モンハン用語/トラウマクエスト

Last-modified: 2024-03-04 (月) 16:06:57

前触れもない脅威によって多くのプレイヤーに恐怖感を植え付けるクエスト群。

  • モンハン以外の全く関係ないゲームにも「トラウマクエスト」と言うものが存在することがあるが、
    本項ではモンハン用語として使われているもののみを紹介する。

「トラウマ」の解説

  • トラウマ(trauma)」はギリシャ語で「」の事。
    元々は物理的外傷を意味する言葉であったが、
    1887年にフランスの心理学者ピエール・ジャネ教授が精神的外傷を示す言葉として
    「トラウマ」*1という言葉を用いてから、現在に至っている。
    • 近年ではトラウマにより心身に悪影響を及ぼす症状を
      Post Traumatic Stress Disorder」の頭文字を取って「PTSD」と呼ぶ機会が多くなった。
    • また、トラウマクエストの様な精神的外傷となるような体験を、
      外傷体験「traumatic experience(トラウマティック エクスペリエンス)」という。

目次

「トラウマクエスト」の概要

  • MHシリーズではほぼ定番となった、該当作品やその前作におけるメインモンスターが、
    ゲームスタートから間もない時期の採集あるいは小型モンスターの討伐クエストなどの
    現在の装備とプレイヤースキルではとうてい歯が立たないタイミングで乱入してくる、
    もしくは、前情報なしで突然高ランクのモンスターが出現するクエストのことであり、
    訳もわからず叩き潰されたプレイヤーにトラウマを植え付けるクエストである。
    しかも殆どの場合、クエスト依頼書には「出現する可能性がある」とすら書いていないので、
    余計に性質が悪い。そして心臓にも悪い。
  • ほぼ全てのクエストがストーリー進行に必要なクエストに設定されており、避けて通ることはできない。
    集会所で先に体験しない限り、どうやっても一度はこの危機的状況を味わう必要がある。
  • クエスト名が不穏な名前だったり、
    その割に依頼主がやたらと安全性を強調してきたり不穏な噂を否定していたりするので、
    慣れたプレイヤーであればプレイ前から推測はしやすい。
    しかしそこはドSのカプコン、そんなベテラン達であっても度肝を抜かれるような様々な工夫を凝らしている。
  • なお、これらのトラウマクエストに登場するモンスターはやろうと思えば倒すことも一応可能
    (MH3(G)のラギアクルス、MH4(G)のゴア・マガラ、MH4Gのセルレギオス、MHXXのバルファルク除く)。
    ただし、これらのクエストはいわゆる下位簡単クエスト扱いであり、
    鱗や甲殻などの最低限度の素材しか入手できないため、その段階では武具を作成できない。
    何より、メインターゲットは乱入してきたモンスターではないため、
    乱入者は倒したけどメインターゲットが間に合わずに時間切れなどということのないように。
  • 一人で挑むからこそ恐怖やトラウマが刻み込まれるということなのか、
    この手のクエストの大半は村などのオフライン用クエストに用意されている。
    また、G級作品では引継ぎを行ったプレイヤーはある程度装備が整っている為かほとんど登場しない。
    メインモンスターではないが、
    MH4Gにおける集会所G1クエストに極限状態ラージャンが乱入してくるという新手のトラウマクエストも存在する。
    • この特性上、村と集会所(オン)の区別がないMHWorldと、
      完全オンラインのMHF、最初から徘徊している大型モンスターの位置が見えているMHRiseには
      後述のようなトラウマクエストは存在しない。
      ただ、MHWorldでは任務クエスト中に依頼文に無い大型モンスターに遭遇し、
      その場でクエスト目標がモンスターの狩猟に切り替わったり、
      探索中に本来はHRが足りず受注できないモンスターと遭遇する可能性がある
      (一番最初のマップである古代樹の森からして初期装備では歯が立たないがうろついている)。
    • MHFにおいては天廊の番人の登場するクエストが実装時にはHR1から受注できたため、
      事前に十分警告されるものの、怖いもの見たさに挑戦した新規プレイヤーの心をへし折った。
      また、いわゆる「初見殺し」的なモンスターが数多く存在していたため、
      熟達したプレイヤーであってもそちらでトラウマを植えつけられることもあった。

