世界観/獣

Last-modified: 2025-11-28 (金) 11:02:45

(けもの、けだもの)とは、全身に体毛が生えており、主に四足歩行する動物全般の事をいう。
一般的には哺乳類の事を指すため、本稿でも哺乳類という意味でこの単語を扱う。

目次

概要

  • 魚類両生類爬虫類鳥類に並ぶ脊椎動物の1種で、
    乳で子を育てる事から「哺乳類」という名前が付いた。
    より詳細には「有羊膜類・単弓類・真盤竜類・獣弓類・哺乳綱」に属する生物を哺乳類という。
    哺乳類は我々ヒトを含めたグループであるため、
    イヌ、ネコウマなど人類とかかわりが深い動物が多い。
    • ただし、獣と呼ぶ場合は人類を省いた哺乳類を指す場合もある。
      これは人類があらゆる動物の頂点に立つ霊長であり、
      他の生物や存在から区別されるからという考えに基づくもので、
      こうした場合に使われる「獣」は人類と異なる/人類より下等な動物である事を言外に含んでいる。
      文脈によって人類を含むか含まないかを判断するとトラブルが起きにくいだろう。
    • 言語学的には少し意味合いが異なり 「動物」全般を指す事例もある。
      「獣」と「動物」の使い分けは諸説を挙げればキリが無く、
      一つ一つを取り沙汰して「哺乳類では無いのに『獣』と表現されるのはおかしい」などと指摘される事は無いので安心されたし。
      また、モンハン以外のコンテンツでは魚や鳥、虫や竜(龍)を「獣」と表現される事もある点は留意しておきたい。
      • 英語では"animal"(動物)と"beast"(獣)と使い分けされるのが一般的で、
        「animalよりも攻撃的で戦闘的な動物」と言う意味合いを強調する時にbeastが使われる。
  • 直接の祖先は爬虫類の特徴を持つキノドン類で、
    最も古い種では現在から約2億5000万年前(ペルム紀後期)から確認されている。
    なお単弓類はかつて爬虫類の一派とされ、哺乳類型爬虫類とも称されていたが、
    近年の研究で哺乳類を内包する単弓類は爬虫類と早期に分岐した生物群ということが判明した。
    また、単弓類は哺乳類の祖先ではなく、哺乳類はあくまで単弓類の一群に過ぎないので気をつけられたし。
  • 哺乳類の代表的な特徴は多く存在するが、著名なものは以下の通り。
    • 皮膚の角質が進化した体毛を持つ。
      鳥類に見られる羽毛は鱗が変化したものであり、生成要因が異なる。
      これにより多くの種が体温を一定に保つ恒温動物であるが、
      一部の哺乳類は変温動物に分類される場合もある。
    • 別の役割がある複数種類のを持つ。
      両生類や爬虫類は殆どが同じ形状の歯であり、
      切歯、犬歯、臼歯などに分かれているのは哺乳類の特権である。
    • 近紫外線を認識できない2色型色覚を持つ。
      他の脊椎動物のほとんどは4色型色覚を持っていたのだが、
      哺乳類は進化の過程でいくつかの錐体細胞を失い、2色型になったとされている。
      ただし、ヒトを含む真猿亜目のサルは3色型色覚に戻っている他、
      海獣類や鯨類などは1色型色覚まで行ってしまっている。
    • 汗腺から進化した乳房(或いは乳腺)を持ち、授乳を行う
      また、現生のほとんどの種がではなく腹に子を宿す「胎生」であるが、
      単孔目に属する一部の哺乳類(カモノハシやハリモグラなど)は卵を産むため、全てに共通する特徴とは言えない*1
      なお、授乳をする関係で"全ての種が子育てを行う"という唯一の綱であり、逆に言うと子育てをしない種は一種たりとも存在しない。
  • 軽く先述したが、家畜ペットとして人類と関わる種が多い。
    家畜としては牛・豚・山羊・羊などの食用・衣料用家畜や、
    馬・駱駝などの移動用家畜が存在しており、いずれも人類の生活に欠かせない役割を果たしていた。
    また、狩猟に利用するために狼を家畜化した犬や、
    愛玩動物として飼われる猫、実験動物として使われる鼠など、
    今日に至るまで様々な面で人類との関わりがある。

