零式艦戦62型(爆戦)

Last-modified: 2021-10-20 (水) 14:38:49
No.060
零式艦戦62型(爆戦)艦上爆撃機
装備ステータス
火力雷装
爆装+4対空+4
対潜+3索敵
命中回避
戦闘行動半径4
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
開発解禁日:2014年2月16日、改修可
大鳳龍驤改二の初期装備
2013年7月,9~11月作戦報酬
改修更新
零式艦戦21型零式艦戦32型★+3零式艦戦52型★+3
零式艦戦62型(爆戦)★+4零式艦戦63型(爆戦)
零式艦上戦闘機を艦上爆撃機仕様にした、通称「爆戦」です。
52型の胴体下に250kg爆弾懸吊架を増設しました。
戦闘爆撃機型の機体で、爆撃後は制空戦闘機として空戦に参加できるマルチロールファイター。
あの攻撃方法は採用しないで通常攻撃です!

ゲームにおいて

  • 艦上爆撃機でありながら艦上戦闘機クラスの制空力を併せ持つ機体。
  • 実装は2013年8月(7月作戦報酬)、開発解禁は2014/02/26。
  • 零戦21型九九艦爆を足したような性能を持ち、制空権争いに参加しながら爆撃にも参加してくれる。
    • 良く言うと、特化型には敵わないが全局面で活躍できるマルチロールファイター。
    • 単体では序盤の機体にも劣る性能なので、艦戦としても艦爆としても中途半端な機体だとも考えられる。
  • 図鑑では「爆撃後は制空戦闘機として空戦に参加」とあるがゲーム仕様上は制空戦を行ってから爆撃する。
  • 普通の艦爆では制空値が目標値に僅かに届かないが、艦戦では若干余るというような場合に、艦戦の代わりに1箇所だけこちらを採用し攻撃力を底上げしてバランスを調整するのに便利。
  • 限界まで制空値を稼ぎつつも砲撃戦には参加させたい場合、艦戦3個と爆戦1個という積み方が解となる。
    • 特に、搭載数の少なさや偏りに泣かされる軽空母を1隻のみ出撃させる際はそれなりに役に立つ。
  • 厳密な計算抜きにとりあえずで積み込んでも戦果を挙げる事は難しいが、彩雲同様少ない搭載機数でも十分に活きる機種である。

装備の運用について

  • この機体はあくまで「対空値の付いた艦爆」という扱いである。
    • 艦戦ではないのであきつ丸改には搭載できない。
    • 艦戦と異なり制空戦の被撃墜に加えて敵の対空迎撃も受けるため、爆戦で稼いだ分の制空値は連戦により失われやすいという欠陥がある。爆戦の制空値をアテにして編成をすると航空優勢や制空互角へランクダウンする事態が起きやすい。
    • 艦載機熟練度による制空値のボーナス補正も艦爆としての扱いなので極めて低い(練度MAXでたった+3前後)。
    • 加えて艦載機熟練度システムの実装により、全滅することが問題になってしまったため、従来のように運用すると技量が維持できないという困ったことになる。艦これ的にはほとんど特攻機という質の悪い史実再現になってしまった。
    • 従って1戦目の要求制空値が侵攻ルート上もっとも高い海域での運用が望ましい。「初戦のみ制空値の水増しできれば良い」という思想なら例え全滅しようとも想定通りの結果が期待できる。
      • その点では、零戦62型(爆戦/岩井隊)よりも「全滅上等で」運用しやすい。熟練度のついた爆戦を複数用意しておけば、とりあえずは熟練度の付け直しをしなくてすむ。やっぱり特攻機じゃないか
    • 艦載機熟練度の補正は低いが、改修補正による補正は艦戦よりは高い。
      • ★maxで装備対空値に+2.5加算され、実対空値は+6.5相当となる。ちなみに艦戦なら改修による対空値補正は最大で+2.0である。
      • さらに改修値は基本的に下がることはないという長所も存在する。
      • ただし、艦載機の改修の例に漏れず、大量の改修資材を消費する。
      • ついでに改修のたびに52型・彗星を2つも食う。52型は他にも改修の素材や任務で廃棄するため生産している提督は多いかもしれないが、彗星を使う機会は非常に少ない。特に一二型ではないというのも面倒に拍車をかける。
      • 一応改修更新で上位互換の63型が手に入り、こちらも改修で対空値を上げることが出来る。
      • 63型は、改修で彗星は消費しないものの、52型及び改修資材の消費量は増える。さらに★+6以降は試製烈風 後期型を消費するようになる。
  • 爆戦以外にも対空値の付いた艦爆や艦攻が存在するが、それらの挙動も同じ。

