FF5GBA
FF5GBA版の攻略本で、価格は税別1429円。出版はスクウェア・エニックス、編集・執筆はキュービスト。
447ページに及ぶ分厚さだが、そのぶん情報量もなかなか。
アドバンス版の攻略本だが、SFC版の攻略本としても使えるだろう。
- HPのほか、耐性や能力値、行動や操る・放つのデータに加え、全モンスターに対処法が書かれたモンスターデータ。
- 追加効果や能力値アップ、入手方法が書かれたアイテムデータ。
- 追加ダンジョン含む全ての町やダンジョンのマップ(宝箱の位置や仕掛け、出現モンスターも表記)。
- ボス対策や進行フローチャートつきのストーリー攻略部分。
- 調合や地形に加え、新規の予言や合成などの効果一覧。
などなど、初心者からモンスター図鑑埋め、アイテムコレクターや宝箱回収率100%を目指す人にも非常に役に立つ。
そして、一番のキモに「ジョブの説明+活用ガイド」「追加含むボスのデータ+圧勝戦術」がある。
ジョブの説明+活用ガイドにはアビリティの説明のほか渋谷氏の原画、
ジョブの基本能力値やキャラクターごとの能力補正値、マスターまでの合計ABP、そのジョブのおすすめ装備やアビリティが細かく書かれている。
(ちなみにバーサーカーは「エルフのマント」、「両手持ち」「鞭装備」などが良いらしい。)
ボスデータにはそのボスの概要に加え「圧勝戦術」つき。
これは「アダマンタイマイにはレベル5デス」「クレイクロウは雷のロッドで一撃」などの割と身も蓋もない勝利方法が描かれているため、初プレイの人にはあまり見てほしくない。
ほか、モンスター技データ(消費MPやリフレク反射可かどうか)やフィールド上のモンスター出現位置などのコアなデータも収録されている。
- 8x8のスクエアでマップが区切られ、エリアの地形ごとにエンカウントが設定されている。
とりあえず、FF5を極めたいならおすすめ。
ただ、アルティマニアや解体真書のような遊び記事は少なくマジメな作りの攻略本である。
なお、その地点での推奨レベルがあるが、FF5はアビリティの方がより重要なゲーム。
- ガルラ狩りなどで意図的に狙わない限り、低レベルで有用なアビリティを揃えるのは難しい。
それを考えれば、推奨レベルの記述も的外れなものではないだろう。 - 敵の攻撃自体を封じたり回避したりではなく攻撃をまともに受けてやりあうような(普通の?)プレイの場合、防御面で考えるとその時点でのレベル(HP)はかなり重要。
推奨レベルはモンスターの攻撃力を基準に見ている感じがする。
攻略本にはありがちだが、誤謬もあるので注意。
以下に例を記述。
- 大地のハンマーの「地震」発動確率(25%ではなく33%)
- カオスオーブに「水属性以外の属性攻撃で与えるダメージが増す」と説明されている(実際に強化できるのは炎・冷気・雷の3属性のみ)
- 調合「失敗作(1)」の瀕死効果抜け
- ピラミッドの黒装束から出現するフォールガードが2体出現となっているが、SFC版・GBA版共に3体。
- マインドフレイアの記述にて「ミュートを使ってから戦うといい」とされているが、ミュートでは敵の技であるマインドブラストを無効化出来ない
- シーデビルについて、実際は使用しないブレスウイングを使用すると記述されている
- ツインタニア(ギガフレア体勢時)の盗み:巨人の斧がレア枠扱いになっている(実際は通常枠)
- コカトリスの地属性無効化抜け
- グラビードの通常行動のグラビガ抜け
- サイレントビーとヘッジホッグの項目で、実際はダメージのない「ニードル」にダメージがあると記述されている
- モンスター「デスクロー」の行動がデスクローのみとなっているが、1/3の確率で通常攻撃も行う。
- フォールガードのカウンターで魔法に反撃すると記述されている(実際は魔法にはカウンターしない)
- 変身後のメタモルファの吸収・無効化・弱点属性
- カトブレパスのファイナルアタックが「悪魔の瞳/何もしない」となっている(実際は何もしない)
- カーバンクルの行動パターンの変化HP(「未満」が「以下」になっている)
- 暗黒魔道士の単体時デジョン使用抜け
- メリュジーヌのバリアチェンジの条件が弱点魔法への反撃と記述されている(実際は内部的なノーダメージまほうへの反撃で、4ターン目以降の確率発動)
- デュエリストの行うカウンターパワーヒットがダメージ全般ではなく物理攻撃への反応と記述
- ギルガメッシュ2戦目が「治療」を使うとあるが、実際は使用しない。ピクセルリマスター版で初めて実装された。
- ギルガメッシュ4戦目のメッセージ表示条件が「変身前でHP41000以下で反応」とあるが、実際は変身前にHP42000以下でダメージを受けるのが条件。
- エンキドウが「魔法に対してホワイトウインドでカウンター」とあるが、実際はイベント用の見えない「ノーダメージ魔法」へのカウンター。
など。
- 特技「いなずま」はSFC版では「いな『づ』ま」だが、GBA版以降はゲーム内でも「いな『ず』ま」表記なので、誤謬ではない。
以下の※印をつけたものは旧スマホ版では改変(修正?)され、この攻略本の記述と一致するようになった。GBA版時点で修正する予定だったものの修正し忘れか?
