MHP3で初登場の、ベリオロスの素材を使用した氷属性大剣。
凍土に君臨する白騎士の具現であるそれは、超低温の冷気で、瞬時に獲物を凍らせる恐ろしき牙と言われている。
MHXの説明文では、その一振りは大海原を両断し、割れたまま凍りつかせるという。
本稿では、亜種素材を用いて派生可能なゲイルスパインについても記述する。
目次
概要・性能 
MHP3 
- アイシクルファング→アイシクルファング改→グラシュバリエと強化可能。
本作における氷属性大剣にはボルボロス亜種の素材を使ったノーザンライトもあるが、
攻撃力こそ負けているものの、こちらの方が属性値と会心率で勝っている。
最終強化可能となる時期もグラシュバリエの方が早く、使い勝手はかなりいい。
- なお、MHP3体験版では、使用武器で大剣を選択すると、このアイシクルファングで出撃する。
因みに、その際着用する防具はベリオシリーズである。
MH3G 
- 3GにてG級での強化先が用意され、より強力に…ならなかった。
グラシュバリエは強化先がないのは目をつぶるとしても、属性値が55(他作品の550)から250まで下げられ、
会心率も35%から20%に引き下げられるという露骨な弱体化を喰らった。
一応斬れ味+1で紫は付くのだが、その数値はたったの10。
一方のノーザンライトは強化形のノーザンクロスが登場し、
こちらは斬れ味+1を付けても白止まりだが、属性値が520も付いている上、
会心率も-10%まで引き上げられるなど、大幅に強化された。
しかも覚醒の復活によってマスターブレイズも氷属性を帯びるようになり、
攻撃力1200、属性値410、斬れ味は紫20という3G最強の氷大剣として君臨するなど、
完全に立場が無くなってしまった。
カジキ?あぁ、あったねそんなのも…。
MHXX 
- ベリオロスの復活に伴ってこちらも復活を果たした。
上位からの作成でアイシクルファング、G級強化もしくは生産でグラシュバリエ、
そして最後まで強化すると新たに暴雪剣グレツァタギオと名を変える。
4シリーズに登場した暴雪剣とは関係ない。性能の方向性は似ているが。
- 暴雪剣グレツァタギオの性能は、
- 攻撃力280
- 会心率35%
- 氷属性55
- 素で白30、斬れ味レベル+1で紫5、+2で30
- スロット1
- 最早言うまでもないが、ベリオ武器の長所である高い会心率や属性値は大剣のニーズと噛み合っていない。
斬れ味も紫で戦うのであれば斬れ味レベル+2がほぼ必須となりスキル圧迫も激しい。
そして何より280という低すぎる攻撃力。G級最終強化としては物足りないと言わざるを得ない。- 大剣のニーズに反するステータスに加え、氷弱点のモンスターは総じて物理ダメージの通りが良い部位が非常に殴りやすいのも逆風。
たとえ弱特+連撃や見切りで100%超会心にしたとしても、
頭刃叉王の大切断という分厚すぎる壁が立ち塞がる。
同じ構成をした場合、あちらが遥か上を行く期待値を叩き出してしまうのである。
W属性強化+属性会心構成にしたところで、ほぼ物理ダメージだけでコチラの属性会心込み期待値を上回ってくるため、逆立ちしても勝てない。 - テッペンが遠すぎるだけでネタ武器のように実用にすら耐えないという訳ではないため、
キチンとスキルを整えてやれば問題なく使っていける。
また、大切断は生産も強化も難易度が桁違いに高く、HR解放後のプレイヤーですら苦行と語られることすらある。
「大切断を作る気があるか否か」で決めてしまってもいいかもしれない。
復活がMHXXで良かったと言えるだろう。
