MH3より登場したモンスターの分類カテゴリーの一つ。遊泳に適した体の作りをした大型の竜。
飛竜種と同じく生態系の上位に位置する。
目次
概要
- 海竜ラギアクルスを筆頭に、属する種の多くが水中に適応している。
水中はまさしく彼らの王国である。
海竜種とは呼ばれているが、必ずしも海だけに生息しているわけではない。
と言うか、ほとんどの場合海水も淡水も関係なく生活できる。
肺呼吸だがその肺活量は桁外れであり、極めて長い時間潜水することができる。
反面、水中の環境に適応するがゆえに陸上での活動能力に重きを置いていない種もおり、
そうした種は陸上における行動能力が低下する傾向にある。
と言っても陸に上がった河童の如く…という訳ではなく、ある程度の戦闘力は備えているのだが。
最近ではむしろ陸上でも高い戦闘力を発揮するものも増えてきており、一筋縄ではいかない。
生態系の上位に位置する強力な種なのだが、本来「水中」を主戦場とするモンスターが多いことや、
プログラミング上の技術的難度というメタい世界観を超越した問題を抱えているため、
シリーズでは不遇な扱いを受けることの多い種でもある。
- 主戦場が水中の海竜種はガンナーと片手剣の天敵となる。
前者は飛距離が落ち、接近戦を仕掛けざるを得ないため、
後者は自慢の機動力が水中で大幅に損なわれてしまい、手数も減ることからダメージが落ちるためである。
すべての武器に言える事だが、水中戦に早く慣れるしかない。
または回避性能を発動させると幾らか楽になるだろう。
MH3Gではガンナー、特にボウガンの立場が一変。
LV3通常弾を用いると跳弾ヒットが起こるようになり、
大ダメージを与えやすくなったため、難易度が大幅に改善された。- 尤も、これらの問題は海竜種というより水中戦のバランス調整そのものに原因があるのだが。
- 陸上生活に適応した種も存在し、彼らは陸上、流体内問わず活発に活動する。
陸上での生活に適応した種の中には、あろうことか溶岩や氷を潜行するものが存在する。
- 生息環境の似ている魚竜種との大きな違いはヒレではなく前肢を持つ点。
身体の長いトカゲのような姿からアンコウのような平べったい姿まで体型はさまざまだが、
いずれも四足歩行であると言う共通点を持っている。- 骨格の構造は牙竜種と似ているが、足のつき方や姿勢が大きく異なる。
牙竜種は四肢が体の真下にまっすぐ伸びており、体を地面から離しているのに対し、
海竜種は四肢が体の真横に伸びており、体を地面に付けている*1。
また、牙竜種に比べ首が長い、または頭が大きく首が判りづらいのも特徴の一つ。
あくまで骨格が似ているだけで、生物学的には遠縁な種族なのだろう。
むしろ、体の構造や歩行から、爬虫類、特に(トカゲ等の)這う姿勢で移動する鱗竜形類に近いと思われる。
- 骨格の構造は牙竜種と似ているが、足のつき方や姿勢が大きく異なる。
- 古龍種の中には海竜種と非常によく似た骨格のものもいくつか見られる。
深海に生息するもの、広大な砂漠を往くもの、大空を舞うものと様々だが、
これらはそれぞれの環境を「泳ぐ」ための特徴である。
異なる種が同様の特徴を持つ「収斂進化」の一端とも捉えられる一方、
この古龍種たちと海竜種の間には何らかの繋がりがあるのでは?と考えるハンターもいる。
なお、あのミラボレアス種も海竜種とある程度類似する骨格を持っており、
威嚇など四足歩行時の一部モーションが共通している。
- 正統派竜型モンスターから山椒魚のようなモンスター、
哺乳類的な特徴を持つものや巨大アンコウまで外見のバリエーションはかなり豊富。
外見の類似ではなく生物学的な共通点を調べ出しての分類が行われている点は、
MH世界の生き物の研究や分類学がけっこう進歩していることをうかがわせる。
- 大型モンスターの中でもとりわけ長大な体躯を持つ種が多い。
ラギアクルスやアグナコトルなどは30mを突破することも決して珍しくなく、
ラギアクルス希少種に至ってはただでさえ巨大な通常のラギアクルスより二回り以上も大きく、
あまりに大きすぎるためかサイズが記録されず(超大型モンスターとして扱われている)、
公式サイズはなんと3969.3cmにも達する。
MH3~MH3G
- MH3で初登場した種族ながら、小型含めて6種も登場、
なおかつメインモンスターも海竜種という大きな扱いで登場。
MHP3、MH3Gでも順当に新種や亜種が追加されており、新参ながらも隆盛の時を迎えていた。
- 加えて、MH3(G)では水中戦でも猛威を振るい、水中と言えば海竜種という風潮を確立した。
が、MHP3や後続の作品において水中戦はリストラの挙句一度たりとも復活しておらず、
残念なことに水中で海竜種と戦う機会はMH3(G)のみに限られている。
