が高く、且つ使い捨て可能な獣の群れと戦わせ、機を見て本隊が攻撃を仕掛けるという戦法を採用している。こうすることで、こちらは集中攻撃できるが、敵の攻撃は散発的になる。それだけで戦局は大いに有利になる。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#7ブラックサムズは壊滅した。彼らのリーダーはしぶとかったが、その部下達は運命に抗う気力を持っていなかった。昨夜彼らはリーダーの首を差し出した。このように敵が降伏してくる姿を、今後頻繁に見ることになるだろう。ブラックサムズはあくまでもその手始めだ。私には未来がはっきりと見える。これは定められた運命だ。秩序と文明をもたらすために、神々は私をこの地に送り込んだ。ヤヌスが時間と空間を越える橋をかけ、マルスは私に彼の力を授けた。彼らの名のもとに、私は自身の帝国をここに築く。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#8兵士達にしばらく休暇を与えた。再び進軍を開始する前に、力を結集させ、征服への道程を計画する時間が必要だ。戦いを焦っていたら、アウグストゥスは帝国を統一できなかっただろう。肝心なのは時間をかけること、そしてもっと重要なのは、有益な情報を収集することだ。これを書いているこの瞬間も、我が軍の偵察部隊周辺地域の地図を作り、敵になりうる部族に目を光らせている。彼らは間違いなくブラックサムズとは違うだろう。私にとってのマルクス・アントニウスが見つかったら、戦いの準備を進めよう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#9賢明な指揮官は焦らずじっくり計画を練るものだが、勝利の美酒に酔いしれることは、ただの自己満足にすぎない。偵察部隊が海と森で活動を続ける間、私は本体を休ませることなく定期的に戦わせた。標的は主に小さな村や警戒の薄い(※)部隊など弱い連中を選んだが、彼らがそれなりに抵抗してくれたおかげで、兵士達の戦闘本能を磨いておくことができた。襲撃によって得たわずかながらの略奪物を与えることで、彼らの士気も低下せずに済んだ。しかしこちらの動きが目立ってしまった。偵察隊の報告によると、多くの部族が我々の縄張りに足を入れることを避けるようになったそうだ。それならそれで構わない。我々の恐ろしさが巷に広がれば、我が軍は戦いを有利に運べる。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)※は判別不能、護衛?
#10たかがコンボイ(輸送隊の意味)がニューレギオンに危害を加えるとは誰が想像できた?今日に至るまで、そんなことありえないと思っていた。我々の接近には気付いていたはずだ。なぜなら、獲物を見つけた瞬間、私たちの左翼は獣たちに囲まれていたからだ。数や大きさは大したことなかったが、動きは洗練され、組織的だった。それらを何とか追い返すことに成功したが、気づけばコンボイは消えていた。そんなはずないと、捜し回ったが、ライダーが1人いただけだった。彼女は誰だ?マルスの祝福を受けた者は、ミネルバから苦しめられる運命なのか?いや、単に準備不足だっただけだ。そして過ちは繰り返さない。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#11周辺地域にいる部族のいくつかは、我々の襲撃に音を上げたようだ。今日ゴールデンアローの使者がやってきて、我々との間に実りのある貿易協定を結ぶことを申し出た。こちらがゴールデンアローもしくは彼らの同盟部族の縄張りや護衛部隊に手を出さないことが、その条件だった。私は貿易協定には興味がないが、与えられた機会を逃すほど愚かでもない。そこで申し出を即座に受け入れる代わりに、どこか中立地に部族のリーダーを集めて、その場で協定を批准することを提案した。十分時間をかけて計画を練った。ニューレギオンが進軍を再開する時が来たようだ。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#12ゴールデンアローの申し出に私が厳格に対応したことは、噂となってすぐに広まった。しかし行動に出る者はほとんどいなかった。それもある意味当然だろう。リーダーを失ったゴールデンアローはあっという間に壊滅し、ニューレギオンは実質一夜にしてその勢力を著しく拡大させたのだ。他の部族にできることは、怖気づいた態度を一時的にとりつくろい、また使者を送り込むことぐらいだった。前回の使者の申し出があんなことになってしまったせいで、私は今回も半信半疑だった。しかしエドモンド・ロックウェルという名の使者は、どうやら只者ではないようだ。島に精通した中立的な立場の人間として、部族の連中は皆彼のことを尊敬している。