  • 2020/11/13のアップデートで零式艦戦52型から改修更新可能となった。しかし元より開発も改修も可能であり更新で入手するメリットは全く無い。

その他

  • 2018/08/17のアップデートにより、名前の位置が変更された画像に差し替えられた。

    第一期時代の画像

    第一期時代の画像

装備ボーナスについて

  • 特定艦に装備した時、パラメータが更に変化する装備ボーナスがある。
    • 搭載一基ごとの単体ボーナスは、装備数を増やせば累積する。
    • 他装備とのボーナスを持つ場合、それもまた別に計算される。
    • 対象艦と各ボーナス値は下表の通り。
      艦名記載は、その値が適用される一番下の改造段階が基準。
    装備基本値
    零式艦戦62型(爆戦)火力雷装対空対潜索敵装甲回避射程命中累積
    43-
    単体ボーナス↓加算値
    装備対象艦火力雷装対空対潜索敵装甲回避射程命中累積
    零式艦戦62型(爆戦)祥鳳瑞鳳
    龍鳳
    飛鷹隼鷹
    千歳航千代田航
    +1+1+1
    龍鳳改二戊 / 改二+2+1+2
    ※装備ボーナスのある他装備の一覧はこちら
  • 装備ボーナスによる対空値の上昇分は制空値に一切寄与しない。

対地特効補正について

対地特効補正について/艦上爆撃機・噴式戦闘爆撃機より転送

対地特効補正について

対地特効補正について

乗算補正aキャップ後補正補足
ソフト
スキン
砲台小鬼離島棲姫港湾夏姫集積地
追加
1積み×1.0×1.5×1.4×1.3×1.0艦爆・噴式機の合計数で計算
2積み
以上
×3.0×2.45×1.32~1.62?

集積地追加のみキャップ後補正、他は火力値にかかる補正。
補正のかかる正確な位置については対地攻撃を参照。


  • 陸上型の一部に対して対地特効が発生する。
    対地特効は全滅時(搭載数0機時)も有効。
  • この個数は非対地艦爆・噴式機も合わせて計算される。
    ただし空母が対地攻撃を行うためには最低1スロットの対地艦爆を搭載するか、非対地艦爆・噴式機がすべて全滅している必要がある。
  • 夜間航空攻撃の場合、対地特効は発生しない。

性能比較表(装備最大値/艦爆上位早見表/テーブルより転送)