MH4(G)
MHX(X)
- しかしMHXではアグナコトル、ハプルボッカ、ロアルドロスの復活が実現し、久々に海竜種が陽の目を浴びた。
また、メインモンスターの1つとして海竜種のタマミツネが新登場することが発表、
そして水中戦がないことから復活が絶望視されていたラギアクルスがまさかの陸上戦に対応して復活するなど
種そのものがかなりの盛り上がりを見せた。
MHW(:I)
- 舞台となる大陸・生態系が一新されたMHWorldでは、
なんと再び「種族ごとリストラされる」という憂き目に。
同期の獣竜種は続投しているため、MH4と同様の待遇となってしまった。- しかし、あちらと違って明確な理由は存在している。
その理由についてはラギアクルスの記事および骨格の海竜種型の記事を参照していただきたい。
なお、参戦できなかった真の理由はカプコン公式のラジオ番組にてラギアクルス開発秘話という形で明かされており、
その開発秘話にて「アイスボーンにはでない」と明言されているため、
MHW:Iの企画段階時点で海竜種ベースの骨格の開発は行われていなかった可能性が高い。
実際、海竜型に準ずる骨格を持つミラボレアスについては
「当初復活予定はなく、15周年記念のCGアートの反響から復活が決まった」と語られている。
- しかし、あちらと違って明確な理由は存在している。
- ドスジャグラスが牙竜種であると公表されるまでは、
四足で翼を持たない点、腹を地面に付いて這うように動く点などから、
海竜種ではないかと予想されていたこともあった。
MHR(:S)
- その後新たに「Re Engine」ゲームエンジンを採用したMHRiseにてまさかの海竜種の復活が成し遂げられ、
ロアルドロスを始めとした古参モンスターの復活や新規モンスターの追加が行われた。- 何故海竜種が復活できたのかというと、
後のMHR:Sの「ラギアクルス」にまつわる開発者インタビューの内容から推するに、
骨格の改良や、元々陸上戦のみを前提とした海竜種骨格を用いる事で、
地形の起伏と接地面から生じる処理負荷に対応できたからであるようだ。
一方、海竜種の祖であるラギアクルスは水中戦を主体とした、複雑な骨格をしている事が災いし、
MHW以降の狩猟フィールドで積極的に取り入れられている、
起伏に富んだ豊かな地形への対応が困難であることが開発陣の口から明言される事となった。
- 新規追加された海竜種は二種だが、両方ともタマミツネ骨格であると言う共通点がある。
タマミツネ骨格は他の海竜種と違い腹を浮かせ、四肢で軽やかに駆け回れると言う特徴があるのと、
元々地上戦を前提とした骨格であるため、処理負荷の問題が生じにくいモノであったと推測される。
オロミドロはデカすぎて狭いエリアだと不審な挙動をしたりするが。
- 何故海竜種が復活できたのかというと、
- さらにMHR:Sでは上記の新モンスターの亜種が参戦。
ゲーム内での新登場は勿論、そもそも海竜種の亜種モンスターの参戦はMH3G以来である。- 一方で水中戦に特化した骨格構造をしているラギアクルスは再び参戦を逃す事となり、
更に新作毎に地形の多様性が進化すればする程ラギアクルス参戦が困難になる
…という絶望的な事実が明かされるのだった…。
海竜種としては2体目、そしてメインシリーズにおいては飛竜種以外の希少種としても2体目の栄誉に輝いた。*2 - 一方で水中戦に特化した骨格構造をしているラギアクルスは再び参戦を逃す事となり、
MHWilds
- MHWildsでも海竜種が続投し、大型海竜種のバーラハーラとウズ・トゥナが初登場。
小型モンスターとしてはガジオスやピラギルが登場している。
なお、メインシリーズにおいて小型海竜というのはMH3以来である。- バーラハーラはMH3Gから実に13年振りとなる、ラギアクルスの様に腹を接地させるタイプの海竜種骨格を有していながら、
傾斜の大きい砂漠を遊泳したり、砂原に聳える岩柱に巻き付くといったアクションも確認されており、
MHWildsの高低差が激しい地形にもある程度適応している様だ。
また、大型モンスターでありながら4、5体で群れになって襲いかかることが確認されており、
相当重い処理負荷が掛かっていると想定され、
この表現をゲーム内に落とし込めるほどの技術面の進歩が伺える。
- 水中をテリトリーとするウズ・トゥナは、
従来のラギアクルスを上回るのではないかと思えるほどの巨体を持っている。縦では無くて横ではあるが
また、今作では水中戦自体は登場しないことが明言されているが、
本種はMHWorldの開発段階におけるラギアクルスのように
「深い水場での水上戦」が得意なモンスターになっているようだ。
ハンター側は相変わらず深い水場を歩ける模様