モンハン世界において

  • モンハンにおいて主に獣(哺乳類)として扱われる可能性が高い種は、
    牙獣種、一部の草食種が該当する。
    これらの種は見た目も設定も現実の哺乳類とよく似た特徴を持っており、
    少なくとも広義の獣に含めて良さそうである。
    • 初代で獣と言えそうなモンスターは、ネコそっくりな獣人種に
      シカ、ブタ、イノシシにそっくりな草食種くらいであったが、
      MH2にて牙獣種という獣そのもののグループが登場。
      サルやゴリラにそっくりなモンスターが登場する事となった。
    • 当初はサルとイノシシというメンバーで構成されていたが、
      MHP3からは新たにクマ、ウサギ、アルマジロ、MHXからはマンモス、
      MHRiseからはタヌキとイヌに似た牙獣種が登場しており、
      シリーズを経る毎に門戸が広くなっているようだ。
    生態樹形図によれば、牙獣種には長鼻目・尖爪目・偶蹄目の3種が含まれる*2
    長鼻目と偶蹄目は現実にも存在する分類であり、哺乳類と言ってしまってよさそうだが、
    尖爪目という分類は現実世界には存在しないものである。
    一応、含まれるモンスターに哺乳類を大きく逸脱した特徴はないので、
    哺乳類である事を否定する材料はなく、獣と言ってしまって差し支えないだろう。
    • 尖爪目には堅歯亜目、堅爪亜目、飛膜獣亜目というこれまた架空の分類が含まれるのだが、
      それぞれ「サル」「クマ、タヌキ、イヌ」「(飛膜のある)サル」といった組み分けになっている。
      猿2種はともかく、熊・狸・犬という分類は一見して不可解に思うかもしれないが、
      実は現実世界ではその三種はすべて食肉目 イヌ型亜目に含まれる近縁種である。
      それゆえ、同じ亜目に分類されている事は問題ないと言える。
      • むしろ問題なのはクマの中にウサギやアルマジロのような奴が紛れ込んでいる事だが、
        そのものではなく特徴を持っているだけ、似ているだけと解釈すれば問題ない。
    • また食肉目と猿こと霊長目は全く異なる分類であるが
      現実の食肉目の中には猿と同じく指紋を持つフィッシャーのように
      霊長目と収斂した特徴を持つ種が存在するほか
      霊長目でもキツネザルなど食肉目に似た見た目のものは存在するため
      そういう事を踏まえると違和感は減るかもしれない。
    • 一部の牙獣種には体毛が全くないモンスターもいる。
      全身が甲殻で覆われているため一見すると獣ではなくにも見えるほどだが、
      牙獣種に分類されるという事はそれ以外の特徴は同じなのだろう。
  • 他方、モンスター以外の獣となると途端に数が少なくなる。
    MHXXまでそうした生物は素材アイテムとして登場する事が多かったが、
    虫や魚とは違って哺乳類をアイテムとして扱うのは流石に抵抗があったのだろう。
    • 転機が訪れたのはMHWorldからで、狩猟に関係ない小動物「環境生物」という枠組みが登場、
      捕獲したり狩猟に役立ってくれる存在であるため、
      獣でも問題なくフィールド上に登場できるようになった。
      一部の環境生物は殺してしまう事も出来るのだが、
      倫理的な問題からか、ギンセンザルおよびその派生種は死なないようになっている。
  • 前述の通り現実世界ではヒトも哺乳類に含まれる生き物だが、
    モンハン世界では人類以外の亜人種と呼ぶべき種族も存在している。
    その内モンスターに分類されるものが獣人種であり、
    二足歩行する獣にそっくりな種族と、小柄な原住民のような種族の2通り存在する。
    彼らの多くは「食雑目」というやはり架空のグループに含まれており、
    人類にどれほど近いのかは不明なものの、
    特徴や生態を鑑みると哺乳類に分類されると見て間違いなさそうである。
    • 一方、モンハン世界で人類とほぼ変わらない形で暮らしているのが、
      竜人族海の民土竜族の3種類である。名前に竜が含まていたり、
      寿命が長かったりなど人類と異なる部分もあるものの、
      鱗が生えていたり卵生である訳でもないので、やはり人類同様、哺乳類に分類されるだろう。
  • なお、獣竜種にも「獣」と言う語句が使われているが、
    これは獣竜種の元ネタとなった獣脚類というグループに由来するものとなる。
    獣竜種と獣脚類の関係については該当項目を参照のこと。

