氷牙竜ベリオロスの素材を使用した氷属性大剣。
凍土に君臨する白騎士の具現であるそれは、超低温の冷気で、瞬時に獲物を凍らせる恐ろしき牙と言われている。
MHXの説明文では、その一振りは大海原を両断し、割れたまま凍りつかせるという。
本稿では、亜種素材を用いて派生可能なゲイルスパインについても記述する。
目次
概要・性能
MHP3
- MH3で実装を逃したベリオロス大剣として堂々の初登場。
アイシクルファング→アイシクルファング改→グラシュバリエと強化可能。
- 本作における氷属性大剣にはボルボロス亜種の素材を使ったノーザンライトもあるが、
攻撃力こそ負けているものの、こちらは属性値と会心率で勝っている。
最終強化可能となる時期もグラシュバリエの方が早く、使い勝手はかなりいい。
- なお、MHP3体験版では使用武器で大剣を選択すると、このアイシクルファングで出撃する。
因みに、その際着用する防具はベリオシリーズである。
MH3G
- 亜種武器への派生も踏まえてか、グラシュバリエで強化が打ち止めとなる。
今作での性能はというと、- 中堅どころの攻撃力1152
- 氷属性250
- 会心率20%
- 素で白ゲージ30、斬れ味+1で紫10
- オマケのスロット1
攻撃力・斬れ味ともに心許なく最終装備としては力不足だが、
作成可能となるG1帯域では主力として活躍できる性能である。- ちなみに、ボルボロス亜種大剣は強化先「ノーザンクロス」が追加されたが、
その性能はグラシュバリエと同等の攻撃力1152に属性値520、会心率-10%、
斬れ味レベル+1でも白延長のみ、スロット0と可もなく不可もなし。
氷属性が有効な相手であればあちらに軍配が上がるが、
斬れ味レベル+1込みで考えればスロ1の差も含めて大差のない性能と言える。
- 今作では覚醒の復活によってマスターブレイズが氷属性を帯びるようになり、
攻撃力1200、属性値410、斬れ味レベル+1で紫20、スロット2という圧倒的性能を引っ提げて
名実ともにMH3G最強の氷大剣として君臨した。
よって、属性解放+匠装備が完成すれば本武器も完全にお役御免となるが、
それまでは氷属性大剣としてそれなりに活躍の場があるだろう。
カジキ?あぁ、あったねそんなのも…。
MHXX
- ベリオロスの復活に伴ってこちらも復活を果たした。
上位からの作成でアイシクルファング、G級強化もしくは生産でグラシュバリエ、
そして最後まで強化すると新たに暴雪剣グレツァタギオと名を変える。
4シリーズに登場した暴雪剣とは関係ない。性能の方向性は似ているが。
- 暴雪剣グレツァタギオの性能は、
- 攻撃力280
- 会心率35%
- 氷属性55
- 素で白30、斬れ味レベル+1で紫5、+2で30
- スロット1
- 最早言うまでもないが、ベリオ武器の長所である高い会心率や属性値は大剣のニーズと噛み合っていない。
斬れ味も紫で戦うのであれば斬れ味レベル+2がほぼ必須となりスキル圧迫も激しい。
そして何より、280という低すぎる攻撃力。G級最終強化としては物足りないと言わざるを得ない。- 大剣のニーズに反するステータスに加え、氷弱点のモンスターは総じて
物理ダメージの通りが良い部位が非常に殴りやすいのも逆風。
たとえ弱特+連撃や見切りで100%超会心にしたとしても、
頭刃叉王の大切断という分厚すぎる壁が立ち塞がる。
同じ構成をした場合、あちらが遥か上を行く期待値を叩き出してしまうのである。
W属性強化+属性会心構成にしたところで、ほぼ物理ダメージだけで
コチラの属性会心込み期待値を上回ってくるため、逆立ちしても勝てない。
その大切断も断骨大剣という目の上のたんこぶに悩まされているあたり、
今作は氷属性にとって冬の時代と言える。氷だけに。 - 天上が遠すぎるだけでネタ武器のように実用にすら耐えないという訳ではないため、