とはいえ、真っ当な運用では咬剣【金剛牙】に制作難度込みで到底勝ち目が無い為、
大剣でも素の会心率が生きるエリアルスタイルで使うなど、運用法にも工夫が必要。
エリアルのジャンプ攻撃やブシドーの回避攻撃はベリオロスの縦横無尽なイメージによく合うため、違和感はない。
- 大剣のニーズに反するステータスに加え、氷弱点のモンスターは総じて物理ダメージの通りが良い部位が非常に殴りやすいのも逆風。
- ちなみに、オープニングムービーでもアイシクルファングは1シーンだけ登場している。
数あるベリオ武器の中から今作での御披露目役と言う大役を担い、
大剣使いに限らず多くのプレイヤーが、誰しも一度は目に触れる事になった。
戦闘シーンでは無いのが惜しいが、それでもファンサービスとしては充分だろう。
MHW:I 
- MHW:Iでベリオロスの復活に伴いこちらも復活を果たした。
MHWorldでの氷属性武器を乗っ取る形でアイシクルファングへと派生し、
最終強化でお馴染みのグラシュバリエへと銘を変える。
その性能は- 攻撃力は低めの1200
- 全武器トップの会心率35%
- 氷属性540
- 素で白30、匠で紫ゲージは出現しない
- 今までの作品では高会心率というのは大剣にとっては抜刀会心前提のためにメリットにならず*1
この武器もそのせいで評価を得られないという状況下にあった。
しかしながらMHW:Iでは大剣の戦術を取り巻く環境は激変しており、
会心率が高いというのは抜刀以外でも会心を出しやすく明確なプラス要素へと変化している。
ハイブリット構成では高会心率武器は最も優秀な武器となる。
属性値に関しても大剣と非常に相性のいいスキルをつけるとおまけで会心撃【属性】がついてくるため、
高い属性値というのも今までの作品よりも活きやすい。 - 環境の変化により氷属性大剣中での素の期待値は氷翼セラフィードをも差し置いて堂々の1位。
従来から評価は一変し、氷属性を弱点とするモンスターに対して十分な火力を発揮できるようになった。
ただ、氷翼セラフィードやダオラ=ディグリベグに匠で紫ゲージを出されたり、
空いたスロットで見切りでも発動されれば逆転されてしまう。
ただ、作成時期が最も早いため、作っておいて全く損はない一品となった。
前述のハイブリッドでは活躍することだろう。
欲を言えばレア度が10、かつ汎用デザインならば更に活躍できたのだが...
- ちなみに、この会心率35%かつレア11という事は、カスタム強化を会心に振り切ることで
会心率を60%に素で持っていけるということである。
この数字に見切り7の会心率+40%を加えると、他のスキルの補強一切なしのまま、会心率を100%にできる。
素の攻撃力が低いので若干ネタの域ではあるが、いつでもどこでも誰にでも会心で叩きこめる。
4部位が固定されるスキル枠の圧迫が激しい冰気錬成を中心にした構築では、
スキル枠拡張と安定した火力を求めるのも面白い。
MHRise 
- MHRiseでも続投。一発生産はできず、鉱石武器であるスティールソードの派生先として登場する。
生産時の性能は攻撃力100に氷属性30と長めの緑ゲージ、会心率30%でスロットは無し。
尖った会心率が目を引くが、少し後に作成可能になるゴシャズバァIと比べて攻撃力で70も劣ってしまっている。
MHR:Sまでは大剣は属性値があまり重要ではなく、斬れ味消費も気にならないので、
マイナス会心を嫌うのでもなければ実用性はやや薄い。
一段階強化すれば、攻撃力は20上がり青ゲージも出るので差は縮まるのだが...