長いので折りたたんでいます

装備名火力爆装対空対潜索敵命中回避砲撃戦威力半径射撃
回避
対地国籍入手方法改修備考追加
噴式景雲改1563128.53改修射程:長、噴式編集
橘花改11121212任務、ランキング射程:長、噴式編集
試製南山11142215任務、ランキング編集
彗星二二型(六三四空/熟練)12252322.56任務、ランキング射程:長、伊勢型改二に装備ボーナス(火力+8、回避+2)編集
彗星二二型(六三四空)11142215初期装備任務、ランキング射程:長、伊勢型改二に装備ボーナス(火力+6、回避+1)編集
彗星一二型(六三四空/三号爆弾搭載機)12321122.55任務伊勢型改二に装備ボーナス(火力+7、対空+3、回避+2)編集
彗星一二型(三一号光電管爆弾搭載機)115215ランキング夜襲CI・夜戦補正有、二航戦/最上型軽空母/伊勢型改二に装備ボーナス(火力+2~+4)編集
彗星一二型甲103119.55開発、イベント、ランキング伊勢型改二に装備ボーナス編集
彗星(江草隊)131544245任務、改修飛龍改二、蒼龍改二、伊勢型改二に装備ボーナス編集
彗星(六〇一空)11411215初期装備、イベント伊勢型改二に装備ボーナス編集
九九式艦爆(江草隊)1053419.54初期装備飛龍、蒼龍に装備ボーナス編集
九九式艦爆二二型(熟練)81433153改修祥鳳型、龍鳳、飛鷹型、翔鶴型(改)に装備ボーナス編集
九九式艦爆(熟練)7142213.54初期装備編集
零式艦戦63型(爆戦)55294改修、、ランキング編集
零戦62型(爆戦/岩井隊)4731127.55機種転換任務夜襲CI・夜戦補正有編集
零式艦戦62型(爆戦)4437.54開発、初期装備、ランキング編集
Ju87C改二(KMX搭載機/熟練)101023119.54イベント、ランキング射程:長 Graf Zeppelin、Aquila、大鷹型に装備ボーナス編集
Ju87C改二(KMX搭載機)9922116.54初期装備、イベント、ランキングGraf Zeppelin、Aquila、大鷹型に装備ボーナス編集
Ju87C改95116.54初期装備、ランキング編集
Re.2001 CB改364312153ランキング、改修Aquilaに装備ボーナス編集
F4U-1D177111156初期装備任務、ランキング、改修編集
FM-222612264初期装備、ランキング編集
SB2C-52122642225.56ランキング米英正規空母・軽空母に装備ボーナス、その他の軽空母にはマイナス編集
SB2C-31112531122.55ランキング、改修米英正規空母・軽空母に装備ボーナス、その他の軽空母にはマイナス編集
SBD-51724323154ランキング、改修米空母に装備ボーナス編集
SBD1623212124開発、初期装備、イベント米空母に装備ボーナス編集
Skua42227.54初期装備、イベント編集
  • 砲撃戦威力は、空母の火力や雷装、装備補正値等と合計された後に小数点以下切捨て
  • 爆戦を示すセル表示は改修により制空値が上昇するものを判断基準とした
  • 航空戦における艦攻・艦爆の威力を比較したい場合には航空戦攻撃力早見表を参考のこと
  • 艦爆・艦攻の支援射撃時の威力を比較したい場合にはこちらの表を参考のこと
  • 制空補助等の比較には制空値早見表を参考のこと
  • 射撃回避(敵対空射撃回避)は☆>◎>◯>△の順に性能が高い(無表記のものは回避性能無し)。詳細はこちらを参照のこと