作品ごとの補足

  • ドSのカプコンらしく第一作のMH無印からいきなりこの手のクエストを用意している。
    しかもそれは親元から盗み出して逃げ切ってこいと言う、
    歴代でもトップクラスにトラウマになりそうな内容のクエストであった。
    しかしこれだけで終わらず、その後も制限時間が短くなったり、納品する卵の数が増えたりと、
    ことあるごとに卵を運ばせるクエストが出てくると言うドSっぷりであった。
    もちろん、それら全てのクエストでリオレウスはきっちりと出現するのは言うまでもない。
    オマケに全部オフラインクエスト。そのため、仲間に手伝ってもらう事すらできなかった。
    • MHGやMHPでも相変わらず飛竜の卵を運ばせてくるが、
      出現モンスターがリオレイアに変更されたり、一部がオンラインのクエストに変更になるなど、
      全体的に見れば若干ではあるが難易度は低下している。
  • MH2ではトラウマクエストにあたるクエストはない。
    が、本作では序盤から赴くことになる密林に、攻撃力がやけに高くしかも無駄にタフで、おまけに
    ビジュアル面でも生理的に難アリコンガヤオザミが出現する。
    裸や初期装備だとたった一撃で体力ゲージをかなり持っていかれる為、
    人によってはこれらのモンスターにトラウマを植え付けられたことだろう。
  • MHP3では村★1に「恐怖の予兆」とあからさまな名前の採集クエストが存在し、
    誰もがジンオウガの出現を予感したが実際に現れたのはこちらの予想を裏切るアオアシラ
    ★1から★2に上がる為の緊急クエストの相手なので大したことは無く、
    しかもステータスに補正も掛かっていないので小細工無しで普通に倒せる。
    相手が弱いのは楽なのでいい事なのだが、今までの伝統から考えると予想の斜め上の相手である。
    …と安心していると…
  • MH3GではMH3の流れを踏襲していることから
    ラギアクルスとのトラウマクエストに慣れたプレイヤーもおるが、
    上位にあがりたての頃に、MH3を象徴する「飛竜・海竜・獣竜」の内から
    それまでトラウマクエストを担当して来なかった「獣竜種」が
    「飛竜の王」リオレウスや、「海洋の支配者」ラギアクルスのそれに匹敵し得るインパクトを携えて立ちはだかるのだった…。
  • MH4ではトラウマクエストに当たるクエストは存在しなかったが、
    思いもよらぬタイミングでゴア・マガラが襲い掛かってくる。
  • MHXでは過去作の拠点となった村が復活し、同時にそれぞれの村クエにおけるトラウマクエストも復活。
    過去作を経験し既に幾度も狩猟を重ねているベテランハンターは、
    「トラウマクエストとはいっても出てくるのは既に相手をした連中だろう」と、対処法を思い返しつつクエストを受注。
    ……が、そこに現れたのは、過去に出会った彼らとは似ても似つかぬ、全く知らない奴ら
    そう、実はこれらのクエスト群は、「復活した過去作のトラウマクエスト」を騙った、
    「今作初登場のメインモンスター達のトラウマクエスト」なのである。
    初心者はもちろん、シリーズ経験者も驚かされる、今までは一味違う仕様となっている。
    また、残るベルナ村のトラウマクエストも、これまでとはまた違う形でインパクトのある物となっている。
    • とはいえ、「トラウマクエストで出るのはメインモンスター」と認識していれば
      今作のメインモンスターが出てくる可能性は十分に推測可能だし、
      「トラウマクエストを最後のお楽しみに取っておいて他のクエストを埋める」人だと
      トラウマクエストらしきクエストが最後に4つ残るため、
      メインモンスター4体と結びつけるのは決して難しくはないだろう。
      …それでもベルナ村のアレは予測不可能なわけだが。
    • また、今作のトラウマクエストでは部位破壊報酬が発生しない。
      MH3Gのラギアクルスでは部位破壊報酬だけで装備が作成できたため、
      早い段階からメインモンスターの装備を作られることへの対策だと思われる。
  • MHXXでは村上位最初のババコンガのクエストをクリアした直後、
    「WARNING」の文字を噛み砕く演出とともにバルファルクが現れる。
    …のだがすぐ飛び去ってしまう。
    その後、「彗星の前にあらわる鎧竜」と言う緊急クエストでメインターゲットであるグラビモスを狩猟した直後に、
    再びWARNING の文字を噛み砕く演出が入り、乱入してくる。
    • なお、このクエストは撃退クエストとなっており、さらには部位破壊報酬などは一切貰えない。
  • MHWorldではゾラ・マグダラオス捕獲作戦の終盤でネルギガンテが乱入する。
    こちらもMHXXのバルファルクと同じで一定ダメージを与えるとイベントが起きて撃退して終了となる。
  • MHW:I以降はこの手のトラウマクエストは登場しなくなった。
    とは言え「メインモンスターとの早すぎる遭遇」と言う要素自体はシリーズのお約束として続いており、
    ストーリー中のムービーでメインモンスターの顔見せは描かれている。
  • MHR:Sでもメインモンスターの顔見せはムービーで済まされた。
    しかし、緊急クエストである「キュリア集結」における演出がトラウマチックになっており、
    今作におけるトラウマクエスト枠として知られている。
    内容はルナガロンを一頭狩猟するだけなのだが、
    フィールド上に大小問わず多数のモンスターの死骸が設置、BGMは恐怖を煽る不穏なもので固定され、
    更には狩猟対象のルナガロンもキュリアが纏わり付いた異様な姿になっており、
    今までとは別ベクトルの恐怖でハンター達にトラウマを植え付けた。
  • 派生作品でジャンルも異なるが、MHSTでリモンから受注できる、
    リオレイア亜種を討伐するサブクエストもトラウマクエストと認識されている場合が多い。
  • クエストという形式ではないが、MHNowでは初のイベントである「ディアブロス襲来!」にて
    ディアブロス亜種が告知なしのサプライズ登場を果たし、
    他モンスターと一線を画した戦闘力でハンター達にトラウマを刻んだ。
    こちらは開発直々にそうした意図があっての采配だったことが明かされている、稀有な例である。

