コラム/レイダーコンセプト考察

Last-modified: 2025-04-09 (水) 03:06:12

このページはコラム記事です。

主観・個人の意見などを含む場合があります。

このページでは、各レイダーのデザインコンセプトについて考察している。

ただし、あくまでも考察なので、必ずしも正しいと言うわけではなく推測に過ぎない点には注意してほしい。

目次

初期レイダー

セル

セルのコンセプトは、速攻によるレベルマウントに重点が置かれている。

このレイダーが初心者向けと言われる原因には、索敵を気の探知でなんとかできる点と、レベルの概念について学びやすいことが理由だと思われる。

特にレベル2であるセル(第一形態)までの進化速度がかなり早いため、進化速度を生かしたレベルマウントを活かしてほしいという意図が感じられる。
太陽拳やエネルギーバリアなど、スキルも近接戦闘用のものが多くなっている。

初期の設計としては、高速進化を活かして、レベル差を生かした格闘でサバイバーをダウンさせつつ、民間人を探し、探索フェイズ中にレベル3のセル(第二形態)になることを想定していると考えられる。そのためレベル2が超TM戦で弱い性能になっているのはある程度想定内だと思われる*1

そんな超TM戦中にダウンを取り、セル(完全体)に進化できるか、という試合展開を作りたかったと考えられる。
…つまり、セル(第二形態)が「完全体になれさえすれヴァ!」となる展開を想定したと言える。

ただ、初期からそもそもセル(第二形態)になれないという問題と、フィニッシュ速度が遅すぎて超TM中に進化できないという問題を抱えており、コンセプトは失敗寄りだったと言える*2。初心者向けとは?

フリーザ

フリーザのコンセプトは、遠距離戦闘と盤面コントロールだろう。

ロックオン距離も長く、ドドリアザーボンによって離れた距離の監視や索敵も出来る。
初期レイダーの中では、遠距離に効果的な必殺技が多いのも特徴。
そのため、広い範囲に圧力をかけやすく、盤面のコントロールがしやすい性能になっている。

また、ナメック星人がドラゴンボールを所持しているというシステムも、フリーザの大きな特徴のひとつ。
レイダーがボールを回収しやすい利点である一方で、ボールが集まりやすいという欠点でもある。
フリーザの登場したナメック星編ではドラゴンボールの奪い合いが1つのテーマになっていたからか、レイダーとサバイバー間でボールの取り合いをしてほしいということだと思われる。
ボールを確保しやすい分、ベジータのようにボールをどこかに隠すということもしやすい。

ただし、初期の環境では、上記2つのコンセプトが上手く噛み合ったことにより、キーキャンプ型レイダーとして最強レイダーの座に君臨していた。
射程の長い必殺技やザーボンドドリアの対処が難しく、起動キーは刺せないが逆転のためにフリーザからボールを奪取するのも難しい、という事態が多発していたためである。

その後の調整で起動キーの設置進捗が保存されるようになったり、タイムパトローラーのつとめ雑な上方修正の影響をモロに喰らい、キャンプの強みの多くを失ってしまった。
広い範囲に圧力をかけやすくしたあまり、キャンプ戦法が強くなりすぎることは想定していなかったのかもしれない。

魔人ブウ

魔人ブウのコンセプトは、大器晩成と進化妨害だろう。

実装当初においては、レベル3である魔人ブウ(悪)が、レベル4レイダーに近いスペックを持っていたのが特徴。
優秀な通常気弾と必殺技、全滅まで一気に持っていける体内戦などを備えており、この形態が他レイダーにおけるレベル4のようなトドメを刺して勝敗を決定づける役目を担っていた。

この性能のためか、レベル1のスポポビッチから、レベル2の魔人ブウ(無邪気)への進化がかなり遅くなるような調整になっていた。
進化ゲージをMAXにするために、民間人4人分が必要な上、魔人ブウの卵に帰ることで初めて進化することが出来た。*3
サバイバーは卵まで向かうスポポビッチを足止めすることで進化を妨害でき、場合によってはそのまま討伐されてしまうことすらあった。