小ネタ

  • 史実における零式艦上戦闘機62型が元ネタ。零式艦戦52型の胴体下に爆弾を搭載できるようにしたもので、いわゆるヤーボ(戦闘爆撃機)である。*1
    当初は現地の整備陣が通常の零戦を爆戦仕様に応急改造していたが不具合が絶えなかったため、正式に改修をうけ量産されたもの。
    最初から胴体下に爆弾・翼下に増加燃料タンクの組合せで装備でき、爆装運用での余計な手間を省いている。
    機体そのものは52型丙をベースにして内部構造強化や外板厚増加で更に機体強度を向上、急降下耐性を改善して降下爆撃向きに仕上がっている。
    外見は通常の52型丙と殆ど変わらないが、主に見えない部分でしっかり爆撃向けに手が入っているのだ。
    • ただし、必ずしも良い事ばかりではない。
      マイナーチェンジでの度重なる重量増加により、53型及び62/63型を以て遂に機体重量は2tを突破、正規全備重量では3tを越える。
      発動機は新しい栄31型を搭載しているものの、開発の難航(水メタノール噴射装置の調整)により
        「水メタノール装置による強化型発動機の水メタノール装置省略版(馬力は52型の栄21型とほぼ同じ)」
      という本末転倒なものが生まれてしまい、実際に62型零戦に搭載されたのはこの一部省略版の栄31型甲/乙である。
      爆弾という重量物を積む為の機体強化が重量増を招く一方でエンジンのパワーは変わらなかったので、肝心の空戦性能は落ちたと言われている。
      しかも五二型より武装強化などの重量増加し機動性や速度などが下がっていた五二型丙がベースのため、その低下ぶりは最たるものである。
      ゲーム中にて、52型はおろか21型より対空が下がっているのはこのためか。
  • 「量産命令を受けた」零戦としては最後の型と言われていたが、最近違うことが判明した。
    本来なら、52型のエンジンを強化した53型が採用されるはずだったが、エンジンの強化パーツ(主に水メタノール噴射装置)の開発が遅れに遅れ、開発中止の憂き目を見た。
    純粋な戦闘機としての零戦に関しては「中島には『誉』に集中してもらうために『栄』の生産を終了しよう*2」ということで『金星六二型』を搭載する五四型(五四型丙とも)へと移行、終戦直前にこれを六四型とした量産命令が下っていた。
    これが零戦最後の量産型である。もっとも、生産機の完成には至らなかったのだが。
  • なお、この62型爆戦はレイテ沖海戦も終わった後での登場なので、ゲームで艦上運用できるのは完全にif展開だったりする*3
    62型の生産が始まるのは1945年と戦争も末期で、この時期に生まれた62型爆戦は特攻向けとしても多く用いられてしまった。*4
    この為に「爆戦(戦爆・爆装零戦)」や「62型零戦」は特攻に強力に関連付けられ、それ自体が特攻機と同義に捉えられることすら少なくない。
    零戦唯一の正式な戦闘爆撃機仕様が、生まれた時期の悪さ故に特攻に特化した形でしか能力を活かしてもらえなかったという哀しい来歴によるものといえる。
    このゲームにおいては公式であの方法はしない・250㎏爆弾装備と明言されているので、特攻機とは全く違うことがわかる。
    史実では不遇極まりなかった悲運の機体を、存分に活躍させてあげられるかどうかは提督諸氏の腕前にかかっている…
    • ただし、62型は「特攻にも用いられた」「その機体構造上、特攻機として運用しやすかった」のであって特攻専用機として開発されたのではない
      • そもそも特攻に投下装置は不要であり、もし特攻専用機として開発されていたなら回天や桜花のように省略されたはずである。彗星四三型「呼んだかい?」
        また爆弾を抱えるだけならこの62型でなくとも容易であり、現に生産数の多かった52型の方が特攻に多用されている。
      • 実際には敵艦を発見できず帰還することになったとき空気抵抗と重量軽減のため爆弾を投棄することはあった。
        帰還途中爆弾を投下できなかったため燃料切れで墜落したケースもあったことから、爆弾投下機能はむしろ求められたらしい。フィリピンや沖縄で出撃した特攻隊が会敵できず帰還した例が複数ある。*5

そもそも『爆戦』って何?

そもそも『爆戦』って何?