トラウマクエスト一覧

MH
MHP
MHP2(G)
MH3(G)
MHP3
  • クエスト/恐怖の予兆 - アオアシラが予告なしで出現する。
    …が、正直これは下記の前座に過ぎず、トラウマと言えるものではない。
  • クエスト/ざわめく森 - クリア後にジンオウガの乱入クエストが発生する(初回クリア時は確定で乱入)。
MH4
  • 厳密にはクエストではないが、シナト村への移動中、海上でゴア・マガラの襲撃を受けるイベントが発生する。
    詳細はこちらを参照。
MH4G
  • クエスト/灯りさす火を求むれど射干玉の - 雌火竜捕獲まであと一息の所で、セルレギオス乱入イベントが発生。
    そして、そのまま強制的にクエスト失敗扱いとなってしまうという前代未聞の事態に
    ただし上記のクエストと違い、専用の狩猟クエストまで狩猟は出来ない。
MHX
MHXX
MHWorld
MHR:S
  • クエスト/キュリア集結 - ルナガロンの姿がキュリアが纏わりついた異様なものになっている。
    また、BGM、フィールドオブジェクトなどにホラーチックな演出が為されている。
MHST
  • クエスト/桜色の季節 - リオレイア亜種の強化個体の討伐が目的…なのだが、
    そもそもこのクエストが受注できる時点では、
    通常のリオレイア亜種ですら明らかに場違いな強さを誇る強敵である。
    つまりこのクエストは、場違いなタイミングと場違いな強化個体を掛け合わせた掟破りの場違いクエストである。

余談

  • 筆頭リーダー過去の因縁からリオレイアがトラウマになっている。
    師匠はその際の負傷が原因で引退を余儀なくされ、顔に傷が残っている事から二重の意味で「トラウマ」と言える
    (先のセルレギオスのクエストがクエスト失敗扱いになるのもこのトラウマに起因している)。
    ポッケ村の先代専属ハンターもティガレックスによって利き腕に手ひどい大怪我を負った事で引退しており、
    こちらも本来的にはトラウマの範疇であろう。
    船大工の親方もほぼ同様であるが、彼の場合は「ハンター業とはそういうモンだ!」と
    少なくとも心理的に引きずっている様子はない。
  • 臆病なオトモアイルーはアカムトルムがトラウマになっている…が、
    「ソニックブラストで船が破壊されたという話を聞いてからモンスターが怖くなった」らしいので、
    彼らと違い直接的なトラウマ体験は実はしていなかったりする。

関連項目

モンハン用語/メインモンスター - 殆どのトラウマクエストで乱入するのはメインモンスターである。
システム/キングモンスター - MHST2に登場する強力なモンスターにして本作でのトラウマクエスト枠。


*1 厳密には「psychological trauma(サイコロジカル トラウマ)」
*2 狩猟環境の仕様的には「乱入」ではなく、P2G以前同様非ターゲットとして登場している。「ジャギィノスの群れを狩れ」、「恐怖の予兆」も同様。