スクエニがGBA版の時点で修正する予定があり、キュービストに渡したデータにも反映されていたが、実際のゲームでは修正されなかったため、結果この攻略本が誤情報を載せたことになってしまったようだ。
- 暗黒魔法の欄で「リフレクで反射される」とされている(※)
- 予言技の敵味方のダメージ割合の記述が実際とは異なる(※)
- アビリティ「ジャンプ」に必要なABP数が10と記述されている(実際は50)(※)
- サンドウォームの「魔法に反撃」も実際は「ノーダメージ魔法」で発動するカウンター。内部的には設定されているカウンターだが実装されたのは旧スマホ版から(※)
- 巨大鳥の使用技にゾンビブレスがない(※)
- 第二世界における最序盤モンスター(ゴブリンおよびキラービー)の出現エリアの記載抜け(※)
モンスター図鑑でも確認できない「攻撃回数」(いわゆる攻撃ダメージの「物理倍率」)が載っている点はポイントが高い。
ただしエクスデス城のトラップやゼファーゾーンの召喚、フェニックスの塔の壁モンスターなど、通常敵の特殊なバリエーションは記載されていない。
モンスター図鑑では、解説の項で説明されている場合もあるものの、記述スペースの関係かブルードラゴンなど「自分以外のモンスターがいない場合行動が変わる」敵の変化したパターンがほとんど記述されていない。
「何もしない」行動も記されていない場合が多い。
- 参考:データ解析結果(外部サイト)モンスターの行動パターンデータ
モンスター図鑑の「はなつ」の項目で、「たたかう(クリティカル)」と「たたかう(攻撃力8倍)」(デュエリストやアサシンなど)の表記が混在しているが、どちらも攻撃力8倍の「パワーヒット」を意味する。
- 1.5倍撃とは別物なので、表記がはるかに多い「たたかう(クリティカル)」の方が間違い。
残念な事にモンスターデータには「ボス系耐性」に関する記述が一切掲載されていない。
ボス系耐性は極めて重要な要素だが、本書にもゲーム中のモンスター図鑑にも記載がないため、魔法のランプや青魔法「死の宣告」で確認する必要がある。それらの入手前の第一世界などでは非必中のグラビデなどで探るしかないため、大変。
- 他には身も蓋もないが、解析サイトを検索するという手もある。
参考:データ解析結果(外部サイト)モンスターのフラグ系データ
ボス系耐性を付与する調合「竜の口付け」の項目では「即死もしくは瀕死状態にする一部の技の効果を防ぐ」という説明。
上述の通り、推奨レベルも掲載されている。全体的には高すぎず低すぎずといったところ。
しかし、火力船・カルナック城脱出・古代図書館の3つは何故か推奨レベルが異常に高い。
(火力船は17、カルナック城脱出は18、古代図書館は19となっている)
上記のダンジョン攻略後にしか行けないジャコールの洞窟は16になっているので、おそらく誤植だろう。
余談だが、この本ではラストフロアは次元城の一部という扱いになってるがあれは次元の狭間の一部だ、と思ったのは俺だけじゃない……はず。
後、EXダンジョンのページに掲載されているスクショのステは異様に高い。HP8000以上って…もはややり込みの領域だ…。
一通り読み終わった後はカバーを剥いてみることをお勧めする。
- ちなみにカバー下のお遊びはGBA版リメイク三部作の攻略本全てに共通する小ネタである。
カテゴリ弱点
SFC版等では触れられもしなかった「カテゴリ弱点」についての解説がある。
(行動ごとに近接・遠隔・音波等のサブ属性が存在しており、弱点を突くとその行動は必中になる。
実際は与ダメージ2倍効果もあったがプログラムミスで実装されていない。)
GBA版および旧スマホ版では必中にはなるが与ダメージ2倍効果は実装されていないため、「カテゴリ弱点を突けば大ダメージ」という記述は誤りである。
しかも必中効果についてが触れられていない。肝心の「ボスのカテゴリ弱点」も記載されていない。
一部には絶大な効果を示すとはいえ、効果が微妙だから問題ないものの、ちょっと残念。
書籍にはないが、解析によるカテゴリ弱点一覧。
- 参考:データ解析結果(外部サイト)モンスターの弱点カテゴリデータ
- 遠距離カテゴリ弱点:キラービー、スティールバット、モールドウインド、ゲイラキャット、コカトリス、アイスソルジャー、ズー、グラストートス、サイレントビー、モトルトラップ、ロンカナイト、フェアリーオーク、レッサーロプロス、プアゾンイーグル、ウィルム、マジックドラゴン、モータードライブ、エルムギガース、ピラミデライア、ミュカレ、シャドーダンサー、マーキュリバット、水晶竜、シーアイビス、巨大鳥、ウイングラプター、エクスデス(ラストバトルの樹タイプ)、アルケオエイビス、アブダクター(孤島・バル城門どちらも)、メリュジーヌ(物理弱点時)、ガーゴイル、バハムート。
- アイスソルジャー、グラストートス、ロンカナイト、モータードライブといった地に足がついたモンスター以外は、遠距離カテゴリ弱点敵は地属性無効(シャドーダンサーなどはライブラやモンスター図鑑で表示されないが無効)。
- 音波カテゴリ弱点:ブロックス、クルーダスト、ブラックフレイム、正体不明(全種類)、ルネンタ(ゼファーゾーン召喚)、オメガ、バハムート、カロフィステリ。
- その他いろいろ
カテゴリ弱点のダメージ2倍効果実装は2021年発売のピクセルリマスター版を待つ事となる。
カテゴリ弱点の2倍撃と種族特効クリティカル・特定武器の8倍撃は重複する。