  • 海軍内部では「艦戦に艦爆としての機能を持たせることは可能か」という研究が進められていた。
    これは「艦爆って一度爆弾落としたら仕事ないよね→他の機体に艦爆の仕事させればそのぶん搭載数増えるんじゃね(意訳)」とのこと。
    その他にも、損害の多い九九式艦爆の代替として21型を本格的に爆装できるようにする研究や改修も行われていた。*6
    九九艦爆の代替として零戦が期待された背景には、新型艦爆である彗星が高翼面荷重の為飛ぶのに長い滑走距離を必要とし、そのため軽空母には搭載困難という事情もあった。
    • そこで目をつけられたのが零戦。元々胴体下部に使い捨ての増槽を、左右の主翼下部に小型の爆弾を懸架可能であり、爆戦はここをそっくり入れ替えて胴体下部に大型の爆弾を、左右の主翼下部に小型の増槽を装備している。陸軍と同じ形式
      搭載するのは、図鑑の説明文にもあるように250kg爆弾を1発。通常の艦爆と同じ装備なので、当てさえすれば威力は艦爆と同等である。
       こうして代用艦爆として爆装した零戦のことを戦闘爆撃機、略して「戦爆」と呼んだ。*7
      • しかしダイブブレーキが無いので急降下爆撃は出来ないし、艦攻のように水平爆撃用の照準器も無いので水平爆撃もできない。
        ではどうするのか。より緩い角度*8で降下しながら爆弾を投下するのである。これを緩降下爆撃という。
        急降下爆撃より甲板に対する撃角が浅くなり貫通に不利となるが、パワーダイブで撃速を上げることで補えるとされた。やっぱアレっぽいぞ。
        強力な防空網の発達、特に急降下爆撃にすら対空砲弾の炸裂を直撃させる近接信管の登場により、減速急降下するよりも、緩降下で加速しながら高速接近する方が有利では?と言う考えも生まれ、爆戦以外でも緩降下爆撃は広まっていったと言われる。だが一時期戦爆隊に所属した肥田 真幸氏は3度生きて雷撃したものはいないと言われた雷撃よりもさらに危険ではないかと語っている。
        零戦標準装備の九八式射爆照準器がそのまま使え、やるだけなら搭乗員に高度な練度を要さずに頭数を確保できたが、じゃあ当てられるかとなると…。マリアナ海戦時は艦爆隊の中から技量Cのものが選ばれ戦爆隊に配属されたが、彼らは「どうせ当たらぬ特攻ならばせめて高度を下げて体当たり*9」と送迎会の席で歌ったのであった。実戦に出せる最低限の技量とはいえ爆撃訓練を受けた人間でもこうであり、受けてない戦闘機乗りにフィリピン戦でやらせたが、どこに爆弾が落ちるかわからなかったと彼らは語っている。
      • アメリカにおいてはSBDドーントレスの項にあるが、この後継機SB2CヘルダイバーはSBDのように降下すると空中分解する恐れがあったため、高度15000ftから緩降下で速度を上げつつ目標上空へ進入し、6~7000ftから降下角度を変えて1000~1500ftで投下するという「緩降下+急降下」二段構えの爆撃法を採っていた。
        後期型では改修により危険はなくなったものの、信用されなかった突入速度を稼げ対空砲火を攪乱できるメリットもあるということで、この方法は終戦まで用いられている。
  • しかし、マリアナ沖海戦で初めて大規模運用された空母戦爆隊は悲惨な結果に終わってしまう。
    練度や戦術の問題、米海軍の効率的な迎撃戦術の急発達等原因は様々あるものの、爆戦の特殊な性質も大いに仇になってしまった。
    • 元々零戦は容量300L以上の増槽を標準装備で飛ぶので、代わりに吊るのが250kgの爆弾だけならそれほど厳しくはないものの、
      長距離進出の為に増槽が必須とするなら爆弾1発(250kg)+両翼に200L増槽(=400L分)という過重装備になってしまう。
      この所為でやたらと重くなってしまって発艦もギリギリになってしまい、空に上っても巡航速度がめっぽう遅い。
      爆撃機扱いなので爆撃を済ませるか爆弾を捨てるまで空戦は不可、しかし爆撃機とは違うので防御機銃の類は無い*10
      結果としては戦闘機としては強力な爆弾を搭載できるも速度と旋回性が落ち、爆撃機としては操縦性と速度は良好ながらも急降下爆撃ができず、といった戦闘機としても爆撃機としても中途半端になってしまったが、それでも彗星や天山は配備数の問題で南方に展開する基地航空隊へ優先的に配備、航空戦隊の主力たる第一航空戦隊の第六〇一海軍航空隊と第二航空戦隊の第六五二海軍航空隊では彗星と(652空では九九式艦爆も)ともに少数の爆戦が、第三航空戦隊の第六五三海軍航空隊では誘導・索敵用に少数の天山や九七式艦攻が配備されていたが、攻撃の主力は爆戦だった。