キチンとスキルを整えてやれば問題なく使っていける。
また、大切断は生産も強化も難易度が桁違いに高く、HR解放後のプレイヤーですら苦行と語られることすらある。
そのため、「大切断を作る気があるか否か」で決めてしまってもいいかもしれない。
復活がMHXXで良かったと言えるだろう。
とはいえ、真っ当な運用では咬剣【金剛牙】に制作難度込みで到底勝ち目が無い為、
大剣でも素の会心率が生きるエリアルスタイルで使うなど、運用法にも工夫が必要。
エリアルのジャンプ攻撃やブシドーの回避攻撃はベリオロスの縦横無尽なイメージによく合うため、違和感はない。
- 大剣のニーズに反するステータスに加え、氷弱点のモンスターは総じて
- ちなみに、オープニングムービーでもアイシクルファングは1シーンだけ登場している。
数あるベリオ武器の中から今作での御披露目役と言う大役を担い、
大剣使いに限らず多くのプレイヤーが、誰しも一度は目に触れる事になった。
戦闘シーンでは無いのが惜しいが、それでもファンサービスとしては充分だろう。
MHW:I
- MHW:Iでベリオロスの復活に伴いこちらも復活を果たした。
MHWorldでの氷属性武器を乗っ取る形でアイシクルファングへと派生し、
最終強化でお馴染みのグラシュバリエへと銘を変える。
その性能は- 攻撃力は低めの1200
- 全武器トップの会心率35%
- 氷属性540
- 素で白30、匠で紫ゲージは出現しない
- 今までの作品では高会心率というのは大剣にとっては抜刀会心前提のためにメリットにならず*1
この武器もそのせいで評価を得られないという状況下にあった。
しかしながら、MHW:Iでは大剣の戦術を取り巻く環境は激変しており、
会心率が高いというのは抜刀以外でも会心を出しやすく明確なプラス要素へと変化している。
ハイブリット構成では高会心率武器は最も優秀な武器となる。
属性値に関しても大剣と非常に相性のいいスキルをつけるとおまけで会心撃【属性】がついてくるため、
高い属性値というのも今までの作品よりも活きやすい。
- 環境の変化により氷属性大剣中での素の期待値は氷翼セラフィードをも差し置いて堂々の1位。
従来から評価は一変し、氷属性を弱点とするモンスターに対して十分な火力を発揮できるようになった。
しかし、氷翼セラフィードやダオラ=ディグリベグに匠で紫ゲージを出されたり、
空いたスロットで見切りでも発動されれば逆転されてしまう。
ただ、作成時期が最も早いため、作っておいて全く損はない一品となった。
前述のハイブリッドでは活躍することだろう。
欲を言えばレア度が10、かつ汎用デザインならば更に活躍できたのだが...。
- ちなみに、この会心率35%かつレア11という事は、カスタム強化を会心に振り切ることで
会心率を60%に素で持っていけるということである。
この数字に見切り7の会心率+40%を加えると、他のスキルの補強一切なしのまま会心率を100%にできる。
素の攻撃力が低いので若干ネタの域ではあるが、いつでもどこでも誰にでも会心で叩きこめる。
4部位が固定されるスキル枠の圧迫が激しい冰気錬成を中心にした構築では、
スキル枠拡張と安定した火力を求めるのも面白い。
MHRise
- MHRiseでも続投。一発生産はできず、鉱石武器であるスティールソードの派生先として登場する。
生産時の性能は攻撃力100に氷属性30と長めの緑ゲージ、会心率30%でスロットは無し。
尖った会心率が目を引くが、少し後に作成可能になるゴシャズバァIと比べて攻撃力で70も劣ってしまっている。
MHR:Sまでは大剣は属性値があまり重要ではなく、斬れ味消費も気にならないので、
マイナス会心を嫌うのでもなければ実用性はやや薄い。
一段階強化すれば攻撃力が20上がり、青ゲージも出るので差は縮まるのだが...