ただ、原作再現として、チェンジしたサバイバーに一部のスキルを当てることでエネルギーを吸い取り、進化ゲージを回収することが出来る。
そのため、戦闘はリスクでもありながら、チャンスでもあった。
公式ではハイリスクハイリターン型のレイダーと言われていたが、このことを指していたのかもしれない。
実際には、スポポビッチが強すぎてノーリスクになったり、スポポビッチがボコボコにされるリスクが大きすぎたりと、色々あったが

全体的なフィニッシュ時間も非常に長いため*4、進化妨害が起きる前提で設計されていると思われる。
原作同様、どんどん手がつけられなくなるから、魔人ブウ復活や進化を妨害しようというコンセプトだったのだろう。

コンセプト通り、サバイバー側に進化妨害を強要するという点で、サバイバー、レイダー共に高い練度を求められるレイダーと初期は言えただろう。

追加レイダー

ベジータ

ベジータのコンセプトは、戦闘が大きな比重を占めている。

初期レイダーとは違い、討伐されても進化が可能だが、その代わりとしてペナルティが発生してしまう設計である。

レイダー側としては、戦闘で進化が早まるため、戦闘を積極的にしかけたい。
一方で、サバイバー側は、正当進化されるぐらいなら討伐したいので、進化が近づくと探索フェイズでも戦闘をしかける動機が出来る。

そのため、サバイバー側は討伐などで正統進化を妨害し、レイダー側は討伐されることを避け、進化ゲージをMAXにして正統進化する、という戦闘の結果の重さが大きいレイダーといえる。

討伐によるペナルティについてだが、栽培マンが討伐または処刑されると、ナッパは拘束可能な栽培マンを呼び出せず、サバイバーをダウンさせることが難しくなったり、ナッパが討伐されると、ベジータベジータ(大猿)へのが事実上不可能になったりと、かなり重いものになってしまっている。

これは、討伐に大きなメリットを設定することで、サバイバーが積極的に討伐を目指して戦ってほしいという意図の現れだと思われる。

だが、実装当初には全体的に体力が低いこともあって討伐されてしまうリスクが非常に高く、コンセプト通りと言えるがペナルティを覆せずに敗北してしまうケースが多発していた。

ギニュー特戦隊

ギニュー特戦隊のコンセプトは、強い個性と討伐進化だろう。

全レベルで戦闘スタイルがコロコロと変わるレイダーはギニュー特戦隊ぐらいであり、全形態が独自の強みを持っている。
また、各進化レベルの強みと試合の流れが合っており、強みを活かしてやることで自然と強い動きになるのも特徴。

また、相次ぐ強スキルの実装により、インフレしたサバイバー側の性能に対抗できる性能のレイダーとして設計されたと思われる*5

グルドは、当時強力だったエネフィ瞬間移動を時間停止によって対策でき、安易なエネ瞬を許さず、チェンジの出来ないサバをダウンさせることが可能。
リクームは二種の移動スキルにより、探索フェイズでの遊撃や追跡が強力。
ジース&バータは実装当時においてはトップクラスのキャンプ性能持ちであり、超TM戦を戦い抜ける火力や自衛手段もあった。
ギニューは、近距離よりの性能だが、ジスバタが正当進化していれば、圧倒的パワーの必殺が使えるほか、神龍サバイバーであっても一撃でダウンさせられる必殺技持ちと、これでもかと各隊員の個性が詰め込まれている。
さらに、各形態が正当進化出来れば、それ以降に様々な援護をしてくれる。隊員たちのチームワークを感じられる。

一方で、各形態が討伐されてもレベル4まで確実に進化できる点も大きな特徴だろう。
各形態の討伐ペナルティはあるものの、最終レベルであるレベル4以外はわかりやすい影響はない。
そのため、状況に応じて隊員を倒される前提で使い潰すような戦い方も出来てしまう。