      爆装戦闘機自体のコンセプトは後述の様に決して悪いものではないものの、空母航空戦の特殊な環境への適正、さらに当時の圧倒的な人員と機材の質・数での不利も重なって、機動部隊戦においては爆装零戦は活躍することはできなかった。
      ただし全く実績が無いわけでも無く、マリアナ戦にて戦艦サウスダコタに直撃を浴びせて24名の戦死者、27名の負傷者を出して小破させたのは爆戦*11であり、レイテで瑞鶴から発艦した最後の空母攻撃隊も、迎撃をかいくぐってエセックス級に至近弾で冷汗をかかせている。短い期間ながらも意地を見せたと言えるかもしれない。
  • 尤も「戦闘機に爆弾を積む」というやり方自体は古くから広く取り入れられており、第二次大戦中も連合国軍がヤーボとして対地上戦闘など近接航空支援に用いたことが有名。
    艦載機としても、ロケット弾を用いて対艦/対地攻撃を行ったケースがある。
    • 無論爆撃機などに比べれば積載量は大したことない。
      だがウェーク島の戦いで如月F4Fワイルドキャット戦闘機より投下された100lb(約45kg)爆弾1発で魚雷が誘爆し撃沈された事例があり、決して馬鹿にはできないのである。
    • ドイツもFw190やBf110を対地攻撃に投入し、日本でも陸軍の戦闘機「隼」は地上への直協支援のため250kg爆弾2発を搭載できた。
      アメリカ陸海軍では特にこの手のヤーボとして運用可能な機体が多く生産され、欧州での対地攻撃や太平洋での対艦攻撃に猛威を振るっている。
      また、大戦の後期に出た戦闘機はほとんどが爆弾の搭載が可能なように設計されていた。*12
    • 爆弾を積むための搭載量と、空戦性能はトレードオフの関係にある。どっちも最強、という機体はなかなかない、と思われがちである……が、しかし。
      • 少なくとも単発機について、戦闘爆撃機として運用された機体の多くは、純粋な戦闘機としての運用が中心だった機体より軽く、あるいは総重量では重くても低翼面荷重の機体が多い。
        なぜかというと電子機器による地形追従飛行などなかったこの時期、高翼面荷重の直線番長で低空での戦闘機動など全力で地球と愛し合いたいドM専用の自殺行為であり、低空での支援任務に使われる機体はむしろ軽くなければダメだったのだ。*13*14反証的であるが九九式艦爆の操縦性は戦闘機に匹敵すると言われたのも頷けることである。
      • 一方で、爆戦のもう一つの系譜を占めるのは双発の戦闘機として設計された機体群で、1930年代の爆撃機の航続距離や速度の高度化から「もう単発戦闘機なんか護衛には使い物にならなくね?」という発想で速度と航続距離に全振りで開発されたものの、実際には長距離を飛ぶ必要なんてない迎撃の単発機にボコボコにされて代用爆撃機として運用されたという経緯を持っている。とはいえBf-110やP-38*15など、状況次第では速度で劣る専用戦闘機を一方的に蹂躙する戦果を挙げ、単発機では積めないレーダーを積んで夜間戦闘機として活躍したりと、結果的には多方面に活躍した名機も少なくない。
    • 現在では純粋な制空戦闘機は絶滅危惧種*16であり、図鑑にも見られる「マルチロールファイター」「スイングロールファイター」が主流である。
  • ちなみに62型以前にも似たような零戦がある。それは上述した零式艦上戦闘機52型丙。
    これは胴体下に500kg爆弾を、両翼に60kg爆弾か60kgロケット弾を積めた。
    しかも武装は20mm機銃×2と13.2mm機銃×3と比較的重武装! 防弾装備も強化! 燃料タンクも防火設備完備! と普通の零式艦戦52型とは違うのだが……。
    何分にも開発が戦争末期で作られたのは三菱と中島を合わせて1400機(三菱での生産数は341機)ほどだった。
    52型丙の当初の発注自体は90機ほどで以降の生産分は53型が発注されていたが、栄31型の実用化の遅れにより53型として発注された分も52型丙として生産された。
  • 描かれてる機体は"221-118B"、第二二一海軍航空隊所属機。元ネタは大和ミュージアム展示の"210-118B"機と思われる。
    • 復元する際に2??-118Bの?部分が判別できず、推測で210空とされたが、同隊は「118B」という数字+アルファベットの表示を採用していないため。
      表記法が近い221空所属機ではないかという説があり、それを反映したものと思われる。*17