- 上位素材を用いて最後まで強化することで、グラシュバリエへと銘を変える。その性能は、
- 低い攻撃力160
- 高い会心率35%
- 氷属性38
- 素で青50、匠3から白が出現
- 突然現れたLv2スロット×1
- 百竜スキルは攻撃力強化IV、会心率強化II、氷やられ特効
だが、幸い上位終盤には氷属性に弱いモンスターが一定数いるので、攻略段階では重宝することだろう。
MHR:S
斬撃が天地を両断するとき
時は歩みを忘れ、万の命は
氷界へと封じられるだろう。
(暴雪剣グレツァタギオ)
- MR★3から登場するベリオロスの素材を用いて、グラシェラシオンという新たな銘の武器となる。
続いて、轟竜の剛爪を使用してグラシェラシオン改へ強化できる。大竜玉がいらないため、
そこまで苦戦せずに強化できるだろう。
最終強化はMHXX同様、暴雪剣グレツァタギオとなる。必要となるのは、傀異化したベリオロスなどから
入手できる「傀異化した牙」と氷牙竜MR素材が30pt。
性能は- 氷大剣ワースト1位の攻撃力310
- お馴染みの会心率35%
- 高めだが、それでも同属性では4位となる氷68
- 斬れ味はそこそこの白、匠Lv1から紫が出現
- スロットは変わらずLv2×1、百竜装飾品スロットはLv1
上位までより攻撃力はいくらか改善され、斬れ味も良い方であるのだが、
問題は百竜装飾品スロット。
他の氷大剣は全てLv2以上であるため、各種特効や弱点特効【属性】の分ダメージに差が付く。- 傀異錬成でカバーはできるのだが、Lv1の拡張だけで傀異スロットを4枠、Lv2だと7枠も必要になる。
当然他の武器はその分を攻撃力や属性の強化に回せる。
特に属性の差は大きく、Lv3と最大のLv8では加算される属性値が40も違う。
- バランス型のライバルはダオラ=ディグリベグとなる。
あちらはこちらより攻撃力は10高く、百竜装飾品スロットも最大のLv3。
属性値はほとんど同じだが、会心率は25%と無視できない差があるため、スキル自由度で勝負するべきか。
なお、Ver.10当初の作成可能時期はこちらがMR50から、あちらがMR70からであったのだが、
Ver.16現在ではイベントクエストの配信や傀異討究クエストの追加によって変動している。
MHF
- G9でのベリオロスの実装に伴い、遷悠武器として登場。
強化過程はMHP3と同じで、アイシクルファング→アイシクルファング改→グラシュバリエ、と強化していく。
- HR5で生産できるアイシクルファングの性能は、攻撃力1344に氷属性550という強烈な性能。
更にスロットが2つあり、オマケ程度の会心率5%もある。
また、遷悠武器であるため早食いが自動発動する。
しかし、斬れ味が素でごく微量の白しかない(斬れ味レベル+1で白ゲージが+50)。
フォルテペルフェットや凍王大剣【泡雪】といった氷属性の剛種大剣には、
表示上の攻撃力でこそ勝っているものの、
両者とも紫ゲージ持ちであるため斬れ味補正をかけると攻撃力を上回られてしまう。
ただしアイシクルファングは高い氷属性値を持つため、氷属性を弱点とするモンスターへ担いで行きたい。
- GR100*2で完成する最終強化時のグラシュバリエの性能は以下の通り。
- 攻撃力2318、氷属性850、会心率20%
- スロットは3に増加、装飾品とシジルの両方を装着・焼き付け可能
- 斬れ味は素でそこそこの白となり、
斬れ味レベル+1効果でごく微量の紫とそれなりの空色ゲージが発現
しかし、凍王大剣【泡雪】を更に強化した始種武器、凍王始大剣【雪晴】が強力なライバルとなる。
あちらは攻撃力2544、氷属性1400と完全にグラシュバリエの上をいっているのみならず、
斬れ味は素で長い紫、始種防具を1部位以上装備することでそれが全て空色ゲージとなり、
極めつけに弱点特効が自動発動するというハイスペックぶり。
まともに競ってはまず勝てないので、シジルや会心率を活かして運用する必要があるだろう。
MHXR
- 通常種と亜種の武器が登場。通常種は氷属性、亜種は土属性。
加えて、特殊種であるベリオロス凍氷種の物も実装されている。属性は氷属性。
- 凍氷種のグレイシルファング(☆5)は、
刀身が赤茶に近い色となり、刃の棘が鮮やかな蒼色、中央部が青白く変化している。
ゲイルスパイン
- ベリオロス亜種の素材から生み出される大剣。
白銀のアイシクルファングと対照的に、返り血に染まったような赤い棘の刀身が目を引く。
通常種武器とは違い無属性で、作品によって性能が大きく異なる。
MHP3
- ゲイルスパインはここから暴砂剣シムンシアルに強化可能であり、
攻撃力こそ若干低めでグラシュバリエより会心率も下がるが、匠無しで高い斬れ味を持つ。
だが、煌黒大剣アルレボがこの武器のほぼ上位互換の性能となっており、
アルレボができてしまえばもう担がれる事は無いだろう。
MH3G
- 暴砂剣シムンシアルからさらに暴風砂剣シムンサールへと強化可能になった。
しかし、前作の「匠無しで高い斬れ味を持つ」という特徴はナルガ希少種武器に引き継がれ、