これから奴の真価を探ってみよう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#13エドモンド・ロックウェルにはそれほど期待していなかったが、彼には正直驚かされた。話し方にくせがあるものの、剃刀のように鋭い知性と膨大な知識を持っていることは明らかだ。一緒にいたのは半日ほどだが、それでもこの島に関する貴重な情報を彼から得ることができた。ちなみにこの島は「ARK」と呼ばれているそうだ。ロックウェルがどこに住んでいるか、斥候に探らせてみよう。ARKに関する専門知識に加えて、彼は途方もない効果を持つ秘薬を作ることでも知られている。敵の手にそれを渡す訳にはいかない。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#14ロックウェルに私の野望を抑える力があるのか、それを疑っていたのは私だけではないようだ。周辺地域にいたペイントシャークスが、意を決して沿岸部にある我々の砦のいくつかに攻撃を仕掛けてきた。図らずもそれが彼らの習性を暴露することとなった。敵は陸戦を避け、攻撃を空と海のみに限定したのだ。ペイントシャークスが海戦を得意とするなら、沿岸地域にいる我が軍を退避させて本土にある前哨基地を叩けばいい。援軍と物資を絶たれた島の要塞を頃合いを見て攻めれば、たやすく堕ちて廃墟となるだろう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#15あの護衛部隊との遭遇はただの偶然ではなかった。例の獣使いが戻ってきたのだ。しかし今回は事前に準備を整えていた。ビーストクイーンがペイントシャークスと手を組んだという報告が、包囲攻撃の数日前に私の耳に届いていたのだ。前回よりも部隊は規模を増していたが、あの女であることは間違いない。ビーストクイーンによって我々の包囲網は破られ、しかもニューレギオンは結成以来初めて完全撤退を強いられた。このような事態は今回で最後にすると、私は自身に誓った。私はペイントシャークスを倒し、ARKの全てを制圧する。しかしその前に、あの「クイーン」とやらを始末する必要がある。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#16私の敵は「ジャングルのビーストクイーン」ことメイ・イン・リーだ。その名前を聞くだけでうんざりするが、もうすぐそれも終わりだ。彼女はペイントシャークスを含めたどの部族にも属さない傭兵だ。つまりあの女を倒さずとも、雇い主との関係を断ち切るだけでよいということだ。そして私はその方法を知っている。我が勝利の種はすでにまかれた。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#17ビーストクイーンのことはもう心配しなくていい。実に簡単な問題だった。我が軍の小隊が、夜の闇に紛れてペイントシャークスの野営地に爆薬を仕掛けた。その際ビーストクイーンの陣地には手を出さないように注意した。予想どおり、ビーストクイーンは爆発に気づき、現場に急行した。しかしペイントシャークスはそれを敵の襲撃と勘違いした。その後彼らが袂を分かつまでは、時間の問題だった。あの女が戦いに参加しないなら、現在進行中の陸戦は間もなく終結を迎えるだろう。ペイントシャークスはすでに我々の領地から追い出した。間もなく、彼らが最も得意とする海戦で対決することになる。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#18本土におけるペイントシャークスの最後の足場を奪取すると、戦局は消耗戦となった。こちらが正規の船団を1つ結成する間、ペイントシャークスの物資は減り続ける。そして我が軍の航空隊は、彼らの本拠地に連続攻撃を仕掛ける。本格的な侵攻が完遂した暁には、敵の士気は崩れ去り、備蓄は空っぽになるだろう。それまでの間、この島における海上戦の可能性を探ってみた。海洋生物の中には背中に小型投石器を設置できるものがいる。ある種の風変わりな戦艦として活用できそうだ。彼らの実戦投入を、私は楽しみにしている。戦意を完全に喪失する前に、ペイントシャークスが少しは抵抗して、小競り合いの1つか2つは起こることを期待しておこう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#19「今日という日は永遠に歴史に刻まれるだろう。今日私はペイントシャークスの陥落した砦に、ニューレギオンの旗を打ち立てた。それこそが、私の帝国が真に誕生した瞬間だった。ニューレギオンが、この島の支配者となったのだ。勝利を祝うために、私は兵士達に3日間の休暇を与えた。しかし私に休日はない。私の仕事に終わりはないからだ。本当の目標を見失ってはいけない。