この装備についてのコメント



開発報告は専用ページで行いましょう


*1 ドイツ語のヤークトボマー(Jagdbomber)の略
*2 もちろん、『栄』の設計が限界に達していたことも事実である。三菱はインジェクター技術をモノにしていたので、三菱のエンジンの方がシリンダーブロック設計は古くても出力向上の余地はあった。
*3 空母爆戦隊としてはマリアナ~レイテまでほぼ完全に21型爆戦で、52型系列ですらない。
*4 有名なのは500㎏爆弾搭載の特攻専用装備で、もはや離陸にすら苦労する有様は「離陸さえすれば二度と帰ってはこない」という悲壮な割り切りの元に威力を求めた結果である。
*5 特攻隊の帰還時の待遇の問題として挙げられる、海軍内で行われたとするリンチの程は実態は不明だが、江名武彦氏のように二度帰還しても特に文句を言われず、原隊に戻されたり、721海軍航空隊の第六筑波隊(零戦装備)のように、特攻出撃したのち帰還しても特に殴られるどころ基地司令に「ご苦労だった。」の一言で済んでそれどころか二日に温泉休暇がもらえる場合もあった。実際のところ帰還に対して責めたり、殴るという行為が行われたというのは海軍全体の問題と言うより、各航空隊内での問題ではあった。陸軍も穏やかだったが、振武寮と通称される「矯正施設」があり、帰還者はそこへ収容されて罵倒されたり冷酷ないじめを受けたり、自殺を勧めるなど待遇は劣悪で、正直なところ海軍と同じく航空隊内の問題である部分が大きい。なお、振武寮の存在を一般に広く知らしめたのは1993年のドキュメンタリー・ノベル/映画「月光の夏」の存在だろう。そこから特攻帰還者=軍によるリンチの図式が広まったと言える。
*6 艦爆はそれなりに機動性を要求されたため、逆にこちらに艦戦の真似事をさせられないかと言うアプローチもあった。日本では彗星艦爆が大戦後半に一部夜間戦闘機として運用されたほか、アメリカのSBDドーントレスも戦闘機の真似事をしている。さすがにイギリスのスクアになるとちょっと待てと言いたくなってくるが……。
*7 「爆戦」と言う場合は爆装戦闘機の略であり、末期には凡そ特攻用に爆装した戦闘機を指していた。
*8 日本海軍の定義では降下角度45度以内
*9 この時点では酒の席での趣味の悪い冗談である。海軍軍人はこのような冗談が好きであった。
*10 ただし単発攻撃機の防御機銃については当の相手であるアメリカで疑問視されており、「戦闘機が制空権採れなきゃあってもなくてもあんまかわんね」という結論になり、有名なA-1『スカイレイダー』以降廃止された。
*11 彗星という説もある。
*12 F6Fはスペック上では魚雷の搭載さえも可能であるし、また特にF4Uコルセアなどはその搭載能力の高さから、既にジェット時代に片足突っ込んだ朝鮮戦争でもヤーボとして大活躍を果たしている。
*13 その代り高々度飛行用の過給機は不要だったので、軽くするのも簡単だった。
*14 ドイツのFw190F/Gに至っては、護衛するBf109やA型のパイロットが「バカバカしい」と言いたくなるほどの低空戦闘性能を誇った。ちなみに一時期のルーデルの愛機である。またアメリカはアメリカでP-51の生産がマーリン搭載のB型以降が主流になっても「アリソンのA型寄越せやオルァ!」という声が絶えなかったそうな。
*15 と、書いたがP-38は設計コンセプトが少し異なる。P-38は護衛機ではなく、B-17を開発した米軍が「これと同じものを敵がもっていたら……」という想定で開発された高々度高速迎撃機として出発している。その為レシプロ時代の双発機としては割合身が軽く、状況次第ではFw190相手に優位に立つこともあった。結果的に航続距離が長かったことと、大型機を中心に手掛けていたロッキードの設計に由来して搭乗員の負担が少なかったことから、護衛戦闘機としても運用された。戦闘爆撃機としての運用は、その特異なスタイル故に前方の視界が広く低高度での操縦がしやすいという利点があったことによる。ちなみにアメリカのBf110や二式複戦『屠龍』に相当するやらかしはベルXFM-1『エアラクーダ』である。
*16 その絶滅危惧種がまだわんさと生き残っているのが、航空自衛隊である。F-15Jは純粋な制空戦闘機のF-15初期型に位置する。ちなみに、西側のF-15・F-14・F-16、東側のMiG29・Su27の第三世代超音速戦闘機が「有人である限り制空戦闘機としての限界点」(これ以上は中の人が耐えられない)とされており、F-22やF-35の目玉はステルス性能を始めとする対電子戦装備の充実なのだ。
*17 ただし、221空の配置はフィリピンであり、本土での戦闘にはほとんど参加していないのでこの説にも疑問が残る。