息のあったチームでありながら、誰かが倒されてもドライなギニュー特戦隊の2面性を表現しているのかも知れない。

ブロリー

ブロリーのコンセプトは、暴走と時間稼ぎだろう。

レベル2からのスタートであり、高性能な突進スキルや、ダメージの高い気弾など、高い戦闘能力が与えられている。
また、進化時に体力が回復したり、全形態にアルティメット必殺技があったりと、やりたい放題。
初動狩りを始めとして、攻撃を与えることで進化ゲージを増やしていけるため、大暴れするには十分な性能が与えられている。

一方で、超トランスボールが各レベルごとに3回投下され、サバイバー側の物資が増加しており、サバイバー側が戦闘で対抗しやすくなっている。
特に、超トランスボールは、暴れまわるブロリーを足止めして時間を稼げ、場合によっては討伐を狙うための重要な戦力になる。

また、進化してから超トランスボールが登場するまで少しタイムラグがあるため、その間どうやって時間を稼ぐか、という問題も意図された設計だと思われる。
特に、レベル4へ進化した直後はゴジータが到着するまでの間、なんとか持ちこたえる必要があるのだが、これはフュージョンが成功するまでの間、ボコられていたフリーザを思わせる。

総じて、能力の高いブロリーをどう暴れさせるか、どう抑え込んで時間を稼ぐか、という設計になっているといえるだろう。

また、初動狩り性能が盛られていた理由のひとつとして、シーズン4で復活したレイダー専マッチとの兼ね合いという可能性も考えられる。

このゲームでレイダー専マッチが成立しない最大の理由は、1対7という偏った人数設定。
他の非対称対戦ゲームを鑑みるに、1対4ぐらいであればある程度対戦は成立すると考えられる。

そこで、初動狩りや戦闘によって、サバイバーを早期に数人退場させることで、擬似的にサバイバーの必要人数を減らし、レイダー専マッチを回りやすくしようという意図があった可能性がある。
実際、初動で退場者が出ても超トランスボールのおかげである程度超TM戦を戦えるので、早期に退場者が出ること前提で調整されていると思われる。

だが、レイダー専マッチは即座に不具合が発生し中止されてしまったため、もしもこの考察通りならコンセプトの一部が早々に頓挫してしまったことになる。

ザマス&ゴクウブラック

ザマス&ゴクウブラックのコンセプトは、さらなるインフレだろう。

全レベルで気の探知と突進技を持っていたり、レベル1のザマスからレベル2のゴクウブラックへの進化は討伐されることでも可能と、過去のレイダーの優秀だった部分を一部引き継いでいる*6

また、通常気弾や必殺技のダメージと性能が高く、パッシブスキルレジスタンスが無ければあっという間にチェンジを解除させられてしまうほど。

他にも、独自要素として、レベル2~3ではNPCザマスが徘徊してサバイバーに攻撃を仕掛けてくれたり、必殺技の射程が長く、爆風範囲も広いため狙撃が手軽に行えると言った要素も盛り込まれている。

その反面、ブロリーと同じくサバイバー側の物資が増えたり、レベル3とレベル4になると超トランスボールが出現するため、常に体力の低さに悩まされるレイダーでもある。

サバイバーは何度もチェンジを繰り返し、超TBの高火力気弾を連発する一方、レイダー側も高火力必殺技を連射出来る。
お互いにインフレした、やるかやられるかというバトルが繰り広げられるよう設計されていると言えるだろう。

実は全体的にハイスペックなだけでクセがなく、キャラパワーを引き出せさえすれば、ある程度強い。

ベビー

ベビーのコンセプトは、寄生民間人やしもべを駆使してサバイバーを罠に嵌めるトラップ型レイダーだろう。
最も特徴的なのが、レベル1の民間人フェーズ。
場所が共有されず、近づきさえすれば一発でダウンが取れるという尖りに尖った性能をしている。