この島に新たな時代をもたらして初めて、私は満足感を得ることができる。休むのはそれからでいい。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#20偵察隊からロックウェルの居場所をようやく見つけたという報告があった。私は彼と対面するために直ちに出発した。他の者なら早急に代理を立てて対処する問題かもしれないが、私にためらいはなかった。ロックウェルのような人材はこの島では貴重であり、彼を顧問に迎えることができれば、その価値は計り知れない。ロックウェルが私の申し出を受け入れるかどうかは分からないが、私の直接訪問は成果があったようだ。ロックウェルはこの島の巨大なオベリスクの研究に時間を割いており、あれには甚大な力が秘められていると考えている。その力を利用できるなら、私もできるだけ深く知っておく必要がある。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#21オベリスクへの興味は尽きない。ロックウェルはその1つに何らかの供え物をすることによって、反応を引き出すことに成功した。あれは神々を称える巨大な記念碑なのか。いけにえを捧げれば、神の力を授けてもらえるのだろうか?もちろんそうだろう。ヤヌスはこの島を支配させるために、私をここに遣わせたのかもしれない。しかし私はこの儀式を終わらせて、その他の神々に私の真価を証明しなければならない。ロックウェルの助言をいくらでも聞ける今なら、神の試練を乗り越えるのもたやすいだろう。そして神々の力は私のものになるのだ。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#22偵察隊の報告を吟味した結果、ニューレギオンの進軍に耐え切った部族がいくつか残っているという結論に達した。雪が降りしきるこの島のツンドラ地帯も、さらなる懸念材料だ。この地域最大の勢力であるハウリングウルフは、どう猛な戦士として知られている。その上あの天候では、長期的な侵攻はほぼ不可能と思われる。ひとまず北の氷の台地は避け、小さな部族を併合してニューレギオンの支配を固め、ロックウェルと協力してオベリスクの調査をすることを優先しよう。北部の難題に対処するのは、新たな力を手に入れてからでいい。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#23ニューレギオンには力と偉大さを体現する本拠地が必要だ。ローマへ初めて行った日を思い出しているとき、そう気づいた。ヌミディア*にあった私の故郷は素晴らしいところだったが、大都市の壮大さと比べるとどうしてもかすんでしまう。あの頃の私は、ローマを常に畏敬の念で見ていた。この島のほとんどの資源は、現在、すなわち当面の課題のために消費されている。しかしいつか新たな世代が、我々の築いた城壁の中で暮らす日が来るだろう。先人達が築いたものを彼らが目撃するとき、私と同じくらいの感銘を受けてほしい。生まれた場所がどこであれ、運命は自分の手の中にあることを彼らに教えたい。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳) *ヌミディア=現在のアルジェリア北東部の地域。ローマの属州
#24嫌な知らせが飛び込んできた。さらに大きくなった部隊を伴い、ビーストクイーンが再び現れたのだ。そして最悪なことに、彼らはオベリスクの1つへとまっすぐ歩みを進めている。オベリスクがあの女の手に落ちるとしたら、これほどの悲劇はありえない。常に厄介な存在であり続けたあの女が、もしオベリスクの力を手に入れたら、私が築いたものの全てがとてつもない脅威にさらされる。我が軍の本隊を動員して、彼女を阻止するために、直ちに出発しなければならない。この島の未来に黒い雲がかかっている。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#25我が軍がオベリスクに到着したとき、私はすでに手遅れではないかと恐れていた。ビーストクイーンはどこにもいなっかった。彼女の捜索を命じようとしたとき、まばゆい光に目がくらんだ。そして突然、眼前に敵軍が現れ、戦いが始まった。あの女は新たな恐ろしい怪物*を従えていたが、そいつは敵と味方の区別ができないようで、犠牲者の数を無駄に増やすだけだった。最終的に我々はビーストクイーンの軍団をせん滅した。彼女は致命傷を受けて逃走。脅威は去ったのだ。運命の巡り合わせなのか、戦闘中に我々はロックウェルの知人を1名捕獲した。オベリスクについて、彼女はおそらくロックウェルの知らない事実を教えてくれるだろう。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳) *怪物…恐らくギガノト