別名異名について

  • 「獣」という漢字は「竜」に次いで別名に使用されることが多く、
    基本的には牙獣種や草食獣など、哺乳類に似たモンスターの別名に用いられる。
    だが、ごく稀にそれら以外のモンスターにも用いられる事例があり、
    今のところ海竜種人知を超越した生物種の寄せ集めである古龍種で確認されている。
    • 海竜では水生獣ルドロス水獣ロアルドロスとその亜種
      溶岩獣ウロコトル凍海獣ポカラドンの5種が該当する。
      そのうちロアルドロスとウロコトルの場合、別名を「竜」にしてしまうと
      既存モンスターの別名と被りが発生する*3*4ため、便宜上「獣」にしている背景がある。
      また、ルドロスに関しては成体であるロアルドロスとの整合性の為だろう。
      • ただし、ポカラドンに関しては現実世界のセイウチに似ており、
        いわゆる海の哺乳類を指す「海獣」との掛詞にもなっていると思われる。
    • 古龍では幻獣キリンとその亜種魔獣ベヒーモスの3種類が該当する。
      後者のベヒーモスは他作品とのコラボで登場したモンスターであり、
      別名もその作品から引っ張ってきたものである為まだ良いが、
      キリンの方は初代から登場している由緒正しい古龍種*5である。
      他の古龍は全員「龍」が含まれる事を考えるとなかなか異例な事態だが、
      ウマによく似た姿や、現実世界に存在する概念としての「幻獣」を鑑みると
      キリンに似合っている別名であると言える。
  • また、テーマBGMのタイトルでは鳥竜種のゲリョスを「湿原に咆える奇」、
    古龍種のネルギガンテを「古龍を脅かす」と評しており、
    これはそのままモンスターを表す異名と取れる。
    ただし、システム的な別名でない事や、異名がモンスターのイメージによく似合っている事から、
    こちらに関しては設定との相違を指摘する声は少ないようだ。
  • その他、実物が登場した事こそないが、
    一部モンスターの別名には「」「」「」等の獣が含まれている。
    こういった別名が付けられるという事はモンハン世界にも
    獅子や虎、狼が存在する可能性があるという事であるが、
    兎などとは違って環境生物としては登場しにくそうである。

獣(哺乳類)に分類されると思われる生物

モンスター

以下に生態樹形図に基づいた分類で獣に分類されると思われる生物を示す。

長鼻目
ポポガムート
霊長目
ヒト
尖爪目
堅歯亜目
ブランゴコンガラージャンガランゴルム
堅爪亜目
アオアシラウルクススラングロトラゴシャハギブンブジナガルク
飛膜獣亜目
ケチャワチャビシュテンゴ
食雑目
アイルーメラルーチャチャブー
偶蹄目
ケルビガウシカムーファメルクーモスブルファンゴ
その他*6
テトルーガジャブーボワボワモリバー

環境生物

以下に獣(哺乳類)として扱われる可能性が高い環境生物に対し、
フレーバーテキストや外見、名前から推定した現実世界における哺乳類の分類を示す。
当然ながら非公式な分類であり、公式の設定では無いので注意されたし

兎形目*7
ヨリミチウサギミチビキウサギカモシワラシ
霊長目*8
ギンセンザルキンセンザルハナショウジョウ
齧歯目*9
スナノリュウセイ
食肉目*10
エンエンクハクメンコンモウ
鯨偶蹄目*11
ローゼルフィン
翼手目*12
コダマコウモリ*13
真無盲腸目*14
モギー

その他

奇蹄目
ウマラマラダ
偶蹄目(?)
プーギー

関連項目

モンスター/牙獣種
世界観/人類

モンスター以外の生物種一覧

世界観/虫 - (カブトムシ/チョウ・ガ/ハチ/クモ)
世界観/魚 - (マグロ)
世界観/獣 - (ウマ/ネコ/人類)
世界観/鳥
世界観/竜
世界観/貝類


*1 ちなみに哺乳類は胎盤を持つものが現れる中生代中頃までは総じて卵生だったと考えられている。
*2 長鼻目と偶蹄目には草食種のモンスターも存在する
*3 水獣は「水竜」、溶岩獣は「溶岩竜」と丸被りする
*4 ポカラドンについては名前の一部が「海竜」と被るが、後に「沙海竜」が登場したため、現在は関連性が薄くなっている
*5 旧作では別名ではなく異名として「幻獣」と呼ばれていたが、MHWorldから正式な別名になった
*6 食雑目のモンスターと同じく獣人種に属するが、生態樹形図上での分類が不明になっている
*7 ウサギなど
*8 サルなど
*9 ネズミなど
*10 イヌ、ネコ、クマ、イタチなど
*11 クジラ、イルカなど
*12 コウモリなど
*13 ウロコウモリが超小型の飛竜であるため、こちらも飛竜である可能性がある
*14 モグラなど