寄生民間人は移動先でありながら、足止めのトラップを兼ねており、本体の位置がバレたとしても、民間人の救助に対してある程度の圧力をかけつづける。
本体は何もしなければ一切音を発さないので、見通しの悪いところに潜んでいるとほぼ分からない、という点も拍車をかける。

一方で、民間人救助を控えすぎると、時間経過でレベル2に進化する上、寄生されていない民間人が残っていると早期にレベル3が出てきてしまう。
ベビー側も寄生民間人を密着させたり、寄生していない民間人の近くを巡回するなど、狙って民間人を残すことも出来てしまう。

この相反する2つの圧力で、待ちの姿勢でもサバイバーたちを罠に嵌めることが出来るようになっている。

レベル2以降も寄生民間人は、足止めかつ位置通知が出来るトラップとして多少は機能してくれる。
また、フィニッシュしたサバのスキルを1つ封印出来るので、蘇生されたとしても再ダウンが取りやすい。
退場が取れればしもべに監視やら戦闘補助を任せられるなど作った有利が後半まで繋げやすい。
そして、取った有利を活かしてレベル4になれれば事実上ほぼ勝ちになる。

序盤に罠に嵌めて、その有利を広げることで展開を取っていくというスノーボール的な性質が特に強いレイダーとも言えるだろう。

ガンマ1号&ガンマ2号

ガンマ1号&ガンマ2号のコンセプトは、サバイバーとレイダー側の逆転だろう。

今までのレイダーが悪役だったのに対して、ガンマたちは正義のヒーローであるためか、レイダーとサバイバーの立場が逆転するような設計になっている。

もっともわかりやすい点としては、序盤からサバイバーがレイダーに絡んで探索妨害をしていく必要がある点だろう。
ガンマたちは起動キーを回収することで、起動フェイズ開始を遅延することが出来る。そのため、極論ではあるが、サバイバーに関与せずに探索を続けるだけで有利な展開を作っていける。
また、必要な民間人数は少し多いものの、生体スコープにより妨害がなければサバイバーをダウンさせることなくレベル3に到達することも十分可能。
そのため、サバイバーとレイダーが双方開始地点付近を探索した場合、ガンマ側の方が有利を取れる設計となっている。

従来のレイダーではいかにサバイバーに絡んで探索を妨害するか、ということを考える必要があったのだが、ガンマたちに関しては、サバイバー側がいかにレイダーの探索を阻害するか、ということを考える必要がある。

この立場の逆転がコンセプトになっている都合上、サバイバーに高度な動きを要求する高難度レイダーとも言えるだろう。

また、マゼンタチャレンジもレイダー側がサバイバーから逃げ回るという意味で立場逆転を表現していると思われる。


*1 実装当初のセル(第一形態)セル(第二形態)の通常気弾の射程は明らかに現在より短かった。レベル2の通常気弾の射程は80~100mくらいだったり、セル(完全体)のオールクリアの射程もロック範囲くらいまでしかなかったなど、おそらく遠距離型のフリーザに対してセルは近距離型を意識していたと思われる。
*2 そもそもな話、初期のセルは2→3になるのに民間人5人or民間人3人+サバイバー1人だったようにレベル2からレベル3になるのが寧ろ遅い。もっと言えば3→4になるのも今より1人多かったため、レベル4のセル(完全体)になるまでの総フィニッシュ数が初期の魔人ブウと同数という、あくまで初速だけが速いキャラだった。
*3 シーズン7のアップデートで、卵の位置にワープできるようになったため、時間をかけて戻る必要はなくなった。
*4 シーズン4のアップデートで少し早くなった。
*5 実際、シーズン3開始前のPTSサーバーで使用できたギニュー特戦隊の性能は、当時の常識を覆す強さだった。
*6 ただ、討伐による進化は徘徊するNPCザマスの復活時間が伸びると言うデメリットがあるが。