#26オベリスクを起動させると怪物のようなものが現れると、ウォーカーから警告を受けていた。しかし、ケレスのドラゴンと戦うことになるとは全く予想していなかった。あんなものにどうやって立ち向かえばいい?いくら神の戦車とは言え、あまりにも巨大で、あまりにもどう猛すぎる。ディアナの手にも余る敵を相手にして、ニューレギオンは敗北を喫した。部下の多くが犠牲になり、さらに多くの獣達を失った。だが彼らの死は無駄ではない。ウォーカーいわく、我々が手に入れた3つ目の鍵で彼女が言及する洞窟の入り口が開けば、オベリスクの力とこの島そのものが、私の思うがままになるとのことだ。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#27忌々しい女め!こちらの弱手に気づいたようだ。ビーストクイーン及びドラゴンとの戦いを通じて、ニューレギオンの本体の隊列は乱れ、兵士達は消耗を強いられた。弱小部族がその隙を突いて、我が軍の野営地を襲い、我々が血と汗で手に入れた領地を制圧してしまった。まあいいだろう。奴らを一時の勝利の美酒に酔わせてやる。こちらが大打撃を受けたと思わせておけばいい。私がオベリスクの力を得た暁には、連中が私から奪った全ての草の葉の報いを受けさせてやる。オベリスクの力で、本当の後悔とは何か教えてやるのだ。 ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)※公式WIKIの英文では一行目は「畜生、この野蛮人どもめ!」であり性別の指定はない
#28兵士達の間に不安が広がっている。ハウリングウルフがニューレギオンの領地の中心部に向って真っ直ぐ進軍しているという知らせが届いたのだ。撤退して本拠地を守ったほうがいいと言う者もいる。本能的にそう考えても無理はないが、彼らには私ほど先を見通す力がない。私に同調する意志の強さを持っているのは、ロックウェルだけだ。我々は洞窟の近くにいる。その中にある力を手に入れたら、ハウリングウルフと奴らの弱小部隊を片づけてやろう。敵に何かを奪われても、全て取り返してやる。たった1回の栄光ある戦いで、島全体を統一するのだ。間もなく奴らは知るだろう。全ての者が知ることになる。我こそがARKに選ばれた皇帝であることを。私こそが、運命に選ばれし神なのだ! ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#29また怪物と戦うとは思っていなかった。しかもあれほどの強敵と… しかし私は勝利した!部下と獣は死んだが、私はまだ生きている!ロックウェルすら、こんな場所は見たことがないと言っている。間違いない、ここは神々の集う広間だ。オベリスクの力が、ここで真の使い手を待っているのだ。その力があれば、兵士も獣も必要ない。その力があれば、それだけでこの島が私のものになるだろう。私がやるべきことは、ただそれを発見して、本来の所有者として手に入れるだけだ。私をここに連れて来てくれたヤヌスと、神の力を授けてくれたマルスを称えよう!この偉大な勝利を彼らに捧げる! ガイウス・マルケルス・ネルヴァ 規律が勝利をもたらさんことを(PS4公式訳)
#30皆無だ!どういうことだ!細心の注意を払って探した。それでも何もなかった!仲間を、王国を、全てを犠牲にした。私に与えられるものはもう何もない。流した全ての血は無駄だった!何のために?信念のため?私は騙されたのか?この場所は一体何なんだ?私はただの駒なのか?分からない。皇帝には忠実に仕えた。ここには何もないのに、ヤヌスはなぜ私を引き離したのだ?答えを求め叫んだが、神々からの返答はない。私は見捨てられたのだ。そして聞こえるのは、裏切り、貧窮、孤独という自分自身の呪詛の声だけだ。(PS4公式訳)
謎の人物の記録

エクスティンクション調査書にまとめて記載しています。

アイランド生物の調査書

生物の調査書にまとめて記載しています。

 

コメント欄

  • 先のページが文字数オーバーとなったため、分割案として作成しました。これでよければ元のページにはリンクを張り、文は各DLCで分けるようにしようかと思います -- 2019-05-30 (木) 13:12:07
    • 作成感謝です。この流れで問題ないと思いますが、以前のように筆者ごと折り畳みにした方が見やすいと思います。 -- 2019-05-30 (木) 13:30:19
      • 折り畳み+生物の調査書を追加してみました。 -- 2019-05-30 (木) 20:30:05
  • ありがとうございます。 -- 2019-05-31 (金) 08:43:26
  • 生物の調査について、生物の調査書の内容が新しかったのでそちらに誘導する形に修正しています。 -- 2020-10-29 (木) 02:01:03