- 上位素材を用いて最後まで強化することで、グラシュバリエへと銘を変える。その性能は、
- 低い攻撃力160
- 高い会心率35%
- 氷属性38
- 素で青50、匠3から白が出現
- 突然現れたLv2スロット×1
- 百竜スキルは攻撃力強化IV、会心率強化II、氷やられ特効
- とにかく攻撃力が低い。もう少し高ければ氷属性版の暗夜剣【宵闇】のような運用ができたかもしれない。
だが、幸い上位終盤には氷属性に弱いモンスターが一定数いるので、攻略段階では重宝することだろう。
MHF 
- G9でのベリオロスの実装に伴い、遷悠武器として登場。
強化過程はMHP3と同じで、アイシクルファング→アイシクルファング改→グラシュバリエ、と強化していく。
- HR5で生産できるアイシクルファングの性能は、攻撃力1344に氷属性550という強烈な性能。
更にスロットが2つあり、オマケ程度の会心率5%もある。
また、遷悠武器であるため早食いが自動発動する。
しかし、斬れ味が素でごく微量の白しかない(斬れ味レベル+1で白ゲージが+50)。
フォルテペルフェットや凍王大剣【泡雪】といった氷属性の剛種大剣には、
表示上の攻撃力でこそ勝っているものの、
両者とも紫ゲージ持ちであるため斬れ味補正をかけると攻撃力を上回られてしまう。
ただしアイシクルファングは高い氷属性値を持つため、氷属性を弱点とするモンスターへ担いで行きたい。
- GR100*2で完成する最終強化時のグラシュバリエの性能は以下の通り。
- 攻撃力2318、氷属性850、会心率20%
- スロットは3に増加、装飾品とシジルの両方を装着・焼き付け可能
- 斬れ味は素でそこそこの白となり、
斬れ味レベル+1効果でごく微量の紫とそれなりの空色ゲージが発現
しかし、凍王大剣【泡雪】を更に強化した始種武器、凍王始大剣【雪晴】が強力なライバルとなる。
あちらは攻撃力2544、氷属性1400と完全にグラシュバリエの上をいっており、
斬れ味は素で長い紫、始種防具を1部位以上装備することでそれが全て空色ゲージとなり、
極めつけに弱点特効が自動発動するというハイスペックぶり。
まともに競ってはまず勝てないので、シジルや会心率を活かして運用する必要があるだろう。
MHXR 
- 通常種と亜種の武器が登場。通常種は氷属性、亜種は土属性。
加えて、特殊種であるベリオロス凍氷種の物も実装されている。属性は氷属性。
- 凍氷種のグレイシルファング(☆5)は、
刀身が赤茶に近い色となり、刃の棘が鮮やかな蒼色、中央部が青白く変化している。
ゲイルスパイン 
- ベリオロス亜種の素材から生み出される大剣。
白銀のアイシクルファングと対照的に、返り血に染まったような赤い棘の刀身が目を引く。
通常種武器とは違い無属性で、作品によって性能が大きく異なる。
MHP3 
- ゲイルスパインはここから暴砂剣シムンシアルに強化可能であり、
攻撃力こそ若干低めでグラシュバリエより会心率も下がるが、匠無しで高い斬れ味を持つ。
だが、煌黒大剣アルレボがこの武器のほぼ上位互換の性能となっており、
アルレボができてしまえばもう担がれる事は無いだろう。
MH3G 
- 暴砂剣シムンシアルからさらに暴風砂剣シムンサールへと強化可能になった。
だが前作の「匠無しで高い斬れ味を持つ」という特徴はナルガ希少種武器に引き継がれ、
攻撃力1152、斬れ味は青(匠で紫30)、会心率35%にスロット2という非常に微妙な性能に成り果てた。
「強敵であるベリオ亜種を倒してこれを作るぐらいならタルタロスの方が…」と感じる方も多いだろう。
だがこれは仮の姿。覚醒を発動させると水刃剣ガノトトスもびっくりの水属性700という、
凄まじい属性値が姿を現すのである。
これだけ水属性が高いと、耐久値の高いガンキンの顎やネブラ亜種の頭も容易に破壊できる。
匠と覚醒にスキル枠が割かれる関係上、大剣でよく使われる集中や抜刀術【技】などの
スキルと併用しづらいという欠点はあるが、ヘリオスXシリーズを軸に装備を組めば、
斬れ味+1・覚醒・水属性強化といったスキル構成で運用する事も可能である。
これまでの大剣装備とは全く異なる装備、運用方法になるが、それもまたいいかもしれない。