技術面の向上と併せ、海竜種の接地面の問題に対して
様々な手段を用いて解決しようと動いている事が窺える。
今のところラギアクルスやアグナコトルのように長大な接地面を持つモンスターは登場していないが、
彼らの将来的な復活にも期待が持てる現況になっている。 - バーラハーラはMH3Gから実に13年振りとなる、ラギアクルスの様に腹を接地させるタイプの海竜種骨格を有していながら、
MHNow
- スマホ向け派生作品のMHNowでは定期的にモンスターを追加しているが、
2024年夏の「嵐が誘う泡沫の宴」の第二弾においてタマミツネの登場が正式に発表された。
また2024年冬の「銀雪のランページ」にてイソネミクニが登場予定である。
今作はモンスターとの戦闘のみをピックアップした作品であるほか、
戦闘フィールドは平坦な地形故、処理負荷は抑えられたのだろう。
余談
- 海外版シリーズでは、海竜種の種族名は「Leviathan」と訳されている。
これは西洋における海の巨大魔獣リヴァイアサン(レヴィアタン)に由来する。
現在、リヴァイアサンは大ウミヘビの姿で描写されることが多いが
(これは、キリスト教でリヴァイアサンが「嫉妬」を司る悪魔であり、
さらに嫉妬の象徴はヘビとされる為である)、
巨大なワニの姿で描かれる場合もあり、この場合は海竜種のイメージと一致する。
- 骨格は絶滅種を含めた水棲爬虫類の複数種を組み合わせたような構造をしている。
陸でも活動ができて、四肢が側面に伸びているのは現生のワニに似ているが、
遊泳の構造は恐竜時代後期に生息していたモササウルス科と似ており、ヒレを持つ長い尻尾、
手脚の指の間にヒレが存在しており水中での生活に適している、などと共通点が多い。
また、胴長で首が長いという点も含めれば、首長竜と共通する。
- 海竜種とは言うものの、一部の海竜種は「○○獣」と別名が付き、
成長すると炎戈竜となるアグナコトルの幼体が溶岩獣と呼ばれるなど別名のパターンがやや特殊である。
ロアルドロス通常種とウロコトルに関してはすでにコイツらがいるからかもしれないが。
- 大型モンスターが亜種や希少種を含め9種存在する比較的大所帯の種族でありながら、
専用BGMを有するのはラギアクルスの希少種とタマミツネだけである。
「固有のBGM」に絞ると後者の『妖艶なる舞』しか存在しないとすら言える。
- MHFでは新モンスターを初公開する際、分類される種族を伏せたまま情報を出すことがある。
四足歩行型モンスターである海竜種は上述の通り他種族と紛らわしい要素が存在しているため、
ビジュアルだけを見た人の中には、案の定種族を誤認してしまうことがある。
運営側も狙っているのか、情報を小出ししてミスリード*3することがある。- MHF初の海竜種であるクアルセプスはその傾向が顕著で、牙竜種や古龍種と誤認された。
MHF未登場だった種族、かつ水中に棲んでいなさそうな外観故にやむを得ないか。 - 意図的な誤認を狙ったであろうモンスターに飛竜種のポボルバルムがいる。
当初は「小さな翼」「大きな口」「海洋生物らしい部位」とパーツ単位でのみ公開され、
翼があるとはいえハプルボッカ等を彷彿とさせることから、海竜種と考えた人は多い。
- MHF初の海竜種であるクアルセプスはその傾向が顕著で、牙竜種や古龍種と誤認された。
- お互いに牽制する位やそこそこ派手な小競合い程度で済む場合もあれば、
雌雄を決するまで殺り合ったり、逆に攻撃を仕掛けたら群れそのものが危機に陥ったりと
登場作が少なめな割に他のモンスターとカチ会っては諍い起こす種族でもある。
生態系の上位者たる意地あるいは登場に恵まれない事による嫉妬であろうか。- 若干毛色は異なるが、ポカラドンもアノルパティスと交戦している。
- MHRiseで新規海竜種が二種追加されたが、彼らはなんと専用モーションの縄張り争いを行う。
イソネミクニは髪ヒレや睡眠ブレス、オロミドロは尾や泥を使うなど個性あふれる内容となっている。
また、タマミツネもMHXのオープニングの様に因縁のあるジンオウガとの専用縄張り争いを行う。
やはり海竜種はモンスター相手の戦闘の機会に恵まれやすいのかもしれない。
- 中国で展開していたMHOnlineでは登場機会が一切なく、やはり不遇である。
同期の獣竜種や後輩の牙竜種は登場していたものの、基本的にMHFで遷悠種として登場したものが多く、
その基準でいえば遷悠種として登場した海竜種は居ないため、やむを得ないことだったのかもしれない。
- MHR:Sまでの作品において、大型モンスターは勿論、
複数種の小型モンスターを含みながらその全てに別名がついている現状唯一の種族である。
該当モンスター
- リンク先に一覧表あり。