攻撃力1152、斬れ味は青(匠で紫30)、会心率35%にスロット2という非常に微妙な性能に成り果てた。
「強敵であるベリオ亜種を倒してこれを作るぐらいならタルタロスの方が…」と感じる方も多いだろう。
- だが、これは仮の姿。覚醒を発動させると水刃剣ガノトトスもびっくりの水属性700という、
凄まじい属性値が姿を現すのである。
これだけ水属性が高いと、耐久値の高いガンキンの顎やネブラ亜種の頭も容易に破壊できる。
匠と覚醒にスキル枠が割かれる関係上、大剣でよく使われる集中や抜刀術【技】などの
スキルと併用しづらいという欠点はあるが、ヘリオスXシリーズを軸に装備を組めば、
斬れ味+1・覚醒・水属性強化といったスキル構成で運用する事も可能である。
これまでの大剣装備とは全く異なる装備、運用方法になるが、それもまたいいかもしれない。
グラシュオグル
MHW:I
- 特殊個体参戦に伴い新たな派生先が実装された。
アイシクルファングからの強化派生か一発生産で入手できる。
性能は下記の通り。- 少し控えめな攻撃力1296
- 白長め紫10で延長可能
- 会心率15%
- 高めの氷属性630
- スロットなし
- レア11で最大8枠カスタム
- 通常個体武器の過剰な会心率を削って斬れ味と攻撃力と属性値を伸ばしたと表現すべきか。
僅かながらも素紫なので、達人芸や剛刃研磨で維持するなど斬れ味対策は簡単である。
もちろん延長可能なので、40~50程度まで出してやれば達人芸や剛刃研磨なしでも運用は可能だろう。
また、白ゲージまで合わせるとかなり長いため、白も運用範囲に入れて妥協すれば斬れ味スキルを切ることもできる。
とはいえ、高い氷属性は大剣ではほとんど活かせないため若干死に気味。
攻撃力も一線級の武器と比べてしまうと数段劣るため、人気が出るとは言い難いのが実情。
覚醒武器や砕光武器などの人気武器がLv4スロットを備えている中、なにも嵌められないというのもデメリットか。- しかしながら、MHW:Iには都合よく属性武器が求められるアルバトリオンのクエストが常駐しているため、
特に属性強化スキルを盛らなくても十分な属性値を持つこの武器なら活躍する余地はあるだろう。
さすがに攻撃を上手く見切ってコンスタントに攻撃できるハンターには不要かもしれないが、
抑制を安定させるという点だけ見れば選択肢としてはアリかもしれない。
ただそのような運用を想定すると、競合相手は皇金武器を上回る属性値を持つことで知られる
あのカジキである。- 単純な攻撃力ではカジキを大きく上回るが、アルバトリオンを相手する際は
対策スキルで圧迫されやすい為、斬れ味や会心率などの面で真価を十分発揮させて戦うのは難しい。
慣れないうちは属性重視と見た目のネタ度重視のカジキ、
慣れたら攻撃力重視と見た目のよさ重視のグラシュオグル、
と使い分けるのもいいかもしれない。
- 単純な攻撃力ではカジキを大きく上回るが、アルバトリオンを相手する際は
- しかしながら、MHW:Iには都合よく属性武器が求められるアルバトリオンのクエストが常駐しているため、
余談
- MHSTのベリオロスは、この武器と全く同じ「アイシクルファング」という名前の特技を使用する。
内容は氷属性のスピードタイプ技で、ベリオロスの強みを活かす効果になっている。
- 強化後のグラシュバリエという銘は聞き慣れない語感だが、
これはグラス(フランス語:Glace=氷)+シュバリエ(フランス語:chevalier=騎士)からなる造語だろう。
凍土の騎士と謳われるベリオロスには似合いの名称と言える。- なお、glaceではなくgraceと綴った場合は「優雅なる騎士」という意味になる。
ただ、ベリオロスは氷属性のモンスターのため、この武器の場合はglaceの方の意味合いだろう。
- MHRiseでは、ベリオロスのチャージアックスとしてなんと「グラスシュヴァリエ」なる武器が登場。
グラシュバリエと語源がモロ被りしているのみならず素材元まで同じという前代未聞の酷似性であり、
Rise開発スタッフがこの武器の存在を忘却していたのではないかとすら疑われる様相を呈している。
それでいて上記の通り当のグラシュバリエは特に名称変更などもなされず続投しているため、尚更不可解である。
- なお、glaceではなくgraceと綴った場合は「優雅なる騎士」という意味になる。
- 亜種武器の暴砂剣シムンシアルの由来は、
中近東の砂漠で起きる熱風を伴う砂嵐現象「シムーン(Simoon)」と、
ギリシャ語で唾液を意味する「サイアル(Sial)」を合わせた物と思われる。
シムーンによる砂嵐は竜巻のような形になり、たくさんの塵と砂を巻き上げながら移動し、
人間や動物を窒息させてしまうほどの影響をもたらす。
また、熱風が汗を乾燥させてしまうほどの高温をもたらすため、
熱射病を起こすことから、シムーンという名前は「毒の風」を意味する。
関連項目
モンスター/ベリオロス
モンスター/ベリオロス亜種
モンスター/氷刃佩くベリオロス
武器/ベリオ武器
武器/ヴァイスリッター - MHRiseで初登場したベリオ素材のチャージアックス。強化先の名称が大剣のそれと酷似。