…それにしても水とはほぼ縁がなく、火属性が覚醒することの多いベリオ亜種の武器で、
なぜ水属性が覚醒するのだろうか?アレと特徴が被るのを避けたためか?- とはいえ水属性を出したところで、武器倍率で20上回り、
覚醒無しで水属性450を有する水刃剣ガノトトスには勝ち目が薄い。
なぜなら会心率や属性値で勝っていようが大剣ではあまり重要にならない上、
覚醒させずに物理火力を補強した方が効率が良いからである。
どうしてもウラガンキンの顎などを大剣で破壊したい場合などならワンチャンあるかもしれないが。
- とはいえ水属性を出したところで、武器倍率で20上回り、
グラシュオグル 
MHW:I 
- 特殊個体参戦に伴い新たな派生先が実装された。
アイシクルファングからの強化派生か1発生産で入手できる。
性能は下記の通り。- 少し控えめな攻撃力1296
- 白長め紫10で延長可能
- 会心率15%
- 高めの氷属性630
- スロットなし
- レア11で最大8枠カスタム
- 通常個体武器の過剰な会心率を削って斬れ味と攻撃力と属性値を伸ばしたと表現すべきか。
僅かながらも素紫なので、達人芸や剛刃研磨で維持するなど斬れ味対策は簡単である。
もちろん延長可能なので、40~50程度まで出してやれば達人芸や剛刃研磨なしでも運用は可能だろう。
また、白ゲージまで合わせるとかなり長いため、白も運用範囲に入れて妥協すれば斬れ味スキルを切ることもできる。
とはいえ高い氷属性は大剣ではほとんど活かせないため若干死に気味。
攻撃力も一線級の武器と比べてしまうと数段劣るため、人気が出るとは言い難いのが実情。
覚醒武器や砕光武器などの人気武器がLv4スロットを備えている中、なにも嵌められないというのもデメリットか。- しかしながらMHW:Iには都合よく属性武器が求められるアルバトリオンのクエストが常駐しているため、
特に属性強化スキルを盛らなくても十分な属性値を持つこの武器なら活躍する余地はあるだろう。
さすがに攻撃を上手く見切ってコンスタントに攻撃できるハンターには不要かもしれないが、
抑制を安定させるという点だけ見れば選択肢としてはアリかもしれない。
ただそのような運用を想定すると、競合相手は皇金武器を上回る属性値を持つことで知られる
あのカジキである。- 単純な攻撃力ではカジキを大きく上回るが、アルバトリオンを相手する際は
対策スキルで圧迫されやすい為、斬れ味や会心率などの面で真価を十分発揮させて戦うのは難しい。
慣れないうちは属性重視と見た目のネタ度重視のカジキ、
慣れたら攻撃力重視と見た目のよさ重視のグラシュオグル、
と使い分けるのもいいかもしれない。
- 単純な攻撃力ではカジキを大きく上回るが、アルバトリオンを相手する際は
- しかしながらMHW:Iには都合よく属性武器が求められるアルバトリオンのクエストが常駐しているため、
余談 
- MHSTのベリオロスは、この武器と全く同じ「アイシクルファング」という名前の特技を使用する。
内容は氷属性のスピードタイプ技で、ベリオロスの強みを活かす効果になっている。
- 強化後に於けるグラシュバリエという聞き慣れない名前ではあるが、
これはグラス(フランス語:氷)+シュバリエ(フランス語:騎士)の造語と思われる。- 後のMHRiseでは、チャージアックスとしてそのままズバリ「グラスシュヴァリエ」が登場。
それだけでなく、同作では大剣のグラシュバリエとも共演している。
スの有無と、バとヴァの違いくらいしかないので、
会話やチャットの際に混同しないように気を付けたい。
- 後のMHRiseでは、チャージアックスとしてそのままズバリ「グラスシュヴァリエ」が登場。
- 亜種武器の暴砂剣シムンシアルの由来は、
中近東の砂漠で起きる熱風を伴う砂嵐現象「シムーン(Simoon)」と、
ギリシャ語で唾液を意味する「サイアル(Sial)」を合わせた物と思われる。
シムーンによる砂嵐は竜巻のような形になり、たくさんの塵と砂を巻き上げながら移動し、
人間や動物を窒息させてしまうほどの影響をもたらす。
また、熱風が汗を乾燥させてしまうほどの高温をもたらすため、
熱射病を起こすことから、シムーンという名前は「毒の風」を意味する。